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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1260032
審判番号 不服2011-578  
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-11 
確定日 2012-07-11 
事件の表示 特願2007-238321「遊技機の電飾役物」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 4月 2日出願公開、特開2009- 66221〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願の手続の経緯概要は以下のとおりである。
平成19年 9月13日 出願
平成22年 7月30日 拒絶理由通知
平成22年10月 4日 手続補正
平成22年10月20日 拒絶査定
平成23年 1月11日 本件審判請求

2.本願発明
本願の請求項1に記載された発明は、平成22年10月4日付けの手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。

「外周に表示面部を有する回転体と、前記回転体の前方に配置され、前記回転体を外部から視認できる透過状態と視認できない遮断状態とに選択的に切替えるシャッター手段と、前記回転体を照明する回転体照明手段とを備え、
前記シャッター手段は、通電の有無に応じて前記透過状態及び前記遮断状態に設定される調光ガラスにより構成されて、回転中の前記回転体の前記表示面部が正面を向いているときのみ、前記透過状態となり、前記回転体照明手段によって照明されている前記表示面部が外部から視認できるよう構成されることを特徴とする遊技機の電飾役物。」(以下、「本願発明」という。)

3.引用文献
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-288738号公報には、以下の事項が図面とともに記載されている。
【0011】
請求項1の遊技機は(例えば図1ないし図7参照)、遊技球を受け入れる入賞口(16)を遊技領域(7a)に配置した遊技機(1)において、前記遊技領域(7a)に配置されたハーフミラー(51)と、前記ハーフミラー(51)の背後に配置され、立体造形物(F1)を有して回転可能に支持された回転部材(41)と、前記回転部材(41)を回転させて任意の停止位置に停止可能な駆動手段(45)と、前記立体造形物(F1)を照明可能に配置された照明手段(56)と、前記入賞口(16)への入球を検知して行われる抽選の結果に基づいて前記停止位置を決定するとともに、前記駆動手段(45)を制御して前記回転部材(41)を前記停止位置に停止させ、前記照明手段(56)を制御して前記立体造形物(F1)を照明させる制御手段(47、131)とを備えたものである。
【0049】
・・・センター飾り12の右下部分には、アニメーション作品の登場人物の象徴的図像(いわゆるキャラクタ)をかたどった人形54が取り付けられ、人形54の背後から上へ向かってセンター飾り12の右側を占めさせて、ケムリの立体造形53が配置されている。
【0050】
・・・ケムリの立体造形53には開口12a、12bが形成され、開口12a、12bにハーフミラー51、52が取り付けてある。
【0051】
ハーフミラー51、52の内側には、それぞれ人形切替リール41、42(図5参照)
が配置されている。人形切替リール41、42には、センター飾り12右下の人形54と同じアニメーション作品に登場する3人の登場人物の象徴的図像の立体造形物である人形F1、F2、F3(図4、図5参照)が取り付けてあり、人形F1、F2、F3を用いて図柄表示装置6の飾り図柄6aと連動させた演出が行われる。
【0053】
図4に示すように、人形切替リール41は、180度ごとの分割領域を仕切る背景板41aの表側41bに幸運を象徴する人形F1、背景板41aの裏側41cに不運を象徴する人形F2(左上枠内参照)をそれぞれ取り付けてある。そして、ハーフミラー51の背後で人形切替リール41を矢印のように回転させることにより、人形F1または人形F2を正面側に位置決めて、ハーフミラー51越しに観察可能にすることができる。
【0054】
図5に示すように、ハーフミラー51の背後には、不図示の軸受けに支持された回転軸43を中心にして、人形切替リール41が回転可能に支持されている。・・・
【0056】
ハーフミラー51(52)の背後には、人形切替リール41(42)に向けて光源56(57)が配置され、光源56(57)を点灯することにより、ハーフミラー51(52)を通じて人形切替リール41(42)が観察可能となる。
【0057】
ハーフミラー51(52)は、透明ガラスの片面に薄膜層を形成して50%前後の反射率と透過率とを獲得させたもので、暗い側から観察すると、明るい側から透過してくる光量が多いために反対側が透けて見えるが、明るい側から観察すると、暗い側から透過してくる光が観察側の反射光に埋もれて鏡面となる。従って、光源56(57)の消灯状態では、遊技者側よりもハーフミラー51(52)の内側が暗いので、ハーフミラー51(52)は鏡面として観察される。しかし、光源56(57)の点灯状態では、遊技者側への透過光量が遊技者側での反射光量よりも多くなって、ハーフミラー51(52)越しに内側の人形切替リール41(42)を見通せる。
【0074】
・・・人形切替リール41、42の回転中は光源56、57を消灯して途中経過を見せないから、人形F1、F2、F3の切り替えを魔法の如く実行できる。

以上の各記載事項、遊技機に関する常識によれば、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。
「背景板41aの表側41bに人形F1、裏側41cに人形F2を取り付けて構成するとともに、回転可能に支持した人形切替リール41と、前記人形切替リール41の遊技者側に配置され、光源56の点灯状態で前記人形切替リール41を遊技者側から見通せる状態となり、光源56の消灯状態で見通せない状態となるハーフミラー51と、前記人形切替リール41を照明する光源56とを備え、
前記ハーフミラー51は、前記人形切替リール41が回転中は見通せない状態となり、人形F1、F2を正面側に位置決めした後見通せる状態となって人形F1、F2を遊技者から観察可能にする、遊技機のセンター飾り12。」(以下、「引用発明」という。)

4.対比
引用発明について、以下のことがいえる。
(1)「背景板41aの表側41bに人形F1、裏側41cに人形F2を取り付けて構成するとともに、回転可能に支持した人形切替リール41」について
「人形切替リール41」は回転可能であるから本願発明の「回転体」に相当し、背景板41aの表側41b及び裏側41cは人形F1,F2を取付けて表示を行うための面であるから本願発明の「表示面部」に相当する。そして、背景板41aは板体であって所定の厚さを有するものであるから、表側41b及び裏側41cは背景板41aの外周にあるものということができる。そうすると、背景板、人形F1、F2からなる「人形切替リール41」は、本願発明の「外周に表示面部を有する回転体」に相当する。
(2)「前記人形切替リール41の遊技者側に配置され、光源56の点灯状態で前記人形切替リール41を遊技者側から見通せる状態となり、光源56の消灯状態で見通せない状態となるハーフミラー51」について
本願発明のように遊技者側を「前方」とした場合、「ハーフミラー51」は、人形切替リール41の遊技者側に配置されるものであるから、「回転体の前方に配置され」たものということができる。また、「人形切替リール41を遊技者側から見通せる状態」及び「見通せない状態」は、本願発明の「回転体を外部から視認できる透過状態と視認できない遮断状態」に相当し、このような状態の切替えを行う「ハーフミラー51」は「シャッター手段」ということができる。そして、この状態の切替えは光源の点灯消灯で行われるから、「ハーフミラー51」は状態を「選択的に切替える」ものといえる。
そうすると、引用発明は、本願発明の「前記回転体の前方に配置され、前記回転体を外部から視認できる透過状態と視認できない遮断状態とに選択的に切替えるシャッター手段」に相当する構成を実質的に具備している。
(3)「前記人形切替リール41を照明する光源56」について
当該構成は、本願発明の「回転体を照明する回転体照明手段」に相当する。
(4)「前記ハーフミラー51は、前記人形切替リール41が回転中は見通せない状態となり、人形F1、F2を正面側に位置決めした後見通せる状態となって人形F1、F2を遊技者から観察可能にする」について
「前記人形切替リール41が回転中は見通せない状態となり、人形F1、F2を正面側に位置決めした後見通せる状態」になるということは、本願発明の「回転中の前記回転体の前記表示面部が正面を向いているときのみ、前記透過状態とな」ることに相当することは明らかであり、「見通せる状態」では人形F1、F2は照明されているから、「見通せる状態となって人形F1、F2を遊技者から観察可能にする」が、本願発明の「回転体照明手段によって照明されている前記表示面部が外部から視認できるよう構成される」に相当することは明らかである。
(5)引用発明のように、演出のため動いたり光ったりする仕掛けのことを「電飾役物」と呼称することができるということは、当業者にとって自明である。

そうすると、本願発明と引用発明は、
「外周に表示面部を有する回転体と、前記回転体の前方に配置され、前記回転体を外部から視認できる透過状態と視認できない遮断状態とに選択的に切替えるシャッター手段と、前記回転体を照明する回転体照明手段とを備え、
前記シャッター手段は、回転中の前記回転体の前記表示面部が正面を向いているときのみ、前記透過状態となり、前記回転体照明手段によって照明されている前記表示面部が外部から視認できるよう構成されることを特徴とする遊技機の電飾役物」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
シャッター手段が、本願発明では、通電の有無に応じて透過状態及び遮断状態に設定される調光ガラスにより構成されているのに対し、引用発明では、ハーフミラー51である点。

5.判断
上記相違点について検討する。
遊技機分野において、通電の有無に応じて透過状態及び遮断状態に設定される調光ガラスによりシャッター手段を構成することは、下記の周知例に示されるように従来周知技術である。
(周知例1)特開2004-16580号公報
(周知例2)特開平4-53579号公報
(周知例3)特開2004-24283号公報
そして、引用発明も上記周知技術も遊技機分野に属するものであるから、引用発明のシャッター手段として、ハーフミラー51に代えて上記調光ガラスを採用し、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって想到容易である。

そして、本願発明の効果は、引用発明、上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願発明は、引用発明、上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6. むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-23 
結審通知日 2012-05-08 
審決日 2012-05-22 
出願番号 特願2007-238321(P2007-238321)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿南 進一  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 秋山 斉昭
長崎 洋一
発明の名称 遊技機の電飾役物  
代理人 上田 千織  
代理人 飯田 昭夫  
代理人 村松 孝哉  
代理人 江間 路子  
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