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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1262648
審判番号 不服2010-20921  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-16 
確定日 2012-09-06 
事件の表示 特願2005-221232「電子辞書および電子辞書の検索方法、電子辞書の検索プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 2月 8日出願公開、特開2007- 34962〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本願は、平成17年7月29日の出願であって、平成22年1月25日付けの拒絶理由通知に対して同年4月5日付けで手続補正がなされたが、同年6月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月16日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、その後、平成24年4月6日付けの審尋に対し、同年6月7日付けで回答書が提出されたものである。


第2 平成22年9月16日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成22年9月16日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正


本件補正は、特許請求の範囲の記載が、本件補正前に、
「 【請求項1】
検索語を入力する入力手段と、
見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶した複数種類の辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、
前記検索語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記複数の辞書データのうち少なくともいずれか1つの辞書データより検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示手段とを備えた電子辞書において、
前記辞書データ記憶部は、類語を検索可能な類語辞書データをさらに記憶し、
前記検索手段は、前記検索語の類語を前記類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索し、
前記表示手段は、前記検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示することを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
前記類語辞書データは、類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語で検索可能である第2類語辞書データとを備え、
前記検索語が平仮名であるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記判断手段により前記検索語が平仮名であると判断された場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索し、
前記判断手段により英語のアルファベットであると判断された場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索することを特徴とする請求項1に記載の電子辞書。
【請求項3】
前記辞書データ記憶部は、辞書データ毎に辞書名を記憶し、
前記検索手段により検索された類語と一致する見出し語を複数の辞書データ毎に記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記記憶手段に記憶された見出し語のリストを辞書データ毎に辞書名とともに表示し、さらに辞書データを切り替えて見出し語のリストを表示することを特徴とする請求項1または2に記載の電子辞書。
【請求項4】
前記類語辞書データは、類語と該類語が属するジャンルを記憶し、
前記ジャンルを指定する指定手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記指定手段により指定されたジャンルに属する前記検索語の類語を検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子辞書。
【請求項5】
検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶した複数種類の辞書データ及び類語を検索する類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、情報を表示する表示手段とを備える電子辞書の検索方法であって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記検索語の類語を前記類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータによって実行する電子辞書の検索方法。
【請求項6】
検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶した複数種類の辞書データ及び類語を検索する類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、情報を表示する表示手段とを備える電子辞書の検索プログラムであって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記検索語の類語を前記類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させるための電子辞書の検索プログラム。」
とあったところを、

「【請求項1】
検索語を入力する入力手段と、
見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶した複数種類の辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、
前記検索語が平仮名であるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段と、
前記検索語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記複数の辞書データのうち少なくともいずれか1つの辞書データより検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示手段とを備えた電子辞書において、
前記辞書データ記憶部は、類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データをさらに記憶し、
前記検索手段は、前記判断手段により前記検索語が平仮名であると判断された場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段により前記検索語が英語のアルファベットであると判断された場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索し、
前記表示手段は、前記検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示することを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
前記辞書データ記憶部は、辞書データ毎に辞書名を記憶し、
前記検索手段により検索された類語と一致する見出し語を複数の辞書データ毎に記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記記憶手段に記憶された見出し語のリストを辞書データ毎に辞書名とともに表示し、さらに辞書データを切り替えて見出し語のリストを表示することを特徴とする請求項1に記載の電子辞書。
【請求項3】
前記類語辞書データは、類語と該類語が属するジャンルを記憶し、
前記ジャンルを指定する指定手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記指定手段により指定されたジャンルに属する前記検索語の類語を検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索することを特徴とする請求項1または2に記載の電子辞書。
【請求項4】
検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶し、類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段と、情報を表示する表示手段とを備える電子辞書の検索方法であって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータによって実行する電子辞書の検索方法。
【請求項5】
検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶し、類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段と、情報を表示する表示手段とを備える電子辞書の検索プログラムであって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させるための電子辞書の検索プログラム。」
とすることを含むものである。


2 本件補正の適否

本件補正後の請求項4は、これに対応する補正前の請求項5に記載された発明の特定事項に対し「前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段」を追加し、「前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、」前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索するという補正事項を含むものである。

本件補正におけるこのような「判断手段」は、複数の類語辞書データから文字種別に対応する類語辞書データを選択するためのものであって、補正前の請求項5に記載された発明に対し別の新たな手段を追加するものであるから、補正前の請求項5に記載された発明の特定事項をさらに限定するものということができず、本件補正前の請求項5に係る発明の課題解決手段を変更するものといえる。よって、本件補正は、「請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。」とするものではない。

また、本件補正後の請求項4は、これに対応する補正前の請求項5に記載された発明の特定事項である「辞書データ記憶部」において、記憶される「複数種類の辞書データ」を削除する補正事項を含むものであるから、補正前の請求項5に記載された発明の特定事項を減縮するものではない。

そして、本件補正は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれの目的にも該当しない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前の特許法」という。)第17条の2第4項第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とするものに該当しない。

3 独立特許要件

次に、仮に、本件補正が、出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであって、平成18年改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとした場合に、本件補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項4に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かを以下に検討する。

本願補正発明は、再掲すれば、次に記載するとおりのものである。

「検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶し、類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段と、情報を表示する表示手段とを備える電子辞書の検索方法であって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータによって実行する電子辞書の検索方法。」


(1)引用例及びその記載事項

ア 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前に頒布された刊行物である特開平9-62669号公報(平成9年3月7日公開、以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(なお、下線は当審で付した。以下同様。)。

「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の文書作成装置に係り、特にCD-ROM、PCカードなどに搭載された電子辞書を有し、この電子辞書に登録された単語の情報をかな漢字変換結果として文書に反映させるための電子辞書検索機能を有する文書作成装置及び電子辞書検索方法に関する。」

「【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係る文書作成装置の構成を示すブロック図である。本装置は、入力部11、制御部12、出力部13を有する。
【0015】入力部11は、例えばキーボード等の入力装置からなり、文字、ファンクション等を入力する。制御部12は、本装置全体の制御を行うものであり、入力部11からの指示に従ってかな漢字変換システム、データ検索システムを起動する。
【0016】出力部13は、例えばCRT (Cathode Ray Tube) 、LCD (Liquid CrystalDisplay) 等の出力装置からなり、データの表示を行う。また、本装置は、かな漢字変換システムとして、かな漢字変換MMI部14、入力文字バッファ14a、変換結果バッファ14b、候補選択状態バッファ14c、かな漢字変換部15、かな漢字変換辞書16、候補選択処理部17、表示データ作成部18、検索候補判定部21を有する。」

「【0019】候補選択状態バッファ14cは、かな漢字変換結果(変換候補)のどの候補が現在選択されているのかを記憶する。かな漢字変換辞書16を参照して、読み文字列をかな漢字混じり文字列に変換する。」

「【0022】検索候補判定部21は、かな漢字変換結果として得られた各変換候補が電子辞書20にデータとして存在するか否かを判定するための処理を行う。また、本装置は、データ検索システムとして、データ検索部19、電子辞書20を有する。」

「【0047】(第2の実施形態)図4は本発明の第2の実施形態に係る文書作成装置の構成を示すブロック図である。基本的な構成は図1(第1の実施形態)と同様であるため、ここでは異なる点のみを説明する。」

「【0053】さらに、本装置の特徴として以下の動作を行う。かな漢字変換が行われた場合、かな漢字変換MMI部14はかな漢字変換部15で得られた変換結果データ(各変換候補)を検索候補判定部21に送る。検索候補判定部21はデータ検索部19を使用して、それぞれの変換候補が検索辞書20にあるか否かを判断し、その判定結果データを作成する。
【0054】ここで、第2の実施形態において、かな漢字変換部15で得られた変換結果データ(各変換候補)は候補限定部22を介して表示データ作成部18に送られる。候補限定部22は、検索候補判定部21の判定結果に従って電子辞書20にない候補は変換結果データから削除して表示データ作成部18と候補選択処理部17に送る。その結果、電子辞書20にデータのある候補のみが表示され、選択対象となる。
【0055】図5および図6を参照して具体的に説明する。図5は第2の実施形態としての処理動作を示すフローチャートである。図6は第2の実施形態としての電子辞書検索時の表示画面を示す図である。
【0056】入力部11を通じて変換対象となる読み文字列が入力されると(ステップB11)、かな漢字変換MMI部14はその入力読み文字列をかな漢字変換し(ステップB12)、その変換結果として得られた各変換候補を候補選択状態バッファ14cに格納する(ステップB13)。
【0057】ここで、入力部11を通じて辞書検索指示があると(ステップB14のYes)、かな漢字変換MMI部14は、まず、検索候補判定部21を通じて各変換候補が電子辞書20にデータとして存在するか否かを検索する(ステップB15)。
【0058】その結果、電子辞書20に存在する場合には(ステップB16のYes)、かな漢字変換MMI部14は当該候補をそのまま通常通り表示する(ステップB17)。一方、電子辞書20に存在しない場合には(ステップB16のNo)、かな漢字変換MMI部14は候補限定部22を通じて当該候補を選択対象から除外する(ステップB18)。
【0059】これにより、辞書検索時において、かな漢字変換結果として得られた各変換候補のうち、電子辞書20に存在する変換候補のみが選択対象として表示されることになる。この様子を図6に示す。
【0060】図6の例では、「こうち」という読みに対し、「公知」,「耕地」,「高知」,「河内」,「拘置」といった変換候補が得られているが、このうち、「高知」と「河内」は電子辞書20に存在しないことから表示されない。
【0061】なお、図中CLはカーソルである。このカーソルCLにて所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補に対する辞書検索結果が表示される。この場合、電子辞書20にない変換候補(「高知」と「河内」)は非表示となっているため、ユーザはその変換候補を除いて辞書検索操作を行うことができる。」

上記記載から、引用例1には次の事項が記載されているということができる。

(ア) 「パーソナルコンピュータ等の文書作成装置に係る電子辞書検索方法。」(【0001】)。

(イ) 「文書作成装置」は、「入力部11、本装置全体の制御を行う制御部12、データの表示を行う出力部13、かな漢字変換辞書16、電子辞書20を備える」こと(【0014】ないし【0016】、【0022】)。

(ウ) 「入力部11に文字を入力し、かな漢字変換辞書16を参照してかな漢字変換を行い」(【0015】、【0019】、【0056】)、「かな漢字変換結果として得られた各変換候補が電子辞書にデータとして存在するか否かを検索」(【0022】【0053】【0057】)すること。

(エ) 「電子辞書にない変換候補は削除して、電子辞書20に存在する変換候補のみが選択対象として表示され」(【0054】、【0058】、【0059】)、「所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補に対する辞書検索結果が表示される」(【0061】)こと。

(オ) 図6に示された表示画面には「変換候補が表示される、かな漢字変換候補一覧」、及び「変換候補(図では、「公知」)とその変換候補に対する辞書検索結果が表示される、データ辞書検索表示欄」が示されていること、及び上記(エ)の記載から、「表示画面において、かな漢字変換候補一覧には、電子辞書20に存在する変換候補のみが選択対象として表示され、データ辞書検索表示欄には、所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補とその変換候補に対する辞書検索結果が表示される」こと。


上記引用例1に記載された事項、図面の記載、及び上記(ア)ないし(オ)を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。

「パーソナルコンピュータ等の文書作成装置に係る電子辞書検索方法において、
文書作成装置は、入力部、本装置全体の制御を行う制御部、出力部、かな漢字変換辞書、電子辞書を備えるものであって、
入力部に文字を入力し、かな漢字変換辞書を参照してかな漢字変換を行い、
かな漢字変換結果として得られた各変換候補が電子辞書にデータとして存在するか否かを検索し、
電子辞書にない変換候補は削除して、電子辞書に存在する変換候補のみが選択対象として表示され、
所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補に対する辞書検索結果が表示され、
表示画面において、かな漢字変換候補一覧には、電子辞書に存在する変換候補のみが選択対象として表示され、データ辞書検索表示欄には、所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補とその変換候補に対する辞書検索結果が表示される、
パーソナルコンピュータの文書作成装置に係る電子辞書検索方法。」


イ 原査定において周知例として引用された、本願の出願の日前に頒布された刊行物である特開平4-311263号公報(平成4年11月4日公開、以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0010】第1図は本発明に係わる電子辞書検索装置の一実施例を示すブロック図であり、この実施例の装置は英和辞書と同等の検索を行いうるものである。同図において、指示部1はキーボード、ポインティング装置等であり、また表示部2は例えばCRT、およびCRTを制御する表示制御装置からなるものである。制御部3は各種の処理を実行する処理部31、および履歴情報を記憶する履歴保持部32を備えている。データベース部4は例えば磁気ディスクを記録媒体として英和辞書に該当する情報を記憶しており、制御部3からのアクセスに応答して情報を提供する。
【0011】いま、指示部1を操作することにより、例えば単語big を入力し、該単語の類似語についての検索を指示すると、この胸の検索が制御部3を解してデータベース部4に指示される。これに応答して、データベース部4は単語“big ”の類似語として“important ”、“large ”および“great ”を検索し、これらの類似語を検索結果として制御部3に通知する。制御部3は単語“big ”の各類似語“important ”、“large ”および“great ”を表示部2の表示画面に表示する。ここで、指示部1を操作することにより、表示画面上の各類似語“important ”、“large ”および“great ”のうちから単語“large ”を選択し、その意味についての検索を指示すると、この旨の検索が制御部3を介してデータベース部4に指示される。これに応答して、データベース部4にて単語“large ”の意味が検索され、この検索結果が制御部3に通知されると、制御部3は単語“large ”の意味を表示部2の表示画面に表示する。
【0012】この結果として、表示画面には第2図に示すような表示がなされる。すなわち、表示画面は履歴表示エリア21と、内容表示エリア22とに予め分割されており、履歴表示エリア21の上側には先に入力された単語“big ”の類似語についての検索に応じて履歴表示欄21-1が形成され、また内容表示エリア22には先の選択された単語“large ”の意味についての検索結果が表示される。履歴表示エリア21における履歴表示欄21-1には、単語“big ”の類義語についての検索指示があったことを示すキーワード“[類]big ”が表示されるとともに、この検索結果である各類義語“important ”、“large ”および“great ”が表示されており、さらに単語“large ”の意味についての検索指示があったことから該単語“large ”を太枠で囲む表示態様となっている。」

上記の記載から、引用例2には次の事項が記載されているということができる。

電子辞書の検索において、単語の類似語を検索して類似語を表示するとともに、表示された各類似語のうちから特定の類似語を選択して、その類似語の意味を検索して表示する技術(【0001】、【0011】ないし【0012】)。

電子辞書の検索において、英語による類似語の検索がなされること(【0001】、【0011】ないし【0012】)。


ウ 平成24年4月6日付けの審尋において援用した平成22年11月11日付けの前置報告書で引用された、本願の出願の日前に頒布された刊行物である特開平9-231235号公報(平成9年9月5日公開、以下「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る外部辞書検索機能を有するかな漢字変換システムの概略構成を示すブロック図である。」

「【0019】次に、検索文字列に対応した外部辞書から検索を行う動作について図3を用いて説明する。前記ファンクションキーの押下に従い、前記CPU3は前記検索文字列情報格納領域17bに格納された検索文字列を読み出し、この検索文字列の文字種(漢字、読み、数字、アルファベット等)を判別する(ステップS301)。この判別においては、前記CPU3は文字コード情報が記憶されている前記活用テーブル情報領域15を参照して、検索文字列の先頭部が漢字、読み、数字、アルファベット等なのか判別する。」

「【0024】一方、ユーザに入力された検索文字列の文字種と前回入力された検索文字列の文字種とが異なる文字種である場合(ステップS303のN)、前記CPU3はまず上記文字種判別方法に基づいて、ユーザに入力された検索文字列の文字種を判別するとともに、この検索文字列の文字種に適した辞書が前記CD-ROM20に存在するか検索する(ステップS306)。例えば、前記CPU3が検索文字列の文字種が漢字であると判断すると、上記同様に、(図7に示す様に)漢和辞書、和英辞書、用事辞書等を前記CD-ROM20から検索し、また、アルファベットであると判断すると、英和辞書、仏和辞書、独和辞書等を検索する。」

「【0028】図4は、外部辞書検索機能を有するかな漢字変換システムにおける外部辞書の関連語検索の処理動作を示すフローチャートである。まず最初に、関連語検索とはユーザが前記入力部1で入力した検索文字列に関連のある単語、例えば類語等(反対語、同意語、同音語等)が他の辞書にもある場合に、その他の辞書からも検索を行うものである。」

「【0034】ここで例えば、ユーザが選択した辞書が国語辞書、漢和辞書及び類似辞書であった場合、前記CPU3は国語辞書、漢和辞書及び類似辞書の見出しを前記活用テーブル情報領域15の文字コード情報を参照してそれぞれ検索していき、入力された検索文字列における関連語(国語辞書や漢和辞書の関連語は同音語等であり、類似辞書の関連語は反対語や同意語等である)を前記検索ウインドウ23に表示させる。それから、ステップS407の判断ステップに戻る。」

上記の記載から、引用例3には次の事項が記載されているということができる。

検索文字列の文字種(漢字、アルファベット等)を判別し、漢字であると判断すると、漢和辞書、和英辞書、用事辞書等を検索し、また、アルファベットであると判断すると、英和辞書、仏和辞書、独和辞書等を検索すること、すなわち、検索文字列の文字種を判別し、判別した文字種に応じて辞書を選択する技術(【0009】、【0019】、【0024】)。

かな漢字変換システムにおいて、国語辞書、漢和辞書及び類似辞書、英和辞書、仏和辞書、独和辞書等を用いて検索すること(【0009】、【0028】、【0034】)。


(2) 対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「パーソナルコンピュータ等の文書作成装置に係る電子辞書検索方法」において、検索をコンピュータによって実行することは明らかであるから、本願補正発明と引用発明は、「コンピュータによって実行する電子辞書の検索方法」である点で一致する。

イ 引用発明の「入力部11に文字を入力し、かな漢字変換辞書16を参照してかな漢字変換を行」うことにおいて、入力部11に入力される文字は、かな漢字変換辞書16を検索してかな漢字変換を行なうものであるから、本願補正発明の「検索語」に相当する。
よって、引用発明の「文字を入力する入力部11」は、本願補正発明の「検索語を入力する入力手段」に相当する。

ウ 引用発明の「文書作成装置」は「かな漢字変換辞書16、電子辞書20」を備えるものであり、また、辞書は見出し語とその見出し語の関連情報とを関連づけて記載したものであるから、本願補正発明と引用発明は、「見出し語と該見出し語の関連情報とを関連づけて記憶し」た「辞書データを記憶する辞書データ記憶部」を備える点で共通する。

エ 引用発明の「データの表示を行う出力部13」は、本願補正発明の「情報を表示する表示手段」に相当する。

オ 引用発明の「入力部11に文字を入力し、かな漢字変換辞書16を参照してかな漢字変換を行い、かな漢字変換結果として得られた各変換候補が電子辞書にデータとして存在するか否かを検索」することにおいて、「入力部11に入力される文字」は、本願補正発明の「検索語」に相当するから(上記イ)、引用発明と本願補正発明とは「前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップ」を備える点で一致する。

カ 引用発明の「かな漢字変換結果として得られた各変換候補」は、本願補正発明の「検索された1つまたは複数の語」である点で共通する。そして、引用発明は、「電子辞書検索方法」であることから「検索手段」を有することは明らかであるから、引用発明と本願補正発明は、「検索手段によって、」「前記辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の語」を得る点で共通する。

キ 引用発明の「かな漢字変換結果として得られた各変換候補が電子辞書にデータとして存在するか否かを検索」することにおいて、「各変換候補が電子辞書にデータとして存在するか否かを検索」することは、各変換候補と一致する見出し語を電子辞書により検索することであるということができる。そして、引用発明は「変換候補に対する辞書検索結果が表示される」ものであって、辞書検索結果は、変換候補に対する関連情報といえるから、引用発明は、各変換候補と一致する見出し語とその見出し語の関連情報を電子辞書データにより検索するものと捉えることができる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「検索された1つまたは複数の語から選択された語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップ」を備える点で共通する。

ク 引用発明の、「表示画面において、かな漢字変換候補一覧には、電子辞書20に存在する変換候補のみが選択対象として表示され、データ辞書検索表示欄には、所望の変換候補を指定することにより、その指定された変換候補とその変換候補に対する辞書検索結果が表示される」ことにおいて、「かな漢字変換候補一覧」は、本願補正発明の「前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリスト」を表示する欄に相当し、「データ辞書検索表示欄」に表示される「指定された変換候補とその変換候補に対する辞書検索結果」は、本願補正発明の「前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報」に相当するから、本願補正発明と引用発明は、「前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の語のリストと、前記選択された語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップ」を備える点で共通する。

すると、本願補正発明と引用発明とは、次の<一致点>及び<相違点>を有する。

<一致点>

「検索語を入力する入力手段と、見出し語と該見出し語の関連情報とを関連付けて記憶した辞書データを記憶する辞書データ記憶部と、情報を表示する表示手段と
を備える電子辞書の検索方法であって、
前記入力手段を使用して、検索語を入力するステップと、
検索手段によって、前記辞書データより検索し、検索された1つまたは複数の語から選択された語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを前記辞書データより検索する検索ステップと、
前記表示手段によって、前記検索ステップにより検索された1つまたは複数の類語のリストと、前記選択された類語と一致する前記辞書データに記憶された見出し語と該見出し語の関連情報とを表示する表示ステップと
をコンピュータによって実行する電子辞書の検索方法。」


<相違点>

(ア)本願補正発明が、辞書データ記憶部に、「類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データ」、「英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データ」を記憶するとともに、「前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段」を設け、検索手段によって、「前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第2類語辞書データより検索」するのに対し、引用発明は、このような辞書データ記憶部、判断手段、検索する手段を有していない点。

(イ)検索された1つまたは複数の語から選択された語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを辞書データより検索する検索ステップにおいて、「1つまたは複数の語から選択された語」が、本願補正発明は「類語」であるのに対し、引用発明は「類語」ではない点。


(3) 判断

<相違点>(ア)について
引用例3には、検索文字列の文字種(漢字、アルファベット等)を判別し、漢字であると判断すると、漢和辞書、和英辞書、用事辞書等を検索し、また、アルファベットであると判断すると、英和辞書、仏和辞書、独和辞書等を検索する技術、すなわち、検索文字列の文字種を判別し、判別した文字種に応じて辞書を選択する技術、及び、かな漢字変換システムにおいて、国語辞書、漢和辞書及び類似辞書、英和辞書、仏和辞書、独和辞書等を用いて検索することが記載されている(上記(1)ウ)。
そして、引用例2には、電子辞書の検索において、英語による類似語の検索がなされることが記載されていることから(上記(1)イ)、引用発明において、国語系の類語辞書、及び、英語系の類語辞書を設け、引用例2記載の前記技術を用いて、検索語の文字種によって国語系の類語辞書又は英語系の類語辞書を選択することは、当業者が容易に想到し得る事項である。
よって、本願補正発明の<相違点>(ア)に係る構成のようにすることは、格別なことではない。

<相違点>(イ)について
電子辞書の検索において、単語の類似語を検索して類似語を表示するとともに、表示された各類似語のうちから特定の類似語を選択して、その類似語の意味を検索して表示する技術は、例えば、引用例2に記載されているように周知であり(上記(1)イ)、引用発明の電子辞書の検索において、前記周知な技術を用いて、類語を検索し、検索された複数の類語から選択された類語と一致する見出し語と該見出し語の関連情報とを辞書データより検索することに格別の困難性を有しない。
よって、本願補正発明の上記相違点(イ)に係る構成のようにすることは、格別なことでない。

そして、上記相違点を総合的に判断しても、本願補正発明が奏する効果は引用発明及び引用例2、3に記載の技術から当業者が十分に予測できたものであって、格別なものとはいえない。

よって、本願補正発明は、引用発明及び引用例2、3に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用例2、3に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。


4 本件補正についてのむすび

以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前の特許法第17条の2第4項の規定、または第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

1 本願発明

平成22年9月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成22年4月5日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、本件補正後の請求項4に対応する本件補正前の請求項5に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1 」の本件補正前の「請求項5」として記載したとおりのものである。

2 引用例

原査定の拒絶の理由で引用された引用例1、原査定において周知例として引用された引用例2及びその記載事項は、上記「第2[理由] 3 (1)引用例及びその記載事項」に記載したとおりである。

3 対比・判断

本願発明は、上記「第2 [理由]1 本件補正」で検討した本願補正発明の「類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部」から、「類語を平仮名で検索可能である第1類語辞書データと、英語のアルファベットで検索可能である第2」との限定を削除するとともに「複数種類の辞書データ」を追加して、「複数種類の辞書データ及び類語を検索する類語辞書データを記憶する辞書データ記憶部」とし、また、本願補正発明の「前記検索語がひらがなであるか、英語のアルファベットであるかを判断する判断手段と、」、及び「前記判断手段が検索語が平仮名であると判断した場合は、前記検索語の類語を前記第1類語辞書データより検索し、前記判断手段が検索語が英語のアルファベットであると判断した場合は、」との限定を削除するとともに、「前記第2類語辞書データ」から「第2類語」との限定を削除したものである。
ここで、本願発明と本願補正発明の、「辞書データ記憶部」及び「類語辞書データ」を対比すると、本願発明は、「複数種類の辞書データ」を記憶するという特定事項、及び、「類語を検索する」という特定事項を有するが、「複数種類の辞書データ」を辞書データ記憶部に記憶することは周知慣用技術であるといえ、また、本願補正発明の類語辞書データも類語を検索するためのものであることは明らかであるから、本願発明の「類語辞書データ」は本願補正発明のものと同等であるということができる。そして、複数種類の辞書データが記憶されることを除き、本願発明の特定事項を全て含み、更に他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が前記「第2[理由]3 (3) 判断」に示したとおり、引用発明及び引用例2、3に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえるから、結局、本願発明は、上記特定の限定に関して引用した引用例3に記載の技術を参酌するまでもなく、引用発明及び引用例2に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-07-09 
結審通知日 2012-07-10 
審決日 2012-07-24 
出願番号 特願2005-221232(P2005-221232)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今村 剛  
特許庁審判長 酒井 伸芳
特許庁審判官 原 秀人
長島 孝志
発明の名称 電子辞書および電子辞書の検索方法、電子辞書の検索プログラム  
代理人 野河 信太郎  

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