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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1262425
審判番号 不服2010-13511  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-21 
確定日 2012-08-30 
事件の表示 特願2004-166258「情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成17年12月15日出願公開、特開2005-346495〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年6月3日の出願であって、平成21年7月15日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月24日付けで手続補正がなされ、同年11月16日付けで新たな拒絶理由通知がなされ、平成22年1月22日付けで手続補正がなされたが、同年3月18日付けで、平成21年11月16日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされ、当審において、平成23年11月29日付けで前置報告書を利用した審尋がなされたものの、それに対する回答書は提出されなかったものである。

2.平成22年6月21日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年6月21日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の目的の適否について
平成22年6月21日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)の目的が平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に適合するか否かを検討する。

ア.特許請求の範囲に係る補正内容について
本件手続補正により、特許請求の範囲に関してなされた補正は、請求項の記載を、
「 【請求項1】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システムにおいて、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部とを備え、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときには、前記第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る、サーバクライアントシステムのクライアントとなる情報処理装置において、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出してサーバに与える語句抽出部と、
前記サーバが、抽出された語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付け、上記語句と語句カテゴリの対応関係に応じて生成した、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを取得してユーザに提供し、当該キーワード選択ページ上で語句を指定させるキーワード選択ページ提供部と、
前記サーバが、前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係の管理情報に従い、前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として生成した、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページであって、前記キーワード選択ページ提示部が取り込んだ指定語句に対応する次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理するアクション/応用機能関係管理部と、
前記アクション/応用機能関係管理部を用いて、前記選択受付部が選択を受け付けた前記アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索し、該当する応用機能部を起動する応用機能起動部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能群を、複数種類、起動し得る情報処理プログラムにおいて、コンピュータに、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理機能と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成機能と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理機能と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能群の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理機能と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付機能とを実現させ、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときには、前記第1の対応関係管理機能を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付機能が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理機能を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能群の存在する場所を検索することで、該当する応用機能群を起動することを特徴とする情報処理プログラム。」
から、
「 【請求項1】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システムにおいて、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部と、
前記語句カテゴリ処理部によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベースと、
前記ユーザが前記キーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベースの格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成部とを備え、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、前記候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、前記第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る、サーバクライアントシステムのクライアントとなる情報処理装置において、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出してサーバに与える語句抽出部と、
前記サーバが、抽出された語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付け、上記語句と語句カテゴリの対応関係に応じて生成した、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを取得してユーザに提供し、当該キーワード選択ページ上で語句を指定させるキーワード選択ページ提供部と、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合に、前記サーバが形成したその語句の候補一覧をユーザに提供し、語句の対象を特定させる語句候補一覧提供部と、
前記キーワード選択ページ上で語句が指定されたときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合に、前記候補一覧からユーザが選択した語句の対象に基づき、一方、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、前記サーバが、前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係の管理情報に従い、前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として生成した、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページであって、前記キーワード選択ページ提示部が取り込んだ指定語句に対応する次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理するアクション/応用機能関係管理部と、
前記アクション/応用機能関係管理部を用いて、前記選択受付部が選択を受け付けた前記アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索し、該当する応用機能部を起動する応用機能起動部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能群を、複数種類、起動し得る情報処理プログラムにおいて、コンピュータに、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理機能と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成機能と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理機能と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能群の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理機能と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付機能と、
前記語句カテゴリ処理機能によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベース機能と、
前記ユーザが前記キーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベース機能の格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成機能とを実現させ、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、前記候補一覧形成機能が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、前記第1の対応関係管理機能を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付機能が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理機能を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能群の存在する場所を検索することで、該当する応用機能群を起動することを特徴とする情報処理プログラム。」
に補正するものである。
以下、補正前の請求項を「旧請求項」と呼び、補正後の請求項を「新請求項」と呼ぶ。

イ.特許法第17条の2第4項第2号について
(ア)新請求項1は、全体として旧請求項1を減縮するものであるが、新請求項1に記載された発明が備える構成要件として追加された「語句特定用情報データベース」及び「候補一覧形成部」は、旧請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「応用機能部」、「語句カテゴリ処理部」、「キーワード選択ページ生成部」、「第1の対応関係管理部」、「第2の対応関係管理部」、「選択受付部」のいずれを限定するものでもない。
また、新請求項1が旧請求項2あるいは3を限定するものでないことは、明らかである。
よって、新請求項1のように補正することは、旧請求項1ないし3のいずれに記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲を減縮したものでもない。

(イ)新請求項2は、全体として旧請求項2を減縮するものであるが、新請求項2に記載された発明が備える構成要件として追加された「語句候補一覧提供部」は、旧請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項である「応用機能部」、「語句抽出部」、「キーワード選択ページ提供部」、「選択受付部」、「アクション/応用機能関係管理部」、「応用機能起動部」のいずれを限定するものでもない。
また、新請求項2が旧請求項1あるいは3を限定するものでないことは、明らかである。
よって、新請求項2のように補正することは、旧請求項1ないし3のいずれに記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲を減縮したものでもない。

(ウ)新請求項3は、全体として旧請求項3を減縮するものであるが、新請求項3に記載された発明が備える機能として追加された「語句特定用情報データベース機能」及び「候補一覧形成機能」は、旧請求項3に記載された発明を特定するために必要な事項である「応用機能群」、「語句カテゴリ処理機能」、「キーワード選択ページ生成機能」、「第1の対応関係管理機能」、「第2の対応関係管理機能」、「選択受付機能」のいずれを限定するものでもない。
また、新請求項3が旧請求項1あるいは2を限定するものでないことは、明らかである。
よって、新請求項3のように補正することは、旧請求項1ないし3のいずれに記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲を減縮したものでもない。

以上のとおり、新請求項1ないし3に記載された発明は、旧請求項1ないし3のいずれに記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲を減縮したものとも認められず、上記補正は、特許法第17条の2第4項第2号に該当しない。

ウ.特許法第17条の2第4項第1号、第3号及び第4号について
上記補正が、特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除、第3号の誤記の訂正、及び第4号の明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)に該当するものでないことは、明らかである。

上記イ.及びウ.に示したとおり、本件手続補正の目的は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。

(2)独立特許要件について
仮に、新請求項1に記載された発明が、旧請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定したものであるとした場合に、新請求項1に記載された発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。

ア.新請求項1に記載された発明
新請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記(1)ア.に記載したとおりの次のものである。
「ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システムにおいて、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部と、
前記語句カテゴリ処理部によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベースと、
前記ユーザが前記キーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベースの格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成部とを備え、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、前記候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、前記第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動することを特徴とする情報処理システム。」

イ.引用例及び参考例
(ア)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-122771号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審付与。)

a.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は操作者に所望の情報を取り出させるために所定形式のテキスト文書を画面上に表示する情報処理装置及び情報処理方法、並びに情報処理プログラムに関する。」

b.「【0007】本発明は、・・・ユーザに手間をかけさせずに施設情報に関連したアプリケーションや、データベースを起動させることができる使いやすいインターフェースを備えた情報処理装置及び情報処理方法、並びに情報処理プログラムの提供を目的とする。」

c.「【0020】次に、このHTML情報処理装置210の動作を説明する。先ず、HTML情報処理装置210は、制御器211によりHTMLブラウザ201を起動し、表示画面部に所望のブラウザ画面を表示する。次に、ユーザがHTMLブラウザ画面から、インターネット上に存在する文書や画像などの情報資源が存在する場所を、サーバ名、ポート番号、フォルダ名、ファイル名などで示したURL(Uniform Resours Locater)を入力して指定したとする。すると、制御器211は、その指定されたWebサーバの情報から、HTML記述言語(コード)で記述されたデータを受け取り、ブラウザ画面上にHTML文書を表示する。例えば、ユーザがレストランのホームページをURLの入力により指定すれば、HTML情報処理装置210の表示画面には、HTMLブラウザ201により、メニューや店のデータがテキスト文書で、また料理の写真が画像で表示される。
【0021】HTMLブラウザ201は、HTML文書による前述した例えばレストランのホームページのような新たなページを開くと、HTML文書更新完了通知を制御器211に送る。すると、制御器211はHTML解析器212にHTML文書中の施設情報文字列の解析を要求する(1)。
【0022】HTML解析器212では、前記解析要求に応じてHTMLブラウザ201にHTML文書の取得を要求(2)し、閲覧中のHTML文書をHTMLブラウザ201から取得する(3)と、閲覧中のHTML文書を解析し、その中に含まれる施設情報文字列を抽出する。このHTML解析器212での位置情報文字列の抽出は、本件出願人による後述の特開2000-339309の「文字列解析装置、文字列解析方法及び提供媒体」に開示された技術に基づいて行うことができる。また、パターンマッチングによる解析手法技術に基づいて行ってもよい。
【0023】特開2000-339309の「文字列解析装置」は、外部からの入力情報を所定フォーマットの文字列に変換する入力手段と、当該入力手段によって変換された文字列を記憶する記憶手段と、当該記憶手段に記憶された文字列を協調的に解析し、当該解析した中間結果を記憶手段に書き込むことで共有し、中間結果を統合することにより文字列が表す情報の種類を判別する複数の解析処理手段とを設けることにより、明確な手続が存在しない場合でも、できるところから解析して徐々に得られる中間結果を共有しながら統合していくことで漸次的に文字列が表す情報の種類を判別することができる、という装置である。
【0024】この文字列解析装置を適用すると、HTML解析器212は、図2に示すように、黒板モデル220と、この黒板モデル220を制御するシステムマネージャ221とから構成される。
【0025】ここで、黒板モデル220とは、多数の知識源が黒板と呼ばれる共有メモリを介して協調的に働いて問題を解決するものであり、「多くの人が黒板の前に集まり、知恵を出し合う」という状況を思い起こさせることから名付けられた問題解決システムをいう。
【0026】黒板モデル220においては、入力エージェントIと複数の解析エージェントA1,A2とが共有メモリである共有黒板222を共有し、知識源である解析エージェントA1,A2が協調的に解析することによって得られた解析結果(施設情報文字列)を出力エージェントOに供給する。
【0027】入力エージェントIは、HTML文書を取り込んだ後に自然言語の文字列に変換し、これを共有黒板管理部223へ送出する。
【0028】システムマネージャ221は、共有黒板管理部223を介して解析エージェントA1、A2に対して解析処理を依頼する。解析エージェントA1、A2では、それぞれ文字列が表す情報の種類を判別するため専門の分野に別れており、例えば一の解析エージェントA1は文字列が表す情報の種類が住所であることを判定する住所認識用であり、他の解析エージェントA2は文字列が表す情報の種類が電話番号であることを判定する電話番号認識用である。
【0029】実際上、解析エージェントA1は、システムマネージャ221から解析処理の依頼を受けると、共有黒板管理部223の内部の図示しない構文解析部へ所定の文法に応じた演算命令を指定する。ここで文法とは、文字列の情報の種類を判別する際に用いられる解析フォーマットである。
【0030】例えば、解析エージェントA1が用いる文法(住所解析フォーマット)では、住所データベースに基づいて「・・都(道、府又は県)・・区(市、町又は村)・・○-△-□」のように文字列の中に都道府県のいずれかと市区町村のいずれかが存在したときに、これは住所であると認識するように定義されている。
【0031】また、解析エージェントA2が用いる文法(電話番号解析フォーマット)では、電話番号データベースに基づいて「電話番号03-1234-5678」又は「TEL0427-25-1234」のように文字列の中に存在する電話番号又はTELという文字に対して数字が10桁続いたとき、あるいは電話番号又はTELという文字に係わらず数字が10桁続いたときに、これは電話番号であると認識するように定義されている。
【0032】このようにして入力エージェントIが取り込んだHTML文書は所定の文字列に変換された後、共有黒板管理部223へ送出され、システムマネージャ221により解析処理を依頼された解析エージェントA1、A2により各文法に基づいて、施設情報文字列が抽出される。抽出された施設情報文字列は、グループ解析器213に送られる(4)。
【0033】グループ解析器213は、HTML解析器212がHTMLから抽出した前記施設情報文字列の項目出現パターンにより複数の施設情報を施設情報毎にグループ化する。そしてグループ化された文字列を制御器211に供給する(5)。
【0034】制御器211は、グループ化された文字列を受け取り、グループ化された文字列から蓄積したい文字列を精度良く蓄積可能にするために、項目毎に情報をセレクトボックスへ表示し、セレクトボックスには優先順位を持たせた蓄積文字列(または画像)候補を表示し、編集可能とする。そして、編集に基づいたHTML再構成要求(6)をHTML再構成器214に送る。
【0035】HTML再構成器214は、HTML解析・グループ解析によって得られた文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを作成してオリジナルのHTML文書内に埋め込み、HTMLブラウザ201にHTML文章の表示要求(7)を出す。
【0036】そして、HTMLブラウザ201には、前記オブジェクトボタンの埋め込まれたHTML文章が表示される。ここで、ユーザがオブジェクトボタンをクリックしアクションを制御器211に要求すると(8)、制御器211は他のアプリケーション202を起動する(9)。」

d.「【0043】次に、例えば、ユーザがレストランのホームページをHTMLブラウザ上でURLの入力により指定したときの、HTML情報処理装置210の動作の具体例を図6?図10を用いて説明する。既に、HTMLブラウザ201はOS上で起動されているとする。
【0044】先ず、ユーザがHTMLブラウザ上で「http://restaurant○×.co.jp/011.html」というURLを入力すると、所定の認証接続処理の後に、指定されたWebサーバから、HTMLで記述されたレストランの、メニューや店のデータや、料理の写真がHTML文書で送られ、ブラウザに転送されて、図6に示すように画面上に表示される。
【0045】HTMLブラウザ201にて表示されるHTML文書の読み込みが完了した時点で、HTMLブラウザ201がHTML文書更新完了を制御器211に通知すると、制御器211は、HTML解析器212にHTML文書中の施設情報文字列の解析を要求する。この解析要求に応じてHTML解析器212はHTMLブラウザ201にHTML文書の取得を要求し、更新されて閲覧中の図6に示すHTML文書を取得する。
【0046】そして、HTML解析器212は、閲覧中のHTML文書の解析ループを開始し、HTML文書から、住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列を抽出する。ここでは、図6に示すように、「お店データ」の欄に、「住所 渋谷区△○○4-××-5 ○○△ビル3F」、「電話 03-9999-0000」の文字列があるので、HTML解析器211はこれら施設情報文字列を抽出し、グループ解析器213に送る。
【0047】グループ解析器213は、前記図4のフローチャートにしたがって、前記施設情報文字列をグループ化し、グループ化された文字列を制御器211に送る。
【0048】制御器211は、グループ化された文字列を受け取り、グループ化された文字列から蓄積したい文字列を精度良く蓄積可能にするために、項目毎に情報をセレクトボックスへ表示し、セレクトボックスには優先順位を持たせた蓄積文字列(または画像)候補を表示する。
【0049】HTML再構成器214は、HTML解析・グループ解析によって得られた文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを作成してオリジナルのHTML文書内に埋め込む。具体的には、図7の破線部251に示すようなオブジェクトボタン252やオブジェクトボタン253を作成する。これらオブジェクトボタン252、253は、図6の破線部250にHTML文書再構成器214によって埋め込まれたものである。図8の(a)及び図8の(b)にその拡大図を示す。
【0050】図9には、ブラウザ内の編集・表示画面254を示す。画像の選択部255と、施設情報の項目の選択と編集部256と、住所を中心とした地図表示部257である。図10には、画像の選択部255の詳細を示す。ページを選択するためのボタン261?264が設けられている。ボタン261はページの先頭への移動を指示する。ボタン262は現在より前への移動を指示する。ボタン263は現在より後への移動を指示する。ボタン264はページの最後の画像への移動を指示するボタンである。
【0051】このような編集・表示画面254を用いて編集・表示処理が行われる。なお、地図表示部257に表示される地図は、制御器211が起動したアプリケーション202の具体例であるデジタル地図表示アプリケーションに基づく。すなわち、前記オブジェクトボタン252、253がユーザによりクリックされると、制御器211はデジタル地図表示アプリケーションを起動し、施設の場所を表示することができる。」

e.「【0055】次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態も、HTML文書を、表示画面部に表示するHTML情報処理装置である。構成は図1に示したものとほぼ同様であるが、制御器211が起動するのはデータベース作成アプリケーションである。
【0056】この第3の実施の形態のHTML情報処理装置によれば、検索サイトの結果を解析することによってデータベースを容易に作成できる。またユーザの望むテンプレートで検索結果を一覧表示する、データの並べ替えといったボタンを埋め込むなどユーザがより使いやすいインターフェースを提供できる。
【0057】図12にその具体例を示す。HTMLブラウザ201により表示された図12の(a)に示す、英会話スクールの検索結果(HTML文書)281、282、283からHTML解析器212が施設情報文字列を抽出し、グループ解析器213が施設情報文字列をグループ化する。制御器211はグループ化された施設情報文字列に基づいてデータベース用の候補を編集する。HTML再構成器214は、前記編集に基づいて前記候補をデータベースに収納するか否かを選択させるオブジェクトを作成し、オリジナルのHTML文書内に埋め込む。そして、HTMLブラウザ201には、オブジェクトの埋め込まれたHTML文章が表示される。ここで、ユーザがオブジェクトをクリックしアクションを制御器211に要求すると、制御器211は他のアプリケーション202としてデータベース作成アプリケーションを起動し、前記候補をデータベースに収納する。また、検索結果を一覧表示するというオブジェクトボタンや、データの並べ替えを行うといったオブジェクトボタンをオリジナルのHTML文書内に埋め込んでもよい。例えば検索結果を一覧表示するというオブジェクトが埋め込まれたHTML文書においてユーザがそれをクリックしたときには、図12の(b)に示すような、ユーザの望むテンプレート284で検索結果を一覧表示させることができる。」

上記a.?e.の記載及び関連する図面を参照すると、次のことがいえる。

(a)上記d.の段落【0051】の「デジタル地図表示アプリケーション」、及び上記e.の段落【0055】の「データベース作成アプリケーション」との記載から、引用例1のものは、「デジタル地図表示アプリケーションやデータベース作成アプリケーション等を起動し得る情報処理装置」に係るものであるといえる。

(b)上記d.の段落【0046】の記載によれば、「HTML解析器212」は、「HTML文書から、住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列を抽出する」ものである。
そして、図2を見ると、「HTML解析器212」内の構成として「解析エージェントA1、A2」があり、上記c.の段落【0028】の記載によれば、「解析エージェントA1」が「文字列が表す情報の種類が住所であることを判定」し、「解析エージェントA2」が「文字列が表す情報の種類が電話番号であることを判定」している。
よって、引用例1のものは、「HTML文書から住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列を抽出し、抽出した施設情報文字列が表す情報の種類を判定した上で、施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類を対応付けるHTML解析器」を備えているといえる。

(c)上記d.の段落【0049】の「HTML再構成器214は、HTML解析・グループ解析によって得られた文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを作成してオリジナルのHTML文書内に埋め込む。」との記載から、引用例1のものは、「施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類の対応関係に応じて、個々の施設情報文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを埋め込んだHTML文書を生成するHTML再構成器」を備えているといえる。

(d)上記d.の段落【0051】の「オブジェクトボタン252、253がユーザによりクリックされると、制御器211はデジタル地図表示アプリケーションを起動し」との記載から、引用例1のものにおいては、「ユーザがオブジェクトボタンをクリックすることで、該当するアプリケーションを起動する」ことが行われているものと解される。そして、引用例1のものは、当然、「ユーザによるオブジェクトボタンのクリックを受け付ける受付手段」を備えるものと解される。

上記(a)?(d)の事項から、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例1記載の発明」という。)
「デジタル地図表示アプリケーションやデータベース作成アプリケーション等を起動し得る情報処理装置において、
HTML文書から住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列を抽出し、抽出した施設情報文字列が表す情報の種類を判定した上で、施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類を対応付けるHTML解析器と、
前記施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類の対応関係に応じて、個々の施設情報文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを埋め込んだHTML文書を生成するHTML再構成器と、
ユーザによる前記オブジェクトボタンのクリックを受け付ける受付手段とを備え、
前記ユーザが前記オブジェクトボタンをクリックすることで、該当するアプリケーションを起動する情報処理装置。」

(イ)引用例2
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-102453号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審付与。)

f.「【0008】
そこで、アプリケーションプログラムの開発や保守管理の負担を抑制しつつ、各アプリケーションプログラムの相互連携を可能にし、ユーザの目的に応じたアプリケーションプログラムの起動を簡便迅速に可能とするコンテキストラウンチの管理方法が望まれていた。本発明はこのような経緯に基づいてなされたもので、コンテキストラウンチ管理方法およびシステム、ならびにプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。」

g.「【0028】
図2は本実施形態のスケジュール管理用データおよび名刺管理用データの構成図であり、図3は本実施形態の処理定義テーブルのデータ構成を示す図である。前記サーバ10が管理するアプリケーションプログラム30の例として、例えばスケジュール管理プログラムと名刺管理プログラムとが含まれていたとする。この各プログラムは、処理対象となる固有の処理データを備えて、スケジュール管理または名刺管理に際して要求される処理を実行することになる。
【0029】
スケジュール管理プログラムにおける処理データは図2におけスケジュール管理用データ200となる。このスケジュール管理用データ200は、スケジューリングされたタスク、そのタイトル、並びにその担当者などのデータを含む構造を備える。一方、名刺管理用プログラムにおける処理データは図2における名刺管理用データ210となる。この名刺管理用データ210は、名刺に記載されていた人名、その連絡先たる電話番号および電子メールアドレスなどのデータを含む構造を備える。
【0030】
上述したデータ構造を構成する各処理データは属性等に応じて分類され、それぞれクラス250が定義付けされる。オブジェクト指向プログラミングにおいて、いくつかのオブジェクトに共通する機能や性質(属性)を定義したものをクラスと呼ぶが、このクラスにより同じような機能や性質を持つオブジェクト群をまとめて扱うことが容易になるのである。本実施形態においては処理データについてクラス定義を行うとし、例えば前記スケジュール管理用データ200から、タスクIDを総括するスケジュールタスク、タスクタイトルを総括するタスクタイトル、タスクの担当者を総括する人名の各クラス250が定義される。一方、名刺管理用データ210においても同様に、人名、電話番号、電子メールアドレスといったクラス250が定義できる。各クラス250における実際の処理データは、各クラスに属するインスタンスとも言える。
【0031】
また、本実施形態において各処理データは、例えばアプリケーションプログラムの実行に伴ってユーザインターフェイスに適宜出力され、コンテキストラウンチ処理におけるユーザによる選択対象となる。一般にコンテキストは、オブジェクト指向プログラミングにおける処理中のプロセスの状態や環境のことを指し、本実施形態で言えば、例えばユーザがコンソールのGUI上でマウスカーソルを操作して、前記処理データのいずれかをクリックした状況がそれにあたる。この処理データの選択事象に応じ、例えばコンテキスト・メニューがポップアップし、ラウンチする先の処理(他のアプリケーションプログラム)の選択をユーザから受付け可能とする。
【0032】
このように処理データの選択を受けて次に連携するアプリケーションプログラムをラウンチ処理するに際し、参照されるのが前記共通リポジトリデータ19であり、その実例を図3の処理定義テーブル300に示す。この処理定義テーブル300は、前記処理データより定義した各クラスをキー項目とし、これに各クラスに対応可能な処理名データ、その処理を行うアプリケーションプログラムを示す処理内容データ、そして各アプリケーションプログラムが実行するコマンドデータ(或いはリンク記述)などが関係付けされたデータ構造をなしている。サーバ10はこの処理定義テーブル300から処理データのクラスに対応した処理一覧を抽出し、ユーザインターフェイスに表示することになる。
【0033】
図4は本実施形態のコンテキストラウンチ管理方法の実際手順を示す流れ図である。以下、図5?図8に示した各画面遷移例1?4に即して処理手順を詳述する。前記サーバ10は、前記モジュール11におけるGUIテンプレートをGUIフレームワークに従ってコンソール画面に適用しユーザインターフェイスに出力しているとする。その最初のコンソール画面が図5に示すログイン画面500である。ユーザはここでログインIDおよびパスワードをそれぞれの入力欄501、502に入力し、ログイン処理を指示する。サーバ10は、セキュリティモジュール15において認証作業を実行し、ログイン権限があるものと認識したならば(s401:YES)、セッションキーを生成し画面510で表示する。一方、認証が出来ない場合には(s401:NO)、処理を終了する。
【0034】
このログイン処理に際し生成されるセッションキーは、例えばリポジトリデータベース18などの適宜な記憶手段に格納されるとともに、その有効期間が定めらる。当該期間を経過すると無効となる。よって、この有効期間経過後にコンソールでの操作を受け付けた場合には、ユーザに再認証を要求することになる。ユーザがログイン後、適宜なアプリケーションプログラムを起動させる際には、このセッションキーを当該アプリケーションプログラムに受け渡す(s402)。
【0035】
このセッションキーは、サーバ10に最初にログインしたユーザの権限を、連携する各アプリケーションプログラムに継続させ、その使用権限を認証する役割を果たす。
【0036】
図5に示す例では、まずアプリケーションプログラムを起動するのではなく、リソースツリー521をコンソール画面520に出力している(s403)。このリソースツリー521は、前記スケジュール管理用データ200や名刺管理用データ210の処理データ単位で互いの階層構造を構成したものであり、各処理データがその名称でもって表示部522に出力される。
【0037】
画面520のGUIに表示された各表示部(処理データ)が、ユーザによりクリックされるなどして選択された際、当該処理データに関連付けされたコールバック処理をサーバ10は実行する(s404:処理データ選択、s405)。この場合は例えばリソースツリーの表示を担うプログラムからコールバック処理を実行することになろう。一方、GUIに表示された各表示部をユーザが選択せず、例えば“処理終了”の旨を選択或いは指示したとすれば、処理は終了する。
【0038】
図示した例は、“スケジュール管理”に属する“タスク1”がクリックされている。サーバ10が管理するのがWebアプリケーションプログラムであった場合、「http://・・・/callback? class=scheduletask# value=task1」などいったリンク記述がこの“タスク1”の表示部522に埋め込まれている。Servletモジュール13がこれに応じてコールバック処理を担うことが想定出来る。
【0039】
ユーザにより選択された前記処理データ、“タスク1”については、そのクラスである“
スケジュールタスク”を前記処理定義テーブル300に照合し、処理一覧を抽出する(s406)。処理定義テーブル300によると、“スケジュールタスク”なるクラスに対応する処理は、“スケジュール表示”、“スケジュール編集”、“スケジュール共有”の3処理であるから、この処理一覧をユーザインターフェイスに表示する(s407)。
【0040】
この処理一覧を処理定義テーブル300より抽出した際、該当する処理が1つであったならば(s408:NO)、当該処理に関連付けられた処理内容を前記処理定義テーブル300より認識する。そしてこの処理内容に応じたアプリケーションプログラムの起動処理を行うことになる。
【0041】
一方、処理一覧に複数の処理が含まれる場合(s408:YES)、コンソール画面600に抽出した前記処理一覧601を出力する(図6参照)。ここで、処理一覧601中のある処理がユーザより選択されたならば、当該処理を受付ける(s409)。画面600で選択されたのが“スケジュール表示”なる処理であり、これに例えば「http://・・・/scheduler?task=task1#callback=”http://・・・/callback”」などといったリンク記述が埋め込まれているならば、前記処理定義テーブル300における処理名“スケジュール表示”に対応するアプリケーションプログラが“scheduler”であることを認識する(s410)。
【0042】
そして、上記同様にセッションキーの受渡処理を行って(s411)、アプリケーションプログラムの起動を実行する(s412)。この“scheduler”は前記したスケジュール管理プログラムを指している。スケジュール管理プログラムがスケジュール管理用データ200より処理データを取得して表示処理したのが画面610におけるスケジュール内容611である。
【0043】
この画面610においては、“担当者名”の“○○太郎”に関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ612を付している。表示した処理データのいずれにもラウンチするアプリケーションプログラムが存在しない場合にはこのタグ612は付されず、ラウンチの連携は途切れることになる。いずれにせよ、各クラス毎に可能なラウンチ先は前記処理定義テーブル300において定めれている。アプリケーションプログラム30が増減したり、クラスの定義内容が変われば、処理定義テーブル300も自動更新されるとすれば好適である。
【0044】
ここでの“○○太郎”は“人名”なるクラスに属するものであるから、前記タグ612がクリックされた際は(s413:YES)、上記同様にコールバック処理を実行し、処理定義テーブル300より、“人名”のクラスに対応する処理一覧を抽出する。“人名”なるクラスに対応する処理名は“連絡先表示”、及び“関係履歴表示”の2処理である。ここでユーザが“連絡先表示”なる処理を選択したならば、この処理に対応する“名刺管理プログラム”をセッションキーの受渡とともに起動する。この名刺管理プログラムが“○○太郎”について名刺管理用データ210から処理データを抽出し、画面表示したのが図7の画面700である。
【0045】
この画面700においては、“電話番号”、“FAX”、および“E-MAIL”のそれぞれに関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ702を付している。ここで前記タグ702がクリックされた際は、上記同様にコールバック処理を実行し、処理定義テーブル300より、“電話番号”のクラスに対応する処理一覧711を抽出する。“電話番号”なるクラスに対応する処理名は“連絡先確認示”、及び“ダイアル”の2処理である。ここでユーザが“ダイアル”なる処理を選択したならば、この処理に対応する“ダイヤラープログラム”をセッションキーの受渡とともに起動する。ダイヤラープログラムは画面720に示すGUIを表示し、実際に“○○太郎”に電話をかける動作を実行する。この画面720での処理によりラウンチの継続が完了するならば本実施形態における処理手順は終了する。
【0046】
一方、図8に示すように名刺管理プログラムの画面800において、“E-MAIL”に関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ802がクリックされた際は、上記同様にコールバック処理を実行し、処理定義テーブル300より、“電子メールアドレス”のクラスに対応する処理一覧811を抽出する。“電子メールアドレス”なるクラスに対応する処理名は“メール送信”、及び“アドレス修正”の2処理である。ここでユーザが“メール送信”なる処理を選択したならば、この処理に対応する“メールプログラム”をセッションキーの受渡とともに起動する。メールプログラムは画面820に示すGUIを表示し、実際に“○○太郎”の“**@**.co.jp”なるアドレスにメールを送るメール送信用フォーム821を用意する。この画面820での処理によりラウンチの継続が完了するならば本実施形態における処理手順は終了する。上述したように、コンソール画面におけるGUI上での処理データ選択に応じて、コンテキストラウンチを順次繰り返すことが可能となる。
【0047】
なお本実施形態においては、アプリケーションプログラム30としてWebアプリケーションを想定した例を記載したが、本発明のコンテキストラウンチ管理方法の適用対象がこれに限定されることはない。上記したようにアプリケーションプログラム30がストレージサブシステム中の各所に存在してる場合などにも当然対応可能である。この場合は、上述するアプリケーションプログラム30とサーバ10とのデータ授受形態を、ストレージサブシステムのハードウェア構成やネットワークプロトコル等に応じて修正し、前記リンク記述等を適宜なコマンドに変更すればよい。」

上記f.,g.の記載及び関連する図面を参照すると、次のことがいえる。

(e)上記f.の段落【0008】の「・・・各アプリケーションプログラムの相互連携を可能にし、ユーザの目的に応じたアプリケーションプログラムの起動を簡便迅速に可能とするコンテキストラウンチの管理方法が望まれていた。本発明はこのような経緯に基づいてなされたもので、コンテキストラウンチ管理方法およびシステム、ならびにプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。」との記載から、引用例2のものは、「種々のアプリケーションプログラムを起動し得る処理システム」に係るものといえる。

(f)上記g.の段落【0032】の「処理定義テーブル300は、前記処理データより定義した各クラスをキー項目とし、これに各クラスに対応可能な処理名データ、その処理を行うアプリケーションプログラムを示す処理内容データ、そして各アプリケーションプログラムが実行するコマンドデータ(或いはリンク記述)などが関係付けされたデータ構造をなしている。サーバ10はこの処理定義テーブル300から処理データのクラスに対応した処理一覧を抽出し、ユーザインターフェイスに表示することになる。」との記載から、引用例2のものは、「オブジェクトに共通する機能や性質(属性)を定義したクラスと、該クラスに対応可能な処理名データ、その処理を行うアプリケーションプログラムを示す処理内容データ、そして各アプリケーションプログラムが実行するコマンドデータ(或いはリンク記述)などが関係付けされたデータ構造をなす処理定義テーブル300」を備えるといえる。

(g)上記g.の段落【0044】?【0046】の記載、及び図7,8を参照すると、引用例2のものは、「処理定義テーブル300に基づいて、“連絡先表示”なる文字列を含む画面620を生成し、該画面620上の“連絡先表示”なる文字列を選択した場合に、“電話番号”、“FAX”、“E-MAIL”のそれぞれに関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ702,802を付した画面700,800を生成し、該タグ702,802をクリックすることにより、“電話をかける”処理や“メール送信”処理を行うように」しているといえる。

上記(e)?(g)の事項から、引用例2には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例2記載の発明」という。)
「種々のアプリケーションプログラムを起動し得る処理システムにおいて、
オブジェクトに共通する機能や性質(属性)を定義したクラスと、該クラスに対応可能な処理名データ、その処理を行うアプリケーションプログラムを示す処理内容データ、そして各アプリケーションプログラムが実行するコマンドデータ(或いはリンク記述)などが関係付けされたデータ構造をなす処理定義テーブル300を備え、
前記処理定義テーブル300に基づいて、“連絡先表示”なる文字列を含む画面620を生成し、該画面620上の“連絡先表示”なる文字列を選択した後に、“電話番号”、“FAX”、“E-MAIL”のそれぞれに関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ702,802を付した画面700,800を生成し、該タグ702,802をクリックすることにより、“電話をかける”処理や“メール送信”処理を行うようにした処理システム。」

(ウ)参考例
本願出願前に頒布された特開2003-186880号公報(以下、「参考例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

h.「【0036】図2は、住所データベース44の記憶内容の一例を示す。住所データベース44には、例えば、緯度(LTTD)、経度(LGTD)、都道府県名(TODNM)、市区町村名(SHKNM)、大字名(OZANM)、字丁目名(AZCNM)、番名(BANNM)、号名(GOUNM)、全文住所(ADDR)、前半住所(ADDR1)、後半住所(ADDR2)がそれぞれ関連付けられて記憶されている。」

i.「【0056】次に、図7及び図8は、住所検索システムが提供するユーザインターフェースの画面例の一部である。
【0057】図7(a)に示すように、ユーザは、文字列入力欄G1に、目的とする場所の住所を自分の知っている表記で自由に入力することができる。入力欄G1の左隣には、範囲を絞り込むための範囲指定部G2が設けられている。ユーザは、範囲指定部G2のプルダウン式メニューの中から、都道府県名や市区町村名等を選択することができる。
【0058】ユーザが入力した住所に一致する住所が所定数以下の場合は、図7(b)に示すように、検索された候補住所の全てが一覧表示される。ユーザは、このリストの中から所望の住所を選択することにより、選択した住所の地図を閲覧することができる。」

上記h.,i.の記載、及び図2,7を参照すると、参考例には、次の技術が記載されているものと認められる。(以下、「参考例記載の技術」という。)
「検索対象の文字列“神田1-1-1”を部分としている文字列に関する住所特定用情報を記憶している住所データベースと、
ユーザが入力した文字列“神田1-1-1”の対象住所が一意に特定できない場合に、ユーザが入力した文字列“神田1-1-1”に係る住所の候補を前記住所データベースの記憶情報から得て候補住所一覧を形成する候補住所一覧形成部とを備える住所検索システム。」

ウ.対比
本願補正発明と引用例1記載の発明とを対比すると、次のことがいえる。

(ア)引用例1記載の発明における「デジタル地図表示アプリケーションやデータベース作成アプリケーション等」は、本願補正発明における「ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部」に相当する。また、引用例1記載の発明において、「アプリケーション」は、少なくとも「複数種類」存在する。
よって、引用例1記載の発明における「デジタル地図表示アプリケーションやデータベース作成アプリケーション等を起動し得る情報処理装置」は、本願補正発明における「ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システム」に相当する。

(イ)引用例1記載の発明における「HTML文書」、「住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列」、「抽出した施設情報文字列が表す情報の種類」、「判定」、「HTML解析器」は、それぞれ、本願補正発明における「対象となる文書」、「1または複数の語句」、「抽出した語句の属する語句カテゴリ」、「特定」、「語句カテゴリ処理部」に相当する。
よって、引用例1記載の発明における「HTML文書から住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列を抽出し、抽出した施設情報文字列が表す情報の種類を判定した上で、施設情報文字列とその種類を対応付けるHTML解析器」は、本願補正発明における「対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部」に相当する。

(ウ)引用例1記載の発明における「オブジェクトボタン」は、本願補正発明における「対話部品」に相当するから、引用例1記載の発明における「施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類の対応関係に応じて、個々の施設情報文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを埋め込んだHTML文書を生成するHTML再構成器」及び「ユーザによる前記オブジェクトボタンのクリックを受け付ける受付手段」よりなる構成と、本願補正発明における「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部」及び「前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部」よりなる構成とは、まとめて、「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句と関連する対話部品を配したページを生成し、当該ページをユーザに提供して、ユーザによる対話部品の操作を受け付ける受付部」である点において共通するといえる。

(エ)引用例1記載の発明において「ユーザがオブジェクトボタンをクリックすることで、該当するアプリケーションを起動する」ことと、本願補正発明において「ユーザが、キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、前記候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動する」こととは、「ユーザが対話部品を用いて該当する応用機能部を起動する」ことにおいて共通するといえる。

上記(ア)?(エ)の事項を踏まえると、本願補正発明と引用例1記載の発明とは、
「ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システムにおいて、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句と関連する対話部品を配したページを生成し、当該ページをユーザに提供して、ユーザによる対話部品の操作を受け付ける受付部とを備え、
前記ユーザが前記対話部品を用いて該当する応用機能部を起動する情報処理システム。」
である点で一致し、次の点で相違するものと認められる。

(相違点)
相違点1:本願補正発明は、「語句カテゴリと、語句カテゴリに応じてユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部」及び「各アクションカテゴリは少なくとも1つの応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部」を備えるのに対し、引用例1記載の発明は、それらの手段を備えていない点。

相違点2:「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句と関連する対話部品を配したページを生成し、当該ページをユーザに提供して、ユーザによる対話部品の操作を受け付ける受付部」が、本願補正発明においては、「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部」及び「前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部」により構成されているのに対し、引用例1記載の発明においては、「施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類の対応関係に応じて、個々の施設情報文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを埋め込んだHTML文書を生成するHTML再構成器」及び「ユーザによる前記オブジェクトボタンのクリックを受け付ける受付手段」により構成されている点。

相違点3:本願補正発明は、「語句カテゴリ処理部によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベース」及び「ユーザがキーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベースの格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成部」を備えるのに対し、引用例1記載の発明は、それらの手段を備えていない点。

相違点4:「ユーザが対話部品を用いて該当する応用機能部を起動する」にあたり、本願補正発明においては、「ユーザが、キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動する」ようにしているのに対し、引用例1記載の発明においては、単に「ユーザがオブジェクトボタンをクリックすることで、該当するアプリケーションを起動する」ようにしている点。

エ.判断
そこで、上記相違点1?4について検討する。

(相違点1について)
種々のアプリケーションプログラムを起動し得る処理システムにおいて、オブジェクトに共通する機能や性質(属性)を定義したクラスと、該クラスに対応可能な処理名データ、その処理を行うアプリケーションプログラムを示す処理内容データ、そして各アプリケーションプログラムが実行するコマンドデータ(或いはリンク記述)などが関係付けされたデータ構造をなす処理定義テーブルを備え、該処理定義テーブルに基づいて具体的にどのアプリケーションプログラムを起動するかを決定するようにすることは、上記引用例2記載の発明に見られるように、公知の技術である。
ここで、引用例1記載の発明において、HTML文書から抽出した「住所、電話番号、施設名称などの施設情報文字列」は、情報処理装置におけるオブジェクトであるといえるから、該オブジェクトの属性(語句カテゴリ)に対してユーザ所望の処理内容(アクションカテゴリ)を対応させ、該所望の処理内容を行うアプリケーションプログラム(応用機能部)の存在箇所を対応させるようにすること、すなわち、「語句カテゴリと、語句カテゴリに応じてユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部」及び「各アクションカテゴリは少なくとも1つの応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部」を備えるようにすることは、上記引用例2記載の発明を参酌することにより、当業者が容易に想到し得ることである。

(相違点2について)
引用例1記載の発明においては、「HTML再構成器」により「施設情報文字列と該施設情報文字列が表す情報の種類の対応関係に応じて、個々の施設情報文字列と関連あるアプリケーションと連携するためのオブジェクトボタンを埋め込んだHTML文書」を生成するようにしている。具体的には、引用例1の図6の、住所欄に「渋谷区△○○4-××-5○○△ビル70階」、電話欄に「03-9999-0000」という文字列を有する画面から、直接、各文字列に対してオブジェクトボタン252,253が配置された図7の画面に切り替わるようになされている。
しかしながら、引用例1記載のものにおいて、住所欄に「渋谷区△○○4-××-5○○△ビル70階」、電話欄に「03-9999-0000」という文字列を有する画面から、まず、「渋谷区△○○4-××-5○○△ビル70階」、「03-9999-0000」という文字列に関連するアプリケーションが存在することを示すところの、例えば、文字列に下線が付されたような画面を生成し、下線が付された文字列をクリックした後に、文字列に対してオブジェクトボタンが配置された画面が生成されるようにすること、すなわち、「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部」及び「前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部」を備えるようにすることは、上記引用例2記載の発明に見られるような、処理定義テーブル300に基づいて、まず、“連絡先表示”なる文字列を含む画面620を生成し、該画面620上の“連絡先表示”なる文字列を選択した後に、“電話番号”、“FAX”、“E-MAIL”のそれぞれに関して更なるラウンチが可能である旨を示すタグ702,802を付した画面700,800を生成するような技術を参照することにより、当業者が容易に想到し得ることである。

(相違点3について)
一般に、データベースの検索技術において、検索対象の文字列を部分としている文字列に関する文字列特定用情報を記憶しているデータベースを設け、ユーザが入力した文字列の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが入力した文字列に係る対象物の候補を前記データベースの記憶情報から得て候補一覧を形成するようにすることは、上記参考例記載の技術に見られるような公知の技術にすぎない。
してみれば、引用例1記載のものにおいて、上記参考例記載の技術を参酌することにより、「語句カテゴリ処理部によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベース」及び「ユーザがキーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベースの格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成部」を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(相違点4について)
上記「相違点1について」?「相違点3について」で検討したように、引用例1記載の発明において、「語句カテゴリと、語句カテゴリに応じてユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部」及び「各アクションカテゴリは少なくとも1つの応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部」を備えるようにすること、「語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部」及び「前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部」を備えるようにすること、及び、「語句カテゴリ処理部によって抽出され得る語句を、文字列の全て又は部分としている文字列に関する語句特定用情報を格納している語句特定用情報データベース」及び「ユーザがキーワード選択ページ上で指定した語句の対象が一意に特定できない場合に、ユーザが指定した語句の候補を、少なくとも前記語句特定用情報データベースの格納情報から得て候補一覧を形成する候補一覧形成部」を備えるようにすることは、それぞれ、当業者が容易に想到し得ることである。
ここで、上記「相違点1について」?「相違点3について」での検討を総合すれば、次のことがいえる。
(ア)「ユーザが、キーワード選択ページ上で語句を指定したとき」、「指定された語句が一意に特定できない場合」に、上記「語句特定用情報データベース」及び「候補一覧形成部」を利用して、「候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させ」るようにし、その後の処理を行うようにすることは、当業者が当然に考えることである。
(イ)「指定された語句が一意に特定できる場合」に、「直ちに」その後の処理を行うようにすることは、当然のことである。
(ウ)指定された語句の対象を特定した後、上記「第1の対応関係管理部」を用いて、指定された語句の属する語句カテゴリに対応する「全て」のアクションカテゴリを検索するようにすることについては、特段の支障がない限り、「全て」を検索するのは、当然のことである。
(エ)上記「選択受付部」及び「第2の対応関係管理部」を利用して、「選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動する」ようにすることは、上記「選択受付部」及び「第2の対応関係管理部」の機能を勘案すれば、当業者が容易に想到し得ることである。
上記(ア)?(エ)の事項を勘案すれば、引用例1記載の発明を、「ユーザが、キーワード選択ページ上で語句を指定したときにおいて、指定された語句が一意に特定できない場合には、候補一覧形成部が形成した候補一覧をユーザに提供して指定された語句の対象を特定させた後、指定された語句が一意に特定できる場合には直ちに、第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動する」ような動作をするものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(本願補正発明の作用効果について)
そして、本願補正発明の構成によってもたらされる効果も、引用例1,2記載の発明、及び参考例記載の技術から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例1,2記載の発明、及び参考例記載の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

したがって、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものである。

(3)むすび
上記(1)、(2)で検討したとおり、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定あるいは第5項において準用する同法第126条第5項の規定のいずれかに違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願発明
平成22年6月21日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成22年1月22日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「ユーザが特定の目的を達成するための1または複数の機能を持つそれぞれが異なっている応用機能部を、複数種類、起動し得る情報処理システムにおいて、
対象となる文書から1または複数の語句を抽出し、抽出した語句の属する語句カテゴリを特定した上で、語句と語句カテゴリを対応付ける語句カテゴリ処理部と、
この語句と語句カテゴリの対応関係に応じて、個々の語句にリンクを付与したキーワード選択ページを生成するキーワード選択ページ生成部と、
前記語句カテゴリと、語句カテゴリに応じて前記ユーザが取るべきアクションが属する1または複数のアクションカテゴリの対応関係を管理する第1の対応関係管理部と、
前記各アクションカテゴリは少なくとも1つの前記応用機能部の存在する場所と対応し、この対応関係を管理する第2の対応関係管理部と、
前記キーワード選択ページの個々の語句に付与されたリンクのリンク先として、前記1または複数のアクションカテゴリに応じた1または複数の対話部品を配した次アクション選択ページを生成し、当該次アクション選択ページをユーザに提供して、ユーザによるアクションの選択を受け付ける選択受付部とを備え、
前記ユーザが、前記キーワード選択ページ上で語句を指定したときには、前記第1の対応関係管理部を用いてその語句の属する語句カテゴリに対応する全てのアクションカテゴリを検索し、前記選択受付部が提供した次アクション選択ページ上の対話部品を用いてユーザがアクションの選択を行うと、前記第2の対応関係管理部を用いて当該アクションが属するアクションカテゴリに対応する応用機能部の存在する場所を検索することで、該当する応用機能部を起動することを特徴とする情報処理システム。」

(2)引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用例1,2及びその記載事項は、上記2.(2)イ.(ア),(イ)に記載したとおりである。

(3)対比
本願発明は、上記2.(2)で検討した本願補正発明が備える「語句特定用情報データベース」及び「候補一覧形成部」を省くとともに、「・・・該当する応用機能部を起動する」動作における特定の要件を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに特定の構成要件を付加するとともに、「・・・該当する応用機能部を起動する」動作における特定の要件を施したしたものに相当する本願補正発明が、上記2.(2)エ.に記載したとおり、引用例1,2記載の発明、及び参考例記載の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特定の構成要件を省くとともに上記「・・・該当する応用機能部を起動する」動作における特定の要件を省いた本願発明は、上記特定の構成要件及び上記「・・・該当する応用機能部を起動する」動作における特定の要件に関して引用した上記参考例記載の技術を参酌するまでもなく、引用例1,2記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1,2記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-06-29 
結審通知日 2012-07-03 
審決日 2012-07-17 
出願番号 特願2004-166258(P2004-166258)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 波内 みさ  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 田中 秀人
山崎 達也
発明の名称 情報処理システム、情報処理装置、および情報処理プログラム  
代理人 工藤 宣幸  
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