• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
管理番号 1258819
審判番号 不服2010-880  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-15 
確定日 2012-06-21 
事件の表示 平成11年特許願第 48051号「光記録媒体からの読取りおよび/または光記録媒体への書込みを実施する装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年10月19日出願公開、特開平11-288521〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年2月25日(パリ条約に基づく優先権主張 平成10年2月26日 ドイツ(DE))の出願であって、平成19年8月30日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年11月26日付けで手続補正がなされ、同年12月6日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成20年3月21日付けで手続補正がなされ、同年6月9日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年12月12日付けで手続補正がなされ、さらに、平成21年4月15日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年7月21日付けで意見書が提出されたが、同年9月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成22年1月15日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされた。
その後、当審がした平成23年6月9日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年12月12日付けで手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成23年12月12日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
光記録媒体からの読取りおよび/または光記録媒体への書込みを実施する装置であって、少なくとも1つの対応する検出部品をそれぞれが有する2つの検出ユニットを備えた走査ユニットと、評価ユニットと、前記走査ユニットおよび前記評価ユニットを接続するための共通のラインとを有し、各共通のラインが異なる検出ユニットの一対の対応する検出部品のうちの1つの検出部品を前記評価ユニットに接続する装置において、
対応する検出部品のうちの1つを前記共通のラインから切り離す切換え手段が設けられ、
前記切換え手段は、前記走査ユニット上で、前記検出部品と前記共通のラインの間に配置される、装置。」

3.当審の拒絶理由
当審において、平成23年6月9日付けで通知した拒絶理由の理由1と理由2の概要は、次のとおりである。

3-1.理由1(特許法第29条の2違反)
本件出願の請求項1?10に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特願平9-83623号(特開平10-283664号公報参照)の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

3-2.理由2(特許法第36条第6項第1号・第2号違反)
本件出願は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号・第2号に規定する要件を満たしていないというものであって、このうち特許法第36条第6項第2号違反について、具体的には以下のようなものである。
(1)『請求項5において、「切換え信号入力が、検出ユニットの他の入力と同一である・・」なる記載は意味不明瞭である。(切換え信号入力と他の入力との何が同一なのか? 上記下線部を「で兼用したものである」のように表現すべき。』(平成23年6月9日付け拒絶理由通知書に記載した「理由2(3)」)

(2)『「請求項9において、「それぞれの場合に読出しおよび/または記録に使用される特定の波長に適した複数の検出ユニットが設けられる、・・」とあるが、ここでいう「複数の検出ユニット」と、引用する請求項1に記載の「2つの検出ユニット」との関係が不明であり、この請求項9に係る発明は明確なものでない。(請求項9の上記記載を、例えば「前記2つの検出ユニットは、それぞれの場合に読出しおよび/または記録に使用される特定の波長に適したものである、・・」のように表現されたい。)』(平成23年6月9日付け拒絶理由通知書に記載した「理由2(6)」)

4.当審の判断
4-1.理由1(特許法第29条の2違反)について
(1)先願発明
当審が通知した拒絶の理由に引用された、本願優先権主張の日前の他の特許出願であって、本願優先権主張の日後に出願公開された特願平9-83623号(特開平10-283664号公報参照)の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、「先願明細書」という。)には、以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【請求項1】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の光源からの光を受光する第1の受光手段と、前記第2の光源からの光を受光する第2の受光手段と、第1の受光手段と第2の受光手段とを切り替え、いずれか一方からの信号を外部に出力する切換手段とを備えたことを特徴とする光ピックアップ。」

イ.「【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報の記録や再生を行う光ピックアップ装置に係り、特に、CDやCD-ROM、CD-R等の従来型光ディスクやデジタルビデオディスク(DVD、DVD-ROM、DVD-RAM)等の高密度光ディスクのようにディスク基板の厚みや記録密度等の規格の異なる光ディスクの記録や再生が可能な光ピックアップに関する。」

ウ.「【0079】図3は本発明の実施の形態1における受光手段の構成を示す図である。図3において、91aは高密度光ディスク用の受光部であり、受光部A,B,C,D,E,Fが形成されている。91bは低密度光ディスク用の受光部であり、受光部G、H、I、Jが形成されている。」

エ.「【0083】この受光手段91には、受光部A?J、Mで発生される光電流を電圧信号に変換する電流-電圧変換回路405a?jや、光源2の正電極が基準の電圧を越えているかどうかを比較する電圧比較器407、受光部ABF若しくは受光部CDEからの信号を加算する加算器406a,406bおよび電圧比較器407からの出力信号に基づいて受光部の切り換えを行うアナログスイッチ408a,408b等が半導体プロセスによって形成されており、図4にその概略図を示す。図4は本発明の実施の形態1における受光手段の内部回路の構成を示す図である。
【0084】高密度光ディスクからの反射光は第1光学部材72にもどり、光路分割手段83を透過した光は、結像される前に受光手段91の達し、受光部A、B、Eに図3に示すように半月状に像を形成する。また光路分割手段83で反射された光は、反射膜81で反射されて受光手段91に達する前に結像し、受光部C、D、F上に反転した半月状の像を形成する。それぞれの受光部で発生した光電流は電流-電圧変換回路で電圧信号に変換された後、そのまま出力されるとともに加算器へも送られ、(VA+VB+VF)と(VC+VD+VE)が形成される。この(VA+VB+VF)と(VC+VD+VE)の差を取ることによって、フォーカスエラー信号が形成される。このフォーカスエラー信号の形成方法はいわゆるスポットサイズ検出(SSD)法と呼ばれる方法である。
【0085】また、VA、VB、VC、VDは後段の信号処理回路400へ送られ、(VA+VC)と(VB+VD)の位相差を比較することによって、トラックエラー信号が得られる。このトラックエラー信号の形成方法はいわゆる位相差検出(DPD)法と呼ばれる方法である。また、(VA+VD)と(VB+VC)の差を取ることによってもトラックエラー信号が得られる(プッシュプル法)。いずれの方法に依るかはディスクの種類によって選択される。
【0086】次に低密度光ディスクからの反射光は第1光学部材72にもどり、ハーフミラーで形成される光路分割手段84を透過した光は、結像される前に受光手段91の達し、受光部H、G、Hに図のように円形状に像を形成する。また光路分割手段84で反射された光は、反射膜81で反射されて受光手段91に達する前に結像し、受光部G、H、G上に反転した円形状の像を形成する。また、光源9からに光は複数ビーム形成手段88によって予め3つのビームに分けられているので、光路分割手段84によってさらに分割され、受光部I、J上にも同様に円形状の像を形成する。それぞれの受光部で発生した光電流は電流-電圧変換回路405で電圧信号に変換される。形成されたVGとVHの差を取ることによって、高密度光ディスクの場合と同様にスポットサイズ検出法でフォーカスエラー信号が形成される。またVIとVJの差によってトラックエラー信号(3ビーム法)が得られる。
【0087】ここで、一般に高密度光ディスクと低密度光ディスクは同時に記録若しくは再生できないので、(VC+VD+VE)とVG、(VA+VB+VF)とVHはいずれか一方のみが出力されれば所定の信号形成を行うことができる。従って、受光手段91に内部スイッチを設けて、その内部スイッチを切り換えることにより、受光部91aからの出力と受光部91bからの出力とを切り換えられるようすれば、光学ヘッド1に設けられている受光手段からの信号を光学ヘッドの外部に出力する入出力端子(ピン70c)の数を削減できる。これによって光学ヘッド1を小型化することができるとともに、このような内部スイッチ408a,408bとしてはCMOS等の半導体プロセスによって形成されるアナログスイッチ等で形成できる。さらに同じ演算を行うので、後段の信号処理回路も統合することができ、回路規模を縮小化でき、装置全体の小型化と低消費電力化が実現できる。」

オ.「【0096】このように、複数の光源と、その複数の光源にそれぞれ対応する複数の光検出器とを備えた光ピックアップ若しくは光学ヘッドにおいて、光源の動作の有無を検出し、その出力に応じて、各光源に対応するの光検出器の出力を選択的に切り換えて出力することにより、光検出器からの信号線数を削減することができ、特にこれらの手段を集積化した光学ヘッドにおいては、光学ヘッドの入出力端子数を削減でき、光学ヘッド自体の大きさを小型化でき、さらに出力を選択するための制御信号を発生させる回路を素子の外部に設ける必要が無く、回路規模を縮小化できる。また、光検出器の信号を用いて、記録・再生や制御を行う信号処理回路を一部統合化することによって、回路部の簡素化が図れ、装置の小型化、低消費電力化を実現することができる。」

カ.受光部Gと受光部Hは、それぞれ3つの受光領域からなる。(図3)

キ.2つの内部スイッチ(408a、408b)それぞれと信号処理回路400とは、それぞれの信号ラインによって接続されている。(図4)

上記記載事項及び図面を総合勘案すると、先願明細書には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている。
「CD等の従来型光ディスクやDVD等の高密度光ディスクのように規格の異なる光ディスクの記録や再生が可能な光ピックアップであって、
受光部A,B,C,D,E,Fが形成されている高密度光ディスク用の受光部と、受光部G,H,I,Jが形成されている低密度光ディスク用の受光部と、高密度光ディスク用の受光部からの出力と低密度光ディスク用の受光部からの出力とを切り換える2つの内部スイッチと、が設けられた受光手段と、
フォーカスエラー信号等を形成する信号処理回路と、
前記2つの内部スイッチのうちの一方の内部スイッチと前記信号処理回路とを接続する信号ラインと、他方の内部スイッチと前記信号処理回路とを接続する別の信号ラインと、を備える光ピックアップにおいて、
前記2つの内部スイッチのうちの一方の内部スイッチは、前記受光部C,D,Eからの信号を加算して形成した電圧信号(VC+VD+VE)と3つの受光領域からなる前記受光部Gからの信号より形成した電圧信号VGのいずれか一方のみを前記信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力し、他方の内部スイッチは、前記受光部A,B,Fからの信号を加算して形成した電圧信号(VA+VB+VF)と3つの受光領域からなる前記受光部Hからの信号より形成した電圧信号VHのいずれか一方のみを前記別の信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力するものであり、受光手段からの信号線数を削減することができるとともに、信号処理回路も一部統合することができ、回路部の簡素化、装置全体の小型化を実現することができる光ピックアップ。」

(2)対比・判断
そこで、本願発明と先願発明とを対比すると、
ア.先願発明における「光ディスク」、「光ピックアップ」は、それぞれ本願発明における「光記録媒体」、「装置」に相当し、
先願発明における「CD等の従来型光ディスクやDVD等の高密度光ディスクのように規格の異なる光ディスクの記録や再生が可能な光ピックアップであって」は、本願発明における「光記録媒体からの読取りおよび/または光記録媒体への書込みを実施する装置であって」に相当する。

イ.先願発明における「受光部A,B,C,D,E,F」及び「受光部G,H,I,J」、「高密度光ディスク用の受光部」及び「低密度光ディスク用の受光部」、「受光手段」は、それぞれ本願発明における「検出部品」、「2つの検出ユニット」、「走査ユニット」に相当し、
先願発明における、フォーカスエラー等を形成する「信号処理回路」は、本願発明における「評価ユニット」に相当し、
先願発明における「内部スイッチ」は、引用発明における「切換え手段」に相当し、
先願発明における「信号ライン」は、引用発明における「共通のライン」に相当し、
先願発明における「前記2つの内部スイッチのうちの一方の内部スイッチは、前記受光部C,D,Eからの信号を加算して形成した電圧信号(VC+VD+VE)と3つの受光領域からなる前記受光部Gからの信号より形成した電圧信号VGのいずれか一方のみを前記信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力し、他方の内部スイッチは、前記受光部A,B,Fからの信号を加算して形成した電圧信号(VA+VB+VF)と3つの受光領域からなる前記受光部Hからの信号より形成した電圧信号VHのいずれか一方のみを前記他の信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力するものであり」によれば、高密度光ディスク用の受光部からの電圧信号(VC+VD+VE)と低密度光ディスク用の受光部からの電圧信号VGの一方のみが内部スイッチによって選択され、同様に、高密度光ディスク用の受光部からの電圧信号(VA+VB+VF)と低密度光ディスク用の受光部からの電圧信号VHの一方のみが内部スイッチによって選択されるものであることから、「受光部C,D,E」と「3つの受光領域からなる受光部G」との関係や「受光部A,B,F」と「3つの受光領域からなる受光部H」との関係が、ともに本願発明でいう「(一対の)対応する検出部品」の関係にあるということができ、
かかる関係を考慮すると、先願発明における「受光部A,B,C,D,E,Fが形成されている高密度光ディスク用の受光部と、受光部G,H,I,Jが形成されている低密度光ディスク用の受光部と、高密度光ディスク用の受光部からの出力と低密度光ディスク用の受光部からの出力とを切り換える2つの内部スイッチと、が設けられた受光手段と、フォーカスエラー信号等を形成する信号処理回路と、前記2つの内部スイッチのうちの一方の内部スイッチと前記信号処理回路とを接続する信号ラインと、他方の内部スイッチと前記信号処理回路とを接続する別の信号ラインと、を備える光ピックアップにおいて」によれば、本願発明と先願発明とは、「少なくとも1つの対応する検出部品をそれぞれが有する2つの検出ユニットを備えた走査ユニットと、評価ユニットと、前記走査ユニットおよび前記評価ユニットを接続するための共通のラインとを有し、各共通のラインが異なる検出ユニットの一対の対応する検出部品のうちの1つの検出部品を前記評価ユニットに接続する装置において」の点で一致するといえる。

ウ.さらに、先願発明における「・・2つの内部スイッチと、が設けられた受光手段と」によれば、本願発明と先願発明とは、「前記切換え手段は、前記走査ユニット上」に配置される点で一致し、
先願発明における「前記2つの内部スイッチのうちの一方の内部スイッチは、前記受光部C,D,Eからの信号を加算して形成した電圧信号(VC+VD+VE)と3つの受光領域からなる前記受光部Gからの信号より形成した電圧信号VGのいずれか一方のみを前記信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力し、他方の内部スイッチは、前記受光部A,B,Fからの信号を加算して形成した電圧信号(VA+VB+VF)と3つの受光領域からなる前記受光部Hからの信号より形成した電圧信号VHのいずれか一方のみを前記他の信号ラインを介して後段の前記信号処理回路に出力するものであり」によれば、2つの内部スイッチによって、それぞれ対応する一対の受光部のうちの一方のみが信号ラインに接続され、他方は信号ラインから切り離されるものであり、該内部スイッチはその受光部と信号ラインの間に配置されていることも明らかであるから、
結局、本願発明と先願発明とは、「対応する検出部品のうちの1つを前記共通のラインから切り離す切換え手段が設けられ、前記切換え手段は、前記走査ユニット上で、前記検出部品と前記共通のラインの間に配置される」点で一致する。

なお、請求人は平成23年12月12日付け意見書において、『・・本願の補正後の請求項1は、「(前記装置が)前記走査ユニットおよび前記評価ユニットを接続するための共通のライン・・・を有し、各共通のラインが異なる検出ユニットの一対の対応する検出部品のうちの1つの検出部品を前記評価ユニットに接続する」ことを記載しています(下線部は強調)。このように、一対の対応する検出部品のうちの1つを共通のラインに接続することには、別個のラインによって各検出部品が接続される場合よりも必要となるラインが少なくなるという利点があり、同時に、各検出部品の信号が評価ユニットに確実に送信されるとう利点もあります(下線部は強調)。これは、各検出部品により提供される情報の恩恵を受けられるため、さらなる処理にも利点がある。引用文献1の場合には、合算された信号(VC+VD+VE、VG、VA+VB+VF、VH)のみが共通のラインを通じて評価ユニットに送信されるため、評価ユニットにおいて利用可能となる情報が少なくなっている。よって、補正後の請求項1は、引用文献1に記載の発明とは顕著に異なる。・・』などと主張している。
かかる主張によれば、結局、一対の対応する検出部品における1つの「検出部品」というのは、本願発明では単一の検出領域(検出部)からなるものであるのに対して、先願発明では複数の受光領域(受光部)からなるものである点で相違すると述べているものと解されるが、請求人が摘示した上記の本願請求項1の記載部分やその余の本願請求項1の記載部分をみても、「検出部品」については何を検出するための部品であるのかさえも限定されておらず、単一の検出領域(検出部)からなるものを実質的に意味するとも到底特定することはできないばかりか、さらには、本願の発明の詳細な説明における「本発明では、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットのそれぞれの検出部品または検出部品群を、走査ユニットから評価ユニットに延びた1本の線に接続する。検出ユニットの部分、すなわち複数の検出部品を共通の線によって結合した後に評価ユニットに接続することも本発明の範囲に含まれる。」(段落【0005】28?32行目)なる記載も参照するに、請求人の上記主張は請求項及び発明の詳細な説明の記載に基づかないものであって、根拠のないものであると言わざるを得ない。

よって、先願発明は、本願発明における発明を特定するために必要な事項を実質的に全て備えており、本願発明と先願発明とは、
「光記録媒体からの読取りおよび/または光記録媒体への書込みを実施する装置であって、少なくとも1つの対応する検出部品をそれぞれが有する2つの検出ユニットを備えた走査ユニットと、評価ユニットと、前記走査ユニットおよび前記評価ユニットを接続するための共通のラインとを有し、各共通のラインが異なる検出ユニットの一対の対応する検出部品のうちの1つの検出部品を前記評価ユニットに接続する装置において、
対応する検出部品のうちの1つを前記共通のラインから切り離す切換え手段が設けられ、
前記切換え手段は、前記走査ユニット上で、前記検出部品と前記共通のラインの間に配置される、装置。」
である点で一致し、相違するところがない。

したがって、本願の請求項1に係る発明は、先願発明と実質的に同一である。

4-2.理由2(特許法第36条第6項第1号・第2号違反)について
(1)前記「3-2.(1)」に記載したとおりの指摘に対して、請求人は請求項5について何ら補正することなく、また、平成23年12月12日付け意見書において何ら具体的に反論してもいない。よって依然として、この指摘事項に関する記載不備は解消しておらず(例えば、請求項5を引用する請求項6に記載のように、他の入力が基準電圧入力である場合、切換え信号入力は、この他の入力と「同一である」とすると、例えば2.5ボルトといった一定の基準電圧のままの入力ということになり、如何にして切換え信号として働き得るのかが技術的にみて不明である)、請求項5に係る発明は明確なものでない。

(2)同様に、前記「3-2.(2)」に記載したとおりの指摘に対して、請求人は請求項9について何ら補正することなく、また、平成23年12月12日付け意見書において何ら具体的に反論してもいない。よって依然として、「複数の検出ユニット」と、引用する請求項1に記載の「2つの検出ユニット」との関係が不明であり、この指摘事項に関する記載不備は解消しておらず、請求項9に係る発明は明確なものでない。

したがって、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

5.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、先願発明と実質的に同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一ではなく、また、本願出願時において、その出願人が先願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
また、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないものである。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-01-19 
結審通知日 2012-01-25 
審決日 2012-02-07 
出願番号 特願平11-48051
審決分類 P 1 8・ 161- WZ (G11B)
P 1 8・ 537- WZ (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邊 聡石丸 昌平  
特許庁審判長 山田 洋一
特許庁審判官 早川 学
井上 信一
発明の名称 光記録媒体からの読取りおよび/または光記録媒体への書込みを実施する装置  
代理人 石井 たかし  
代理人 木越 力  
代理人 倉持 誠  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ