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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1260082
審判番号 不服2010-28527  
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-17 
確定日 2012-07-12 
事件の表示 特願2004-256687「センサーパッケージおよびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 3月16日出願公開、特開2006- 73852〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年9月3日の出願であって、平成22年6月28日に手続補正がなされ、同年9月17日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年12月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日に手続補正がなされ、その後当審において、平成23年12月26日付けで審尋がなされ、平成24年2月21日に回答書が提出されたものである。

2.補正の却下の決定
【補正の却下の決定の結論】
平成22年12月17日になされた手続補正を却下する。

【理由】
(1)補正の内容
平成22年12月17日になされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲及び明細書を補正するものであって、そのうちの補正前後の請求項は以下のとおりである。

(補正前)
「【請求項1】
センサーと、該センサーの表面のアクティブ面に空隙部を介して対向するようにセンサー表面に所定の高さをもつ封止部材により固着された保護材と、センサーの表面および裏面にそれぞれ配設された配線と、センサーを貫通し両面の所望の前記配線に接続した複数の表裏導通ビアと、を有するとともに、裏面の配線は外部端子を有し、該外部端子には外部端子凸部材を備え、前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間の前記空隙部は、前記封止部材により設定されていることを特徴とするセンサーパッケージ。
【請求項2】
前記空隙部の厚みは、1?20μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項3】
前記センサーは、イメージセンサーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサーパッケージ。
【請求項4】
前記センサーは、MEMSセンサーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサーパッケージ。
【請求項5】
前記保護材は、赤外線カットフィルターであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項6】
前記表裏導通ビアは、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項7】
前記保護材は、ガラスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項8】
前記外部端子と前記外部端子凸部材の間に、応力緩和導電層が介在することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項9】
前記応力緩和導電層は、合成ゴム中に導電粒子を分散させたものであることを特徴とする請求項9に記載のセンサーパッケージ。
【請求項10】
ウエハを多面付けに区画し、各面付け毎にセンサーを作製する工程と、
各面付け毎に前記センサー表面のアクティブ面の外側の領域に複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して表裏導通ビアを形成し、該表裏導通ビアと接続する配線を各面付け毎にセンサーの両面に形成し、センサー裏面に前記配線に接続した外部端子を形成する工程と、
各面付け毎に前記センサー裏面の前記外部端子に外部端子凸部材を形成する工程と、
多面付けの前記センサーのアクティブ面と対向するように、ウエハサイズの保護材を、各面付け毎に配設した封止部材に固着させて、前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間に前記封止部材の高さで設定される所定の空隙部を形成する工程と、
多面付けの前記ウエハと前記保護材をダイシングする工程と、を有することを特徴とするセンサーパッケージの製造方法。
【請求項11】
半硬化の状態の前記封止部材に前記保護材を押圧して前記センサーのアクティブ面との間に所定の大きさの空隙部が確保された状態で、前記封止部材を硬化させて前記保護材と前記封止部材とを固着することを特徴とする請求項10に記載のセンサーパッケージの製造方法。
【請求項12】
前記外部端子上に応力緩和導電層を形成し、該応力緩和導電層上に前記外部端子凸部材を形成することを特徴とする請求項10または請求項11に記載のセンサーパッケージの製造方法。」

(補正後)
「【請求項1】
センサーと、該センサーの表面のアクティブ面に空隙部を介して対向するようにセンサー表面に所定の高さをもつ封止部材により固着された保護材と、センサーの表面および裏面にそれぞれ配設された配線と、センサーを貫通し両面の所望の前記配線に接続した複数の表裏導通ビアと、を有するとともに、裏面の配線は外部端子を有し、該外部端子には外部端子凸部材を備え、前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間の前記空隙部は、前記封止部材により設定されており、前記表裏導通ビアは、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものであることを特徴とするセンサーパッケージ。
【請求項2】
前記空隙部の厚みは、1?20μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項3】
前記センサーは、イメージセンサーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサーパッケージ。
【請求項4】
前記センサーは、MEMSセンサーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサーパッケージ。
【請求項5】
前記保護材は、赤外線カットフィルターであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項6】
前記保護材は、ガラスであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項7】
前記外部端子と前記外部端子凸部材の間に、応力緩和導電層が介在することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
【請求項8】
前記応力緩和導電層は、合成ゴム中に導電粒子を分散させたものであることを特徴とする請求項7に記載のセンサーパッケージ。
【請求項9】
ウエハを多面付けに区画し、各面付け毎にセンサーを作製する工程と、
各面付け毎に前記センサー表面のアクティブ面の外側の領域に、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して表裏導通ビアを形成し、該表裏導通ビアと接続する配線を各面付け毎にセンサーの両面に形成し、センサー裏面に前記配線に接続した外部端子を形成する工程と、
各面付け毎に前記センサー裏面の前記外部端子に外部端子凸部材を形成する工程と、
多面付けの前記センサーのアクティブ面と対向するように、ウエハサイズの保護材を、各面付け毎に配設した封止部材に固着させて、前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間に前記封止部材の高さで設定される所定の空隙部を形成する工程と、
多面付けの前記ウエハと前記保護材をダイシングする工程と、を有することを特徴とするセンサーパッケージの製造方法。
【請求項10】
半硬化の状態の前記封止部材に前記保護材を押圧して前記センサーのアクティブ面との間に所定の大きさの空隙部が確保された状態で、前記封止部材を硬化させて前記保護材と前記封止部材とを固着することを特徴とする請求項9に記載のセンサーパッケージの製造方法。
【請求項11】
前記外部端子上に応力緩和導電層を形成し、該応力緩和導電層上に前記外部端子凸部材を形成することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のセンサーパッケージの製造方法。」

(2)補正事項の整理
(補正事項a)補正前の請求項1の「前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間の前記空隙部は、前記封止部材により設定されている」を、補正後の請求項1の「前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間の前記空隙部は、前記封止部材により設定されており、前記表裏導通ビアは、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものである」と補正すること。

(補正事項b)補正前の請求項6を削除するとともに、当該削除に伴って、請求項の番号及び引用する請求項の番号を修正すること。

(補正事項c)補正前の請求項10の「各面付け毎に前記センサー表面のアクティブ面の外側の領域に複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して表裏導通ビアを形成し、該表裏導通ビアと接続する配線を各面付け毎にセンサーの両面に形成し、センサー裏面に前記配線に接続した外部端子を形成する工程と、」を、補正後の請求項9の「各面付け毎に前記センサー表面のアクティブ面の外側の領域に、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して表裏導通ビアを形成し、該表裏導通ビアと接続する配線を各面付け毎にセンサーの両面に形成し、センサー裏面に前記配線に接続した外部端子を形成する工程と、」と補正すること。

(3)新規事項追加の有無及び補正の目的の適否についての検討
(3-1)補正事項aは、補正前の請求項1に係る発明における発明特定事項である「 表裏導通ビア」について、「裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものである」と限定的に減縮する事項を追加する補正であり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項(以下「特許法第17条の2第4項」という。)第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、「裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものである」という事項は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0008】及び【0010】の記載に基づく補正であり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(以下「特許法第17条の2第3項」という。)に規定された新規事項の追加禁止の要件を満たしている。

(3-2)補正事項bは、特許法第17条の2第4項第1号に掲げる請求項の削除に該当する。

(3-3)補正事項cは、補正前の請求項1に係る発明における発明特定事項である「複数の微細貫通孔」について、「裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす」と限定的に減縮する事項を追加する補正であり、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、「裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす」という事項は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0008】及び【0010】の記載に基づく補正であり、特許法第17条の2第3項に規定された新規事項の追加禁止の要件を満たしている。

(4)独立特許要件について
(4-1)はじめに
上記(3)において検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるから、本件補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項(以下「特許法第17条の2第5項」という。)において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか否かについて、検討する。

(4-2)補正後の請求項1に係る発明
本件補正による補正後の請求項1ないし11に係る発明は、平成22年12月17日になされた手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載されている事項により特定されるとおりのものであって、そのうちの補正後の請求項1に係る発明(以下「補正後の発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される上記2.(1)の補正後の請求項1として記載したとおりのものである。

(4-3)引用刊行物
(4-3-1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前である平成14年3月29日に日本国内で頒布された刊行物である特開2002-94082号公報(以下「引用刊行物」という。)には、図1ないし7及び9とともに、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当合議体において付加したものである。(以下同様。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光素子及びその製造方法並びに電子機器に関する。」
「【0037】(実施形態1.)図1は本発明の第1実施形態に係る受光素子を拡大して示す断面図、図2は本実施形態の受光素子の第1の製造方法の説明図で、ベースとなる半導体ウエハ5とこれに貼り付けられる光学ガラス9(光透過性部材)との関係を示している。なお、図2では、光透過性部材として光学ガラス9を使用する例を示すが、光透過性部材の材料は、ガラスの他に例えば樹脂(プラスチック)などを使用してもよい。」
「【0040】図1のように、受光素子1は、受光部13と、受光部13と電気的に接続された電極2と、を有する半導体チップ6からなる。半導体チップ6は、受光部13が形成された第1の面Bと、第1の面Bに対向する第2の面Aを有する。電極2は、第1の面Bに形成されることが多い。なお、半導体チップ6は、半導体ウエハ5から切断された半導体素子3(図2,図3参照)である。
【0041】半導体チップ6は、第1の面Bから第2の面Aを貫通する貫通穴4を有する。そして、半導体チップ6の貫通穴4の内壁面を含み、第1の面Bに形成された電極2から第2の面Aにかけて導電層8が形成されている。言い換えると、導電層8は、一方が電極2に電気的に接続され、他方が第2の面Aに至るように形成されている。
【0042】受光素子1は、半導体チップ6の第2の面Aにおける貫通穴4の周縁の導電層8上に形成された外部電極となるハンダボール24を有してもよい。また、受光素子1は、半導体チップ6の第1の面Bに、透明樹脂または低融点ガラスからなる接着剤11などにより貼り付けられた光学ガラス9a又は光学ガラスチップ9bを有してもよい。
【0043】電極2には、絶縁膜10を介して貫通穴4と連通する穴12が形成されている。導電層8は、電極2の少なくとも一部に積層して形成されている。貫通穴4の内側において、導電層8の下には絶縁膜10が形成され、半導体チップ6の内部に形成された回路との電気的接続を遮断している。そして、導電層8によって、半導体チップ6の第1の面Bと第2の面Aとの間の電気的な接続が図られている。
【0044】光学ガラス9a又は光学ガラスチップ9bは、ここでは全面が受光部13に貼り付けられているが、これに限るものでなく、例えばその周辺部が受光部13を囲むように貼り付けてもよい。」
「【0089】(実施形態2.)図9は本発明の第2実施形態に係る受光素子を拡大して示す断面図であり、図中、前述の第1実施形態の図1と同一部分には同一符号を付してある。なお、説明にあたっては、前述の図2?図7(G)を参照するものとする。
【0090】本実施形態に係る受光素子100も、そのパッケージングをウエハレベルで行ったものであってもよい。また、受光素子100は、光学ガラス109a(光透過性部材)を貼り付け後の各半導体素子3(図2参照)を個片に切断して得られたものであってもよく、あるいは、良品と判定された各半導体素子3に光学ガラスチップ109bを貼り付けた後に、良品のいずれかの半導体素子3(図5参照)を個片に切断して得られたものであってもよい。なお、光学ガラス109a(又は光学ガラスチップ109b)は、半導体チップ6の受光部13を覆うためのカバーガラスであってもよい。
【0091】受光素子100は、図9のように受光部13が形成された第1の面Bに、受光部13と電気的に接続された電極2を有する半導体チップ6からなる。半導体チップ6については、第1実施形態で既に説明した通りである。
【0092】受光素子100は、半導体チップ6の第2の面Aに部分的に形成された応力緩和層20を有する。そして、導電層8は、貫通穴4の内壁面を含み、電極2から応力緩和層20の上にかけて形成されている。受光素子100は、導電層8のうち、応力緩和層20上に形成された部分にハンダボール24を有してもよい。すなわち、導電層8のうち、応力緩和層20の上に形成された部分は、外部電極となるハンダボール24を設けるための台座22となる。また、受光素子100は、第2の面Aの保護や防湿性の向上を目的として形成されてハンダボール24を除く部分を覆うソルダレジスト層からなる保護膜26と、透明樹脂または低融点ガラスからなる接着剤11により半導体チップ6の第1の面Bに貼り付けられた光学ガラス109a(又は光学ガラスチップ109b)と、を有してもよい。なお、ここでも光学ガラス109a(又は光学ガラスチップ109b)は、全面が受光部13に貼り付けられているものを例に挙げているが、これに限るものでなく、例えばその周辺部が受光部13を囲むように貼り付けてもよい。それ以外の構成については、前述の図1で説明した内容を適用することができる。」

(4-3-2)そうすると、引用刊行物には、以下の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されているものと認められる。

「受光部13が形成された第1の面Bと、前記第1の面Bに対向する第2の面Aを有し、受光部13が形成された前記第1の面Bに、前記受光部13と電気的に接続された電極2を有する半導体チップ6と、
接着剤11により、前記半導体チップ6の前記第1の面Bに貼り付けられた光学ガラス109aと、
前記半導体チップ6の前記第1の面Bから前記第2の面Aを貫通する貫通穴4と、
前記貫通孔4の内壁面を含み、前記第1の面Bに形成された前記電極2から前記第2の面Aにかけて形成された導電層8と、
前記半導体チップ6の前記第2の面Aに部分的に形成された応力緩和層20を有し、
前記導電層8のうち、前記応力緩和層20上に形成された部分にハンダボール24を有する、
受光素子。」

(4-4)対比・判断
(4-4-1)刊行物発明の「半導体チップ」及び「受光素子」は、各々補正後の発明の「センサー」及び「センサーパッケージ」に相当する。

(4-4-2)刊行物発明の「受光部13が形成された第1の面B」及び「光学ガラス109a」は、各々補正後の発明の「センサーの表面のアクティブ面」及び「保護材」に相当するから、刊行物発明の「接着剤11により、」「半導体チップ6の」「第1の面Bに貼り付けられた光学ガラス109a」と補正後の発明の「センサーの表面のアクティブ面に空隙部を介して対向するようにセンサー表面に所定の高さをもつ封止部材により固着された保護材」とは、「センサーの表面のアクティブ面に」「固着された保護材」という点で共通する。

(4-4-3)刊行物発明の「導電層8」は、「半導体チップ」の「第1の面B」及び「第2の面A」にも形成されていることは明らかであるから、刊行物発明の「導電層8」のうち、「第1の面B」及び「第2の面A」に形成された部分は、補正後の発明の「センサーの表面および裏面にそれぞれ配設された配線」に相当する。

(4-4-4)「半導体チップ6の」「第1の面Bから」「第2の面Aを貫通する貫通穴4」が複数存在することは、例えば、引用刊行物の図9からも明らかであるから、刊行物発明の「導電層8」のうち、「半導体チップ6の」「第1の面Bから」「第2の面Aを貫通する貫通穴4」「の内壁面」に形成された部分は、補正後の発明の「センサーを貫通し両面の所望の」「配線に接続した複数の表裏導通ビア」に相当する。

(4-4-5)刊行物発明の「導電層8のうち、」「応力緩和層20上に形成された部分」は、補正後の発明の「外部端子」に相当する。

(4-4-6)刊行物発明の「導電層8のうち、」「応力緩和層20上に形成された部分」に形成された「ハンダボール24」は、補正後の発明の「外部端子凸部材」に相当する。

(4-4-7)そうすると、補正後の発明と刊行物発明とは、
「センサーと、
該センサーの表面のアクティブ面に固着された保護材と、
センサーの表面および裏面にそれぞれ配設された配線と、
センサーを貫通し両面の所望の前記配線に接続した複数の表裏導通ビアと、
を有するとともに、
裏面の配線は外部端子を有し、
該外部端子には外部端子凸部材を備えた、
センサーパッケージ。」である点で一致し、次の3点で相違する。

(相違点1)補正後の発明の「保護材」は、「センサーの表面のアクティブ面に空隙部を介して対向するようにセンサー表面に所定の高さをもつ封止部材により固着され」ているのに対し、刊行物発明の「光学ガラス109a」は、「接着剤11により、」「半導体チップ6の」「第1の面Bに貼り付けられ」ている点。

(相違点2)補正後の発明では、「センサーのアクティブ面と」「保護材との間の」「空隙部は、」「封止部材により設定されて」いるのに対し、刊行物発明では、そもそも、「半導体チップ6の」「第1の面B」と「光学ガラス109a」との間に空隙部が存在しない点。

(相違点3)補正後の発明では、「表裏導通ビアは、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものである」のに対し、補正後の発明の「微細貫通孔」に相当する刊行物発明の「貫通孔8」には、そのような特定がなされていない点。

(4-5)判断
(4-5-1)相違点1及び2について
引用刊行物には、「【0092】・・・なお、ここでも光学ガラス109a(又は光学ガラスチップ109b)は、全面が受光部13に貼り付けられているものを例に挙げているが、これに限るものでなく、例えばその周辺部が受光部13を囲むように貼り付けてもよい。・・・」と記載されており、また、受光部に保護材が形成された固体撮像素子において、受光部と保護材との間に空隙部ができるように保護材を封止部材で貼り付けることは、以下の周知例1及び2に記載されるように、従来から周知のことである。そして、このような空隙部は、封止部材により、設定されていることは明らかである。

(周知例1)特開2002-329852号公報には、図9ないし11とともに、以下の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関し、特に、マイクロレンズを備えた固体撮像素子をパッケージ化した固体撮像装置とその製造方法とに関する。」
「【0051】(第3の実施の形態)第3の実施の形態に係る固体撮像装置は、図9及び図10に示すように、固体撮像素子、配線等を含む回路部が形成された半導体基板12を含む略矩形状の半導体チップ88を備えている。半導体基板12は、回路部が形成された表面がシリコン酸化膜等の絶縁性の酸化膜84で覆われ、且つ裏面が絶縁性の酸化膜86で覆われている。なお、図9は透明基板64、接着剤62及び絶縁膜43を通して見た固体撮像装置の平面図である。
【0052】酸化膜84の両側には、半導体チップ88の対向する短辺に沿って略矩形状の電極パッド90が所定間隔で複数(図9では10個)配設されている。半導体基板12には、該半導体基板12を貫通するように、側面が絶縁性の酸化膜86で覆われたスルーホール92が設けられ、該スルーホール92に金属が充填されて、埋め込み配線94が形成されている。半導体チップ88の裏面には、酸化膜86を介して裏面電極96が設けられている。そして、各電極パッド90は、半導体基板12に形成された回路部の図示しない配線に電気的に接続されると共に、埋め込み配線94によって裏面電極96に電気的に接続されている。
【0053】酸化膜84及び電極パッド90は、例えばシリコンナイトライド等で構成された透明な絶縁膜43により覆われて保護され、半導体チップ88の表面が平坦化されている。固体撮像素子の受光領域上にはフィルタ部98が設けられており、フィルタ部98上にはマイクロレンズ50が複数個(図9では16個)配置されている。図11はこの部分の部分拡大図である。図11に示すように、半導体チップ88の絶縁膜43上には、透明な平坦化膜44を介して、赤色(R)フィルタ46R、緑色(G)フィルタ46G及び青色(B)フィルタ46Bを備えた色フィルタアレイ46が形成されている。Rフィルタ46R、Gフィルタ46G及びBフィルタ46Bは、個々のフォトダイオード14に対応して、所定のパターンで配置されている。色フィルタアレイ46上には、平坦化膜48を介して、複数のマイクロレンズ50を備えたマイクロレンズアレイが形成されている。マイクロレンズ50は、個々のフォトダイオード14に対応して配列されている。なお、原色のカラーフィルタに代えて補色のカラーフィルタを使用することもできる。
【0054】マイクロレンズ50が配置された領域70に対向するように透明基板64が配置されている。フィルタ部98が形成された半導体チップ88表面の領域70の周囲に在る領域72において、接着剤62により半導体チップ88が透明基板64に貼り付けられて、透明基板64が半導体チップ88に固定されている。
【0055】接着剤62の厚さは、フィルタ部98の厚さにマイクロレンズ50の高さを加えた値より大きく設定されており、このため半導体チップ88と透明基板64との間には僅かな空間66が形成され、該空間66が接着剤62により封止される。接着剤62は領域70を除いて領域72だけに設けられているので、マイクロレンズ50が接着剤により被覆されてレンズとしての機能を失うことがなく、マイクロレンズ50が透明基板64と接触して、レンズ表面が傷付くことがない。マイクロレンズ50の高さは約2μm、フィルタ部98の厚さは約5μmである。従って、接着剤62の厚さは8μm以上、好ましくは8μm?20μmとされる。」

(周知例2)特開2001-351997号公報には、図1とともに、以下の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体受光センサーの実装構造体およびその使用方法に関する。詳しくは、本発明は、半導体受光素子を応用した受光センサー、特にビデオカメラ、ディジタルカメラなどの映像機器(以下、機器という)に広く利用されるCCDやC-MOSなどの半導体受光センサーの実装構造体およびその使用方法に関するものである。」
「【0015】
【発明の実施の形態】図1のaには本発明の第一実施例の断面図を示し、また、図1のbにはその平面図を示す。
【0016】ここで1は切断済みのチップ状半導体ウエハー(チップ)、5bは貫通電極、4aは受光センサー、4bは受光センサー上に設けられたマイクロレンズである。マイクロレンズにより受光センサーの集光効率が向上する。
【0017】板ガラスなどの光透過性保護部材6は、受光センサー、及びマイクロレンズには触れないように、封止剤7を介してチップ上に接着固定する。また封止剤7は、受光センサーの周囲を切れ目なく囲い、かつ、受光センサーを覆わず、そして保護部材がセンサー及びマイクロレンズに接しないように、塗布後、硬化している。この封止剤は前述のように光透過性保護部材を固定して、受光センサーやマイクロレンズを機械的に保護すると共に、雰囲気から遮断する機能も持つ。」

そうすると、刊行物発明において、上記周知の技術を適用することにより、補正後の発明のように、「センサーの表面のアクティブ面に空隙部を介して対向するようにセンサー表面に所定の高さをもつ封止部材により固着された保護材」「を有」し、「前記センサーのアクティブ面と前記保護材との間の前記空隙部は、前記封止部材により設定されて」いる構成とすることは、当業者が必要に応じて、適宜なし得たことである。
よって、相違点1及び2は、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(4-5-2)相違点3について
一般に、半導体装置の貫通電極において、裏面側の開口径が、表面側の開口径よりも広いテーパ状となるように形成することは、以下の周知例3及び4に記載されるように、従来から周知のことである。

(周知例3)特開2004-57507号公報には、図1ないし3とともに、以下の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コンピュータ断層像撮影装置(CT)に用いられるX線検出装置、貫通電極の製造方法及びX線断層撮影装置に関する。」
「【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施の形態である断層像撮影装置としてのX線CT装置を概略的に示す構成図である。
【0021】図中1は患者(被検体)で、この患者(被検体)は検査時に移動されてガントリ2内に挿入される。ガントリ2はX線ビームを投射するX線投射手段としてのX線源3を備え、このX線源3には患者1を中心として対象的にX線検出装置としてのX線検出器Kが配置されている。
【0022】X線検出器Kは、コリメータ4と検出器アレイ5とを組み合わさせて構成されている。検出器アレイ5は複数の検出器モジュール6によって構成され、被検体1を透過する投射X線を各検出器モジュール6によって感知する。各検出器モジュール6は入射するX線ビームの強さ、及び被検体1を透過したX線ビームの減衰を表す電気信号を出力する。」
「【0030】図2は検出器モジュール6の構造を示すものである。
【0031】検出器モジュール6はX線を光に変換する光変換手段としてのシンチレータブロック21を有し、このシンチレータブロック21は光を電気に変換する電気変換手段としてのフォトダイオードアレイ22に光学的に接続されている。
【0032】フォトダイオードアレイ22は、フォトダイオード素子23が形成された基部としてのシリコン基板35の一面側から他面側に貫通する貫通電極24を持ち、半田バンプなどの突起状電極27を介してセラミックの基板25に実装される。
【0033】突起状電極27は基板25上の電極25aおよび基板25の内部の配線26を介してコネクタ28や、X線遮蔽領域に実装されているデータ収集装置29、スイッチIC30に電気的に接続されている。
【0034】図3はフォトダイオードアレイ22の一部を拡大して示す断面図である。
【0035】フォトダイオードアレイ22はシリコン基板35を有し、このシリコン基板35にはpn接合によりフォトダイオード素子23が形成されている。フォトダイオード素子23からは信号を取り出す配線36が形成され(シリコン基板35と配線36との間の絶縁膜は図示せず)、その上層にはSi02などの保護膜37が形成されている。
【0036】この実施の形態では、シリコン基板35上の配線36と例えばセラミックからなる基板25を貫通電極24を介して電気的に接続する。貫通電極24は、テーパ角度が約54.7度で形成されている。」

(周知例4)国際公開第03/96427号には、図1とともに、以下の事項が記載されている。
「技術分野
本発明は、裏面照射型ホトダイオードアレイ及びその製造方法に関する。」(明細書第1頁第3?4行)
「発明を実施するための最良の形態
以下、実施の形態に係る裏面照射型ホトダイオードアレイについて説明する。
なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1A?図1Jは実施の形態に係る裏面照射型ホトダイオードアレイの製造方法を説明するための説明図であり、裏面照射型ホトダイオードアレイの縦断面構成を示す。以下、詳説する。
この製造方法では、以下の工程(1)?(10)を順次実行する。」(明細書第5頁第11?17行)
「工程(6)
次に、半導体基板1の表面側に所定間隔離隔した複数のn型高濃度不純物領域1n’及び複数のp型不純物領域1pを形成し、更に、半導体基板1の表面側に熱酸化によって酸化膜(SiO_(2))4を形成する(図1F)。n型高濃度不純物領域1n’は燐を拡散することによって形成される。また、p型不純物領域1pはホウ素を基板内に拡散又はイオン注入することによって形成される。かかるp型不純物領域1pはn型の半導体基板1とPN接合を構成することにより、ホトダイオードが構成される。このホトダイオードは半導体基板1の表面側に位置することとなる。また、このホトダイオードはアバランシェホトダイオードやPINホトダイオードとすることもできる。
工程(7)
次に、半導体基板1の表面側から裏面側に到達する孔Hを形成する(図1G)。この孔Hは半導体基板1の表面側の酸化膜4上を利用して、高濃度不純物領域1n’上に開口を有するマスクを形成し、かかるマスクを介して半導体基板1の表面をエッチングすることによって行う。エッチングの際には酸化膜4をマスクとするように、当該酸化膜4をホトリソグラフィによってパターニングすることもできる。このエッチングには等方性のウエットエッチングを用いることができるし、常圧プラズマエッチング(ADP)等の等方性のドライエッチングを用いることもできる。ウエットエッチングの際のエッチング液としては、HF/NHO_(3)等を用いることができる。
このようなエッチング方法を用いれば、比較的生産性の高いエッチングが可能となるばかりでなく、孔Hの形状はすり鉢状、すなわち、テーパー状となるため、後段の電極形成におけるステップカバレージが向上する。孔Hは半導体基板1の表面側の高濃度不純物領域1n’の露出側面と裏面側の高濃度不純物領域1nの露出側面と半導体基板1のエッチングされた側面とが孔Hの内面を構成することとなる。
工程(8)
更に、孔Hの側面から半導体基板1内にn型不純物を添加し、表面側のn型高濃度不純物領域1n’と裏面側のn型高濃度不純物領域1nとを電気的に接続する(図1H)。この不純物添加領域を符号h1で示す。この不純物添加工程は、上記マスクを残したままで或いは酸化膜4をマスクとして、n型不純物のイオン注入又は拡散を半導体基板1の表面側から行うことにより実行することができる。
工程(9)
次に、直列抵抗を低減するため、孔Hの内面上にアルミニウムからなる金属電極膜h2を形成する。これはカソード共通電極を形成し、半導体基板1の表面まで延びている。金属電極膜h2の形成前に、半導体基板1のp型不純物領域1pの表面が露出するように酸化膜4をパターニングしておけば、金属電極膜h2と同時にp型不純物領域1pのコンタクトを形成することができる。しかる後、孔Hの内面を埋めるように感光性樹脂:(ポリイミド等のフォトレジスト)Rを半導体基板1の表面上に塗布し、ホトリソグラフィー工程によりアルミニウムからなる金属電極を露出させる。更に、この露出した金属電極部にNi、Auを順次メッキすることにより、ホトダイオードアレイに電極OMを形成する。
最後に支持基板3をグラインド及びドライエッチングにより完全に除去し、光入射面となる酸化膜2を露出させる。
次にダイシングにより所定のチップサイズに切り出すことにより、半導体基板の一方の表面側(他方面側)にのみ電極を有する裏面照射型ホトダイオードアレイが完成する(図1I)。
工程(10)
このホトダイオードアレイチップは、上下を逆転させて、すなわち、半導体基板1の表面側が回路基板C側に位置し、光入射面が裏面となるように配置する。すなわち、半導体基板1をAu又は半田等からなるバンプBを介して回路基板C上に配置し、かかるバンプBによって上記ホトダイオードの電極OMを回路基板C上の配線に電気的に接続する(図1J)。ホトダイオードのカソード、すなわち、n型半導体基板1及びn型高濃度不純物領域1nは、金属電極膜h2及び不純物添加領域h1を介して半導体基板1の表面側に位置する電極OMに接続されている。また、ホトダイオードのアノード、すなわち、p型不純物領域1pは金属電極膜h2及び電極OMに接続されている。これらの電極は、それぞれバンプBを介して回路基板Cのカソード用配線及びアノード用配線に接続される。」(明細書第6頁第23行?第9頁第2行)

そうすると、刊行物発明の「貫通孔8」に対して、上記の周知技術を適用することにより、補正後の発明のように、「表裏導通ビアは、裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設された」構成とすることは、当業者が必要に応じて、適宜なし得た程度のことである。
よって、相違点3は、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(4-6)独立特許要件についてのまとめ
以上検討したとおり、補正後の発明と刊行物発明との相違点は、いずれも、周知技術を勘案することにより、当業者が、容易に想到し得た範囲に含まれる程度のものにすぎず、補正後の発明は、引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。

(5)補正の却下についてのむすび
本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるが、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないものである。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成22年12月17日になされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし12に係る発明は、平成22年6月28日になされた手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載されている事項により特定されるとおりのものであって、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される上記2.(1)の補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

4.刊行物に記載された発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物には、上において検討したとおり、上記2.(4-3-1)に記載したとおりの事項及び(4-3-2)で認定したとおりの発明(刊行物発明)が記載されているものと認められる。

5.判断
上記2.(3)において検討したとおり、補正前の請求項1に係る発明における発明特定事項である「表裏導通ビア」について、「裏面側の開口径が表面側の開口径より広いテーパー形状をなす微細貫通孔内に配設されたものである」と限定したものである。逆に言えば本件補正前の請求項1に係る発明(本願発明)は,補正後の発明から上記の限定をなくしたものである。
そうすると、上記2.(4)において検討したように、補正後の発明が,引用刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、当然に当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-05-11 
結審通知日 2012-05-15 
審決日 2012-05-28 
出願番号 特願2004-256687(P2004-256687)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 571- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杢 哲次  
特許庁審判長 鈴木 匡明
特許庁審判官 小野田 誠
西脇 博志
発明の名称 センサーパッケージおよびその製造方法  
代理人 皿田 秀夫  
代理人 米田 潤三  

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