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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 B60J
審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 B60J
管理番号 1262454
審判番号 不服2011-16497  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-08-01 
確定日 2012-08-30 
事件の表示 特願2000-594665「自動車の調節駆動部の運転のための方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 7月27日国際公開、WO00/43227、平成14年10月22日国内公表、特表2002-535190〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,1999年11月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理同年1月19日,ドイツ)を国際出願日とする出願であって,平成22年3月16日付けの拒絶理由通知(いわゆる最後の拒絶理由通知)に対して同年9月24日付けで明細書の特許請求の範囲を対象とする手続補正がなされたが,平成23年3月23日付けで同手続補正を却下する決定がなされるとともに拒絶査定がなされ,これに対し,同年8月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書の特許請求の範囲を対象とする手続補正がなされたものである。

第2.原査定
原査定における拒絶の理由は,以下のとおりのものと認める。
「平成21年9月4日付けでした手続補正は,下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文,国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては,当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下,翻訳文等という。)(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあっては,翻訳文等又は当該補正後の明細書若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから,特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)。

請求項1において補正された
『A)自動車が走行している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第1の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,調節駆動部(1)が進んだ距離に関連して抑制し,
B)自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制し,
C)自動車が内燃機関の停止によって静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前にフィルタリングしないこと』
は,上記の翻訳文等に記載がなく,この補正は,翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでない。」

第3.平成23年8月1日付けの手続補正についての補正却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成23年8月1日付けの手続補正(以下「平成23年補正」という。)を却下する。

〔理由〕
1.平成23年補正の概要
平成23年補正は,平成21年9月4日付けで補正された特許請求の範囲をさらに補正するもので,請求項1については,補正前に
「【請求項1】自動車内の調節駆動部の運転のための方法であって,
a)調節駆動部(1)から生ぜしめられた作動力を測定し,
b)作動力と限界値とを比較し,
c)限界値の超えられる際に,調節駆動部(1)を逆転させるようになっている形式のものにおいて,
A)自動車が走行している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第1の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,調節駆動部(1)が進んだ距離に関連して抑制し,
B)自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制し,
C)自動車が内燃機関の停止によって静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前にフィルタリングしないことを特徴とする,自動車の調節駆動部の運転のための方法。」
とあるのを,次のとおりに補正するものである。

「【請求項1】自動車内の調節駆動部の運転のための方法であって,
a)調節駆動部(1)から生ぜしめられた作動力を測定し,
b)作動力と限界値とを比較し,
c)限界値の超えられる際に,調節駆動部(1)を逆転させるようになっている形式のものにおいて,
A)自動車が走行している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第1の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,調節駆動部(1)が進んだ距離に関連して抑制し,
B)自動車が停止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制し,
C)自動車が内燃機関の停止によって静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前にフィルタリングしないことを特徴とする,自動車の調節駆動部の運転のための方法。」

2.目的要件
請求項1の補正は,「作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制し」との制御を行う条件を,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」から「自動車が停止している場合」に変更するものである。
ここで,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」とは,「内燃機関が稼働状態」であって,かつ,「自動車が静止している」場合をいい,「自動車が静止している」は「自動車が停止している」と同義であると解されるから,補正前における「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」は,補正後における「自動車が停止している場合」に含まれる。
したがって,補正前における「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制」するとの要件を備えるものは,補正後における「自動車が停止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制」するとの要件を必ず備えるのであって,補正前の請求項1に係る発明は補正後の請求項1に係る発明の下位概念にあたる,換言すれば,補正後の請求項1に係る発明は補正前の請求項1に係る発明の上位概念にあたるということができるから,請求項1の補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。
また,上記のとおり,「自動車が停止している場合」は,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」の上位概念にあたるから,請求項1の補正が,誤記の訂正や明りょうでない記載の釈明を目的とするものであるとすることもできない。
なお,請求人は,審判請求書において,「また,請求項の補正は,拒絶理由に示された事項についてする明りょうでない記載の釈明を目的とするものであります。」と主張するが,拒絶査定における拒絶の理由は,特許法第17条の2第3項に係るものであって,特許法第36条第6項に係るものではないことも併せると,該主張は,著しく妥当性を欠くものである。

3.小括
以上のとおりであるから,平成23年補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第4.本願発明
平成23年補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明は,平成21年9月4日付けで補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである(「第3」の「1.平成23年補正の概要」参照)。

第5.新規事項
平成21年9月4日付けの手続補正(以下「平成21年補正」という。)は,国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面の翻訳文,国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては,当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(以下,「翻訳文等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでない。以下にその理由を述べる。なお,本件については,誤訳訂正書は提出されていない。

平成21年補正により,請求項1に
「A)自動車が走行している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第1の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,調節駆動部(1)が進んだ距離に関連して抑制し,
B)自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制し,
C)自動車が内燃機関の停止によって静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前にフィルタリングしない」
との発明特定事項が記載されることとなった。
しかし,「自動車が走行している場合」,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」及び「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合」の3つに場合分けして,それぞれ異なる制御を行うことは,翻訳文等に記載されておらず,かつ,翻訳文等の記載から自明な事項であるともいえない。
また,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制」することについても,翻訳文等に記載されておらず,かつ,翻訳文等の記載から自明な事項であるともいえない。内燃機関の状態と関連する制御について,翻訳文等には,下記a)?g)の記載があるが,これらはいずれも,「自動車が内燃機関の稼動状態で静止している場合には,作動力の測定された値を前記比較の前に第2の方法に基づきフィルタリングして,作動力の急速な変動を,第1の方法の際よりもわずかな量で抑制」することを示唆するものではない。
a)「自動車が内燃機関の停止によって静止している場合に第2の方法に基づき,急速な変動を第1の方法の際よりもわずかな量で抑制するか,若しくは全くフィルタリングしない」(【請求項1】)
b)「自動車の内燃機関が点火されている場合に第1の方法に基づきフィルタリングする」(【請求項2】)
c)「内燃機関の停止による自動車の静止時に第2の方法に基づくフィルタリング
を行う」(【請求項5】)
d)「車両の走行時に若しくは車両の内燃機関の稼動時に適用される第1のフィルタリング方法」(段落【0009】)
e)「自動車の内燃機関が稼動しているという信号Iが発信された場合に,センサ2から到来する信号が第1の方法でフィルタリングされ」(段落【0012】)
f)「自動車の内燃機関は止まっているという信号Iが発信されると,第1の方法の後にフィルタ装置4が第2の方法を適用し,これによって作動力の増大が,作動力の65N/mmを越える増加に相当する場合にのみ排除される。選択的に,センサ2によって供給された信号のフィルタリングは全く行われなくてよく」(段落【0013】)
g)「このような例では,内燃機関を稼動させた状態で車両を静止させている場合でも第1の方法に基づいてフィルタリングを行うことができる。」(段落【0019】)

以上のことから,平成21年補正は,翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから,特許法第184の12第2項において準用する特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第6.むすび
以上のとおり,平成21年補正は,特許法第184の12第2項において準用する特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから,本願は拒絶されるべきものである。
したがって,原査定は妥当であり,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-04 
結審通知日 2012-04-05 
審決日 2012-04-17 
出願番号 特願2000-594665(P2000-594665)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (B60J)
P 1 8・ 55- Z (B60J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加藤 友也見目 省二  
特許庁審判長 千馬 隆之
特許庁審判官 杉浦 貴之
小関 峰夫
発明の名称 自動車の調節駆動部の運転のための方法及び装置  
代理人 久野 琢也  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 篠 良一  
代理人 二宮 浩康  
代理人 矢野 敏雄  
代理人 星 公弘  
代理人 高橋 佳大  
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