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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C12N
管理番号 1260419
審判番号 不服2009-7844  
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-10 
確定日 2012-07-17 
事件の表示 平成 9年特許願第533676号「巨大分子用アフィニティ・リガンドの設計」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 9月25日国際公開、WO97/35196、平成11年 6月29日国内公表、特表平11-507246〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は,1997年3月20日(パリ条約による優先権主張1996年3月20日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成21年1月6日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成21年4月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされ,その後平成23年7月19日付けで,当審において拒絶理由が通知され,これに対し平成24年1月20日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。
その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成24年1月20日の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて,以下のとおりのものである。

「標的分子を含む溶液から標的分子を分離するためのアフィニティ・リガンドを分離する方法であって,
(a)標的分子の安定性の範囲を温度,pH,イオン強度,誘電率,溶質濃度,金属イオンの有無,キレート剤の有無から選択した複数のパラメータに関して確かめることによって標的分子の安定性エンベロープを画定すること,
(b)標的分子に関して,アフィニティ・リガンドが標的分子と結合するように予め定められ,かつ,標的分子が変性せず活性を維持するように標的分子の安定性エンベロープ内にある,第一の溶液条件を選択すること,
(c)標的分子に関して,アフィニティ・リガンドが標的分子と結合しないように予め定められ,かつ,標的分子が変性せず活性を維持するように標的分子の安定性エンベロープ内にある,第一の溶液条件と異なる第二の溶液条件を選択すること,
(d)結合ドメイン候補とはドメイン中の1又はそれ以上のアミノ酸が異なっている,結合ドメイン候補の類似体のライブラリを供給すること,
(e)類似体ライブラリを第一の溶液条件で標的分子と類似体/標的分子結合複合体を形成するのに十分な時間接触させること,
(f)第一の溶液条件下で結合しなかった類似体を除去すること,
(g)接触段階(e)の溶液条件を第二の溶液条件に変更すること,
(h)第二の溶液条件下で放出される類似体を回収すること,ここで回収された類似体は分離アフィニティ・リガンドと同定される,
を含む方法。」

2.引用文献
当審における拒絶の理由に引用された,本願優先日前の1993年6月29日に頒布された刊行物である米国特許第5223409号明細書(以下,「引用例1」という。)には,
(ア)「選ばれた標的に対する,新規な結合タンパク質を得るために,それぞれアフィニティした潜在的結合ドメインのファミリーの一つからなるタンパク質をコードするDNA分子と,細菌の細胞,細菌の芽胞,又はファージ(遺伝子パッケージ)の外部表面上に,タンパク質をディスプレイを求める構造シグナルは,遺伝子パッケージに導入される。タンパク質は発現され,潜在的結合ドメインはパッケージの外部表面にディスプレイされる。標的分子を認識する結合ドメインをもつ細胞又はウイルスは,分離され,そして増幅される。好結果の結合ドメインは,それから特徴付けられる。一つ又はそれ以上のこれらの好結果の結合ドメインは,潜在的結合ドメインの新たなファミリーのデザインについてのモデルとして用いられ,標的分子に対しての望まれるアフィニティを持つ,新たな結合ドメインが得られるまで,その過程は繰り返される。・・・」(要約)と記載され,
(イ)略号の意味について,
略号意味
GP遺伝子パッケージ,例えばバクテリオファージ
BPTIウシ膵臓トリプシンインヒビター,・・・
IPBD最初の潜在的結合ドメイン,例えばBPTI
PBD潜在的な結合ドメイン,例えばBPTI変異体
(18欄)と記載され,
(ウ)V.E.標的物質の項に,「標的物質に関する次の情報が高度に望ましい:1)温度,pH及びイオン強度の機能としての安定性,2)尿素かguanidinium Clのようなchaotropesに関しての安定,3)pI,4)分子量,5)ヘム又はCa+2のような補欠分子又はイオンの必要条件,並びに6)もしあれば,蛋白質分解活性。さらに,それを知ることは潜在的に有益である:1) 標的の配列,標的が高分子である場合,2)標的の3D構造,3)もしあれば,酵素活性及び4)もしあれば,毒性。・・・・・・。標的物質は好ましくは,pH,温度及び溶液状態の特定状態のもとで安定である。」(89欄8-39行)と記載され,
(エ)V.G.より低いアフィニティのPDBを保有する遺伝子パッケージの流出の項に,「GPの総量は,結合タンパク質の意図した使用に合致する条件で,アフィニティマトリックスに適用され,また,カラムによって特定の溶質のグラジエントで流出される。・・・・。
PBD(IPBDに由来した)あるいは標的の安定に必要とされたどんなイオンあるいは補助因子も,適切なレベルに初期及び溶出緩衝液に含まれている。・・・・。」(92欄41行?93欄43行)と記載され,
(オ)V.L.標的に結合する表現型を備えたGP(PBD)sの単離の項に,「収穫されるパッケージは,アフィニティマトリックス上で固定化された標的材に関するアフィニティ分離の使用によって,結合するターゲットの表現型に関して富化される。標的材に結合しないパッケージは,押し流される。パッケージがバクテリオファージまたは内生胞子である場合,細菌増殖を防ぐために,緩衝液にアジ化物のような殺菌剤を含ませることは望ましいかもしれない。クロマトグラフィー中で使用される緩衝液は次のものを含んでいる:a)標的を安定させるために必要とされる任意のイオン,あるいは他の溶質,b)任意のイオンあるいはIPBDに由来したPBDを安定させるために必要とされる他の溶質。」(98欄10?21行)と記載され,
(カ)V.M.パッケージの回収の項に,「結合したGPの分解と遺伝物質の回収は可能な運転モードであるが,GPの不注意な不活性化は非常に有害である。GPを不活性化しないか,標的又はカラムを変性させない溶質に関する最大限度が決定されることが望まれる。」(98欄54?59行)と記載され,
(キ)VI.D.新規な結合タンパク質の用途の項に,「この発明の成果の結合タンパク質は,単独又はより大きなタンパク質の部分として,標的物質の単離や検出を含む,結合タンパク質に適する目的に関して,使うことができる。」(105欄47-51行)と記載され,
(ク)134欄からの実施例4には,1)融合ファージのライブラリーを造る変異用オリゴヌクレオチドのデザイン,2)潜在的な設計されたプロテアーゼインヒビターをディスプレイする融合ファージのライブラリーの構築の項が記載され,
3)融合ファージのミニライブラリーの分別の項に,「a)最初の富化サイクル
上記のファージ・ストックの40μlが,TBS/BSAの中のHNE(ヒト好中球エラスターゼ)ビーズの50%のスラリーの10μlに加えられた。サンプルは,1.5時間Labquakeシェーカー上で混合された。TBS/BSAの500μlがサンプルに加えられ,さらに5分の混合の後,HNEビーズは遠心分離によって集められた。上澄みは除去され,ビーズは0.5mlのTBS/0.5%のトゥイーン-20の中で再懸濁された。ビーズはシェーカー上で5分間洗われ,上記のように遠心分離によって回収された。上澄みは除去され,ビーズは,HNEビーズへの融合ファージの非特異的な結合を減少するために,上述されるようなTBS/トゥイーン-20と4回の追加の洗浄を受けた。pH 7.0の1.0mg/mlのBSAを含む50mMクエン酸ナトリウム,150mM NaClの0.5mlで,上記のようにビーズは2度洗われた。2つの洗浄からの上澄みがプールされた。続いて,HNEビーズは,一連のpH 6.0,5.0,4.5,4.0,3.5,3.0,2.5及び2.0の,50mMクエン酸ナトリウム,150mM NaCl,1.0mg/mlBSAの緩衝液で順次洗われた。2つの洗浄が各pHで行なわれ,上澄みは中和され,追加のpH 8.0の1Mのトリス,260μlによってプールされた。各pH分画はLB培地に薄められ,細胞のローン上のプラーク形成単位のために力価測定された。各pH洗浄分画に現われる,融合ファージ(pfuで判断された)の総量が決定された。
図7は,HNEビーズに結合した入力ファージの最大のパーセンテージがpH 5.0分画で回収されたことを図示する。溶出ピークは,pH<5で少量の結合融合ファージがHNEビーズからを溶出することを示唆する,低いpH側に引きずった縁を示す。BPTI(K15L)-IIIファージは,HNEに対する温和なアフィニティ(Kd=2.9・10^(-9)M)(BECK88b)を持つ変異BPTIをディスプレーする。BPTI(K15L)-IIIファージは,HNEビーズからpH 4.75を中心とするピークで溶出し,HNEビーズを越えてのミニライブラリーの最初の通過における最も高いピークがpH 5.0を中心としているので,我々は,MYMUT(76bpの色々なオリゴヌクレオチド) PEPI(潜在的な設計されたプロテアーゼインヒビター)ミニライブラリーの多くのメンバーが,HNEに関して中間から高い間のアフィニティがあるPEPIをディスプレイすると推察する。」(136欄44行?137欄17行)と記載されている。

3.対比
本願発明を,引用例1に記載された発明のうち,実施例4に記載される態様(上記(ク)として摘記。)と比較する。
引用例1の実施例4における,pH 7.0,6.0,5.0,4.5,4.0,3.5,3.0,2.5及び2.0で順次洗われた分画から回収された融合ファージがディスプレイしているPEPIは,本願発明のアフィニティ・リガンドに相当し,
引用例1の,融合ファージのミニライブラリーのファージ・ストックをHNEビーズのスラリーに加えることは,本願発明の「結合ドメイン候補とはドメイン中の1又はそれ以上のアミノ酸が異なっている,結合ドメイン候補の類似体のライブラリを供給すること」に相当し,
引用例1の,ファージ・ストックを,TBS/BSAの中のHNEビーズに加え混合し,TBS/BSAを加え,さらにTBS/0.1%トゥイーン-20での洗浄することは,本願発明の,「類似体ライブラリを第一の溶液条件で標的分子と類似体/標的分子結合複合体を形成するのに十分な時間接触させること,及び,第一の溶液条件下で結合しなかった類似体を除去すること」に相当し,
本願の実施例16において,プール・ライブラリーの結合をpH7で行い,1回目の溶出はpH5で行い,その後の溶出はpH5?pH2の範囲で溶出されるファージを溶出するためにpH2で行っている(明細書45頁15?19行など。)と同様の,引用例1の,pH 7.0の1.0mg/mlのBSAを含む50mMクエン酸ナトリウム,150mM NaClの0.5mlで,洗われ上澄みがプールされたことや,pH 6.0,5.0,4.5,4.0,3.5,3.0,2.5及び2.0での,50mMクエン酸ナトリウム,150mM NaCl,1.0mg/mlBSAの緩衝液で洗われたことは,pH7.0の第二の溶液条件に直接に変更することであり,また,pH 6.0,5.0,4.5,4.0,3.5,3.0,2.5及び2.0の第二の溶液条件に段階的に変更することであるから,本願発明の「第二の溶液条件に変更し,第二の溶液条件下で放出される類似体を回収すること,」に相当するものである。
そうすると,本願発明と引用例1の実施例4に記載される発明の態様は,「アフィニティ・リガンドを分離する方法であって,
結合ドメイン候補とはドメイン中の1又はそれ以上のアミノ酸が異なっている,結合ドメイン候補の類似体のライブラリを供給すること,
類似体ライブラリを第一の溶液条件で標的分子と類似体/標的分子結合複合体を形成するのに十分な時間接触させること,
第一の溶液条件下で結合しなかった類似体を除去すること,
溶液条件を第二の溶液条件に変更すること,
第二の溶液条件下で放出される類似体を回収すること,
を含む方法。」である点で一致しているが,以下の点で相違している。

相違点1:本願発明では,回収された類似体は,標的分子を含む溶液から標的分子を分離するための分離アフィニティ・リガンドと同定されるものであるのに対し,引用例1に記載される発明の態様には,そのようなことは記載されていない点。

相違点2:本願発明が,標的分子の安定性の範囲を温度,pH,イオン強度,誘電率,溶質濃度,金属イオンの有無,キレート剤の有無から選択した複数のパラメータに関して確かめることによって標的分子の安定性エンベロープを画定するものであるのに対し,引用例1に記載される発明の態様には,そのようなことは記載されていない点。

相違点3:本願発明が,標的分子に関して,アフィニティ・リガンドが標的分子と結合するように予め定められ,かつ,標的分子が変性せず活性を維持するように標的分子の安定性エンベロープ内にある,第一の溶液条件を選択し,標的分子に関して,アフィニティ・リガンドが標的分子と結合しないように予め定められ,かつ,標的分子が変性せず活性を維持するように標的分子の安定性エンベロープ内にある,第一の溶液条件と異なる第二の溶液条件を選択するものであるのに対し,引用例1に記載される発明の態様には,そのようなことは記載されていない点。

なお,請求人は平成24年1月20日の意見書において,引用例1に記載されるpHを段階的に下げて流出する点について,「本願発明においては,pHという単一のパラメータで選別するわけではなく,複数のパラメータを用いることにより,結合(捕捉)と解離(溶出)とが最適な状態で生じるように2つの溶液条件を設定するわけであり,換言すれば,引用例1において各段階で流出したものが区別できずに一緒に流出するようなことがないように2つの溶液条件を設定するわけで」あることを主張している。
ところが,本願においても実施例16においては,プール・ライブラリーの結合をpH7で行い,1回目の溶出はpH5で行い,その後の溶出はpH5?pH2の範囲で溶出されるファージを溶出するためにpH2で行っている(明細書45頁15?19行)とあり,引用例1と同じく,pHという単一のパラメータを変えて段階的に流出しているものである。また,「pH5?pH2の範囲で溶出されるファージを溶出する」とあるように,流出の段階を粗くすれば,区別できずに一緒に流出するようになるにすぎないものであり,もし仮に,本願発明が,段階的に流出することを排除するものであるとしても,pH2においてのみ溶出を行えば,pH7?pH2の範囲で溶出されるファージが区別できず溶出するようになるだけのことであって,そのような発明に特許性がないのはいうまでもないことである。さらに,複数のパラメータを用いて選別するということは,本願発明の要件とはなっておらず(本願発明の溶液条件は,単に「予め定められ,かつ,標的分子が変性せず活性を維持するように標的分子の安定性エンベロープ内にある」というものである。),特許請求の範囲の記載に基づかない主張であり,採用できない。

4.判断
上記相違点について検討する。

相違点1について:
アフィニティークロマトグラフィーなど,特異的な結合をするタンパク質相互のアフィニティーを利用し,一方をリガンドとして固定し,他方を分離する方法は周知の技術である。引用例1には,標的分子に結合する結合ドメインを得る方法が記載され,結合ドメインを標的分子を含む溶液からの標的分子の分離に用いる程度のことは当業者が容易になし得ることにすぎない。
また,上記摘記事項(キ)のように,引用例1には,標的物質を単離するために結合タンパク質を用いることが示唆されているのであるから,なおのこと,当業者は,得られた結合ドメインを標的分子の分離に容易に用いることができるのであるし,例えば,アフィニティクロマトグラフィーに関する総説であるJounrnal of Chromatography A, 707 (1995) p.3-22にも,5.ファージディスプレイテクノロジーにおけるアフィニティリガンドの利用の項(17頁?18頁)を設けてファージディスプレイ技術が説明されていることも,当業者が容易になし得ることを裏付けるものである。

相違点2について:
上記摘記事項(ウ)にあるように,引用例1には,温度,pH及びイオン強度の機能としての安定性の情報が望ましいことが記載され,実施例4のヒト好中球エラスターゼはもとより,引用例1の記載に基づいて,標的タンパク質に対する結合ドメインを得ようとする当業者は,温度,pH及びイオン強度に関して標的の安定な範囲を調べ,それを安定性エンベロープとして画定することが容易にできる。

相違点3について:
上記摘記事項(エ)に,「標的の安定に必要とされたどんなイオンあるいは補助因子も,適切なレベルに初期及び溶出緩衝液に含まれている。」とあり,上記摘記事項(オ)に,「クロマトグラフィー中で使用される緩衝液は次のものを含んでいる:a)標的を安定させるために必要とされる任意のイオン,あるいは他の溶質」とあり,上記摘記事項(カ)に,「標的又はカラムを変性させない溶質に関する最大限度が決定されることが望まれる。」とあるように,引用例1に記載された発明は,標的としてヒト好中球エラスターゼを用いる実施例4はもとより,標的を安定で活性が保たれる範囲で結合ドメインを結合及び流出させることが好ましいとするものである。そして,上述したように,引用例1には,温度,pH及びイオン強度の機能としての安定性の情報が望ましいことが記載されているのであるから,そのような標的が安定な範囲を前もって画定し,その範囲に第一及び第二の溶液条件を選択する程度のことは,当然に当業者が容易に行うことである。
なお,請求人は平成23年4月26日の回答書において,引用例1は,所望の標的分子に対して,その安定性エンベロープをどのようにして画定するのか,あるいは,そうして画定された安定性エンベロープに基づいて,当該標的分子を変性させたり失活させたりすることなく,当該標的分子に対してアフィニティリガンド候補となる分子を結合または溶出させるための溶液条件をどのようにして定めるのか,ということについて何も記載していないことを主張しているが,上述したように,引用例1の上記摘記事項(ウ)?(カ)の記載から,明らかに読み取ることができるものである。
また,請求人は,引用例1においてアフィニティリガンドとしてHHMbが選ばれた理由の1つは,それが非反応性であることも主張しているが,HHMbなどのミオグロビンは,酸素を保持するという活性を持つことがよく知られており,該主張が何に基づくものか理解できず,採用できない。

そして,引用例1の実施例4の記載を見ても,標的分子であるエラスターゼが,明らかに変性し,活性が無くなるような流出条件は採用されていないものであり,本願発明のように,安定性エンベロープを画定しなくとも,同様のアフィニティリガンドが同定されるものであって,本願発明が,安定性エンベロープを画定することにより,引用例1の記載から予測できないような,格別顕著な効果が奏されているものとは認められない。

したがって,本願発明は,引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

5.むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本出願に係る他の請求項について検討するまでもなく,本出願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-02-21 
結審通知日 2012-02-22 
審決日 2012-03-06 
出願番号 特願平9-533676
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 晴絵  
特許庁審判長 平田 和男
特許庁審判官 冨永 みどり
六笠 紀子
発明の名称 巨大分子用アフィニティ・リガンドの設計  
代理人 岡部 正夫  
代理人 臼井 伸一  
代理人 藤野 育男  
代理人 加藤 伸晃  
代理人 越智 隆夫  
代理人 高梨 憲通  

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