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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1259045
審判番号 不服2010-26052  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-11-18 
確定日 2012-06-20 
事件の表示 特願2009- 69826「リソグラフィ装置及びデバイス製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 7月 2日出願公開、特開2009-147374〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成17年12月19日に出願した特願2005-364265号(パリ条約による優先権主張2004年12月20日、米国)の一部を平成21年3月23日に新たな特許出願としたものであって、平成22年4月22日付けで手続補正がなされたが、同年7月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。その後、平成23年6月2日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、同年9月5日付けで回答書が提出された。

第2 平成22年11月18日付けの手続補正の補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成22年11月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の請求項に記載された発明
平成22年11月18日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、本願の特許請求の範囲の請求項1は、特許請求の範囲の減縮を目的として、以下のように補正された。
「所望のパターンを投影ビームに付与するパターン形成装置と、
基板を保持する第1のテーブルと、
投影システムと、
投影システムと基板との間の空間に液体を供給する液体供給システムと、
前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第1の位置決めシステムと、
前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置から移動させる際に第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第2の位置決めシステムに接続され、かつ基板を保持するように構成されていない第2のテーブルと、
基板を保持する第3のテーブルと、
前記第1及び第3のテーブルのいずれか一方によって運ばれた基板を露光することのできる露光ステーションと、
前記第1及び第3のテーブルのいずれか一方によって運ばれた基板を測定することのできる測定ステーションと、を備え、
前記第1の位置決めシステムは2つのH型駆動装置を有し、H型駆動装置のそれぞれが第1及び第3のテーブルの一方を前記測定ステーション及び前記露光ステーションの一方の範囲内に位置決めし、
第1及び第3のテーブルが露光処理の終わりに前記測定ステーションと前記露光ステーションとの境界に位置決めされ前記第1の位置決めシステムから切り離され、H型駆動装置のそれぞれが他方のH型駆動装置によって解放されたテーブルを取り上げることで、前記第1の位置決めシステムが前記測定ステーションと前記露光ステーションとの間で前記第1及び第3のテーブルを交換するように構成され、
テーブル交換のために前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置から移動させる際に、前記第2の位置決めシステムは前記第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させ、前記第2のテーブルは、前記投影システムを清浄する清浄装置が取り付けられており、前記清浄装置は、投影システムを清浄するためにガス又はレーザーを用いることを特徴とするリソグラフィ装置。」

そこで、本願の補正後の上記請求項1に記載された発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下に検討する。

2.引用刊行物

引用文献1:国際公開第2004/105107号
引用文献2:特表2000-505958号公報

(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、上記引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(1a)頁番号1、4?5行
「本発明は、投影光学系と液体とを介して基板にパターンを露光する露光装置及びデバイス製造方法に関するものである。」
(1b)頁番号6、8?25行
「図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板P上に液体1を供給する液体供給機構10と、基板P上の液体1を回収する液体回収機構(第1液体回収機構)30とを備えている。本実施形態において、液体1には純水が用いられる。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体1により投影光学系PLの投影領域AR1を含む基板P上の少なくとも一部に液浸領域AR2を形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基板Pの表面(露光面)との間に液体1を満たし、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体1及び投影光学系PLを介してマスクMのパターン像を基板P上に投影し、基板Pを露光する。」
(1c)頁番号9、13行?頁番号10、16行
「基板ステージPSTは、基板Pを支持するものであって、基板Pを基板ホルダを介して保持するZステージ52と、Zステージ52を支持するXYステージ53と、XYステージ53を支持するベース54とを備えている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動装置PSTDにより駆動される。基板ステージ駆動装置PSTDは、制御装置CONTにより制御される。なお、ZステージとXYステージとを一体的に設けてよいことは言うまでもない。基板ステージPSTのXYステージ53を駆動することにより、基板PのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。
基板ステージPST(Zステージ52)上には、基板ステージPSTとともに投影光学系PLに対して移動する移動鏡55が設けられている。また、移動鏡55に対向する位置にはレーザ干渉計56が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計56によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計56の計測結果に基づいて基板ステージ駆動装置PSTDを介してXYステージ53を駆動することで、基板ステージPSTに支持されている基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。
また、制御装置CONTは、基板ステージ駆動装置PSTDを介して基板ステージPSTのZステージ52を駆動することにより、Zステージ52に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置の制御を行う。即ち、Zステージ52は、フォーカス検出系4の検出結果に基づく制御装置CONTからの指令に基づいて動作し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角を制御して基板Pの表面(露光面)を投影光学系PL及び液体1を介して形成される像面に合わせ込む。
基板ステージPST(Zステージ52)上には、基板Pを囲むように、表面が平坦な補助プレート57が設けられている。補助プレート57は、その表面が基板ホルダに保持された基板Pの表面と略同じ高さとなるように設置されている。ここで、基板Pのエッジと補助プレート57との間には0.1?2mm程度の隙間があるが、液体1の表面張力によりその隙間に液体1が流れ込むことはほとんどなく、また、基板Pの周縁近傍を露光する場合にも、補助プレート57により投影光学系PLの下に液体1を保持することができる。」
(1d)頁番号11、5?17行
「液体供給機構10は、液浸領域AR2を形成するために基板P上に所定の液体1を供給するものであって、液体1を送出可能な第1液体供給部11及び第2液体供給部12と、第1液体供給部11に流路を有する供給管11Aを介して接続され、この第1液体供給部11から送出された液体1を基板P上に供給する供給口を有する第1供給ノズル13と、第2液体供給部12に流路を有する供給管12Aを介して接続され、この第2液体供給部12から送出された液体1を基板P上に供給する供給口を有する第2供給ノズル14とを備えている。第1及び第2供給ノズル13、14は液浸露光中において液浸領域AR2の液体1に接触する。第1及び第2供給ノズル13、14は基板Pの表面に近接して配置されており、基板Pの面方向において互いに異なる位置に設けられている。具体的には、液体供給機構10の第1供給ノズル13は投影領域AR1に対して走査方向の一方の側(-X側)に設けられ、第2供給ノズル14は第1供給ノズル13に対向するように、走査方向の他方側(+X側)に設けられている。」
(1e)頁番号14、18?22行
「そして、Zステージ52上において基準部材7の近傍には、基準部材7に残留した液体1を除去する第1液体除去装置40の一部を構成する液体吸収部材42が設けられている。更に、Zステージ52の別のコーナー近傍には、投影光学系PLの先端の光学素子2や先端付近の鏡筒PKに残留した液体1を除去する第2液体除去装置60が設けられている。」
(1f)頁番号23、1?19行
「次に、図8を参照しながら、投影光学系PLの先端の光学素子2や先端付近の鏡筒PKに残留した液体1等を除去する第2液体除去装置60について説明する。図8において、第2液体除去装置60は、投影光学系PLの先端の部品を構成する光学素子2やその近傍の鏡筒PKに対して気体を吹き付ける吹き付け装置61と、投影光学系PLの先端に残留し、吹き付け装置61による気体吹き付けにより吹き飛ばされて落下した液体を回収する回収装置(吸引装置)62とを備えている。吹き付け装置61は、気体供給部63と、気体供給部63に接続され、Zステージ52の凹部64Bに設けられているノズル部64とを備えており、ノズル部64の吹き出し口64Aは上方に向けられて投影光学系PLの先端近傍に配置可能となっている。一方、回収装置62はZステージ52に設けられた回収口(溝部)65と、回収口65に配置された多孔性材料からなる液体吸収部材66と、Zステージ52内部に形成され、溝部66に連通する流路67と、Zステージ52外部に設けられ、その一端部を流路67に接続した管路68と、管路68の他端部に接続され、Zステージ52外部に設けられたタンク69と、このタンク69にバルブ70を介して接続された吸引装置であるポンプ71とを備えている。回収装置62は、ポンプ71を駆動して、液体吸収部材66で回収し液体1を吸引して、タンク69に集める。タンク69には排出流路69Aが設けられており、タンク69に液体1が所定量溜まると、タンク69内の液体1が排出流路69Aを介して外部に排出される。」
(1g)頁番号24、17?25行
「以上説明したように、露光中の液浸領域AR2の液体1に接触する投影光学系PLの先端、供給ノズル13、14、及び回収ノズル31、32に残留した液体1を除去することにより、図9の模式図に示すように、基板ステージPSTが投影光学系PLの下(露光処理位置A)から、基板Pをロード・アンロードする位置(ロード・アンロード位置B)まで移動しても、前記投影光学系PLの先端等に残留していた液体1が落下して周辺装置に影響を与えたり環境変化をもたらしたりするといった不都合の発生を抑えることができる。特に、投影光学系PLの先端の光学素子2に液体1を残存させないことにより付着跡(ウォーターマーク)の発生を抑制できる。」
(1h)頁番号26、16?20行
「また、図8?図12の実施形態においては、第2液体除去装置60は基板ステージPST上に配置されているが、基板ステージPST上とは異なる部材または部位に第2液体除去装置60を配置しても良い。例えば、基板ステージPSTとは独立して、投影光学系PLの像面側を移動可能なステージをさらに搭載しておき、そのステージに第2液体除去装置60を配置するようにしてもよい。」

これらの記載事項及び図面を含む引用文献1全体の記載並びに当業者の技術常識を総合すれば、引用文献1には、以下の発明が記載されている。
「マスク(M)を支持するマスクステージ(MST)と、基板(P)を支持する基板ステージ(PST)と、マスクステージに支持されているマスクを露光光(EL)で照明する照明光学系(IL)と、露光光で照明されたマスクのパターンの像を基板ステージに支持されている基板に投影露光する投影光学系(PL)と、露光装置(EX)全体の動作を統括制御する制御装置(CONT)とを備えた露光装置であって、
基板ステージが投影光学系の下(露光処理位置A)から、基板をロード・アンロードする位置(ロード・アンロード位置B)まで移動可能であり、
基板上に液体(1)を供給する液体供給機構(10)を備え、
液体供給機構から供給した液体により投影光学系の投影領域(AR1)を含む基板上の少なくとも一部に液浸領域(AR2)を形成するように投影光学系の先端部の光学素子(2)と基板の表面(露光面)との間に液体を満たし、
投影光学系の先端の光学素子や先端付近の鏡筒(PK)に残留した液体を除去する第2液体除去装置(60)が設けられ、
第2液体除去装置は、投影光学系の先端の部品を構成する光学素子やその近傍の鏡筒に対して気体を吹き付ける吹き付け装置(61)と、投影光学系の先端に残留し、吹き付け装置による気体吹き付けにより吹き飛ばされて落下した液体を回収する回収装置(吸引装置)(62)とを備え、
基板ステージとは独立して、投影光学系の像面側を移動可能なステージをさらに搭載しておき、そのステージに第2液体除去装置を配置した、
露光装置。」(以下「引用発明」という。)

(2)本願の優先日前に頒布された刊行物である、上記引用文献2には、リソグラフ装置に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。
(2a)第18頁13行?第20頁下から6行
「 図1に線図的に示す本発明リソグラフ装置は、光学リソグラフ法により、及びいわゆる「ステップアンドレピート」の原理に従うイメージング法によって集積半導体回路の製作に使用される。図1に線図的に示すように、このリソグラフ装置はフレーム1を具え、垂直Z方向に平行に示すように、本発明位置決め装置3、集束ユニット5、マスクホルダ7、及び放射源9の順序でフレーム1に支持する。位置決め装置3は第1基材ホルダ11と、同一の第2基材ホルダ13とを具える。図1に示すリソグラフ装置は光学リソグラフ装置であり、その放射源9は光源15を有する。基材ホルダ11は、それぞれZ方向に垂直に延在する支持面17を有し、この支持面上に第1半導体基材19を設置することができると共に、基材ホルダ13は、Z方向に垂直に延在する支持面21を有し、この支持面上に第2半導体基材23を設置することができる。第1基材ホルダ11は、Z方向に垂直なX方向に平行に、X方向、及びZ方向に垂直なY方向にも平行に、位置決め装置3の第1移動ユニット25によって、フレーム1に対し相対的に移動することができると共に、第2基材ホルダ13は、X方向、及びY方向に平行に、位置決め装置3の第2移動ユニット27によってフレーム1に対し相対的に移動することができる。集束ユニット5は撮像システム、又は投影システムであって、Z方向に平行に指向する主光学軸線31を有する光学レンズ系29を具え、例えば4、又は5のような光学縮小率を有する。マスクホルダ7はZ方向に垂直に延在する支持面33を具え、この上にマスク35を設置することができる。マスク35は集積半導体回路のパターン、又はサブパターンを有する。作動中、光源15から発生する光線ビームはマスク35を通じて案内され、レンズ系29によって第1半導体基材19上に集束し、即ち焦点合せし、マスク35上にあるパターンを縮小した寸法で、第1半導体基材19上に結像させる。第1半導体基材19は非常に多くの個々のフィールドを有し、このフィールド上に同一の半導体回路を設ける。この目的のため、第1半導体基材19のフィールドはマスク35を介して順次、露光される。第1半導体基材19の個々のフィールドを露光中、第1半導体基材19、及びマスク35は集束ユニット5に対して一定位置にあるが、1個のフィールドを露光した後は、次のフィールドを集束ユニット5に対する位置にもたらし、その度に、第1移動ユニット25によって第1基材ホルダ11をX方向に平行に、及び/又はY方向に平行に移動させる。このプロセスを多数回繰り返し、その度に異なるマスクを介するから、層構造の複雑な集積半導体回路が製造される。リソグラフ装置によって製造される集積半導体回路はミクロンより小さい範囲内にある微細な寸法の構造を有する。第1半導体基材19は多数の異なるマスクを通じて順次露出されるから、これ等マスク上にあるパターンはミクロンより小さい範囲の精度で、又はナノメータの範囲内にすらある精度で、半導体基材19上に結像する必要がある。従って、半導体基材19は2個の順次の露出工程間に匹敵する精度で、集束ユニット5に対し位置決めさせなければならず、位置決め装置3の位置決め精度には非常に高い要求が課される。
製造加工される一団の半導体基材は図1に示すリソグラフ装置においてマスク35を介して順次、露光され、そこで上記一団の半導体基材は次のマスクを介して、順次、露光される。このプロセスをその度に他のマスクを介して、多数回繰り返される。露出すべき半導体基材はマガジン内にあり、このマガジンから半導体基材は移送機構によって、位置決め装置3の測定位置に順次、移送される。共に通常の既知のものである上記マガジン、及び上記移送機構は簡明のため図1には図示しない。図1に示すリソグラフ装置の状態では、第1基材ホルダ11が作動位置にあり、第1基材ホルダ11上に設置された第1半導体基材19が集束ユニット5を通じて放射源9によって照射される。第2基材ホルダ13は位置決め装置3の上記測定位置にあり、第2基材ホルダ13上に設置された第2半導体基材23の第2基材ホルダ13に対する位置は、図1に線図的に示すリソグラフ装置の光学位置測定ユニット37によって、X方向に平行な方向に、及びY方向に平行な方向に測定される。このリソグラフ装置内では上記移送機構によって第2半導体基材23を所定の精度で、第2基材ホルダ13に対し位置決めされる。図1に示すように、光学位置測定ユニット37もフレーム1に固定されている。第1半導体基材19の露光が完了した後、以下に説明するように、第1基材ホルダ11を位置決め装置3によって、作動位置から測定位置に動かし、この位置から第1半導体基材19を上記移送機構によってマガジンに復帰させる。同様に、以下に説明するように、第2半導体基材23は測定位置から作動位置に位置決め装置3によって移動する。第2基材ホルダ13に対する第2半導体基材23の位置は測定位置において、既に測定されており、第2半導体基材23は第2基材ホルダ13に対して希望する精度で位置決めされているから、作動位置においては、フレーム1、及び集束ユニット5に対する第2基材ホルダ13の位置の比較的簡単な測定で十分である。基材ホルダに対する半導体基材の測定、及び位置決めには比較的多くの時間を要する。従って、基材ホルダに対する半導体基材の配列が作動位置で行われる1個の基材ホルダのみを有するリソグラフ装置に比較し、2個の移動ユニット25、27を有する本発明位置決め装置3の使用によって、生産高を著しく増大することができる。」
(2b)第25頁下から4行?第29頁8行
「図4、及び図5は図1にリソグラフ装置に使用するのに適する本発明位置決め装置97の第2実施例を示す。リソグラフ装置3の構成部分に対応するリソグラフ装置97の構成部分は図4、及び図5においても同一の符号にて示す。位置決め装置97内の基材ホルダ11、13は静的気体軸受を設けたいわゆる空気静力学的に支持されたフット99、101によって、案内面103上をX方向平行に、及びY方向に平行に移動可能にそれぞれ案内される。この案内面103は2個の基材ホルダ11、13に共通であり、X方向に平行に、及びY方向に平行に延在する。位置決め装置97の移動ユニット25、27にはそれぞれ位置決め装置3におけると同様に、力アクチュエータとして構成されたXアクチュエータ105、107、及び2個のYアクチュエータ109、111、及び113、115を設ける。Xアクチュエータ105、107にはそれぞれX方向に平行に延在する第2部分121、123に対し移動可能に案内される第1部分117、119を設けると共に、Yアクチュエータ109、111、113、115にはそれぞれY方向に平行に延在する第2部分133、135、137、139に対し移動可能に案内される第1部分125、127、129、131を設ける。図4に示すように、Xアクチュエータ105、107の第2部分121、123をそれぞれ関連する移動ユニット25、27の2個のYアクチュエータ109、111、113、115の第1部分125、127、及び129、131の両方に連結する。Xアクチュエータ105、107の第2部分121、123はZ方向に平行な枢着軸線141、143、145、147の周りに、関連するYアクチュエータ109、111、及び113、115の2個の第1部分125、127、及び129、131に対し回動する。Xアクチュエータの第1部分117、119は以下に更に説明するようにX方向に平行に、及びY方向に平行に設けられた関連する移動ユニット25、27の基材ホルダ11、13にそれぞれ連結される。Yアクチュエータ109、111、113、115の第2部分133、135、137、139はそれぞれ2個の移動ユニット25、27に共通のバランスユニット149に固定されている。このバランスユニット149は位置決め装置3のバランスユニット69に相当しており、このバランスユニット149は図面に示されていない静的気体軸受によって案内面79上をX方向に平行に、Y方向に平行に移動可能に案内される。案内面79はX方向に平行に、Y方向に平行に延在し、フレーム1に固定された位置決め装置97のベース81に属している。バランスユニット149は同時に、2個の基材ホルダ11、13のための共通支持体であり、基材ホルダ11、13の共通案内面103はバランスユニット149の上面である。位置決め装置3のバランスユニット69と同様、位置決め装置97のバランスユニット149にはドリフト防止手段89、91、93、95を設ける。基材ホルダ11、13はそれぞれXアクチュエータ105、107によって、相互に独立してX方向に平行に移動可能であり、更に2個のYアクチュエータ109、111、及び2個のYアクチュエータ113、115の等しい移動量によって、相互に独立してY方向に平行に基材ホルダ11、13は移動可能である。作動中、Xアクチュエータ105、107の第2部分121、123、Yアクチュエータ109、111、113、115の第1部分125、127、129、131、及びYアクチュエータ109、111、113、115の第2部分133、135、137、139を介して、Xアクチュエータ105、107の反力はバランスユニット149に伝達されると共に、Yアクチュエータ109、111、113、115の反力はYアクチュエータ109、111、113、115の第2部分133、135、137、139を介してバランスユニット149に直接伝達される。
以下に一層詳細に説明する継手部材151、153を基材ホルダ11、13にそれぞれ設け、これ等継手部材によって、基材ホルダ11、13を第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117と、第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119とに、交互にX方向に平行に、及びY方向に平行に連結することができる。この目的のため、第1基材ホルダ11の継手部材151には第1部分155、及び第2部分157を設け、第1部分155によって第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117に第1基材ホルダ11を連結し得るようにすると共に、第2部分157によって第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119に第1基材ホルダ11を連結し得るようにする。同様に、第2基材ホルダ13の継手部材153には第1部分159、及び第2部分161を設け、第1部分159によって第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117に第2基材ホルダ13を連結し得るようにすると共に、第2部分161によって第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119に第2基材ホルダ13を連結し得るようにする。図1、及び図4に示す状態、即ち第1基材ホルダ11が作動位置にあって、第2基材ホルダ13が測定位置にある状態では、継手部材151の第1部分155を介して、第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117に第1基材ホルダ11を連結すると共に、継手部材153の第2部分161を介して、第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119に第2基材ホルダ13を連結する。第1基材ホルダ11が作動位置から測定位置に移動し、第2基材ホルダ13が測定位置から作動位置に移動する際、基材ホルダ11、13は共通案内面103上を相互に通過することが必要である。これを達成するため、第1移動ユニット25によって第1基材ホルダ11を作動位置から、作動位置と測定位置との間の図5に示す第1中間位置M’に移動させ、同時に、第2移動ユニット27によって第2基材ホルダ13を測定位置から、作動位置と測定位置との間に位置し第1中間位置M’の隣にある図5に示す第2中間位置M”移動させる。上記の中間位置M’、M”においては、基材ホルダ11、13はそれぞれ第1移動ユニット25、及び第2移動ユニット27に連結されていない。従って、第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117は第1中間位置M’から第2中間位置M”に動き、この第2中間位置M”で、第2基材ホルダ13の継手部材153の第1部分159に連結される。同様に、第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119は第2中間位置M”から第1中間位置M”に動き、この第1中間位置で第1基材ホルダ11の継手部材151の第2部分157に連結される。このようにして図5に示す状態になり、第1中間位置M’にある第1基材ホルダ11は第2移動ユニット27のXアクチュエータ107の第1部分119に連結されていると共に、第2中間位置M″にある第2基材ホルダ13は第1移動ユニット25のXアクチュエータ105の第1部分117に連結されている。最後に、第1基材ホルダ11は第2移動ユニット27によって、第1中間位置M’から測定位置に動かされると共に、同時に第2基材ホルダ13は第1移動ユニット25によって、第2中間位置M”から作動位置に動かされる。Yアクチュエータ109、111、113、115の第1部分125、127、129、131が第2部分133、135、137、139に対して、移動しなければならない距離は継手部材151、153を使用することによって減少するから、移動ユニット25、27の寸法を減少させる。更に、Xアクチュエータ105、107の第2部分121、123がY方向に平行に相互に通過しなくともよいようになっているため移動ユニット25、27は簡単な構造に維持される。」

これらの記載事項及び図面を含む引用文献2全体の記載並びに当業者の技術常識を総合すれば、引用文献2には、以下の発明が記載されている。
「その支持面(17)上に第1半導体基材(19)を設置することができる第1基材ホルダ(11)と、その支持面(21)上に第2半導体基材(23)を設置することができる第2基材ホルダ(13)を有し、
作動位置にある第1半導体基材の露光が完了した後、第1基材ホルダを位置決め装置(97)によって、作動位置から測定位置に動かし、この位置から第1半導体基材を移送機構によってマガジンに復帰させ、光学位置測定ユニット(37)によって測定された第2半導体基材は測定位置から作動位置に位置決め装置によって移動し、
位置決め装置は、それぞれ2個のYアクチュエータと1個のXアクチュエータからなる第1移動ユニット(25)及び第2移動ユニット(27)を備え、
それぞれの移動ユニットは、前記第1基材ホルダ及び第2基材ホルダと連結可能であり、
第1基材ホルダが作動位置にあって、第2基材ホルダが測定位置にある状態では、第1移動ユニットに第1基材ホルダを連結すると共に第2移動ユニットに第2基材ホルダを連結し、第1基材ホルダが作動位置から測定位置に移動し、第2基材ホルダが測定位置から作動位置に移動する際、第1移動ユニットによって第1基材ホルダを作動位置から、作動位置と測定位置との間の第1中間位置(M’)に移動させ、同時に、第2移動ユニットによって第2基材ホルダを測定位置から、作動位置と測定位置との間に位置し第1中間位置の隣にある第2中間位置(M”)に移動させ、第1中間位置及び第2中間位置において、それぞれ、第1基材ホルダと第1移動ユニットの連結、及び第2基板ホルダと第2移動ユニットの連結を解除し、次に、第1移動ユニットを第1中間位置から第2中間位置へ移動し、この第2中間位置で、第2基材ホルダに連結し、同様に、第2移動ユニットを第2中間位置から第1中間位置へ移動し、この第1中間位置で第1基材ホルダに連結することにより、第1中間位置にある第1基材ホルダは第2移動ユニットに連結されていると共に、第2中間位置にある第2基材ホルダは第1移動ユニットに連結されている状態とし、最後に、第1基材ホルダを第2移動ユニットによって、第1中間位置から測定位置に移動すると共に、同時に第2基材ホルダを第1移動ユニットによって、第2中間位置から作動位置に移動するリソグラフ装置。」(以下「引用第2発明」という。)

3.対比
補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「照明光学系」からの「露光光で照明する」「マスク」は、補正発明の「所望のパターンを投影ビームに付与するパターン形成装置」に相当する。
以下同様に、
「基板を支持する基板ステージ」は「基板を保持する第1のテーブル」に、
「露光光で照明されたマスクのパターンの像を基板ステージに支持されている基板に投影露光する投影光学系」は「投影システム」に、
「基板上に液体を供給する液体供給機構」であって「供給した液体により投影光学系の投影領域を含む基板上の少なくとも一部に液浸領域を形成するように、投影光学系の先端部の光学素子と基板の表面(露光面)との間に液体を満たす」「液体供給機構」は「投影システムと基板との間の空間に液体を供給する液体供給システム」に、
「露光装置」は「リソグラフィ装置」に、
それぞれ相当する。
また、引用発明の「第2液体除去装置」は、補正発明の「投影システムを清浄する清浄装置」に相当し、第2液体除去装置が気体を吹き付ける吹き付け装置を備えていることから、第2液体除去装置は、投影システムを清浄するためにガスを用いることは明らかである。
さらに、引用発明の「基板ステージとは独立して、投影光学系の像面側を移動可能なステージをさらに搭載しておき、そのステージに第2液体除去装置を配置した」構成は、補正発明の「基板を保持するように構成されて」おらず「投影システムを清浄する清浄装置が取り付けられて」いる「第2のテーブル」に相当する。そして、引用発明の「第2液体除去装置を配置したステージ」(本願発明の「第2のテーブル」に相当)は、投影光学系の先端の光学素子や先端付近の鏡筒に残留した液体を除去するために、補正発明の「第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第2の位置決めシステム」に相当する構成を有することは明らかである。

してみると両者は、
「所望のパターンを投影ビームに付与するパターン形成装置と、
基板を保持する第1のテーブルと、
投影システムと、
投影システムと基板との間の空間に液体を供給する液体供給システムと、
前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第1の位置決めシステムと、
第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第2の位置決めシステムに接続され、かつ基板を保持するように構成されていない第2のテーブルと、
前記第2の位置決めシステムは前記第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させ、前記第2のテーブルは、前記投影システムを清浄する清浄装置が取り付けられており、前記清浄装置は、投影システムを清浄するためにガスを用いるリソグラフィ装置。」
の点で一致し、次の各点で相違している。

(相違点1)
補正発明が「基板を保持する第3のテーブルと、
前記第1及び第3のテーブルのいずれか一方によって運ばれた基板を露光することのできる露光ステーションと、
前記第1及び第3のテーブルのいずれか一方によって運ばれた基板を測定することのできる測定ステーションと、を備え、
前記第1の位置決めシステムは2つのH型駆動装置を有し、H型駆動装置のそれぞれが第1及び第3のテーブルの一方を前記測定ステーション及び前記露光ステーションの一方の範囲内に位置決めし、
第1及び第3のテーブルが露光処理の終わりに前記測定ステーションと前記露光ステーションとの境界に位置決めされ前記第1の位置決めシステムから切り離され、H型駆動装置のそれぞれが他方のH型駆動装置によって解放されたテーブルを取り上げることで、前記第1の位置決めシステムが前記測定ステーションと前記露光ステーションとの間で前記第1及び第3のテーブルを交換するように構成され」ているのに対して、引用発明はそのような構成を有していない点。
(相違点2)
第2の位置決めシステムに関して、補正発明では「第1のテーブルを前記投影システム下方の位置から移動させる際に第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させ」「テーブル交換のために前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置から移動させる際に、第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させ」るのに対して、引用発明では、その移動の態様が不明な点。

4.判断
上記各相違点について検討する。

(相違点1について)
補正発明の上記相違点1に係る構成と引用第2発明を対比する。
引用第2発明の「半導体基材」、「第1基材ホルダ」、「第2基材ホルダ」、「作動位置」、「測定位置」、「それぞれ2個のYアクチュエータと1個のXアクチュエータからなる第1移動ユニット及び第2移動ユニット」及び「リソグラフ装置」は、それぞれ、補正発明の「基板」、「第1のテーブル」、「第2のテーブル」、「露光ステーション」、「測定ステーション」、「2つのH型駆動装置」及び「リソグラフィ装置」に相当する。
また、引用第2発明において「第1基材ホルダが作動位置にあって、第2基材ホルダが測定位置にある状態では、第1移動ユニットに第1基材ホルダを連結すると共に第2移動ユニットに第2基材ホルダを連結し、第1基材ホルダが作動位置から測定位置に移動し、第2基材ホルダが測定位置から作動位置に移動する際、第1移動ユニットによって第1基材ホルダを作動位置から、作動位置と測定位置との間の第1中間位置に移動させ、同時に、第2移動ユニットによって第2基材ホルダを測定位置から、作動位置と測定位置との間に位置し第1中間位置の隣にある第2中間位置に移動させ、両基材ホルダと、第1移動ユニット及び第2移動ユニットの連結を解除し、次に、第1移動ユニットを第1中間位置から第2中間位置へ移動し、この第2中間位置で、第2基材ホルダに連結し、同様に、第2移動ユニットを第2中間位置から第1中間位置へ移動し、この第1中間位置で第1基材ホルダに連結することにより、第1中間位置にある第1基材ホルダは第2移動ユニットに連結されていると共に、第2中間位置にある第2基材ホルダは第1移動ユニットに連結されている状態とし、最後に、第1基材ホルダを第2移動ユニットによって、第1中間位置から測定位置に移動すると共に、同時に第2基材ホルダを第1移動ユニットによって、第2中間位置から作動位置に移動する」ことは、補正発明において「H型駆動装置のそれぞれが第1及び第3のテーブルの一方を前記測定ステーション及び前記露光ステーションの一方の範囲内に位置決めし、第1及び第3のテーブルが露光処理の終わりに前記測定ステーションと前記露光ステーションとの境界に位置決めされ前記第1の位置決めシステムから切り離され、H型駆動装置のそれぞれが他方のH型駆動装置によって解放されたテーブルを取り上げることで、前記第1の位置決めシステムが前記測定ステーションと前記露光ステーションとの間で前記第1及び第3のテーブルを交換する」ことに相当する。
してみると、上記相違点1に係る構成は、引用第2発明が備えている。
ところで、リソグラフィ装置において、基板の位置合わせ等のために、露光に先立って測定を行うことはごく普通に行われている周知技術であり、しかも、作業効率等を考慮して露光と測定を別個のステージで行うことも、ごく普通に行われている。
そして、そのような状況の下で、引用発明に引用第2発明の上記相違点1に係る構成を採用することに、格別の阻害要因も困難性もない。
してみると、引用発明に上記相違点1に係る構成を採用することは、引用発明及び引用第2発明に基づいて当業者が容易になし得る事項である。
(相違点2について)
引用発明において、第1のテーブルの移動と第2のテーブルの移動を時間的に前後して行う格別の必要性は見当たらない。そして、リソグラフィ装置を含む素子の製造装置において、作業時間の短縮を図る等の目的で、平行する複数の工程を同時に行うことは、ごく普通に行われていることであるから、引用発明に上記相違点2に係る構成を採用することは、その必要に応じて当業者が適宜なし得る事項である。

そして、補正発明全体の効果も、引用発明、引用第2発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。

したがって、補正発明は、引用発明、引用第2発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

なお、請求人が上記回答書に添付した補正案(上記「第1 手続の経緯」参照)の内容を参酌しても、上記判断に変わりはない。

5.小括
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり、決定する。

第3 本願発明について
平成22年11月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成22年4月22日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「所望のパターンを投影ビームに付与するパターン形成装置と、
基板を保持する第1のテーブルと、
投影システムと、
投影システムと基板との間の空間に液体を供給する液体供給システムと、
前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第1の位置決めシステムと、
前記第1のテーブルを前記投影システム下方の位置から移動させる際に第2のテーブルを前記投影システム下方の位置に移動させる第2の位置決めシステムに接続され、かつ基板を保持するように構成されていない第2のテーブルと、を備え、
前記第2のテーブルは、前記投影システムを清浄する清浄装置が取り付けられており、
前記清浄装置は、投影システムを清浄するためにガス、電気粒子、又はレーザーを用いることを特徴とするリソグラフィ装置。」(以下「本願発明」という。)

1.引用刊行物
刊行物及びその記載内容は、前記「第2」の「2.」に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明と引用発明を対比する。
本願発明と引用発明は、前記「第2」の「3.」に記載した一致点で一致し、相違点2で相違する。
そして、相違点2に対する判断は、上記「第2」の「3.」の(相違点2について)に記載したとおりである。
そうすると、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-01-23 
結審通知日 2012-01-24 
審決日 2012-02-06 
出願番号 特願2009-69826(P2009-69826)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 秀樹  
特許庁審判長 神 悦彦
特許庁審判官 橋本 直明
森林 克郎
発明の名称 リソグラフィ装置及びデバイス製造方法  
代理人 森下 賢樹  

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