• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 F27B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F27B
管理番号 1258849
審判番号 不服2011-5113  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-03-07 
確定日 2012-06-21 
事件の表示 平成11年特許願第250492号「溶解炉及びその出湯流量制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 3月23日出願公開、特開2001- 74376〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成11年9月3日の出願であって、平成20年9月16日と平成21年7月14日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対し、平成20年11月25日と平成21年9月24日付けで願書に添付した明細書の手続補正がなされたが、平成22年6月30日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、その後、同年9月6日付けで明細書の更なる手続補正がなされたが、同年12月2日付けでこの更なる手続補正について却下の決定がなされて、同日付けで拒絶査定がなされたものである。
そして、本件審判は、この査定を不服として、平成23年3月7日に請求がなされたものであり、同日付けで明細書の手続補正もなされている。

2.補正の却下の決定

結 論:
平成23年3月7日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

理 由:
2-1.補正の内容

本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について次の補正事項を有する。

[補正前]
【請求項1】
溶解された導電性の溶解対象物である溶湯を収容するための収容室を形成する収容室体と、該収容室体の前記収容室と連通し、前記溶湯が自重で流下する出湯通路を有して該収容室体の底側に設けられた出湯機構体とを備えた溶解炉であって、
前記出湯機構体は、
前記収容室体に接続されて前記出湯通路を構成する逆円錐台状の逆円錐台部と、前記逆円錐台部に接続されて前記出湯通路を構成する円筒状の中空管部とを有する通路体と、
前記通路体の外周側において、極性が異なる端面同士が少なくとも前記逆円錐台部の底部を挟むように対向された磁性体を有し、前記溶湯に対して直交方向に前記磁性体の直流磁場を作用させて前記溶湯の流量を制御する出湯流量制御手段と、
を有することを特徴とする溶解炉。

[補正後](補正箇所に下線)
【請求項1】
溶解された導電性の溶解対象物である溶湯を収容するための収容室を形成する収容室体と、該収容室体の前記収容室と連通し、前記溶湯が自重で流下する出湯通路を有して該収容室体の底側に設けられた出湯機構体とを備えた溶解炉であって、
前記出湯機構体は、
前記収容室体に接続されて前記出湯通路を構成する逆円錐台状の逆円錐台部と、前記逆円錐台部に接続されて前記出湯通路を構成する円筒状の中空管部とを有するとともに、少なくとも当該逆円錐台部の底部から当該中空管部の下端部にかけて冷却水が流れる配管が埋設された通路体と、
前記通路体の外周側において、前記逆円錐台部の底部から前記中空管部の下端部にかけて極性が異なる端面同士が対向された磁性体を有し、前記溶湯に対して直交方向に前記磁性体の直流磁場を作用させて前記溶湯の流量を制御する出湯流量制御手段と、
を有することを特徴とする溶解炉。

2-2.補正の適否

本件補正後の請求項1には、「少なくとも当該逆円錐台部の底部から当該中空管部の下端部にかけて冷却水が流れる配管が埋設された(通路体)」との発明特定事項が記載されているが、本件補正前の請求項1には、通路体の内部構造や冷却に関する発明特定事項が記載されていない。
してみると、上記補正事項は、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものではないから、いわゆる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものではない。また、請求項の削除、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明を目的とするものでもない。
したがって、上記補正事項を含む本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明の認定

上述したように、本件補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年9月24日付けで手続補正された明細書の特許請求の範囲において、請求項1に記載された事項(「2-1」の[補正前]参照)により特定されるとおりのものと認められる。

4.原査定の理由

原審でなされた拒絶査定の理由は、
「本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
というものであり、次の文献が引用されている。
特開平11-6687号公報 (以下、「引用例1」という。)
特開平10-273707号公報(以下、「引用例2」という。)

5.引用例の記載事項

引用例1

摘記1-1:
【0012】請求項3の発明は、誘導加熱溶解炉であって、底部に形成された出湯部と、該底部から上縁部にかけて半径を増大させるように傾斜され、縦割り状の複数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することにより形成された側面壁とを有した収容手段と、前記出湯部および前記側面壁の外周側に配置され、前記収容手段に収容された溶解対象物を誘導加熱するコイル手段と、前記コイル手段に交流電力を供給する電源手段と、前記出湯部の開口と閉口とを前記溶解対象物の溶解と凝固とで切り替えるように、前記電源手段を制御する電源制御手段とを備えたことを特徴としている。

摘記1-2:
【0014】請求項4の発明は、請求項1または3記載の誘導加熱溶解炉であって、前記出湯部は、前記収容手段の底部に接合され、上部から下方に向かって口径を減少させるように形成された導入口部と、該導入口部と一体的にその下方に形成された中空筒状の流出口部とを有したことを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、出湯部の壁面に沿って溶解対象物が凝固した後、内周方向に凝固が進行する。従って、出湯部の閉口動作は、導入口部の最も小さな口径の下部から始まって上部方向に順に進行する。これにより、出湯部の全体が溶解対象物の凝固により大きな力で急激に閉口することがないため、出湯部の開口率を容易に増減させることが可能になり、結果として出湯量を微調整しながら溶湯を取り出すことができる。

摘記1-3:
【0017】請求項6の発明は、請求項1または3記載の誘導加熱溶解炉であって、前記コイル手段は、前記側面壁の外周側に配置された第1コイル手段と、前記出湯部の外周側に配置された第2コイル手段とに分離されており、前記電源手段は、前記第1コイル手段に電力を供給する第1電源手段と、前記第2コイル手段に電力を供給する第2電源手段とを有し、前記電源制御手段は、前記第1電源手段と前記第2電源手段とを独立に制御することを特徴としている。上記の構成によれば、溶解対象物の溶解と、溶湯の取り出しをそれぞれ独立して行うことができるため、生産性を向上させることができる。
【0018】請求項7の発明は、請求項6記載の誘導加熱溶解炉であって、前記第2電源手段は、溶解対象物を溶解させる程度の第1周波数の交流電力を出力する溶解用電源部と、溶解対象物を凝固させる程度の第2周波数の交流電力を出力する凝固用電源部とを有し、前記電源制御手段は、出湯部の開口時に前記溶解用電源部から交流電力を出力させる一方、出湯部の閉口時に前記凝固用電源部から交流電力を出力させることを特徴としている。上記の構成によれば、溶解用電源部と凝固用電源部との切り替えによって、出湯部の開口と閉口を容易に切り替えることができると共に、高周波および低周波の電力の供給時間を調整することによって、出湯量の調整も容易にできる。

摘記1-4:
【0035】次に、溶解対象物13の溶湯を取り出す場合には、溶解用電源部10を動作状態にすることによって、第1周波数(高周波数)の交流電力を第2誘導加熱コイル6に出力させる。第2誘導加熱コイル6に交流電力が供給されると、第2誘導加熱コイル6により高周波の交番磁場9が出湯部2の周辺に生成される。これにより、出湯部2の上方に存在するスカル14が誘導加熱により溶解することによって、出湯部2が開口した状態となり、溶解対象物13の溶湯が自重により出湯部2を介して外部に出湯される。
【0036】また、溶湯の取り出しを途中で中断したり、取り出し量を調整する場合には、第2誘導加熱コイル6への電力供給を溶解用電源部10から凝固用電源部11に切り替える。凝固用電源部11に切り替えると、出湯部2の周辺に第2周波数(低周波数)の交番磁場9が生成され、溶湯の表面からかなり深い部分まで渦電流が生じる。そして、この部分における電力密度が低くなり、加熱よりも専ら磁気圧が溶湯を上方に持ち上げるように作用する。これにより、出湯部2に加わる溶湯の自重による圧力が低減されることによって、出湯量が減少する。
【0037】このようにして出湯量が減少すると、溶湯から供給される熱量が減少し、出湯部2に接触している部分から凝固が始まり、出湯量をさらに減少させることによって、出湯部2の開口径が順次減少していくことになる。そして、溶解対象物13の凝固を完全に進行させれば、出湯部2が閉口するため、出湯を停止させることができる。一方、出湯部2が所定の開口径となったときに、第2誘導加熱コイル6への電力供給を凝固用電源部11から溶解用電源部10に切り替えれば、出湯部2の開口径の減少を停止させた後、開口径を増大させる方向に反転させることができる。従って、凝固用電源部11と溶解用電源部10との切り替えを制御することによって、出湯部2の開口径を一定に維持して所定の出湯量で溶解対象物13を取り出すことができる。

摘記1-5:
【図1】


引用例2

摘記2-1:
【0009】
【発明の実施の形態】この発明では、溶銑流速の制御を、直流磁場に交わる方向に運動する導体中に発生するところの、運動方向と逆方向に働く電磁力を用いて行うようにしたから、従来のような電磁ポンプやピンチ力による磁気圧を作用させる方法に比べて、少ないエネルギーで容易に溶銑流の速度、流量制御を行うことができる。
【0010】以下この発明の構成及びその作用を実施例を用いて説明する。この発明では、図1、図2に示すように、高炉炉底近傍の側壁9に配設した出銑孔1の炉外に面した吐出口部、又は出銑口に接続された管状流路部内に、上記出銑口を横切るように直流磁場を印加する装置11を設ける。
【0011】直流磁場印加装置11により、出銑孔1内又は管状流路部内を移動する溶銑に直流磁場12を印加すると、ファラデーの右手の法則により図3(a)に示すように、導電体である溶銑流には磁場12の方向と溶銑流方向13の両方に直交する方向に誘導電流14が発生する。誘導電流14は更に、直流磁場12と相互作用し、ファラデーの左手の法則により、図3(b) に示す様に、溶銑流の流動方向13と逆行する方向に(溶銑流に)作用するローレンツ力15を発生させる。このローレンツ力により、溶銑流に制動が加わり、溶銑流の速度は減速させられる。
・・・(中略)・・・
【0014】この発明において重要なことは、導電性の溶銑と非導電性の(厳密には、溶銑に比して著しく導電性の低い)溶滓の両方が流れている状況で直流磁場を印加する点である。溶銑流の流速を制御することにより、直接電磁力を作用させることができない溶滓流の制御を行うことは、従来の直流磁場による単一導電体流での流動制御(たとえば特公昭58-41141号公報)とは本質的に作用目的を異にするものである。
【0015】また、この発明において直流磁場を用いることはエネルギー消費においても大きな利点がある。すなわち、従来技術のように交番磁場による磁気圧(ビンチ力)を用いて溶銑流を絞る制御方式では、高周波を用いるので投入電力の多くが溶銑流内で発熱として消費される。加えて、高周波をコイルに通すため、非常に大きな回路インピーダンスになり、コンデンサー,トランス等の電源設備が大きくなるばかりか、給電回路内での損失も大きくなる。更に、漏れ磁束による制御装置や炉体銑皮等の高周波加熱を防止したり、電波障害を防ぐために、磁気シールド対策も必要である。
【0016】一方、この発明に従い、出銑滓の制御に直流磁場を用いる場合には、導電流体の速度エネルギーが発熱に変換されるため、外部からのエネルギ投入は必要でない。もちろん、直流磁場を電磁石によって発生させる場合には、直流電源が必要となったり、場合によっては超電導磁石を用いることも可能であるが、これらの使用によるロスは高周波を用いた上記交番磁場を用いる場合よりずっと小さくて済む。しかも、その給電は、高周波の場合よりずっと容易で、電磁波障害等の対応もとりやすい。

摘記2-2
【図2】


【図3】


6.引用発明の認定

引用例1には、誘導加熱溶解炉について、
「底部に形成された出湯部と、該底部から上縁部にかけて半径を増大させるように傾斜された側面壁とを有した収容手段と、前記出湯部および前記側面壁の外周側に配置され、前記収容手段に収容された溶解対象物を誘導加熱するコイル手段と、前記コイル手段に交流電力を供給する電源手段と、前記出湯部の開口と閉口とを前記溶解対象物の溶解と凝固とで切り替えるように、前記電源手段を制御する電源制御手段とを備えた」こと(摘記1-1,1-5)が記載されるとともに、さらに、
「前記出湯部は、前記収容手段の底部に接合され、上部から下方に向かって口径を減少させるように形成された導入口部と、該導入口部と一体的にその下方に形成された中空筒状の流出口部とを有した」こと(摘記1-2,1-5)や、「前記コイル手段は、前記側面壁の外周側に配置された第1コイル手段と、前記出湯部の外周側に配置された第2コイル手段とに分離され、前記電源手段は、前記第1コイル手段に電力を供給する第1電源手段と、前記第2コイル手段に電力を供給する第2電源手段とを有し、前記第2電源手段は、溶解対象物を溶解させる第1周波数の交流電力を出力する溶解用電源部と、溶解対象物を凝固させる第2周波数の交流電力を出力する凝固用電源部とを有し、前記電源制御手段は、出湯部の開口時に前記溶解用電源部から交流電力を出力させる一方、出湯部の閉口時に前記凝固用電源部から交流電力を出力させる」こと(摘記1-3,1-5)が記載されている。
そして、この誘導加熱溶解炉において、出湯時には、溶解用電源部から出力される第1周波数の交流電力により、誘導加熱で出湯部が開口して溶湯が自重で出湯し、また、出湯中断や出湯量調整時には、凝固用電源部から出力される第2周波数の交流電力により、磁気圧が溶湯に作用して、出湯量を減少させること(摘記1-4,1-5)が記載されている。
してみると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「底部に形成された出湯部と、該底部から上縁部にかけて半径を増大させるように傾斜された側面壁とを有した収容手段とを備え、収容手段に収容された溶解対象物を誘導加熱する誘導加熱溶解炉であって、
前記出湯部が、前記収容手段の底部に接合され、上部から下方に向かって口径を減少させるように形成された導入口部と、該導入口部と一体的にその下方に形成された中空筒状の流出口部とを有し、
前記出湯部の外周側に第2コイル手段を有し、この第2コイル手段に、溶解用電源部から交流電力を出力し、誘導加熱で出湯部を開口して溶湯を自重で出湯させる一方、凝固用電源部から交流電力を出力し、磁気圧により出湯量を減少させることで出湯量を調整する電源制御手段を有する誘導加熱溶解炉。」

7.発明の対比

本願発明と引用発明を対比する。
引用発明の「出湯部」「収容手段」「上部から下方に向かって口径を減少させるように形成された導入口部」「中空筒状の流出口部」「自重で出湯」「出湯量を調整する」は、それぞれ本願発明の「通路体」「収容室体」「逆円錐台状の逆円錐台部」「円筒状の中空管部」「自重で流下」「溶湯の流量を制御する」に相当する。
そして、引用発明において、誘導加熱される溶解対象物が導電性であるのは明らかだから、本願発明のうち
「溶解された導電性の溶解対象物である溶湯を収容するための収容室を形成する収容室体と、該収容室体の前記収容室と連通し、前記溶湯が自重で流下する出湯通路を有した溶解炉であって、
前記収容室体に接続されて前記出湯通路を構成する逆円錐台状の逆円錐台部と、前記逆円錐台部に接続されて前記出湯通路を構成する円筒状の中空管部とを有する通路体と、溶湯の流量を制御する出湯流量制御手段を有する溶解炉。」の点は引用発明と一致し、次の点で両者は相違する。

相違点:本願発明は、「収容室体の底側に設けられた出湯機構体を備え」、前記出湯機構体が、「前記通路体の外周側において、極性が異なる端面同士が少なくとも前記逆円錐台部の底部を挟むように対向された磁性体を有し」、「前記溶湯に対して直交方向に前記磁性体の直流磁場を作用させて」溶湯の流量を制御するのに対し、引用発明は、収容手段の底部に、「前記出湯部の外周側に第2コイル手段を有し」、「この第2コイル手段に、凝固用電源部から交流電力を出力し、磁気圧により出湯量を減少させることで」出湯量を調整する点。

8.容易性の判断

上記相違点について検討するに、引用例2には、出銑口に接続された管状流路部内に、上記出銑口を横切るように直流磁場を印加する装置を設け、直流磁場に交わる方向に運動する導体中に発生するところの、運動方向と逆方向に働くローレンツ力を用いて溶銑流速の制御を行う方法について、この方法が、交番磁場による磁気圧を用いて溶銑流速の制御をする方法に比べて、少ないエネルギーで容易に溶銑流の速度、流量制御を行うことができることや、この方法が、従来から、単一導電体流の流動制御として知られたものであること(摘記2-1,2-2)が記載されている。
してみると、出湯部を流れる単一導電体流の溶湯に対し、交番磁場による磁気圧を用いて出湯量調整をしている引用発明において、交番磁場を発生させている凝固用電源部に換え、収容手段の底部に出湯機構体として直流磁場印加装置を設け、直流磁場による出湯流量制御をすることは、エネルギー効率向上のために当業者が容易になし得た設計変更であり、その際、出湯部を流れる溶湯に十分な磁場を印加できるように、当該直流磁場印加装置を、出湯部の外周側において、極性が異なる端面同士が導入口部の底部を含め出湯部全体を挟むように対向された磁性体とすること、すなわち、上記相違点を解消することは、当業者にとって設計的選択事項の範囲内のことである。

9.むすび

以上のとおり、本願発明は、引用例1,2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、原査定の理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-19 
結審通知日 2012-04-24 
審決日 2012-05-09 
出願番号 特願平11-250492
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F27B)
P 1 8・ 572- Z (F27B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 國島 明弘  
特許庁審判長 山田 靖
特許庁審判官 佐藤 陽一
大橋 賢一
発明の名称 溶解炉及びその出湯流量制御方法  
代理人 須原 誠  
代理人 梶 良之  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ