ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C09J 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C09J |
---|---|
管理番号 | 1261959 |
審判番号 | 不服2009-23698 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-12-02 |
確定日 | 2012-08-13 |
事件の表示 | 特願2002-274340「接着剤」拒絶査定不服審判事件〔平成16年4月8日出願公開,特開2004-107549〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 この出願は,平成14年9月20日の出願であって,平成21年3月13日付けで拒絶理由が通知され,同年5月1日付けで意見書及び手続補正書が提出され,同年6月15日付けで拒絶理由が通知され,同年8月10日付けで意見書が提出されたが,同年9月1日付けで拒絶査定がされ,その後,同年12月2日付けで拒絶査定を不服とする審判請求がされると同時に手続補正書の提出がなされ,平成23年8月19日付けの審尋に対し,同年10月21日付けで回答書が提出されたが,平成21年12月2日付けの手続補正については,平成24年2月29日付けの補正の却下の決定により却下され,さらに,同日付けで拒絶理由が当審より通知され,同年4月27日付けで意見書が提出されたものである。 第2 本願発明 上記のとおり,平成21年12月2日付けの手続補正は決定をもって却下されたので,この出願の特許を受けようとする発明は,平成21年5月1日付けの手続補正により補正された明細書(以下,「本願明細書」という。)における特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ,請求項1に記載された特許を受けようとする発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりである。 「酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤又はビニル共重合樹脂系エマルジョン形接着剤と、 遠赤外線放射セラミックス粉末と、 二酸化ケイ素と酸化アルミニウムと酸化鉄と酸化チタンと酸化カルシウムと酸化マグネシウムと酸化カリウムと酸化ナトリウムと、ジルコニウム及びラジウムの一方又は両方とを含むマイナスイオンを発生する放射線源セラミックス粉末とよりなり、 前記放射線源セラミックス粉末は、放射能濃度が370ベクレル毎グラム未満であり、 前記放射線源セラミックス粉末におけるジルコニウムとラジウムとの合計量は、該放射線源セラミックス粉末全体の0.1?20重量%であり、 前記遠赤外線放射セラミックス粉末と放射線源セラミックス粉末とを前記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤又はビニル共重合樹脂系エマルジョン形接着剤に混入したことを特徴とする接着剤。」 第3 当審から通知した拒絶の理由 平成24年2月29日付けで当審から通知した拒絶の理由は,この出願は,請求項1に記載された特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものである,ということはできないから,特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第6項第1号に適合せず,特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない,というものである。 第4 当審の判断 1 はじめに 特許法第36条第6項は,「第三項第四号の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。」と規定し,その第1号において「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」と規定している。同号に規定する要件(いわゆる,「明細書のサポート要件」)に適合するか否かは,「特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきもの」(知財高裁特別部平成17年(行ケ)第10042号判決)である。 以下,この観点に立って,本願発明について検討する。 2 特許請求の範囲に記載された発明 特許請求の範囲に記載された発明は,上記「第2 本願発明」で述べたとおりの請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3 発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明には,以下の記載がなされている。 (a)「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は例えば下記の如き接着剤を含む接着剤に関するものである。 (1)木材類、紙類、皮類、金属類、ゴム類、プラスチック類、塩化ビニル類及び陶磁器類を同一種類間で相互に接着し又は異種類間で接着するための接着剤 (2)合板類、集成材類、布製を含む壁紙(壁装)材類、床材類(塩化ビニルシート、フローリング、人工芝等)又は陶磁器類を下地材に接着するための接着剤」 (b)「【0008】 【発明が解決しようとする課題】 上記従来の接着剤は上述の如き効果を発揮するものではあるが、本発明は上記従来の接着剤における遠赤外線放射によるリラクセーション効果に加えて、更にマイナスイオンの効果及びホルミシス効果をも相乗的に発揮する接着剤を提供しようとしてなされたものである。」 (c)「【0010】 (1)酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤又はビニル共重合樹脂系エマルジョン形接着剤と、 遠赤外線放射セラミックス粉末と、 二酸化ケイ素と酸化アルミニウムと酸化鉄と酸化チタンと酸化カルシウムと酸化マグネシウムと酸化カリウムと酸化ナトリウムと、ジルコニウム及びラジウムの一方又は両方とを含むマイナスイオンを発生する放射線源セラミックス粉末とよりなり、 前記放射線源セラミックス粉末は、放射能濃度が370ベクレル毎グラム未満であり、 前記放射線源セラミックス粉末におけるジルコニウムとラジウムとの合計量は、該放射線源セラミックス粉末全体の0.1?20重量%であり、 前記遠赤外線放射セラミックス粉末と放射線源セラミックス粉末とを前記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤又はビニル共重合樹脂系エマルジョン形接着剤に混入したことを特徴とする接着剤。 なお、「ジルコニウム及びラジウムの一方又は両方」とは、ジルコニウムとラジウムとのいずれか一方、又はその両方という意味である。」 (d)「【0019】 前記放射線源セラミックス粉末は、例えば、二酸化ケイ素(SiO_(2))と酸化アルミニウム(Al_(2)O_(3))と二酸化鉄(Fe_(2)O_(3))と酸化チタン(TiO_(2))と酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)と酸化カリウム(K_(2)O)と酸化ナトリウム(Na_(2)O)とジルコニウム(Zr)を一例として下記の割合で含む。 【0020】 二酸化ケイ素 66.04重量% 酸化アルミニウム 19.05重量% 二酸化鉄 0.29重量% 酸化チタン 0.03重量% 酸化カルシウム 0.52重量% 酸化マグネシウム 0.10重量% 酸化カリウム 6.41重量% 酸化ナトリウム 6.46重量% ジルコニウム 0.65重量%」 (e)「【0021】 この放射線源セラミックス粉末について、マイナスイオンの発生量を下記の方法により測定した。 【0022】 即ち、該放射線源セラミックス粉末を机上に約1cmの高さで約100立方cmばら撒き、イオンカウンターを該放射線源セラミックス粉末の上面から約5cmの高さに固定し、該イオンカウンターにより90秒間にわたりマイナスイオン発生量を測定した。この測定を合計10回行なった。得られたマイナスイオン発生量の平均値を図1に示す。」 (f)「【0029】 遠赤外線放射セラミックス粉末は直径約1?44μmのものを使用する。」 (g)「【0035】 【実施例】 次に本発明の実施例について説明する。 【0036】 [実施例1] 容器に直径約3?10μmの遠赤外線放射セラミックス粉末2重量部と、ジルコニウム3重量%を含む直径約3?10μmの放射線源セラミックス粉末3重量部と、直径約5?15μmの吸着・分解セラミックス粉末3重量部と、直径約3?10μmの抗菌セラミックス粉末1重量部とを入れた後、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤の粉末状原料約300重量部を該容器内に投入して攪拌し、接着剤を作った。 【0037】 [実施例2] 容器に直径約3?10μmの遠赤外線放射セラミックス粉末2重量部と、ラジウム3重量%を含む直径約3?10μmの放射線源セラミックス粉末3重量部と、直径約5?15μmの吸着・分解セラミックス粉末3重量部と、直径約3?10μmの抗菌セラミックス粉末1重量部とを入れた後、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤の粉末状原料約300重量部を該容器内に投入して攪拌し、接着剤を作った。 【0038】 [実施例3] 容器に直径約3?10μmの遠赤外線放射セラミックス粉末2重量部と、ジルコニウム及びラジウム合計3重量%を含む直径約3?10μmの放射線源セラミックス粉末3重量部と、直径約5?15μmの吸着・分解セラミックス粉末3重量部と、直径約3?10μmの抗菌セラミックス粉末1重量部とを入れた後、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤の粉末状原料約300重量部を該容器内に投入して攪拌し、接着剤を作った。」 (h)「【0039】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明による接着剤に含まれる遠赤外線放射セラミックス粉末は、遠赤外線を放射することにより、リラクセーション作用をなす。該接着剤に含まれる放射線源セラミックス粉末は、マイナスイオンを発生することにより、血液の浄化作用、自律神経調整作用、疲労感の緩和作用等をなすと共に低線量の放射線を発することにより、ホルミシス効果(放射線ホルミシス)を発揮し、人体に好ましい影響を与え、人体の治癒力を高める。 【0040】 本発明による接着剤は、上記遠赤外線とマイナスイオンと放射線との相乗効果により、リラクセーション作用を高め、自然治癒力を向上させ、健康を増進させるという従来の接着剤では得られない優れた効果を発揮する。」 (i)「 【図1】 」 4 本願発明の課題について 本願発明の課題は,各種素材を,同一種類又は異種類間で相互に接着する接着剤,及び,各種建材又は陶磁器類を下地材に接着するための接着剤に関し(摘示a参照。),「従来の接着剤における遠赤外線放射によるリラクセーション効果に加えて、更にマイナスイオンの効果及びホルミシス効果をも相乗的に発揮する接着剤を提供」すること(摘示b参照。)にあると認められる。 5 発明の詳細な説明に記載された発明と特許請求の範囲に記載された発明との対比 特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには,明細書の発明の詳細な説明に,当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならないというべきことは,上記「第4 1」で説示したとおりである。 まず,発明の詳細な説明の記載により当業者が上記「第4 4」で示した発明の課題を解決できるか,すなわち,本願発明で得られた接着剤から,「遠赤外線放射によるリラクセーション効果に加えて、更にマイナスイオンの効果及びホルミシス効果をも相乗的に発揮」するといった所期の相乗効果が得られるものであるかを検討する。 発明の詳細な説明の段落【発明の効果】において,本願発明に含有される各セラミックス粉末の作用として,「遠赤外線放射セラミックス粉末」は「リラクセーション作用」,「放射線源セラミックス粉末」は「血液の浄化作用、自律神経調整作用、疲労感の緩和作用等をなすと共に低線量の放射線を発することにより、ホルミシス効果(放射線ホルミシス)を発揮し、人体に好ましい影響を与え、人体の治癒力を高める」と,それぞれの単独の効果が列記されるとともに,それらを含有する接着剤の効果として,「上記遠赤外線とマイナスイオンと放射線との相乗効果により、リラクセーション作用を高め、自然治癒力を向上させ、健康を増進させるという従来の接着剤では得られない優れた効果を発揮する」(摘示h参照。)と,文言上,相乗効果が発生すると記載がなされている。 しかしながら,これらの記載は,「遠赤外線放射セラミックス粉末」又は「放射線源セラミックス粉末」それぞれが単独で発揮するとした効果を列記し,相乗効果として,どの効果がどの程度発揮されるのか,客観性をもって論理的に示すものではない。 また,本願発明に使用される成分である,「放射線源セラミックス粉末」に関して,【図1】の記載を根拠としてその効果を評価しているが(摘示e及びi参照。),この結果では,実験開始75秒後以降,マイナスイオンの反応がほとんど消失しており,この成分を用いて接着剤を調製した後のマイナスイオン分による単独の効果,ひいては,遠赤外線放射セラミックス粉末を加えた相乗効果についても,当該結果から読み取れない。 そして,発明の詳細な説明中のその他の記載をみても,当該相乗効果に関し,客観的に評価された結果,論理的な説明,もしくは具体的評価手法に関する記載が認められないから,結果として「遠赤外線とマイナスイオンと放射線の三者の相乗効果を発揮」する接着剤を提供することができ,課題が解決することが,発明の詳細な説明によって裏付けられていると認識することは,きわめて困難と言うべきである。 次に,課題解決手段に関する記載について検討する。 本願明細書の発明の詳細な説明には,請求項1に記載された構成を採用することが,一応記載されている(摘示c参照。)。また,発明の実施の形態,及び実施例として,各セラミックス粉末と酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤の粉末状原料を特定量,容器内に投入して攪拌し,接着剤が得られたことが記載されている(摘示d及びg参照。)。 しかしながら,発明の詳細な説明には,「遠赤外線放射セラミックス粉末」として使用できる成分は,その実施例にも特定されず,粒径と実施例における具体的な使用量が記載されているのみである(摘示f,g参照。)。また,「放射線源セラミックス粉末」の各成分の内訳についても,特定の一種類の配合が,実施例で記載されるだけであり,個々の成分の配合に係る理論的な説明もなされていない。加えて,上述のように,全体としての相乗効果の評価も不明なことから,個々の成分に起因する全体への効果が客観的に把握できず,たとえ,本願の実施例として記載されたものが,所期の効果を発揮し,課題を解決するものであったとしても,遠赤外線放射セラミックス粉末成分が特定されず,放射線源セラミックス粉末におけるジルコニウムとラジウムの合計量以外の配合量が特定されない本願の請求項1に記載される発明全体にまで,その課題が解決し得るものであると、発明の詳細な説明から認識することはできない。 そして,本願の出願時の技術常識も参酌して検討する。 遠赤外線放出物質や,微量の放射性物質による人体に与える影響は,当業者にとって知られているものの,請求項1に係る発明は,成分や形状が不明な遠赤外線放射セラミックス粉末と,ジルコニウムとラジウムとの合計量以外の各成分の配合量や形状が不明な放射線源セラミックス粉末を混入するものであって,係る発明が,上記課題を解決できる,すなわち,所期の相乗効果が発揮されると認められる出願時の技術常識があるとはいえない。 よって、本願発明は、発明の詳細な説明にその記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし、課題を解決できると認識できる範囲のものであるということはできない。 6 小括 したがって,本願発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということはできず,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということもできないから,請求項1に記載された事項で特定される特許を受けようとする本願発明が,本願明細書の発明の詳細な説明に記載したものであるということができず,特許法第36条第6項第1号に適合するということはできない。 第5 審判請求人の主張 審判請求人は,平成24年4月27日付け意見書の「2.明細書のサポート要件について」において, 「(1)明細書の発明の詳細な説明 本願発明の上記特定事項は、出願当初の明細書の発明の詳細な説明にすべて記載されている。 すなわち、請求項1に示す本願発明の上記特定事項は、それ自体、極めて具体的であり、出願当初の明細書の発明の詳細な説明は、更に具体的、かつ、 詳細なものである。したがって、当業者であれば、出願当初の明細書の発明の詳細な説明を参酌しつつ、請求項1に示す本願発明の上記特定事項に忠実に従って接着剤を製造すれば、当然の帰結として、「遠赤外線とマイナスイオンと放射線の三者の相乗効果を発揮」する接着剤を得ることができるのである。 (2)欧米におけるサポート要件と本願発明 … 以上の如く、日本国よりも前からサポート要件が強化されているアメリカとヨーロッパにおいて、審判請求人は本願発明に対応する発明について、サポート要件を満たしているものとして、それぞれ下記の特許を得ている。 … 日本国よりも前からサポート要件が強化されているアメリカとヨーロッパ において、審判請求人が本願発明に対応する発明について、サポート要件を満たしているものとして、特許を得ていることから考えても、本願がサポート要件を具備していることは明らかである。 (3)サポート要件に関する審査基準の改訂 サポート要件に関する審査基準は平成15年に改訂されたものであるが、この審査基準がその改訂前の平成14年9月20日に出願された本願について遡って適用されることについては、審判請求人は直ちに承服することはできない。 (4)拒絶査定 平成21年9月1日付け拒絶査定において、本願発明は、サポート要件を満たしていないという理由は解消されたものの、進歩性を有しないという理由により拒絶されている。」 と主張している。 そこで,上記主張につき検討すると,上記(1)に関し,上記「第4 5」で述べたように,本願発明の発明特定事項について,発明の詳細な説明に文言上の記載はあるものの,所期の相乗効果が発揮されることに関する十分な記載がなく,また,請求項1の記載につき,特許を受けようとする本願発明全体が,本願明細書の発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。 上記(2)及び(3)については,本願明細書の特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第1号所定の要件に適合しているか否かは,我が国の特許法の当該規定の趣旨に則って判断されるべきであり,その規定の趣旨からすれば,当該要件に関し,上記「第4 1」のとおり解釈すべきである。 そして,(4)については,当審より通知した拒絶理由におけるサポート要件違反の内容に対応する主張でもなく,また,平成21年9月1日付け拒絶査定において,サポート要件違反が解消した旨が示されるものでもない。 したがって,審判請求人の上記意見書における主張は,いずれも当を得ないものであるから,採用する余地がないものであり,上記「第4」の当審の判断を左右するものではない。 第6 まとめ 以上のとおり,特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく,本願は,同法同条同項に規定する要件を満たしていないから,その余を検討するまでもなく,拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-06-18 |
結審通知日 | 2012-06-20 |
審決日 | 2012-07-03 |
出願番号 | 特願2002-274340(P2002-274340) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(C09J)
P 1 8・ 121- WZ (C09J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松原 宜史 |
特許庁審判長 |
井上 雅博 |
特許庁審判官 |
木村 敏康 大畑 通隆 |
発明の名称 | 接着剤 |
代理人 | 長野 光宏 |