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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1259463
審判番号 不服2010-18824  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-20 
確定日 2012-07-04 
事件の表示 特願2006-540495「端末装置の設定」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 6月 2日国際公開、WO2005/050478、平成19年 5月17日国内公表、特表2007-512602〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2004年11月24日(パリ条約による優先権主張:2003年11月24日(FI)フィンランド共和国)を国際出願日とする出願であって、平成20年8月5日付け拒絶理由通知に対して、平成21年2月10日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年8月11日付け拒絶理由通知に対して、平成22年2月17日に意見書が提出されたが、同年4月16日付けで拒絶査定され、これに対して同年8月20日に不服審判が請求されるとともに手続補正書が提出されたものである。


2.本願発明
本願の請求項16に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年8月20日に提出された手続補正書の特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。

「装置管理サーバ(3)であって、
検知した端末装置(1)の変化した端末装置能力に関する情報を受信する手段と、
前記変化した端末装置能力に対応するパラメータの好み設定を判定するための手段(4)と、
前記端末装置(1)を設定するために新しい端末装置能力に対応するパラメータの好み設定を前記端末装置に送信する手段と、
を備えることを特徴とする装置管理サーバ。」


3.引用例
原査定の拒絶の理由(平成21年8月11日付け拒絶理由通知により通知された理由)に引用された特開2002-330134号公報(平成14年11月15日公開。以下、「引用例」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は当審において付与。)。

「【0019】〔実施の形態1〕図1は、実施の形態1に係る自動機器設定装置10の構成を示す。自動機器設定装置10は、単一のコンピュータからなるシステム、又は複数のコンピュータを適当な通信ラインを介して接続したネットワークからなるシステムに搭載され、システムに新たな機器が接続された場合、また既に接続されている機器が取り外された場合、さらに既に接続されている機器の設定が変更された場合、その構成変更を自動的に認識して資源を割り当てるものである。また、以下に説明する自動機器設定装置10の各部は論理回路によって構成することもできるし、コンピュータの構成機器(CPU、記憶回路、演算回路等)を動作させるプログラムの形態で実現することもできる。
【0020】このような機能を達成するため、自動機器設定装置10は機器認識部12を有する。機器認識部12は、自動機器設定装置10を含むシステムに別の機器14が接続されたこと、また接続されていた機器14が取り外されたこと、さらに接続されている機器14の設定が変更されたことの情報(以下、これらの情報を総称して「構成変更情報」という。)を取得する。ここで、機器とは、例えば計算機の内部拡張ボード、外部拡張装置であり、より具体的には音声や映像の符号化装置や表示装置なども含む概念である。また、機器は物理的な装置に限るものでなく、ソフトウェアの形態も含む。
【0021】機器認識部12による構成変更情報の取得は、自動機器設定装置10と機器14とを接続する接続バスの走査、若しくは機器又は機器を含む別の装置から自動機器設定装置10への通知によって行われる。また、機器認識部12は、構成変更情報をもとに、構成変更に係る機器特定情報(例えば、機器14の機器識別番号)を得る。次に、機器認識部12は、機器特定情報を検索キーとして機器情報データベース16を検索し、当該機器14の情報を取得する。機器情報データベース16は、対象とする機器だけでなく、市場に提供されている種々の機器について、機器種別、性能、特徴、消費資源、設定方法などを格納しており、機器認識部12は対象機器に関するすべての機器情報、又はシステムを設定するうえで必要な機器情報を取得する。機器情報データベース16は、自動機器設定装置10の一部を構成するものであってもよいし、自動機器設定装置10と通信網を介して接続された他のコンピュータ又はネットワークに含まれるものであってもよい。
【0022】機器認識部12が取得した機器情報は、サービス品質判断部18に提供される。サービス品質判断部18は、機器種別などの機器情報を検索キーとして、サービス品質情報データベース20を検索し、機器14の動作に必要なサービス品質を取得する。ここで、サービス品質とは、システムがユーザに提供するサービスの品質を指し、映像表示装置の場合には映像解像度、映像表示レートなどの利用者に提供するサービスの品質、またそのサービスを提供するために必要なバス帯域やCPU利用率など、システムが提供する資源の品質である。また、サービス品質情報データベース20は、自動機器設定装置10の一部を構成するものであってもよいし、自動機器設定装置10と通信網を介して接続された他のコンピュータ又はネットワークに含まれるものであってもよい。
【0023】機器認識部12が取得した機器情報はまた、資源割当部22に提供される。サービス品質判断部18で取得されたサービス品質も、同様に資源割当部22に提供される。資源割当部22は、取得した機器情報とサービス品質に基づき、対象機器14の動作に必要な資源を割り当てる。ここで、資源とは、割り込み番号(IRQ)やメモリスロット・占有タイムスロット・管理テーブルエントリなどの静的に消費されるものと、CPU利用率や実行時使用メモリ量・バス帯域・ネットワーク帯域などの利用時に動的に消費されるものが含まれる。
【0024】機器設定部24は、機器認識部12で得られた機器情報と、サービス品質判断部18で判断されたサービス品質と、資源割当部22で割り当てられた資源に応じて、対象機器14を設定する。
【0025】このように、自動機器設定装置10によれば、所望のサービス品質を要求する機器に自動的に必要な資源を割り当てることができるし、割り当てられた資源に応じて機器を自動的に設定できる。そのため、機器14の設定作業が簡単となり、システム等の運用が容易になる。また、ユーザの技量不足等に起因する誤設定を解消できるので、保守性も良くなる。」(第3頁第4欄第10行-第4頁第5欄第38行)

したがって、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

「複数のコンピュータを適当な通信ラインを介して接続したネットワークからなるシステムに搭載され、システムに既に接続されている機器の設定が変更された場合、その構成変更を自動的に認識する自動機器設定装置10であって、
自動機器設定装置10の各部はコンピュータの構成機器を動作させるプログラムの形態で実現することができ、
自動機器設定装置10は機器認識部12を有し、機器認識部12は、自動機器設定装置10を含むシステムに接続されている機器14の設定が変更されたことの情報(「構成変更情報」)を取得し、
ここで、機器とは、例えば計算機の内部拡張ボード、外部拡張装置であり、より具体的には音声や映像の符号化装置や表示装置なども含む概念であり、
機器認識部12による構成変更情報の取得は、機器14又は機器14を含む別の装置から自動機器設定装置10への通知によって行われ、
また、機器認識部12は、構成変更情報をもとに、構成変更に係る機器特定情報を得、次に、機器認識部12は、機器特定情報を検索キーとして機器情報データベース16を検索し、対象機器14に関するすべての機器情報、又はシステムを設定するうえで必要な機器情報を取得し、
機器情報データベース16は、自動機器設定装置10の一部を構成するものであってもよく、
機器設定部24は、機器認識部12で得られた機器情報に応じて、対象機器14を設定する、
自動機器設定装置10。」


4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
a.引用発明の自動機器設定装置10は、その各部がコンピュータの構成機器を動作させるプログラムの形態で実現することができることから、コンピュータであるといえ、また、ネットワークからなるシステムに接続されている機器の設定機能を提供するものであるから、引用発明の「自動機器設定装置10」は、本願発明の「装置管理サーバ(3)」に相当する。

b.引用発明の機器14は、ネットワークからなるシステムに接続されており、より具体的には音声や映像の符号化装置や表示装置なども含むものであるので、端末装置であるといえる。また、引用発明では、自動機器設定装置10の機器認識部12は、機器14又は機器14を含む別の装置から自動機器設定装置10への通知によって、機器14の設定が変更されたという構成変更情報の取得が行われている。通知に先立って、機器14等で構成変更情報の検知が行われていることは明らかである。よって、引用発明の「機器認識部12」は、本願発明の「検知した端末装置(1)の変化した端末装置能力に関する情報を受信する手段」と、「検知した端末装置(1)の変化した端末装置に関する情報を受信する手段」である点で共通しているといえる。

c.引用発明では、機器認識部12は、構成変更情報をもとに、構成変更に係る機器特定情報を得、次に、機器特定情報を検索キーとして機器情報データベース16を検索し、対象機器14に関するすべての機器情報、又はシステムを設定するうえで必要な機器情報を取得している。また、機器情報データベース16は、自動機器設定装置10の一部を構成するものであってもよい。
機器に関するの機器情報や、システムを設定するうえで必要な機器情報が、パラメータで与えられることは明らかである。また、機器情報データベースの検索が、機器の構成変更に対応する設定を判定するために行われていることも明らかである。
よって、引用発明の「機器情報データベース16」は、本願発明の「前記変化した端末装置能力に対応するパラメータの好み設定を判定するための手段(4)」と、「前記変化した端末装置に対応するパラメータの設定を判定するための手段(4)」である点で共通しているといえる。

d.引用発明では、機器設定部24は、機器認識部12で得られた機器情報に応じて、対象機器14を設定している。対象機器14を設定する際に、検索で得られた新しい機器情報を対象機器14に送信していることは明らかである。よって、引用発明の「機器設定部24」は、本願発明の「前記端末装置(1)を設定するために新しい端末装置能力に対応するパラメータの好み設定を前記端末装置に送信する手段」と、「前記端末装置(1)を設定するために新しい端末装置に対応するパラメータの設定を前記端末装置に送信する手段」である点で共通しているといえる。

したがって、本願発明と引用発明との一致点・相違点は次のとおりである。
<一致点>
「装置管理サーバ(3)であって、
検知した端末装置(1)の変化した端末装置に関する情報を受信する手段と、
前記変化した端末装置に対応するパラメータの設定を判定するための手段(4)と、
前記端末装置(1)を設定するために新しい端末装置に対応するパラメータの設定を前記端末装置に送信する手段と、
を備えることを特徴とする装置管理サーバ。」
である点。

<相違点1>
本願発明は、装置管理サーバが、検知した端末装置の変化した端末装置能力に関する情報を受信する手段と、前記変化した端末装置能力に対応するパラメータの設定を判定するための手段と、前記端末装置を設定するために新しい端末装置能力に対応するパラメータの設定を前記端末装置に送信する手段とを備えているのに対して、引用発明は、装置管理サーバが受信しているのが、変化した端末装置能力に関する情報ではなく、判定しているのが、前記変化した端末装置能力に対応するパラメータの設定ではなく、端末装置に送信しているのが、新しい端末装置能力に対応するパラメータの設定ではない点。

<相違点2>
本願発明は、装置管理サーバが、パラメータの好み設定を判定して、端末装置に送信するのに対して、引用発明は、パラメータの設定を判定・送信しているものの、パラメータの好み設定とは明記されていない点。


5.当審の判断
以下、相違点について検討する。
・<相違点1>について
引用発明において、「例えば計算機の内部拡張ボード、外部拡張装置」であるような、端末装置(機器)の設定を変更することにより、当該端末装置の能力に変化が生じることは、当業者にとって自明の事実であり、管理サーバが、端末装置の設定の変更を受信するのに代えて、変化した端末装置能力に関する情報を受信するように構成することは、当業者が適宜なし得ることである。
よって、引用発明において、装置管理サーバが、端末装置の設定の変更を受信するのに代えて、変化した端末装置能力に関する情報を受信するようにし、当該装置管理サーバが、変化した端末装置能力に対応するパラメータの設定を判定して、端末装置を設定するために新しい端末装置能力に対応するパラメータの設定を前記端末装置に送信するよう構成することは、当業者が容易になし得ることである。

・<相違点2>について
サーバ側のデータベースに好み設定を記憶しておき、端末装置からの情報に応じて、好み設定を送信することは、特開2001-202319号公報(段落【0004】-【0005】,【0031】,【0034】-【0035】,【0043】-【0048】参照。)や、特開2002-259335号公報(平成20年8月5日付け拒絶理由通知で引用。段落【0042】,【0069】,【0073】,【0137】,【0140】,【0144】-【0145】参照。)にみられるように周知な技術である。
したがって、引用発明におけるパラメータの設定に、この周知技術を適用し、装置管理サーバがパラメータの好み設定を判定して、パラメータの好み設定を端末装置に送信するように構成することは、当業者が容易になし得ることである。

さらに、本願発明の奏する効果も、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測し得る範囲内のものである。


6.むすび
以上の検討から、本願発明(請求項16に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-01-26 
結審通知日 2012-01-31 
審決日 2012-02-17 
出願番号 特願2006-540495(P2006-540495)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 須藤 竜也田内 幸治  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 安島 智也
稲葉 和生
発明の名称 端末装置の設定  
代理人 青木 篤  
代理人 下道 晶久  
代理人 鶴田 準一  
代理人 森 啓  
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