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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1259452
審判番号 不服2009-20605  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-26 
確定日 2012-07-04 
事件の表示 特願2000-189666「体感ゲーム装置および記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月11日出願公開、特開2002- 7057〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成12年6月23日の出願であって、平成21年7月27日付けで拒絶査定がされ、これに対し同年10月26日に審判請求がなされ、当審における平成24年2月7日付けの拒絶理由の通知に対して、同年3月16日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願の特許請求の範囲
本願の特許請求の範囲の請求項1の記載は、平成24年3月16日に提出された手続補正書に記載されたとおりのもの(以下、「本願請求項1発明」という。)である。
「【請求項1】
載置された表示装置の画面上に少なくともキャラクタを表示して対戦型ゲームをプレイする体感ゲーム装置であって、
載置されたゲーム機と、
第1ゲームプレイヤによって三次元空間内で振られる第1入力装置と、
第2ゲームプレイヤによって前記三次元空間内で振られる第2入力装置と、を備え、
前記第1入力装置および前記第2入力装置は、それぞれ、
主面が第1軸に垂直になるように配置される第1加速度センサと、
主面が前記第1軸と垂直な第2軸に垂直になるように配置される第2加速度センサと、
前記第1加速度センサに生じる第1加速度相関信号および前記第2加速度センサに生じる第2加速度相関信号を出力する信号出力手段と、を含み、
前記ゲーム機は、
前記第1入力装置および前記第2入力装置から、前記第1加速度相関信号及び前記第2加速度相関信号を受信する受信手段と、
前記第1ゲームプレイヤおよび前記第2ゲームプレイヤに前記対戦型ゲームをプレイさせるためのゲーム画面を前記表示装置に表示し、かつ、前記受信手段が受信した前記第1加速度相関信号および前記第2加速度相関信号、並びに、前記キャラクタの速度および回転角速度に基づいて、前記ゲーム画面上の前記キャラクタの打球後の当該キャラクタの打球面に対する速度を算出し、前記キャラクタを相手側方向へ向かって移動するゲームプロセサと、を含む体感ゲーム装置。」

第3 引用例
1 引用例の表示
引用例1:特開平5-309174号公報
引用例2:特開平10-214155号公報
引用例3:特開平2-168976号公報
周知例1:特開平9-253333号公報
周知例2:特開平11-197358号公報
周知例3:特開2000-140427号公報

2 引用例1の記載事項と引用発明
(1)引用例1には、図とともに、次の記載がある。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスポーツ用またはゲーム用などとして使用されるシュミレーション装置に関し、特に操作者(プレーヤ)の3次元方向の動きをジャイロなどのセンサで検出しながら作成したシュミレーション画像を表示装置に映し出すことで、スポーツまたはゲームなどを擬似体験できるようにしたシュミレーション装置に関する。」

イ 「【0014】図1に、このシュミレーション装置のブロック図を示す。この図で、たとえばテニスのラケットのグリップやゴルフのクラブのグリップなどには、2方向の動きを回転運動の角速度成分として検出する2つのセンサ1,2が取り付けられており、一方のセンサ1によって左右方向(水平方向)の動きが検出され、もう一方のセンサ2によって上下方向の動きが検出される。これによりこれらセンサ1,2によってラケットやクラブなどが振られた方向(方位)、角度(上下角)および速度が実時間で検出される。シュミレーションに参加する擬似体験者(プレーヤ)の3次元の動きを検出するための検出器をなすこれらセンサ1,2には、たとえば圧電型振動ジャイロが使用される。
【0015】図2には、これらのセンサ1,2が埋め込まれたラケット3のグリップ4が示されており、図3には、これらセンサ1,2を内蔵したクラブ5のグリップ6が示されている。これらの図に示すようにグリップ4,6の先端部には収納ケース7が取り付けられており、このケース7内に2つのセンサ1,2が所定の検出方向を向けて固定されている。」

ウ 「【0017】アンテナ11から送信された無線信号は、本体U1側に設けられた無線部14のアンテナ13で受けられ、この無線部14で復調される。無線部14からの復調信号であるディジタル信号のセンサ検出信号は、制御部をなすマイクロコンピュータ15に取り込まれる。このマイクロコンピュータ15では、2つのセンサ1,2からの検出信号を逐次処理してラケット3またはクラブ5などが振られた方向、角度および速度を算出する。また、これらの算出データに基づいてたとえば打球の初速度、飛球方向、飛球角度および飛球距離を算出する。」

エ 「【0022】まず、図4(a)に示すようにプレーヤ21がシュミレーション用のラケット3のグリップ4を握りながら、ディスプレイ22の画面を見ながら、たとえばサーブを受ける体勢で構えていると、図5(a)に示すようにテニスコート23を表示しているディスプレイ22の画面22a中には相手方のプレーヤ24のサーブの動きとサーブの飛球25が連続画像として映し出される。26は、プレーヤ21のラケットの映像である。
【0023】プレーヤ21は、こちら側に飛んでくる画面22a中の飛球25を見ながら図4(b),(c)に示すようにラケット3(グリップ)を振ってボール(飛球25)を打つと、画面22a中には図5(b),(c)に示すように相手方のプレーヤ24に向かって飛んでいく飛球27が映し出される。画面22a中のプレーヤ24はこの飛球27を追いかけて動き、プレーヤ21に向けてボールを打ち返してくるので、プレーヤ21は再び画面22a中の飛球を相手方に向けて打ち返すことができる。これにより、画面22a中のプレーヤ24と擬似的にテニスの試合を行なうことができる。このときのスコアは画面22a中に表示される。」

(2)なお、引用例1において「シュミレーション」または「シュミレーション装置」との記載は、「シミュレーション」または「シミュレーション装置」の誤記と思われる。
したがって、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ゲーム用として使用されるシミュレーション装置であって、特に操作者(プレーヤ)の3次元方向の動きをジャイロなどのセンサで検出しながら作成したシミュレーション画像を表示装置に映し出すことで、スポーツまたはゲームなどを擬似体験できるようにしたシミュレーション装置であって、
テニスのラケットのグリップには、2方向の動きを回転運動の角速度成分として検出する2つのセンサ1,2が取り付けられており、一方のセンサ1によって左右方向(水平方向)の動きが検出され、もう一方のセンサ2によって上下方向の動きが検出され、センサ1,2によってラケットが振られた方向(方位)、角度(上下角)および速度が実時間で検出され、シミュレーションに参加する擬似体験者(プレーヤ)の3次元の動きを検出するための検出器をなすこれらセンサ1,2には、たとえば圧電型振動ジャイロが使用されており、
これらのセンサ1,2が埋め込まれたラケット3のグリップ4において、グリップ4の先端部には収納ケース7が取り付けられており、このケース7内に2つのセンサ1,2が所定の検出方向を向けて固定されており、
アンテナ11から送信された無線信号は、本体U1側に設けられた無線部14のアンテナ13で受けられ、この無線部14で復調され、無線部14からの復調信号であるディジタル信号のセンサ検出信号は、制御部をなすマイクロコンピュータ15に取り込まれ、マイクロコンピュータ15は、2つのセンサ1,2からの検出信号を逐次処理してラケット3が振られた方向、角度および速度を算出し、また、これらの算出データに基づいてたとえば打球の初速度、飛球方向、飛球角度および飛球距離を算出し、
プレーヤ21は、こちら側に飛んでくる画面22a中の飛球25を見ながらラケット3(グリップ)を振ってボール(飛球25)を打つと、画面22a中には相手方のプレーヤ24に向かって飛んでいく飛球27が映し出される、
シミュレーション装置。」

第4 対比
1 対比
本願請求項1発明と引用発明とを比較する。
(1)引用発明は、「ゲーム用として使用されるシミュレーション装置であって、特に操作者(プレーヤ)の3次元方向の動きをジャイロなどのセンサで検出しながら作成したシミュレーション画像を表示装置に映し出すことで、スポーツまたはゲームなどを擬似体験できるようにしたシミュレーション装置」であり、「こちら側に飛んでくる」「飛球25」と「相手方のプレーヤ24に向かって飛んでいく飛球27が映し出される」ものであるので、
引用発明の「シミュレーション装置」における上述の構成は、本願請求項1発明の「体感ゲーム装置」における「載置された表示装置の画面上に少なくともキャラクタを表示してゲームをプレイする」との構成に相当する。
したがって、引用発明の「シミュレーション装置」は、以下の相違点で述べる点を除いて、「体感ゲーム装置」に相当する。

(2)引用発明は、「テニスのラケットのグリップには、2方向の動きを回転運動の角速度成分として検出する2つのセンサ1,2が取り付けられており、一方のセンサ1によって左右方向(水平方向)の動きが検出され、もう一方のセンサ2によって上下方向の動きが検出され、センサ1,2によってラケットが振られた方向(方位)、角度(上下角)および速度が実時間で検出され」、「これらのセンサ1,2が埋め込まれたラケット3のグリップ4において、グリップ4の先端部には収納ケース7が取り付けられており、このケース7内に2つのセンサ1,2が所定の検出方向を向けて固定されて」いる構成であり、「無線信号」が「アンテナ11から送信され」る構成(以下、「引用発明構成2」という。)である。
したがって、引用発明の「テニスのラケット」は、本願請求項1発明の「第1入力装置」に相当し、
本願請求項1発明の「第1加速度センサ」及び「第2加速度センサ」からなる構成と、引用発明の「センサ1」及び「センサ2」からなる構成とは、それぞれ、検出結果から入力する手段の3次元の位置を同定するためのセンサであるから、両者は「センサ」である点で共通し、
引用発明の「無線信号」が「アンテナ11から送信され」る構成は、本願請求項1発明の「信号出力手段」に相当しているから、
引用発明構成2は、本願請求項1発明の
「第1ゲームプレイヤによって三次元空間内で振られる第1入力装置」であって、
「前記第1入力装置は、
第1のセンサと、
第2のセンサと、
前記第1のセンサに生じる第1の信号および前記第2のセンサに生じる第2の信号を出力する信号出力手段と、を含み、」との構成に相当する。
したがって、引用発明の「テニスのラケット」は、以下の相違点で述べる点を除いて、「第1入力装置」に相当する。

(3)引用発明は、「アンテナ11から送信された無線信号は、本体U1側に設けられた無線部14のアンテナ13で受けられ、この無線部14で復調され、無線部14からの復調信号であるディジタル信号のセンサ検出信号は、制御部をなすマイクロコンピュータ15に取り込まれ、マイクロコンピュータ15は、2つのセンサ1,2からの検出信号を逐次処理してラケット3が振られた方向、角度および速度を算出し、また、これらの算出データに基づいてたとえば打球の初速度、飛球方向、飛球角度および飛球距離を算出する」ものであり、「作成したシミュレーション画像を表示装置に映し出す」構成(以下、「引用発明構成3」という。)である。
したがって、引用発明の「無線部14のアンテナ13」は、本願請求項1発明の「受信手段」に相当し、
本願請求項1発明の「第1加速度センサ」及び「第2加速度センサ」からなる構成と、引用発明の「センサ1」及び「センサ2」からなる構成とは、それぞれ、検出結果から入力する手段の3次元の位置を同定するためのセンサであるから、両者は「センサ」である点で共通し、
引用発明の「センサ検出信号」は、本願請求項1発明の「第1の信号」に相当し、
引用発明の「打球の初速度」を「算出する」構成は、打球後の打球の速度を算出しているから、本願請求項1発明の「キャラクタの打球後の当該キャラクタの打球面に対する速度を算出」する構成に相当し、
引用発明の「相手方のプレーヤ24に向かって飛んでいく飛球27が映し出される」構成は、本願請求項1発明の「前記ゲーム画面上」の「前記キャラクタ」を「相手側方向へ向かって移動する」構成に相当し、
引用発明の「マイクロコンピュータ15」は、本願請求項1発明の「ゲームプロセサ」に相当しているから、
引用発明構成3は、本願請求項1発明の「載置されたゲーム機」であって、
「前記ゲーム機は、
前記第1入力装置から、前記第1の信号を受信する受信手段と、
前記第1ゲームプレイヤにゲームをプレイさせるためのゲーム画面を前記表示装置に表示し、かつ、前記受信手段が受信した前記第1の信号に基づいて、前記ゲーム画面上の前記キャラクタの速度を算出し、前記キャラクタを相手側方向へ向かって移動するゲームプロセサ」との構成に相当する。
したがって、引用発明の「本体U1」は、以下の相違点で述べる点を除いて、「ゲーム機」に相当する。

2 一致点と相違点について
以上によれば、本願請求項1発明と引用発明の一致点と相違点は、次のとおりと認められる。
(1)一致点
「載置された表示装置の画面上に少なくともキャラクタを表示してゲームをプレイする体感ゲーム装置であって、
載置されたゲーム機と、
第1ゲームプレイヤによって三次元空間内で振られる第1入力装置と、を備え、
前記第1入力装置は、
第1のセンサと、
第2のセンサと、
前記第1のセンサに生じる第1の信号および前記第2のセンサに生じる第2の信号を出力する信号出力手段と、を含み、
前記ゲーム機は、
前記第1入力装置から、前記第1の信号を受信する受信手段と、
前記第1ゲームプレイヤに前記ゲームをプレイさせるためのゲーム画面を前記表示装置に表示し、かつ、前記受信手段が受信した前記第1の信号に基づいて、前記ゲーム画面上の前記キャラクタの打球後の当該キャラクタの打球面に対する速度を算出し、前記キャラクタを相手側方向へ向かって移動するゲームプロセサと、
を含む体感ゲーム装置。」

(2)相違点
<相違点1>
本願請求項1発明は、「入力装置」に備えられたセンサが「加速度センサ」であるのに対し、
引用発明では「回転運動の角速度成分として検出する」センサである点。

<相違点2>
本願請求項1発明は、「入力装置」に備えられた2つのセンサを取り付ける方向として、
第1のセンサが「主面が第1軸に垂直になるように配置され」、
第2のセンサが「主面が前記第1軸と垂直な第2軸に垂直になるように配置され」るものであるのに対し、
引用発明では、2つのセンサを取り付ける方向について、このような限定がない点。

<相違点3>
本願請求項1発明は、「キャラクタの打球後」の「速度を算出」する際に、
入力装置の加速度相関信号、並びに、キャラクタの速度および回転角速度に基づいて行うのに対し、
引用発明は、打球の速度および回転角速度について記載されていない点。

<相違点4>
本願請求項1発明は、「対戦型」のゲームであるため、「ゲームプレイヤ」が使用する「入力装置」が2つあり、「ゲーム機」が両者からの入力を処理するのに対し、
引用発明は、ゲームが「対戦型」であるとの記載がなく、「操作者(プレーヤ)」が複数である点の記載がない点。

第5 判断
1 各相違点に関する判断
上記相違点について検討する。
(1)相違点1について
本願請求項1発明の「加速度センサ」と、引用発明の「センサ」は、共に、入力装置の3次元空間内での速度を検出するため構成である。
一方で、ラケットの位置を検出するセンサとして、複数軸方向に設置した加速度センサを用いることは、引用例2に以下のとおり記載されているから、ラケットの3次元空間内での速度を検出する際に複数の加速度センサを用いる技術事項について記載されている。
したがって、引用発明の「センサ」について、引用例2のセンサを用いることで、相違点1に係る本願請求項1発明の構成とすることは、当業者が適宜選択しうる技術事項である。

・引用例2(特開平10-214155号公報)
「【0137】<その他の変形例>また、実施の形態1では、振り出しの方向を方向指示キーで判定していたが、これを用いなくてもよい。例えば、加速度センサを複数の座標軸に向けて設けておけば、これら各加速度センサからの検出信号の大小関係により、振り出しの方向を判定できるからである。
【0138】さらに、本発明の入力装置は、上記各実施の形態にこだわらず、種々に適用できる。例えば、テニス、卓球、アイスホッケー等のラケットに適用してこれらのスポーツを模したゲームの入力装置として使用したり、手に装着可能なグローブ形式の入力装置として、バレーボール等のゲームに使用したりできる。」

(2)相違点2について
引用発明は、一方のセンサによって左右方向(水平方向)の動きを検出し、もう一方のセンサによって上下方向の動きを検出するものであるから、検出方向が互いに垂直であることは明らかである。
そして、その検出方向に合わせた各センサの向きを互いに垂直になるように配置し、それにより、各センサの主面が、互いに垂直な第1軸と第2軸のそれぞれに垂直になるように配置して、上記相違点2に係る本願請求項1発明の構成とすることは、当業者が容易に想到しうる事項である。

(3)相違点3について
打球の経路をシミュレーションする際の要素として、相手ボールの速度や回転があることは、引用例3にも記載されており、当業者が適宜考慮しうる技術事項である。
したがって、引用発明の「打球の初速度、飛球方向、飛球角度および飛球距離を算出する」方法について、引用例3の方法を用いることで、相違点3に係る本願請求項1発明の構成とすることは、当業者が適宜考慮しうる技術事項である。

・引用例3(特開平2-168976号公報)
「一般にプレイヤーがテニスボールの打球経路を決める要素としては、ボールを打つラケットの位置、ラケットの速度、ラケット面の打球の角度、ラケットのスイング方向がある。これらはプレイヤー自身が自由に選択できる要素である。また、プレイヤーが選択出来ない要素として、相手ボールの速度やボール回転があり、更にコートの条件によるボールの反撥係数、摩擦係数の違いや風、更にラケットのスイートスポットをはずすミスが加わる。」(第1頁左下欄下から1行目から右下欄第9行)

(4)相違点4について
テニスなどのゲームにおいて、複数のプレーヤによって同時にプレイさせることでゲームを対戦型とすること、及び、入力装置を2つ設けることは、以下の周知例1-3にも記載されており、周知の技術と認められる。
このため、引用発明に、前記周知技術を適用することで、相違点4に係る本願請求項1発明の構成とすることは、当業者が容易に想到しうる事項である。

・周知例1(特開平9-253333号公報)
「そしてプレーヤがコートを選択すると、図1(B)に示すように、選択されたコートにおいて他のプレーヤ又はコンピュータとの間で対戦(テニスゲーム)を行うための画面を生成する。」(段落【0016】参照。)
「例えば2人でプレイする場合には、図5(A)に示すように、第1、第2のプレーヤは、各々が所持する第1、第2のICカード120、122を本体装置100に装填し、ゲームコントローラ130、132(操作部104に相当)を用いてゲーム操作を行う。」(段落【0027】参照。)

・周知例2(特開平11-197358号公報)
「また、ビデオゲーム機本体1の前面には、2つのコネクタ2aが設けられており、これらのコネクタ2aにはゲーム操作用のPAD2bがケーブル2cを介して接続されている。2人の遊戯者がゲームを楽しむ場合には、2つのPAD2bが使用される。」(段落【0012】参照。)
「なお、本発明は、サッカーゲームに限定されるものではなく、グラウンドやコートにラインが描かれる、テニス、野球、バスケットボール、バレーボール、ラグビー、アメリカンフットボール等、種々のゲームに適用可能である」(段落【0063】参照。)

・周知例3(特開2000-140427号公報)
「【0091】また、上記の実施の形態では、1人のプレイヤがCPUが制御するキャラクタを対戦相手としてプレイするテニスゲームの例を示したが、複数のプレイヤが各々キャラクタを操ってプレイするテニスゲームにも適用できることはいうまでもない。」

2 相違点に関する判断のまとめ
したがって、本願請求項1発明は、引用発明、引用例2記載事項、引用例3記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。また、その作用効果も、引用発明、引用例2記載事項、引用例3記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に想起し得たものである。

第6 まとめ
以上のとおり、本願請求項1発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項(請求項2?7)に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-02 
結審通知日 2012-04-04 
審決日 2012-04-23 
出願番号 特願2000-189666(P2000-189666)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼瀬 健太郎森川 幸俊  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 須田 勝巳
木方 庸輔
発明の名称 体感ゲーム装置および記録媒体  

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