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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1258006
審判番号 不服2011-8060  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-15 
確定日 2012-06-07 
事件の表示 特願2005-366454「データ通信装置、データ通信システム、データ通信方法、及びそのプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 7月 5日出願公開、特開2007-174062〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成17年12月20日に出願されたものであって、平成22年10月13日付け拒絶理由に対して平成22年12月20日付けで手続補正書が提出されたが、平成23年1月7日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して平成23年4月15日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正書が提出されている。

第2 平成23年4月15日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成23年4月15日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明

当該補正書による補正後の請求項に係る発明は、平成23年4月15日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された次のものと認められる。

【請求項1】
記憶装置と通信可能なデータ通信装置であって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段と、
ユーザをログインさせるログイン処理手段と、
前記ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスするアクセス手段と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせることを可能とするログアウト処理手段とを備え、
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記ログイン処理手段によりユーザがログインした場合に、該ユーザは前記データ通信装置に備えられた機能を用いた処理を実行するための指示を行うことが可能となることを特徴とする請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記識別情報と前記記憶装置の記憶領域を示す情報とを対応付けて管理する管理手段を更に備え、
前記アクセス手段は、前記管理手段により管理されている情報に基づいて、前記入力手段により入力された識別情報に対応する前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
前記記憶領域を示す情報は、前記記憶装置にユーザ毎に区別して設定された記憶領域を特定する情報であることを特徴とする請求項3に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
前記データ通信装置は複数の前記記憶装置と接続され、
前記記憶領域を示す情報は、前記複数の記憶装置のうち少なくとも一つの記憶装置に備えられた記憶領域を特定する情報であることを特徴とする請求項3に記載のデータ通信装置。
【請求項6】
前記データ処理を実行中である場合には、前記ログイン処理手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、新たにユーザをログインさせないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項7】
前記ログイン処理手段は、前記データ処理の実行中に新たに入力された識別情報に基づいてアクセス可能な記憶領域が前回入力された識別情報に基づいてアクセス可能な記憶領域と異なる場合には、前記ユーザがログアウトした後でも、新たにユーザをログインさせず、
前記ログイン処理手段は、前記データ処理の実行中に新たに入力された識別情報に基づいてアクセス可能な記憶領域が前回入力された識別情報に基づいてアクセス可能な記憶領域と同じ場合には、新たにユーザをログインさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項8】
前記データ処理を実行中である場合でも、前記ログイン処理手段は、前記ユーザがログアウトした後には、新たにユーザをログインさせることを可能とし、
前記データ処理を実行中である場合には、前記ログイン手段により新たにユーザがログインした場合であっても、前記アクセス手段は、新たに入力された識別情報に基づいてアクセス可能な記憶領域にアクセスしないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項9】
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後も、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスし、前記データ処理が完了した場合または前記データ処理でエラーが発生した場合には、前記アクセス手段はアクセス状態を解除することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項10】
前記データ通信装置はネットワークを介して前記記憶装置と通信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項11】
記憶装置とネットワークを介して接続され、前記記憶装置と前記ネットワークを介して通信可能なデータ通信システムであって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段と、
ユーザをログインさせるログイン処理手段と、
前記ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスするアクセス手段と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせることを可能とするログアウト処理手段とを備え、
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項12】
記憶装置と通信可能なデータ通信装置で実行されるデータ通信方法であって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力工程と、
ユーザをログインさせるログイン処理工程と、
前記ログイン処理工程においてログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域へのアクセスを実行するアクセス工程と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせるログアウト処理工程とを有し、
前記データ処理を実行中である場合には、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信方法。
【請求項13】
記憶装置と通信可能なコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力工程と、
ユーザをログインさせるログイン処理工程と、
前記ログイン処理工程においてログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域へのアクセスを実行するアクセス工程と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせるログアウト処理工程とを前記コンピュータに実行させ、
前記データ処理を実行中である場合には、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスするよう前記コンピュータを制御するプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。

この補正は、補正前の請求項における発明特定事項を限定的に減縮したものであるから、当該補正は特許法第17条の2第4項第2号(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、これを平成18年改正前特許法と記す)第17条の2第4項第2号))に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、補正後の請求項1ないし14の内、請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができたものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。
以下、平成23年4月15日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明を「本願補正後発明」とする。

[本願補正後発明]
記憶装置と通信可能なデータ通信装置であって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段と、
ユーザをログインさせるログイン処理手段と、
前記ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスするアクセス手段と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせることを可能とするログアウト処理手段とを備え、
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信装置。

2.公知刊行物の記載

原査定の拒絶の理由で引用された刊行物1
(大津 真著:コマンド制覇への道,Linux WORLD 第4巻第3号,第138頁?第141頁;IDGジャパン,2005年 3月 1日発行;日本))
の第138頁には、以下(ア)の記載がある。

(ア)
「nohupコマンド

基本的な使い方

サーバ・マシンなどを管理している場合、sshなどを使ってリモート・マシンからログイン操作を行うケースが多い。しかし、リモートからログインしたシェル上で実行したコマンドは、ユーザーがログアウトすると実行が中止されてしまう。これは、ログアウト時にプロセスの終了を促すSIGHUPシグナルが送られるからだ。バックアップなど、処理に時間のかかる操作を行う場合、これは不便である。
ログアウトでもコマンドの実行を続けたい場合は、nohupを使ってそのコマンドを実行すればよい。そうすれば、起動したプロセスはSIGHUPシグナルを無視するようになるので、ログアウト後も実行を続ける。 」

そうすると、当該(ア)の記載から、刊行物1には、次の(イ)なる発明が実質的に記載されているといえる。
以下、これを「刊行物1発明」という。

[刊行物1発明]
(イ)サーバ・マシンを管理するリモート・マシンであって、
リモート・マシンはsshを使ってログイン、ログアウトや操作を行うものであり、
ログインにより実行されたコマンドに関し、バックアップのような処理に時間のかかるコマンドについて、nohupコマンドを実行することにより、ログアウト後でもコマンドの実行が続けられるリモート・マシン。

3 対比

本願補正後発明と刊行物1発明とを対比する。

刊行物1発明の「サーバ・マシン」は、データを記憶し、転送する装置であるから、本願補正後発明の「記憶装置」に相当する。
刊行物1発明の「リモート・マシン」は、操作することにより「サーバ・マシン」を管理する装置であって、「ssh」は、サーバとのファイルやデータのやりとりに用いられる方式の一種であるから、「リモート・マシン」は、「サーバ・マシン」に接続され「サーバ・マシン」と通信可能な装置であり、本願補正後発明の「データ通信装置」に相当する。また、バックアップのような処理はデータ処理の一態様である。
なお、サーバとのファイルやデータのやりとりを行う際には、記憶装置の所定の記憶領域にアクセスするアクセス手段が必要であることは当然のことであるから、刊行物1発明が、記憶装置の所定の記憶領域にアクセスするアクセス手段を有していることは自明である。
そして、刊行物1発明の「リモート・マシン」は、ログイン、ログアウトや操作を行うものであるから、「ログイン処理手段」、「ログアウト処理手段」を備え、ログインしてコマンドを実行させるものであるから、ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従ってコマンドを実行するものであり、ログアウトでもコマンドの実行を続けたい場合にそのコマンドを継続して実行可能とする点で本願補正後発明と同様の機能を実行するものである。

そうすると、本願補正後発明と刊行物1発明とは、 次の(ウ)において一致し、(エ)、(オ)において一応の相違がある。

[一致点]
(ウ)記憶装置と通信可能なデータ通信装置であって、
ユーザをログインさせるログイン処理手段と、
ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従って、記憶装置の記憶領域にアクセスするアクセス手段と、
データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせることを可能とするログアウト処理手段とを備え、
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、アクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信装置。

[相違点]
(エ)本願補正後発明が、「記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段」を備え、アクセス手段が「識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスする」ものであるのに対し、刊行物1発明は、そのような内容に言及されていない点。

(オ)本願補正後発明が、「スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行する」というものであるのに対し、刊行物1発明では、実行するコマンドの内容について言及されていない点。

4 当審の判断
上記相違点(エ)、(オ)について検討する。

(1)相違点(エ)について

本願の明細書の段落【0007】に従来技術として記載されているように、企業内ネットワークや、その他ローカルエリアネットワーク内において、ファイルサーバを用い、ネットワークを介して複数のユーザでデータを共有するデータ通信システムにおいて、ユーザ毎に共有データへのアクセスを制御する技術は周知である。(例えば、特開2001-188699号公報)
そのようなデータを共有するデータ通信システムにおいては、ファイルサーバに記憶される個々のデータ、ファイルは、個々のデータ、ファイルについての権限を有するユーザ単位で管理されることが普通である。
そして、個々のデータ、ファイルについてユーザ単位で管理するために、例えばユーザID等の識別情報を記憶したICカードと暗証番号を用いてユーザ認証が行われる。

すなわち、企業内ネットワークや、その他ローカルエリアネットワーク内において、ファイル・サーバの管理手法として、「記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段」を備え、アクセス手段が「識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスする」ことは、極めて普通に行われていることである。

したがって、刊行物1発明において、「記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段」を備え、アクセス手段が「識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスする」ようにすることは単なる設計的事項であって、証拠方法を提示するまでもなく、当業者であれば容易に想考し得ることである。

(2)相違点(オ)について

ファイル・サーバを管理するとは、ファイル・サーバにアクセスして処理を実行することであって、ファイル・サーバにデータやファイルを格納すること、またファイル・サーバからデータやファイルを読み出して、所望の機器に転送することに他ならない。
したがって、刊行物1発明におけるコマンドが、「ログイン処理手段によりログインしたユーザの指示に従って、データを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理」に対するコマンドを包含することは自明である。

そしてファイル・サーバ格納するデータが、スキャナで読み取ったデータであることは、データの入手元がスキャナであることを限定するものであるが、情報処理装置にスキャナが併存し、コマンドによりスキャナで読み取ったデータを処理するということは極めて普通のことであって、データの入手元がスキャナであることを限定することに格別の想考困難性はない。

したがって、刊行物1発明において、スキャナを併存し、「スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納するデータ処理を実行する」という処理内容を限定することは、当業者であれば容易に想考し得ることである。

5.補正の却下についてのむすび

以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明の認定

平成23年4月15日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、平成22年12月20日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1から請求項17までに記載した事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明は、下記のとおりである。

【請求項1】
記憶装置と通信可能なデータ通信装置であって、
前記記憶装置の記憶領域にアクセスするための識別情報を入力する入力手段と、
ユーザをログインさせるログイン処理手段と、
前記ログイン処理手段によりユーザがログインした場合に、前記記憶装置の記憶領域へのアクセスを必要とするデータ処理を実行するために、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスするアクセス手段と、
前記データ処理を実行中であっても、前記ユーザをログアウトさせることを可能とするログアウト処理手段とを備え、
前記データ処理を実行中である場合には、前記アクセス手段は、前記ユーザがログアウトした後でも、前記識別情報に基づいてアクセス可能な前記記憶装置の記憶領域にアクセスすることを特徴とするデータ通信装置。

2.引用刊行物に記載の発明

原査定の拒絶理由に引用された刊行物1の記載事項は、前記「第2」における[理由]の「2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願請求項1に係る発明は、前記「第2」における[理由]の「1.」で検討した本願補正後発明から、データ処理について、「ログインしたユーザの指示に従って、スキャナで読み取ったデータを前記記憶装置の記憶領域に格納する」ものであるという限定事項を省いたものである。
そうすると、本願請求項1に係る発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正後発明が、前記「第2における[理由]の「4.」に記載したとおり、引用刊行物の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願請求項1に係る発明も、同様の理由により、引用刊行物の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

本願請求項1に係る発明は、以上のとおり引用刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 まとめ

本願請求項1に係る発明についての判断は以上のとおりであるから、残る請求項2から請求項17に係る各発明について特に検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
したがって、審判請求の理由について審理した結果、拒絶査定を取り消す理由は存在しないから、結論のとおり審決する。

第5 付記

審判請求人は、審尋に対して提出した平成23年9月7日付け回答書において、補正案を示し、補正の機会を求めている。

しかしながら、そもそも、平成23年4月15日付けで補正された請求項に誤記は存在せず、原審の拒絶査定に瑕疵は存在しないから、該補正案を受け入れる余地はない。
また、仮に補正案を受け入れたとしても、当該補正案として示されている発明は、上記補正却下の決定における判断と同様に判断されるから、本件審決の結論が変わるものではない。
 
審理終結日 2012-04-04 
結審通知日 2012-04-10 
審決日 2012-04-24 
出願番号 特願2005-366454(P2005-366454)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松尾 淳一  
特許庁審判長 板橋 通孝
特許庁審判官 千葉 輝久
古川 哲也
発明の名称 データ通信装置、データ通信システム、データ通信方法、及びそのプログラム  
代理人 黒岩 創吾  
代理人 阿部 琢磨  

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