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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1259429
審判番号 不服2009-18871  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-05 
確定日 2012-07-02 
事件の表示 特願2002-311950「端末情報の登録およびその活用方法。」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 8月 8日出願公開、特開2003-223449〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成14年10月25日(優先権主張 平成13年10月26日)の出願であって、平成20年9月4日付けで拒絶理由通知がなされ、同年11月25日付けで手続補正がなされたところ、平成21年1月16日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年4月8日付けで手続補正がなされたが、同年4月8日付けの手続補正は同年6月3日付けで却下されるとともに同日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成21年10月5日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年10月5日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)新規事項の追加の有無について
平成21年10月5日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)の内容は、特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「第1及び第2を含む2以上の端末機器とサーバーとの間で相互に情報通信可能なネットワークを備え、前記いずれかの端末機器による制御またはサーバーによる制御によって、サーバーを経由してネットワークにつながれた端末機器間あるいは各端末とサーバーとの間で情報を授受するシステムにおいて、
少なくとも前記サーバーには、
前記端末機器の、少なくとも、端末固有の識別情報と端末機器と端末機器が接続されたネットワークの仕様や形式を含む属性及びその端末の位置を特定する為の端末情報を登録する手段と、
前記端末情報を、その信頼度や安全性及び情報量に応じた数値化によって評価し利用可能なサービスを決定する手段と、
前記第1の端末機器からの要求に応答して、それ自体ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器の存在位置を機器使用者に認識させるための情報を送信する手段と、
第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を、それ自体または他の端末機器の登録情報から、端末相互の整合性を評価し、その結果に基づき、端末の存在を特定の領域に認識可能とするとともに、端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する手段を、
備えている、サーバーに基づいた端末情報の利用システム。」
と補正することを含むものである。

上記のように、「サーバー」が「第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を、それ自体または他の端末機器の登録情報から、端末相互の整合性を評価し、その結果に基づき、端末の存在を特定の領域に認識可能とするとともに、端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する手段」を備えるものであるとする補正が、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるかについて、検討する。

当初明細書等には、以下の記載がなされている。

A.「【0034】 前記処理結果は、固有情報管理DB109に逐次累積的に記録され、例えば図3の様なデータベースとして保存される。データベースの登録情報としては、各端末毎の、端末属性,端末位置とシステム上の座標,端末の表示区分と階層,サービス領域,信用情報,また利用情報として利用時間,利用サービス,データ処理回数等、その他様々な情報が継続的に追加/更新/累積し記録されている。そして、これらのデータと所定の図象上に座標を設定する為のデータや各端末のWebページ等を記録した表示情報DB111及び当該端末の属性に対応した出力データを生成する為の出力情報制御手段110とが連携することで、端末情報の開示が可能となる。具体的には、当該Webページ創生手段(出力情報制御手段)110により、例えば図4のWebページ201上の端末所在位置207に示された様なマークとして認識が可能となり、これを選択しクリックする等して、当該端末のWebページを開き、その端末の固有情報が閲覧出来ることになる。そして、これら一連の処理と管理は所定のサーバー(端末)116にて自動的に行われるので、人的処理を介在させる必要はない。
【0035】 当該システムによって登録された端末群の位置とそれらの固有情報を閲覧するには、端末101から接続手段102を経由して所定の端末116にアクセスし、閲覧113を選択することで確認可能となる。より具体的には、当該端末からの各種要求内容に基づき、サーバー116に記憶された固有情報管理DB109と当該端末に付帯された情報との比較照合114が随時なされることによって、所定の情報表示や利用サービス事項との整合性と安全性に関連付けた評価が行なわれる。次に、それらの結果に基づき目的とする端末の表示されるべき位置や座標情報、Webページ、ページレイアウト設定データ等の含まれた表示情報DB111のデータと連携し出力情報制御手段110によって、接続されている端末属性に合わせたデータ処理を施すことによって閲覧情報の送出が実行され、目的端末の位置情報を含む固有の情報が図象上に開示される。この時、選択される端末は単一である場合や、要求基準に合致する端末全てが選択されることになる。勿論、該当するものが無ければその旨が表示されることになる。
【0036】 図象上の端末位置は、ポインターやカーソル移動等の操作による一般的な手段によって容易に選択される。選択された位置や領域に相当する座標は表示情報DB111によって認識され固有情報管理DB109にある端末位置情報とのデータ照合がされることで特定端末が認識される。この際、同時に相互の端末間の開示条件や認証レベル等が確認され閲覧可能範囲が決定され目的端末とは接続手段102によって接続処理がなされ、当該端末の要求した目的端末とのアクセスが可能となる。なお、許可基準に満たなかった端末とはアクセスできないし、アクセスできた端末に於いても基準を超える範囲の情報を閲覧することができないことは言うまでもない。
【0037】 同様に、その他の端末群からの様々なサービス要求についても、当該サーバーによって図象化やその他の容易に認識出来るデータに加工される手段によって、既に登録済みの端末の所在の確認とそれらへのアクセスが可能となる。その際、許可された各端末の固有の情報のみが開示されるので、プライバシーやセキュリティの保護が図られる。また、固有情報は閲覧できなくとも端末位置情報は任意に閲覧しその存在は認識できるので、これら情報のみでも目的に合わせて処理することによって多様な利用や応用が出来るようになる。
【0038】 ところで、ここで言う閲覧とは、当該サーバーによって制御される別のコンピュータやデータベース、或いはその他のWebページへのアクセス仲介や紹介、及びその他の情報送出機器類にデータを要求したり転送する事によって、当該システム自身の端末に表示もしくは認識可能とすることも含まれる。勿論、必要とするセキュリティレベルや信用度が満たない端末からの要求は拒絶されるか、従来方法による一般のWeb検索手段としての機能に自動的に切り替えられて提供される。」

B.「【0076】 図19は、異なる属性の端末とのアクセスを可能とするための説明図である。ここには、既に登録された全ての端末の固有情報を基に編集された、端末機器の種類や形式及び製造ナンバー1、アクセス手段や通信環境及び方式等の端末属性2、登録された端末の属する主たる表示区分や階層3、端末の利用形態やサービス内容及び表示区域4、等の各種データベース情報を基に、端末相互間のアクセス条件や機器属性等の不整合を補完しうる、是正すべき条件の解析と整合すべき環境の準備及び処理すべき手段5を決定する。より具体的には、利用や選択可能なデータ形式・通信方法等の制御方法や、入出力されるデータの信用度に応じた機密性の設定と、媒体/属性に合ったコンテンツ情報の分析・翻訳・変換・構成等、及び各種端末との連携/同期などのインターフェース処理を決定し、これらの決定内容に従い相互の通信環境を設定6することで、端末Aと端末B間或いはもっと多くの端末間においても最適化されたデータの授受が可能とされる。そしてこれらは、図2の110出力情報制御手段および表示情報DB111等と連携して実行される。なお、各データベースは、図3にある様な既に登録された固有のデータベースから直接読取ってもよいし、別の情報を加えたり利用しやすいように再構成し一体化したデータベースとして新たに生成したものでもかまわない。このように、異なる端末属性間や異なる情報形態及び伝達手段を必要とする場合でも、それら端末間に於いて支障無く情報の交換が可能となる。又、別の場面に於いては、アクセス先の端末の属性表示を予め行う事によって、相手端末の属性に応じた情報の送出を行うことで、より簡便で確実性の高い情報の伝達を可能とすることも出来る。」

上記A.には、サーバー116において、相互の端末間の開示条件や認証レベル等が確認され閲覧可能範囲が決定されることや、目的端末とのアクセスが可能となることについての記載はされているが、「端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する」ことについての記載はされていない。
また、請求人が回答書の第2(6)において指摘する、図19と上記B.には、入出力されるデータの信用度に応じた機密性の設定に従い端末相互の通信環境を設定することや、端末間に於いて支障無く情報の交換が可能となることについての記載はされているが、「端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する」ことについての記載はされていない。
そして、当初明細書等の他のいずれの箇所を見ても、「端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する」ことは、記載も示唆もされていない事項であり、また、このことは、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであると認められる。

したがって、「サーバー」が「第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を、それ自体または他の端末機器の登録情報から、端末相互の整合性を評価し、その結果に基づき、端末の存在を特定の領域に認識可能とするとともに、端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する手段」を備えるものであるとする補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるとは認められない。

(2)独立特許要件について
本件手続補正は、補正前の請求項1の「端末情報の利用方法」を「端末情報の利用システム」に変更するものではあるものの、補正前の請求項1における「ネットワークを介して、情報を提供する者及び利用する者の端末を管理する所定のサーバー」を「第1及び第2を含む2以上の端末機器とサーバーとの間で相互に情報通信可能なネットワークを備え、前記いずれかの端末機器による制御またはサーバーによる制御によって、サーバーを経由してネットワークにつながれた端末機器間あるいは各端末とサーバーとの間で情報を授受するシステム」における「サーバー」に限定するとともに、補正前の請求項1における「少なくとも端末固有の識別情報と端末の属性及びその端末の位置を特定する為の情報を含むデータを登録するステップ」を「前記端末機器の、少なくとも、端末固有の識別情報と端末機器と端末機器が接続されたネットワークの仕様や形式を含む属性及びその端末の位置を特定する為の端末情報を登録する手段」に限定し、「登録されたこれらの情報を評価し利用可能なサービスを決定するステップ」を「前記端末情報を、その信頼度や安全性及び情報量に応じた数値化によって評価し利用可能なサービスを決定する手段」に限定し、「登録された位置情報に基づき当該端末の存在を特定の領域に認識可能とするステップ」を「前記第1の端末機器からの要求に応答して、それ自体ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器の存在位置を機器使用者に認識させるための情報を送信する手段」に限定し、「端末相互の固有情報を交換可能とする処理を行なうステップ」を「第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を、それ自体または他の端末機器の登録情報から、端末相互の整合性を評価し、その結果に基づき、端末の存在を特定の領域に認識可能とするとともに、端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する手段」に限定するものであるから、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そうすると、本件手続補正後の上記請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、特許出願の際独立して特許を受けることができるもの(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するもの)でなければならい。
しかしながら、本願補正発明は、以下の理由で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

本願補正発明の「第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を、それ自体または他の端末機器の登録情報から、端末相互の整合性を評価し、その結果に基づき、端末の存在を特定の領域に認識可能とするとともに、端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報を相互に送信する手段」という記載は、以下に列挙するように、文節間の係り受けや、使われている用語が不明確であるため、当該手段を発明特定事項として明確に把握することができない。

(あ)「第1ならびに第2の端末機器を含む他の端末機器のもつ端末固有の情報を」がどこに係るのか明確でない。

(い)「端末固有の情報の開示可能範囲を制御する情報」がどのような情報であるのか明確でない。

(う)「相互に送信する」とあるが、「相互」が何と何とを指すのか明確でない。
請求人は、回答書の第2(6)において、「相互」とは、発明の詳細な説明からも「端末間」であることは明確であり、発明の詳細な説明に従い「相互の端末」と記載すべきであったと主張しているが、「相互に送信する」が「相互の端末に送信する」であったとしても、「第1及び第2を含む2以上の端末機器」のうちのどの「端末機器」を「相互の端末」とするかについての記載が請求項1にないことから、「相互」が何と何とを指すのか明確でない。

(3)むすび
上記(1)、(2)で検討したとおり、本件手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定、及び、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願の請求項の記載
平成21年10月5日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1の記載は、平成20年11月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「ネットワークを介して、情報を提供する者及び利用する者の端末を管理する所定のサーバーに、少なくとも端末固有の識別情報と端末の属性及びその端末の位置を特定する為の情報を含むデータを登録するステップ、登録されたこれらの情報を評価し利用可能なサービスを決定するステップ、登録された位置情報に基づき当該端末の存在を特定の領域に認識可能とするステップ、端末相互の固有情報を交換可能とする処理を行なうステップ、を含むことを特徴とする端末情報の利用方法。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-123036号公報(以下、「引用例1」という。)、特開平9-330328号公報(以下、「引用例2」という。)、特開2001-134591号公報(以下、「引用例3」という。)、特開平9-322245号公報(以下、「引用例4」という。)には、それぞれ、図面とともに次の事項が記載されている。

(引用例1)
A.「【0001】
【発明の属する技術分野】計算機を通信ネットワークに接続することで自由に計算機間での情報交換を可能にしたネットワーク上で、情報やサービスを要求または提供するネットワーク型サービスシステムにおいて、情報やサービスを要求する要求者とそれらを提供する提供者を電子的に仲介するための仲介方法およびその仲介装置に関する。」

B.「【0021】
【発明の実施の形態】(0.はじめに)通信ネットワークに接続された計算機を使って情報やサービス(以下、コンテンツと呼ぶ)の要求または提供を行なうネットワーク型サービスシステムでは、情報やサービスの要求者や提供者の数が多くなるにつれて、それらの間を仲介する仲介者(仲介を行なう計算機)の役割が増してきた。」

C.「【0025】(1.サービスシステムの構成:廃棄物処分情報サービスシステム)図1は、本発明による廃棄物処分情報サービスシステムのシステム構成を表わす。
【0026】本発明の適用対象であるネットワーク型サービスシステムは、情報やサービスを要求する要求者がネットワークを介して要求を行なうための計算機(要求者A?要求者C)と、情報やサービスを提供する提供者がネットワークを介して提供を行なうための計算機(提供者A?提供者D)と、要求者A?要求者C各々の要求に応じて提供者A?提供者Dの持つコンテンツから適切なコンテンツを選択し仲介する計算機(仲介者)で構成する。
・・・(中略)・・・
【0029】廃棄物処分情報サービスシステムにおいて、前述の要求者A?要求者Cは廃棄物を排出する排出事業者であり、提供者A?提供者Dは廃棄物の処分業者である。また、要求プロファイルは排出事業者が処分したい廃棄物の属性や処分費用を提示するプロファイルである。逆にコンテンツプロファイルは処分業者が処分可能な廃棄物の属性や処分にかかる費用などの条件を提示するプロファイルである。そして、対提供者評価は排出事業者が処分業者を評価したものである。」

D.「【0030】(2.各種情報)
(2.1 登録者属性)図2に、廃棄物処分情報サービスシステムにおける要求者である排出事業者の属性の一例を示す。図2の登録者属性110は要求者であるA株式会社固有の属性を表わす。
【0031】登録者属性は、コンテンツを要求する要求者やコンテンツを提供する提供者の区別なく、仲介者による仲介サービスを受ける者全てが登録する。登録者属性は頻繁に変更されるものではないため、コンテンツを要求する前もしくはコンテンツを提供する前に少なくとも一回、仲介者に送り登録しておけば良い。また、登録者属性の変更は可能である。
【0032】(2.2 要求プロファイル)図3に要求プロファイルの一例として、廃棄物処分情報サービスシステムにおいて排出事業者が処分業者を探す要求プロファイルを示す。
【0033】要求プロファイル120は、要求者である排出事業者が要求する廃棄物処分に関する要件を表わす。要求プロファイル120は、要求者を表わす要求プロファイル提出者121と、要求するコンテンツの内容を表わすコンテンツ要件122と、提供者を選択するための提供者要件123から成る。要求プロファイルはコンテンツの要求が発生し、コンテンツの提供を受けようとする度に仲介者に送り登録する。
【0034】(2.3 コンテンツプロファイル)図4にコンテンツプロファイルの一例として、廃棄物処分情報サービスシステムにおいて処分業者が排出事業者を探すコンテンツプロファイルを示す。
【0035】コンテンツプロファイル130は、提供者である処分業者が行なう廃棄物処分に関する条件を表わす。コンテンツプロファイル130は提供者を表わすコンテンツプロファイル提出者131と提供するコンテンツの内容を表わすコンテンツ内容132から成り、前記要求プロファイルとのマッチングに使用する。
【0036】コンテンツプロファイルはコンテンツの提供が可能になり、コンテンツを提供しようとする度に仲介者に送り登録する。」

E.「【0049】(4.コンテンツ選択処理フロー)図9は、前記コンテンツマッチング部207におけるコンテンツ選択フロー300を表わす。
【0050】要求プロファイル管理部203から要求プロファイル310と、登録者属性管理部201から該要求プロファイルの提出者である要求者の登録者属性320と、コンテンツ情報管理部205からコンテンツプロファイル330と登録者属性管理部201から各コンテンツプロファイルを提供する提供者の登録者属性340を各々読み込む(ステップ301)。
【0051】前記要求プロファイル310のコンテンツ要件311とその要求者の登録者属性320、コンテンツプロファイル330とその提供者の登録者属性340を用いてマッチングを行ない、条件の合うコンテンツプロファイルを選択する(ステップ302)。そして、ここで選択したコンテンツプロファイルを提供コンテンツ候補と呼ぶことにする。なお、要求プロファイル310のコンテンツ要件311は図3の122に対応する。
【0052】前ステップ302において選択した結果が空でなければステップ303NO、ステップ302において選択した提供コンテンツ候補の提供者に該当する提供者評価350を評価管理部211から読み込む(ステップ304)。
【0053】そして、要求プロファイル310の提供者要件312と前ステップ303で読み込んだ提供者評価350とのマッチングを行ない、条件の合うコンテンツプロファイルを選択する(ステップ305)。ここで選択したコンテンツプロファイルを提供コンテンツと呼ぶことにする。なお、要求プロファイル310の提供者要件312は図3の「取引相手の希望評価」項目123に対応する。」

F.「【0085】図14は図8のコンテンツマッチング部207の変更後のコンテンツ選択フロー700を表わす。
【0086】コンテンツ選択フロー700において、ステップ701からステップ704については、各々コンテンツ選択フロー300におけるステップ301からステップ304と同一内容の処理であるので、ステップ705以降について説明する。
【0087】ステップ705において、要求プロファイル720の提供者要件722とステップ704において読み込んだ提供者評価760とのマッチングを行ない提供コンテンツ候補を選択する。
【0088】前ステップ705において選択した結果が空でなければ(ステップ706NO)、要求者の要求者評価770を評価管理部から読み込み(ステップ707)、コンテンツプロファイル740の要求者要件742と前記要求者評価770とのマッチングを行ない、提供コンテンツを選択する(ステップ708)。」

G.「【0096】(8.サービスシステムの例:廃棄物処分情報サービスシステム(その2))前記実施例では、廃棄物処分情報サービスシステムにおいて、図1の要求者A?要求者Cは廃棄物を排出する排出事業者であり、提供者A?提供者Dは廃棄物の処分業者であったが、逆に処分業者が要求者となり、排出事業者が提供者となる場合もある。」

上記Gには、要求者と提供者の立場が逆になる場合もあることが記載されていることから、仲介者は、それぞれの計算機が相互に計算機固有の情報を交換可能とするための処理を行っているといえる。

よって、上記A?Gの記載及び関連する図面を参照すると、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例1記載の発明」という。)
「ネットワークを介して、情報やサービスを提供する提供者及び情報やサービスを要求する要求者の計算機を仲介をする仲介者に、少なくとも登録者属性、要求プロファイル、コンテンツプロファイルを含む各種情報を登録するステップ、登録されたこれらの情報に基づいて、条件に合うコンテンツプロファイルを選択するステップ、計算機相互の固有情報を交換可能とする処理を行なうステップ、を含むサービスの仲介方法。」

(引用例2)
H.「【0012】記憶手段17には、顧客ファイルが記憶されている。かかる顧客ファイルは、店登録番号毎に作成されるものであり、1つの店登録番号に対応する顧客ファイルは、登録者ID、パスワード、店舗情報、地図ファイル名、(x,y)情報等のように店舗固有の情報から構成される。」

I.「【0023】ここで、説明のため、選択されたサービス内容を、図に示すように「駐車場あり」に選択すると、これを制御手段11が検出して、手順をステップS7に進め、次のようにして、端末101の画面表示を、図8に示すようなサービス位置表示画面をとする。すなわち、制御手段11は、第1に、選択されたサービス内容を店舗情報として有する顧客ファイルであって、領域65に表示されている区分別地図を地図ファイル名として有する顧客ファイルのすべてを記憶手段17から抽出し、第2に、抽出した顧客ファイルから(x、y)情報、店名情報、業種情報を読み出し、第3に、領域65に表示された区分別地図上において、(x、y)情報に基づく座標に、業種に対応するアイコンを表示させ、その近傍に店名情報に基づく店名を表示させる。これにより、領域65には、端末操作者が選択したサービス内容を提供する店舗のみが表示されるので、端末操作者は、必要な情報のみを素早く把握することができる。さらに、表示されるアイコンは直接的にサービス内容を示すので、端末操作者は、表示された区分別地図上において、サービス内容を直感的に把握することもできる。」

上記Hには、店舗の位置情報である(x,y)情報を含む顧客ファイルを記憶することが示されている。そして、上記Iには、ユーザが選択したサービス内容を提供する店舗の(x、y)情報を顧客ファイルから情報を読み出し、(x、y)情報に基づく座標に、サービス内容に対応するアイコンを表示させることが示されている。

よって、上記H,Iの記載及び関連する図面を参照すると、引用例2には、次の技術が記載されているものと認められる。(以下、「引用例2記載の技術」という。)
「サービスを提供する店舗の位置情報を記憶しておき、その情報を地図上に認識可能とすること。」

(引用例3)
J.「【0030】ここで、利用者が移動局7(例えば携帯電話)を用いて、例えば、「カラー印刷ができ、解像度2400dpi以上のタイプセッタを持つプリントショップ」を条件として店舗を検索する指示を電話回線6とインターネット5とを介してサーバ2の検索用のURLにアクセスして伝送すると、サーバ2のCPU21が当該検索の条件に合致する情報処理装置1をハードディスク24から選択する。そしてサーバ2は、さらに、移動局7の現在位置の情報を取得して、選択した情報処理装置1の位置情報を参照し、当該選択した情報処理装置1のうち、当該現在位置の周囲にあるものをリストにして、移動局7に向けてインターネット5と電話回線6とを介して送信する。そうして、移動局7に、当該リストが表示されるようになる。尚、この場合にサーバ2は、当該送信するリストに電話番号の情報を含めても構わない。このようにすれば、公知の技術により、移動局7の利用者は受信した電話番号から一つを選び、直ちに発呼できるようになる。さらに、サーバ2は、移動局7の操作により、特定の情報処理装置1が選択されると、当該移動局7に対して、当該特定の情報処理装置1を設置した店舗周囲の地図情報を伝送するとともに、その店舗までの到達経路を伝送するようにしてもよい。」

上記Jには、移動局の周囲にある店舗を検索することが示されていることから、店舗の位置情報を登録していることは明らかであるといえる。そして、検索された店舗の周囲の地図情報を転送していることから、当該店舗を地図情報上で認識可能としているといえる。

よって、上記Jの記載及び関連する図面を参照すると、引用例3には、次の技術が記載されているものと認められる。(以下、「引用例3記載の技術」という。)
「サービスを提供する店舗の位置情報を登録しておき、その店舗を地図情報上で認識可能とすること。」

(引用例4)
K.「【0036】はじめに、初期画面として図4に示すようなメニュー画面(4a)となり、「娯楽施設」、「公共施設」、「その他」のように分類して表示される。ここで、調べたい施設の種類を選択する。ここで、例えば、1番の「娯楽施設」を選択すると、図4に示すように施設選択画面(4b)となり、「ゲームセンター」、「映画館」、「居酒屋」、「その他」のように分類して表示される。
【0037】ここで、例えば2番の「映画館」を選択すると、図5に示すように施設案内画面(5c)となり、当該無線ゾーン内の映画館の住所や電話番号などが表示される。そして、さらにこの中から目的の映画館(3番)を選択すると、図5に示すように地図画面(5d)となり、選択した映画館の周辺の地図が表示される。
【0038】すなわち、上記構成の無線通信システムでは、PHS基地局の無線ゾーン内の地域に関する情報を各基地局に対応させて記憶する地域情報記憶部303をPHSサービス制御局に新たに設け、地域情報を要求するPHS端末の位置情報に基づいて上記地域情報記憶部303から対応する地域情報を検索し、この検索結果を上記PHS端末に対して送信するようにしている。」

上記Kには、PHS端末の位置情報に基づいて検索された地域情報に含まれる、サービスを提供する施設の情報を提示することが示されていることから、該施設の位置情報を登録していることは明らかであるといえる。そして、当該施設の周辺の地図を表示していることから、当該施設を地図上で認識可能としているといえる。

よって、上記Kの記載及び関連する図面を参照すると、引用例4には、次の技術が記載されているものと認められる。(以下、「引用例4記載の技術」という。)
「サービスを提供する施設の位置情報を記憶し、その施設を地図上で認識可能とすること。」

(3)対比
本願発明と引用例1記載の発明とを対比すると、次のことがいえる。

(あ)引用例1記載の発明における「情報やサービスを提供する提供者及び情報やサービスを要求する要求者の計算機」は、本願発明における「情報を提供する者及び利用する者の端末」に相当する。

(い)引用例1記載の発明における「仲介者」は、提供者及び要求者の計算機からの情報を登録して管理する装置であるから、本願発明における「情報を提供する者及び利用する者の端末を管理する所定のサーバー」に相当するものである。

(う)引用例1の図2を参照すると、引用例1記載の発明における「登録者属性」には、識別するための情報(名称)と、位置を特定するための情報(所在地)を含んでいることから、引用例1記載の発明における「少なくとも登録者属性、要求プロファイル、コンテンツプロファイルを含む各種情報を登録するステップ」は、本願発明における「少なくとも端末固有の識別情報と端末の属性及びその端末の位置を特定する為の情報を含むデータを登録するステップ」に相当するものである。

(え)上記(2)E.及びF.を参照すると、引用例1記載の発明は、登録された情報である、要求プロファイル、コンテンツプロファイル、提供者評価、要求者評価等を評価することにより、条件に合うコンテンツプロファイルを選択している。ここで、「コンテンツプロファイル」というのは、上記(2)D.を参照すると、提供するコンテンツの内容を含むものであり、「コンテンツ」というのは、上記(2)B.によれば「情報やサービス」を意味するものであるから、引用例1記載の発明における「登録されたこれらの情報に基づいて、条件に合うコンテンツプロファイルを選択するステップ」は、本願発明における「登録されたこれらの情報を評価し利用可能なサービスを決定するステップ」に相当するものである。

(お)引用例1記載の発明における「サービスの仲介方法」は、計算機が登録する情報を利用するための方法であり、上記(あ)で検討したように、引用例1記載の発明における「計算機」は、本願発明における「端末」に相当するものであるから、「端末情報の利用方法」と呼び得るものである。

上記(あ)?(お)の事項を踏まえると、本願発明と引用例1記載の発明とは、次の点で一致し、また、相違するものと認められる。

(一致点)
本願発明と引用例1記載の発明とは、ともに、
「ネットワークを介して、情報を提供する者及び利用する者の端末を管理する所定のサーバーに、少なくとも端末固有の識別情報と端末の属性及びその端末の位置を特定する為の情報を含むデータを登録するステップ、登録されたこれらの情報を評価し利用可能なサービスを決定するステップ、端末相互の固有情報を交換可能とする処理を行なうステップ、を含む端末情報の利用方法。」
である点。

(相違点)
本願発明は、「登録された位置情報に基づき当該端末の存在を特定の領域に認識可能とするステップ」を含んでいるのに対し、引用例1記載の発明は、そのようなものではない点。

(4)判断
そこで、上記相違点について検討する。
情報やサービスの提供者の位置情報を登録しておき、その情報を地図上に認識可能にすることは、引用例2?4記載の技術にみられるように、周知技術にすぎず、他の参加者の情報やサービスを活用するための方法である引用例1記載の発明においても、他の参加者の位置情報を認識可能とすることが有用な場合があることは当業者に自明であるし、引用文献1記載の発明において、そのようにできない理由もないことから、引用文献1記載の発明において、「登録された位置情報に基づき当該端末の存在を特定の領域に認識可能とするステップ」を含むようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(本願発明の作用効果について)
そして、本願発明の構成によってもたらされる効果も、引用例1記載の発明及び上記周知技術から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

(5)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1記載の発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-16 
結審通知日 2012-04-24 
審決日 2012-05-10 
出願番号 特願2002-311950(P2002-311950)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 波内 みさ  
特許庁審判長 岩崎 伸二
特許庁審判官 久保 正典
小曳 満昭
発明の名称 端末情報の登録およびその活用方法。  
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