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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04M 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M |
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管理番号 | 1262272 |
審判番号 | 不服2010-19431 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-08-27 |
確定日 | 2012-08-22 |
事件の表示 | 特願2008-504382「入力機器用の移動体機器インタフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成18年10月 5日国際公開、WO2006/105331、平成20年10月23日国内公表、特表2008-538461〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、2006年3月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年3月31日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年9月28日付けで手続補正がなされたものの、平成22年4月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月27日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされ、平成23年10月31日付けで審尋がなされ、その審尋に対して回答がなかったものである。 第2.補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年8月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本願発明と補正後の発明 本件補正は、補正前の平成21年9月28日付けの特許請求の範囲の請求項24に記載された、 「【請求項24】 イヤホン/マイクロホン用ポートを介して外部データ入力機器から移動体電子機器内にデータを受信する装置であって、 前記イヤホン/マイクロホン用ポートを介して前記データ入力機器から変調データ信号を受信する手段と、 前記変調データ信号からデータを抽出する手段と、 を備え、前記データ入力機器は前記イヤホン/マイクロホンと同一の回路経路を用いてデータを送信する装置。」 という発明(以下、「本願発明」という。)を、 「【請求項24】 イヤホン/マイクロホン用ポートを介して外部データ入力機器から移動体電子機器内にデータを受信する装置であって、 前記イヤホン/マイクロホン用ポートを介して前記データ入力機器から変調データ信号を受信する手段と、 前記変調データ信号からデータを抽出する手段と、 を備え、前記データ入力機器は前記イヤホン/マイクロホンと同一の回路経路を用いてデータを送信するものであって、前記同一の回路経路は、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタに接続された単一のI/O回路を含み、当該単一のI/O回路は、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入力された前記データ入力機器からのデータの処理と、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入出力される音声信号の処理とで共通に用いられる装置。」 という発明(以下、「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。 2.補正の適否 (1)新規事項の有無、補正の目的要件 上記本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の「同一の回路経路」について、「前記イヤホン/マイクロホン用コネクタに接続された単一のI/O回路を含み、当該単一のI/O回路は、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入力された前記データ入力機器からのデータの処理と、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入出力される音声信号の処理とで共通に用いられる」との限定を付加することにより、特許請求の範囲を減縮するものであるから、成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(新規事項)及び平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項(補正の目的)の規定に適合している。 (2)独立特許要件 上記本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。 [補正後の発明] 上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。 [引用発明] 原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-286936号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 イ.「【0009】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。図1は本発明による携帯電話機の一例を示す要部ブロック図である。図1に示したように、本実施の形態例の携帯電話機2の携帯電話機本体10は、イヤホンマイクジャック15を構成するイヤホン端子151およびマイク端子153を備え、イヤホンおよびマイクを通じて通話を行う場合には、通信相手から受信した音声信号がイアホン端子151を通じて出力され、また、マイク端子153を通じて入力された音声信号が通信相手に送信される。なお、イヤホン端子151およびマイク端子153はそれぞれグランド端子152およびグランド端子154と対になっている。 【0010】そして、携帯電話機2は、クロック発生回路115および波形整形回路111を備え、クロック発生回路115は、クロック信号を発生してマイク端子153を通じ出力し、一方、波形整形回路111はイヤホン端子151を通じて入力された、クロック信号に同期したシリアル信号を受け取ってシリアル信号の波形整形を行う。 【0011】イヤホン端子151およびマイク端子153は各グランド端子と共に一体化されて上述のようにイヤホンマイクジャック15を構成し、不図示の筐体に取り付けられ、イヤホンマイクジャック15に対するイヤホンマイクプラグの挿入箇所は筐体の外部に露出している。」(第3頁第3欄) ロ.「【0017】イヤホンマイクを使用して通話を行う場合、利用者は、イヤホン(イヤピースレシーバともいう)とマイクが一体化されたイヤホンマイクのコードの先端に取り付けられているイヤホンマイクプラグをイヤホンマイクジャック15に挿入して接続する。その結果、電気的には、図3に示したように、マイク端子153にマイク14が接続され、イヤホン端子151にイヤホン13が接続されることになる。なお、イヤホン13としては、具体的には、たとえば数十オームのインピーダンスを持つコイルから成るダイナミックレシーバを用いることができる。 ・・・(中略)・・・ 【0020】一方、たとえばかな文字を入力する場合、本実施の形態例では、図1に示したように、マイク端子153およびイヤホン端子151にキーボード110を接続する。キーボード110から導出されたコードの先端には、イヤホンマイクジャック15に装着可能なプラグ(後述)が取り付けられており、このプラグをイヤホンマイクジャック15に装着することで、キーボード110が携帯電話機本体に電気的に接続される。」(第3頁第4欄-第4頁第5欄) ハ.「【0025】次に、このように構成された携帯電話機2に対してたとえばかな文字を入力する場合の動作について説明する。かな文字を入力する場合には、利用者はイヤホンマイクジャック15にキーボード110のプラグ28を挿入し、キーボード110を携帯電話機本体10に接続する。また、携帯電話機2の操作部において所定の操作を行い、CPU112の制御のもとでスイッチ113を抵抗114側に接続させる。 【0026】これにより、クロック発生回路115が発生したクロック信号は、抵抗114により適切に電流が制限された上で、スイッチ113およびマイク端子153を通じてキーボード110に供給される。キーボード110では、このクロック信号を整流回路22が受け取り、整流して平滑化された正の電圧としてCPU503の電源端子5033に出力する。CPU503はこの直流電圧を電源として動作する。したがって、クロック発生回路115からのクロック信号はCPU503に対して電源を供給する役割も果たしている。 【0027】また、マイク端子153を通じてキーボード110に供給されたクロック信号はCPU503の動作クロック信号入力端子5032に供給され、CPU503はこのクロック信号にもとづいて動作する。ここで、利用者がキーボード本体24を操作すると、利用者がタッチしたキー30に対応するデジタル信号をキーボード回路504が生成し、CPU503はその信号を受け取り、RS232C規格にしたがうシリアル信号を生成して、端子5031より出力する。 【0028】ここでCPU503は、端子5032に入力された動作クロック信号としてのクロック信号を適切に分周してシリアル信号を送信するための同期クロック信号を生成し、その同期クロック信号に同期してシリアル信号を出力する。CPU503が出力したシリアル信号は、イヤホン端子151を通じて携帯電話機本体に供給され、携帯電話機本体では波形整形回路111がこのシリアル信号を受け取る。シリアル信号は上述のようにRS232C規格に従うため振幅は±12Vとなっているが、このシリアル信号はまず波形整形回路111でツェナーダイオード402により正側の振幅が3.6V程度に制限され、さらにダイオード403により正側の電圧のみがシュミットバッファ405に供給される。そしてシュミットバッファ405は波形整形を行ってCPU112に出力する。 【0029】CPU112は、波形整形されたシュミットバッファ405からからのシリアル信号を受け取ると、内蔵のペリフェラル回路でパラレル信号に変換して文字コード情報として保持する。その後、利用者が続けてキーボード110を操作してかな文字を入力すると、CPU503は、上述の場合と同様、各かな文字を表すシリアル信号を生成してイヤホン端子151を通じ携帯電話機本体に出力する。そして、携帯電話機本体では波形整形回路111が各シリアル信号の波形を整形してCPU112に供給し、CPU112はシリアル信号をパラレル信号に変換して文字コード情報として保持し、これらの文字コード情報をたとえば相手の名前情報として、電話番号と共に不図示のメモリに格納する。 【0030】このように本実施の形態例では、1つのキー30に1つのかな文字が対応したキーボード110を用いて携帯電話機本体にかな文字を入力できるので、従来のように携帯電話機本体に設けられた少数のキーによってかな文字を入力する場合にくらべ、手間をかけずにきわめて容易に短時間でかな文字を入力することができる。そして、携帯電話機本体には、クロック発生回路や波形整形回路といった小規模の回路などを追加するのみであるから、携帯電話機本体が特に大型化したり、重量が増すこともなく、コストアップもわずかである。さらに、本実施の形態例では、キーボードは、クロック信号を整流して電源としているため、キーボードに電池などの電源を設ける必要がない。また、キーボードの接続にイヤホンマイクジャックを使用するため、携帯電話機本体にコネクタなどを新たに追加する必要もない。」(第4頁第6欄-第5頁第8欄) ここで、 a.上記摘記事項イ.段落【0009】「携帯電話機2の携帯電話機本体10」、上記摘記事項ハ.段落【0025】「携帯電話機2に対してたとえばかな文字を入力する場合の動作について説明する。」、段落【0030】「キーボード110を用いて携帯電話機本体にかな文字を入力できる」との記載を参照すれば、引用例には、キーボードから携帯電話機内の携帯電話機本体でかな文字を受信することが記載されており、 また、上記摘記事項ハ.段落【0029】に「文字コード情報として保持する」と記載されているように、上記キーボードから受信する上記かな文字は、「文字コード情報」と呼べるものであり、 また、上記摘記事項ハ.段落【0027】乃至【0028】に「ここで、利用者がキーボード本体24を操作すると、・・・(中略)・・・CPU503はその信号を受け取り、RS232C規格にしたがうシリアル信号を生成して、端子5031より出力する。・・・(中略)・・・CPU503が出力したシリアル信号は、イヤホン端子151を通じて携帯電話機本体に供給され、携帯電話機本体では波形整形回路111がこのシリアル信号を受け取る。」と記載されていることから、上記文字コード情報は「イヤホン端子」を介して「携帯電話機本体」が受信するものであり、 更に、上記摘記事項イ.段落【0011】に「イヤホン端子151およびマイク端子153は各グランド端子と共に一体化されて上述のようにイヤホンマイクジャック15を構成し」と記載されていることから、上記イヤホン端子を介して受信することは、「イヤホンマイクジャック」を介して受信することであるといえ、 したがって、引用例には、イヤホンマイクジャックを介してキーボードから携帯電話機内に文字コード情報を受信する携帯電話機本体の発明が開示されていると認められる。 b.上記摘記事項ハ.段落【0027】乃至【0028】の記載を参照すると、引用例の携帯電話機本体は、イヤホンマイクジャックを介してキーボードからシリアル信号を受信する手段を備えていると認められる。 c.上記摘記事項ハ.段落【0029】に「CPU112は、波形整形されたシュミットバッファ405からのシリアル信号を受け取ると、内蔵のペリフェラル回路でパラレル信号に変換して文字コード情報として保持する。」と記載されているが、「文字コード情報として保持する」ためには、受信したシリアル信号から「文字コード情報」を抽出する必要があることは明らかであるから、引用例の携帯電話機本体は、シリアル信号から文字コード情報を抽出する手段を備えていると認められる。 d.上記摘記事項ロ.段落【0017】に「イヤホンマイクを使用して通話を行う場合、利用者は、イヤホン(イヤピースレシーバともいう)とマイクが一体化されたイヤホンマイクのコードの先端に取り付けられているイヤホンマイクプラグをイヤホンマイクジャック15に挿入して接続する。」と、また、上記摘記事項ロ.段落【0020】に「このプラグをイヤホンマイクジャック15に装着することで、キーボード110が携帯電話機本体に電気的に接続される」と記載されていることから明らかなように、文字コード情報の受信に用いられるイヤホンマイクジャックは、イヤホンマイクが用いるイヤホンマイクジャックと同一であるから、引用例には、キーボードはイヤホンマイクと同一のイヤホンマイクジャックを用いてデータを送信することが開示されていると認められる。 したがって、上記の摘記事項、図面、及びこの分野の技術常識より、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。 「イヤホンマイクジャックを介してキーボードから携帯電話機内に文字コード情報を受信する携帯電話機本体であって、 前記イヤホンマイクジャックを介して前記キーボードからシリアル信号を受信する手段と、 前記シリアル信号から文字コード情報を抽出する手段と、 を備え、前記キーボードは前記イヤホンマイクと同一のイヤホンマイクジャックを用いてデータを送信するものである携帯電話機本体。」 [対比] 補正後の発明と引用発明とを対比する。 a.引用発明の「イヤホンマイク」は、補正後の発明の「イヤホン/マイクロホン」に相当し、 また、「ジャック」、「ポート」、及び「コネクタ」は、呼称が異なるものの技術的には同様のものを指しているから、引用発明の「イヤホンマイクジャック」は、補正後の発明の「イヤホン/マイクロホン用ポート」及び「イヤホン/マイクロホン用コネクタ」に相当する。 b.引用発明の「キーボード」は「データ入力機器」の一種であるといえ、また、当該データ入力機器は携帯電話機の外部に接続されるものであるから、「外部データ入力機器」ともよべるものである。 c.引用発明の「携帯電話機本体」は「装置」ということができ、更に、引用発明の「携帯電話機」は移動可能な電子機器であるから「移動体電子機器」であるといえる。 d.引用発明の「シリアル信号」と、補正後の発明の「変調データ信号」とは、少なくとも「信号」である点で一致する。 e.引用発明の「文字コード情報」は、「データ」の一種であるといえる。 f.引用発明における、データ入力機器がイヤホン/マイクロホンと同一のイヤホン/マイクロホン用コネクタを用いてデータを送信することについて、イヤホン/マイクロホン用コネクタは、データ入力機器から携帯電話機本体へデータを送信する経路上に存在するものであるから、データ入力機器はイヤホン/マイクロホンと同一の回路経路を用いてデータを送信するといえる。 よって、両者は以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「イヤホン/マイクロホン用ポートを介して外部データ入力機器から移動体電子機器内にデータを受信する装置であって、 前記イヤホン/マイクロホン用ポートを介して前記データ入力機器から信号を受信する手段と、 前記信号からデータを抽出する手段と、 を備え、前記データ入力機器は前記イヤホン/マイクロホンと同一の回路経路を用いてデータを送信するものである装置。」 (相違点1) データ入力機器から受信する「信号」について、補正後の発明は「変調データ信号」であるのに対して、引用発明は「シリアル信号」である点。 (相違点2) 「信号からデータを抽出する」ことについて、補正後の発明は「変調データ信号からデータを抽出する」のに対して、引用発明は「シリアル信号からデータを抽出する」点。 (相違点3) 「同一の回路経路」について、補正後の発明は「前記イヤホン/マイクロホン用コネクタに接続された単一のI/O回路を含み、当該単一のI/O回路は、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入力された前記データ入力機器からのデータの処理と、前記イヤホン/マイクロホン用コネクタを介して入出力される音声信号の処理とで共通に用いられる」ものであるのに対して、引用発明はそのようなものであるか明らかではない点。 まず、相違点1、相違点2について、まとめて検討する。 そもそも、データを送信するための「信号」として「変調データ信号」は周知であるが、更に、キーボードなどのデータ入力機器からの信号として「変調データ信号」を用いることも特開平10-177445号公報(特に段落【0014】を参照。)などに開示されるよう周知であるから、データ入力機器から受信する「信号」として「変調データ信号」を採用することは当業者が適宜なし得たことである。 そして、「変調データ信号」を採用した場合には、当然、「変調データ信号からデータを抽出する」こととなるので、当該相違点1、2に係る構成は格別のものではない。 次に、相違点3について検討する。 移動体電子機器において、イヤホン/マイクロホン用コネクタに単一のI/F(インターフェース)回路を接続し、当該単一のI/F回路が、外部の機器からのデータの処理を行う際にも、音声信号の処理を行う際にも、共通のI/F回路として用いられることは、例えば特開2002-141977号公報(特に、段落【0018】、【0020】を参照。)、特開2001-313697号公報(特に、【請求項1】、【請求項3】を参照。)などに開示されるよう周知事項である。 そして、I/F回路もI/O回路も、ともに装置間の入出力のために用いられる同等の機能を発揮する回路であり、また、「I/Oインターフェース」との用語も広く用いられていることからみて(必要であれば特開2002-290251号公報、段落【0006】を参照。)、I/F回路と呼ぶものにかえてI/O回路と呼ぶものを採用することは、当業者が適宜実施し得ることにすぎない。 したがって、上記周知事項を考慮すれば、引用発明において、イヤホン/マイクロホン用コネクタに接続される単一のI/O回路を設け、当該単一のI/O回路が、データ入力機器からのデータの処理と、音声信号の処理とで共通に用いられるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、補正後の発明が奏する効果も引用発明、及び周知事項から容易に予測出来る範囲内のものである。 よって、補正後の発明は、引用発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3.結語 したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成22年8月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は上記「第2.補正却下の決定」の項中の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。 2.引用発明 引用発明は、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「2.補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の[引用発明]で認定したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は上記補正後の発明から本件補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成に補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「2.補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項で検討したとおり、引用発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-03-22 |
結審通知日 | 2012-03-27 |
審決日 | 2012-04-09 |
出願番号 | 特願2008-504382(P2008-504382) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H04M)
P 1 8・ 121- Z (H04M) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 永井 啓司 |
特許庁審判長 |
田中 庸介 |
特許庁審判官 |
宮田 繁仁 新川 圭二 |
発明の名称 | 入力機器用の移動体機器インタフェース |
代理人 | 白根 俊郎 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 河野 直樹 |
代理人 | 山下 元 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 勝村 紘 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 佐藤 立志 |
代理人 | 市原 卓三 |
代理人 | 砂川 克 |
代理人 | 竹内 将訓 |
代理人 | 幸長 保次郎 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 堀内 美保子 |
代理人 | 岡田 貴志 |