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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B |
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管理番号 | 1262657 |
審判番号 | 不服2010-27585 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-12-06 |
確定日 | 2012-09-06 |
事件の表示 | 特願2001-147398「携帯通信装置及び通信システム並びにその通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月29日出願公開、特開2002-345037〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成13年5月17日の出願であって、原審において平成22年9月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年12月6日に審判請求がなされるとともに手続補正書の提出があったものである。 なお、平成23年12月22日付けの当審よりの審尋に対し、平成24年2月27日に回答があった。 第2.補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年12月6日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.本願発明と補正後の発明 上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の平成22年8月13日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)を、以下のように(以下、「補正後の発明」という。)補正することを含むものである。 (本願発明) 「電話回線網を構成する基地局との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段と、装置内部に設けた内部通信回線を用いた通信の制御を行なう内部通信制御手段と、前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示を伝達する制御手段と、を有する電話通信処理部と、 前記所定の情報データが記録された情報データ記録手段と、前記内部通信回線を介して前記電話通信処理部より入力される前記所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示についての通信を制御する前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段と、外部の装置との間の第2の無線通信を制御する第2の無線通信制御手段と、前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得した前記所定の情報データに関する操作指示に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データあるいは応答を前記所定の情報データに関する操作指示を取得した前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段と、を有する情報データ記録部と、 を有し、 前記情報データ処理手段は、前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で前記基地局に前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を送出する携帯通信装置。」 (補正後の発明) 「電話回線網を構成する基地局との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段と、 装置内部に設けた内部通信回線を用いた通信の制御を行なう内部通信制御手段と、 前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示を伝達する制御手段と、 を有する電話通信処理部と、 前記所定の情報データが記録された情報データ記録手段と、 前記内部通信回線を介して前記電話通信処理部より入力される前記所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示についての通信を制御する前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段と、 外部の装置との間の第2の無線通信を制御する第2の無線通信制御手段と、 前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得した前記所定の情報データに関する操作指示に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データあるいは応答を前記所定の情報データに関する操作指示を取得した前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段と、 を有する情報データ記録部と、 を有し、 前記情報データ処理手段は、前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で前記基地局に前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を送出すると共に、 必要に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記情報データに暗号化を施す暗号化手段を有しており、暗号化した暗号化データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する携帯通信装置。」 なお、補正後の発明には見やすさのため、適宜改行を挿入した。 2.新規事項の有無、補正の目的要件について 本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の「情報データ処理手段」の構成に関し、 「と共に、必要に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記情報データに暗号化を施す暗号化手段を有しており、暗号化した暗号化データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する」という構成を付加して限定することにより特許請求の範囲を減縮するものである。 したがって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(新規事項)及び平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。 3.独立特許要件について 本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。 (1)補正後の発明 上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。 (2)引用発明 原審の拒絶理由に引用された特開平11-213111号公報(以下、「引用例」という。)には、「データ坦持体及び通信端末」として図面とともに以下の事項が記載されている。 イ.「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、データ担持体及びデータ担持体が組込まれる通信端末に関するものである。」(2頁2欄) ロ.「【0002】 【従来の技術】従来より、各種商取引の分野において、取引のためのデータや認証/決済等の演算処理機能を搭載したIC部を有する種々のICカードが広く用いられている。これらのICカードは、例えばパソコン等の情報処理用端末に接続されたICカード専用のリーダ/ライタに挿入することによってのみ、格納しているデータの書込み、消去、更新等が行われる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そのため、ICカードの所有者は、ICカードへの各種データの入出力やデータ内容の確認を行うには必ず上記ICカードリーダ/ライタの設置箇所(例えば、銀行の本支店等)まで出向かなくてはならず、非常に煩わしい。また、折角ICカードの所有者宅にパソコン等のネットワーク(インターネット)に接続可能な情報処理用端末があっても、ICカード専用のリーダ/ライタがパソコンに接続されてないと、インターネット等のネットワークを利用した商取引が行えず、非常に不便である。 【0004】従って本発明の目的は、各種データを担持するデータ担持体の使い勝手の向上を図ることにある。」(2頁2欄) ハ.「【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。 【0013】図1は、本発明のデータ担持体及び通信端末の一実施形態としてのICカード及び携帯電話機を示す斜視図である。 【0014】図1に示すICカード1は所謂接触タイプ(図2に示すICカードリーダ/ライタ39との間のデータの授受を、ICカード1をリーダ/ライタ39に挿入することにより行うタイプ)のものである。ICカード1は、プラスチック基板3と、IC部5と、画像貼着部7と、磁気ストライプ9と、数字表記部11と、I/O(入/出力)部(図示しない)とを備える。 【0015】IC部5は、CPU機能(演算処理機能)やメモリ機能を有するもので、アプリケーションプログラム(APプログラム)がインストールされ、また、アプリケーション動作(AP動作)に必要なデータとして各種データが保持可能であり、基板3の適宜位置に埋込まれる。APプログラム及びAP動作に必要なデータについては、図2において詳述する。 (・・・中略・・・) 【0020】一方、図1に示す携帯電話機13は、本体ケーシング15と、通信部17と、ICカード挿入口19と、表示部21と、キーボード部23と、外部接続端子25とを備える。 【0021】通信部17は、CAセンタ(図示しない)を経由して銀行、信販会社、運輸会社等の各種センタの通信機器(通常の電話機又はホストコンピュータ)40へ接続され、これら各種センタの通信機器40との間で交信を行うもので、本体ケーシング15の一端側に設けられる。」(3頁3欄?4欄) ニ.「【0026】図2は、図1に示したICカード及び携帯電話機が備える各種機能を示すブロック図である。 【0027】ICカード1は、図示のように、記憶部27と、処理部29と、伝送部31とを備える。 【0028】記憶部27には、処理部29によるAP動作に必要なAPプログラムとして、例えば認証/決済等のパッケージソフトが格納される。また、AP動作に必要なデータとして、住所、氏名、生年月日、血液型、健康診断データ、マネー、ロイヤリティポイント、免許、資格、クレジット番号、パスワード、暗号データ、入退館、入退室、入出改札、送信先/受信元等のデータ(電話番号、アドレス等)、メモ、チケット等を記憶する。 【0029】処理部29は、ICカード1内で記憶部27より上記APプログラム及びデータを読出して、例えば認証処理や、決済処理や、データベース処理等のAPの処理を実行する。 【0030】ここで、認証処理とは、上述したパスワードや暗号処理により通信相手が確かに所望する通信相手であることを確認する処理、及び通信相手に対し、通信者自身が正当な通信者であることを認めてもらうための処理をいう。また、決済処理とは、例えば電子マネー等の価値データを金融機関及びICカードリーダ/ライタ39との間で授受するための処理をいう。更に、データベース処理とは、電話番号等の通信に必要なデータをリード/ライトする処理のことで、個々の携帯電話機等で個別に入力していた相手方電話番号等を移すことにより、別の携帯電話機等へのデータ移動を可能にするものである。 【0031】伝送部31は、携帯通信機器との間での伝送処理、及び上述したI/O部(図示しない)を通じてICカードリーダ/ライタ39との間での通信処理を行う。 【0032】携帯通信機器との間での伝送処理とは、例えばICカード1が挿入されている携帯電話機13との間でのデータの授受を行う処理のことである。また、ICカードリーダ/ライタ39との間での通信処理とは、ICカードリーダ/ライタ39との間でICカード1が保持する価値データや資格データ等のデータをリード/ライトする処理のことである。通信処理は、本実施形態に係るICカード1が上述したように接触タイプのため、ICカード1をICカードリーダ/ライタ39内に挿入することによって行われる。しかし、ICカードが図1に示したICカードとは異なってアンテナを備える非接触タイプのものであるときは、ICカードリーダ/ライタについても、アンテナを備える構成のものが用いられ、両者間の通信処理は、双方のアンテナを通じた無線による交信によって行われることになる。なお、非接触タイプのICカードの場合、カード自体の厚みがJIS規格のもので0.76mm程度であるので電池を搭載することができず、従って電波の放射エネルギーが小さいためにICカードからの電波の伝播距離は100mm程度と短い。また、上記ICカードリーダ/ライタ39は、ICカード1を認識し、ICカード1のAPに連動して処理を実行する外部装置のことで、例えば改札機や、POS端末や、自動販売機や、リロード端末等が挙げられる。」(4頁5欄?6欄) ホ.「【0033】一方、携帯電話機13は、図示のように、通信制御理部33と、伝送部35とを備える。 【0034】通信制御部33は、図1に示した通信部17を通じて他の通信機器(即ち、例えば上述した銀行等の電話機等)との間で通常の電話機としての通信処理である通話(音声信号の授受)を行う。 【0035】通信制御部33は、また、ICカード1が携帯電話機13に挿入されることにより、処理部29によってAP処理され、伝送部31から伝送部35を通じて伝送されたICカード1からの出力データを、通信部17を通じて銀行等のホストコンピュータ40に送信する。そして、このホストコンピュータ40から送信されるデータを通信部17を通じて受信し、伝送部35から伝送部31を通じてICカード1の処理部29に伝送する。 【0036】通信制御部33は、更に、キーボード部23からの指令に応じてICカード1内に保持されている各種データ(例えば、預金口座の残高データ等)や、銀行等のホストコンピュータ40からのデータによって更新されたICカード1のデータ内容を、図1に示した表示部21に表示出力する。 【0037】伝送部35は、ICカード1が携帯電話機13に挿入されることにより、ICカード1の伝送部31から伝送されるデータを受けて通信制御部33に出力すると共に、通信制御部33から与えられるデータを伝送部31を通じてICカード1の処理部29に伝送する。 【0038】伝送部35は、また、携帯電話機13がICカード1を挿入した状態で、例えば上述した外部接続端子25及びアダプタ(図示しない)を通じて外部接続装置37(例えばインターネットに接続されるパソコン等)に接続されることにより、ICカード1側のデータを外部接続装置37に伝送する。そして、外部接続装置37側のデータを必要に応じて通信制御部33又はICカード1に伝送する。このデータによりICカード1側のデータが更新されると共に、ICカード1のデータ内容が表示部21に表示される。 【0039】上記構成によれば、ICカード1の所有者は、ICカード1への各種データの入出力やデータ内容の確認のためにデータ入出力機能を有する端末装置まで出向かなくても、例えば残高等のICカード1のデータ内容を、携帯電話機13の表示部21により確認できる。また、チャージデータの更新や認証/決済処理等についても携帯電話機13によって行うことができるために、家庭内にパソコン等の外部接続装置37やICカードリーダ/ライタ39がなくても差支えない。 【0040】なお、携帯電話機13の附属品であるアダプタ(図示しない)を介してパソコンと接続し、パソコンを利用してインターネット等への通信を行うことにより、パソコンの表示画面を見ながらショッピングを行うことも可能である。」(4頁6欄?5頁7欄) ヘ.「【0057】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、各種データを担持するデータ担持体の使い勝手の向上を図ることができる。」(6頁9欄) 上記引用例の記載及び関連する図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、 まず、引用例の「通信端末」である「携帯電話機13」と、「データ担持体」である「ICカード1」は、上記ハ.【0013】、ニ.【0026】、図1、図2にあるように、携帯電話機13にICカード1を挿入し組み込むことが可能で、この組み込んだ状態の装置全体は、『携帯通信装置』といえるものである。 また、引用例記載の「携帯電話機13」は、引用例図1の「通信部17」に示唆があるように無線通信機能を有するのは技術常識であるが、上記ホ.【0033】?【0035】にあるように、 『銀行等のホストコンピュータ40との間で無線通信を行う通信制御部33』と、 『携帯電話機13に挿入されたICカード1との間の伝送処理を行なう伝送部35』とを有するものである。 また、引用例記載の「ICカード1」は、上記ニ.【0032】中段(6欄8行)の記載によれば「非接触タイプ」も可能であり「ICカードリーダ/ライタ39」と無線通信するものであるが、 上記ニ.【0027】以下にあるように、 『AP(アプリケーション)プログラムや各種データが記憶された記憶部27』(ニ.【0028】)と、 『前記各種データについて、前記伝送部35との間の伝送処理、及び改札機、POS端末等に設けられたICカードリーダ/ライタ39との間の無線通信の処理を行う伝送部31』(ニ.【0031】、ホ.【0035】)と、 『前記記憶部27からアプリケーションプログラム及び各種データを読み出して、認証処理や決済処理等を実行し、電子マネー等の価値データを前記ホストコンピュータ40及びICカードリード/ライタ39との間で授受する処理部29』(ニ.【0029】、【0030】)とを有するものである。 また、上記ホ.【0035】にあるように、引用例記載の「携帯電話機13」にある前記「通信制御部33」は、『前記処理部29によってAP(アプリケーション)処理され、伝送部31から伝送部35を通じて伝送されたICカード1からの出力データを、前記ホストコンピュータ40に送信し、また、このホストコンピュータ40から送信されるデータを、伝送部35から伝送部31を通じて前記処理部29に伝送する』ものである。 したがって、「携帯電話機13」側の「通信制御部33」が銀行等の「ホストコンピュータ40」との間で行う無線通信を『第1の無線通信』、「ICカード1」側の「伝送部31」が「ICカードリーダ/ライタ39」との間で行う無線通信を『第2の無線通信』と呼ぶことにすると、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。 (引用発明) 「 銀行等のホストコンピュータ40との間で第1の無線通信を行う通信制御部33と、 携帯電話機13に挿入されたICカード1との間の伝送処理を行なう伝送部35と、 を有する携帯電話機13と、 アプリケーションプログラムや各種データが記憶された記憶部27と、 前記各種データについて、前記伝送部35との間の伝送処理、及び改札機、POS端末等に設けられたICカードリーダ/ライタ39との間の第2の無線通信の処理を行う伝送部31と、 前記記憶部27からアプリケーションプログラム及び各種データを読み出して、認証処理や決済処理等を実行し、電子マネー等の価値データを前記ホストコンピュータ40及びICカードリード/ライタ39との間で授受する処理部29と、 を有するICカード1と、 を有し、 前記通信制御部33は、前記処理部29によってアプリケーション処理され、伝送部31から伝送部35を通じて伝送されたICカード1からの出力データを、前記ホストコンピュータ40に送信し、また、このホストコンピュータ40から送信されるデータを伝送部35から伝送部31を通じて前記処理部29に伝送するようにした携帯通信装置。」 (3)対比・判断 補正後の発明と上記引用発明を対比する。 まず、引用発明の「携帯電話機13」において、「銀行等のホストコンピュータ40との間で第1の無線通信を行う通信制御部33」は、通信制御部であるから「第1の無線通信を制御する」ものであって、引用発明の「銀行等のホストコンピュータ40」も補正後の発明の「電話回線網を構成する基地局」もともに「携帯電話機13」ないし「携帯通信装置」の外部にあるから、補正後の発明の「外部との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段」と一致する。 また、引用発明の「携帯電話機13に挿入されたICカード1との間の伝送処理を行なう伝送部35」において、 この「伝送部35」による伝送処理が、「携帯通信装置」の『内部』の通信回線を用いて行われることは、引用例の図2において、携帯電話機側の「伝送部35」の「ICカードとの伝送処理」部分と、ICカード側「伝送部31」の「携帯通信機器との伝送処理」部分との間を斜めに結ぶ矢印線が「携帯通信装置」(図2の一点鎖線)の内部にあることから明らかであるから、「装置内部に設けた内部通信回線」があって、「伝送部35」はこの「内部通信回線」における通信を制御する「内部通信制御手段」といえるので、「装置内部に設けた内部通信回線を用いた通信の制御を行う内部通信制御手段」の点で、補正後の発明と一致する。 また、前記「通信制御部33」により「ホストコンピュータ40」と通信され、「伝送部35」経由で「ICカード1」との間で伝送される情報やデータは、これを『所定の情報データ』ということができ、 引用発明の「携帯電話機13」は「ICカード1」が挿入された状態においては、全体としての「携帯通信装置」の中の『電話通信処理部』ということもでき、内部の「通信制御部33」(第1の無線通信制御手段)や、「伝送部35」(内部通信制御手段)を全体として制御して前記『所定の情報データ』を伝達するものである。 小括すると、引用発明の「携帯電話機13」は、「外部との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段と、装置内部に設けた内部通信回線を用いた通信の制御を行なう内部通信制御手段と、を有し、前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データを伝達する電話通信処理部」の点で、補正後の発明と一致する。 また、引用発明の「ICカード1」において、「記憶部27」は、「各種データ」を「記憶」するものであるから、「記録」する手段であって、「各種データ」には前記「所定の情報データ」が当然に含まれるから、補正後の発明の「前記所定の情報データが記録された情報データ記録手段」と一致する。 また、引用発明の「伝送部31」は、前記「記憶部27」(情報データ記録手段)を含む「ICカード1」側にあって、「携帯電話機13」(電話通信処理部)側の「伝送部35との間の伝送処理」を行うものであるから、前記「内部通信回線」を介して「情報データ」をやりとりするのは明らかであり、通信を制御する手段と言えるから、「前記内部通信回線を介して前記電話通信処理部より入力される前記所定の情報データについての通信を制御する前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段」の点で、補正後の発明と一致する。 また、引用発明の「伝送部31」は、「改札機、POS端末等に設けられたICカードリーダ/ライタ39との間の第2の無線通信の処理」をも行うものでもあって、「改札機、POS端末等に設けられたICカードリーダ/ライタ39」は「外部の装置」であり、「伝送部31」は無線通信を制御する手段であるから、補正後の発明の「外部の装置との間の第2の無線通信を制御する第2の無線通信制御手段」とも一致する。 また、引用発明の「処理部29」は、「前記記憶部27からアプリケーションプログラム及び各種データを読み出して、認証処理や決済処理等を実行し、電子マネー等の価値データを前記ホストコンピュータ40及びICカードリード/ライタ39との間で授受する」ものであるが、 ここで、「記憶部27」(情報データ記録手段)から読み出された「各種データ」には前記「所定の情報データ」が含まれ、 「認証処理や決済処理等を実行」するから、前記「所定の情報データ」を処理する「情報データ処理手段」といえ、 さらに、「電子マネー等の価値データ」も前記「所定の情報データ」であり、 これを「ホストコンピュータ40及びICカードリード/ライタ39との間で授受する」動作は、引用発明の構成と前述までの対比結果を踏まえれば、「前記所定の情報データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する」動作を含むものである。 そして、引用発明の「ICカード1」は、その「記憶部27」(情報データ記録手段)の情報データ記録機能を主体にとらえれば、全体として「情報データ記録部」ということができる。 小括すると、引用発明の「ICカード1」は、 「 前記所定の情報データが記録された情報データ記録手段と、 前記内部通信回線を介して前記電話通信処理部より入力される前記所定の情報データについての通信を制御する前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段と、 外部の装置との間の第2の無線通信を制御する第2の無線通信制御手段と、 前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段と、を有する情報データ記録部」の点で、補正後の発明の「情報データ記録部」と一致する。 また、引用発明は、「通信制御部33は、前記処理部29によってアプリケーション処理され、伝送部31から伝送部35を通じて伝送されたICカード1からの出力データを、前記ホストコンピュータ40に送信し、また、このホストコンピュータ40から送信されるデータを伝送部35から伝送部31を通じて前記処理部29に伝送する」ものであるが、 この動作を「処理部29」を主体にとらえれば、「処理部29」(情報データ処理手段)は、情報データを取得し、アプリケーション処理した出力データを「通信制御部33」(第1の無線通信手段)経由で「ホストコンピュータ40」(外部)に送信するものであるから、「前記情報データ処理手段は、前記所定の情報データを取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で外部に前記所定の情報データを送出する」点で、補正後の発明と一致する。 したがって、両者は以下の点で一致し、また相違している。 (一致点) 「 外部との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段と、 装置内部に設けた内部通信回線を用いた通信の制御を行なう内部通信制御手段と、を有し、 前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データを伝達する電話通信処理部と、 前記所定の情報データが記録された情報データ記録手段と、 前記内部通信回線を介して前記電話通信処理部より入力される前記所定の情報データについての通信を制御する前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段と、 外部の装置との間の第2の無線通信を制御する第2の無線通信制御手段と、 前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段と、 を有する情報データ記録部と、 を有し、 前記情報データ処理手段は、前記所定の情報データを取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で外部に前記所定の情報データを送出する携帯通信装置。」 (相違点1) 「外部との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段」に関し、 補正後の発明は「電話回線網を構成する基地局との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段」であるのに対して、 引用発明は「銀行等のホストコンピュータ40との間で第1の無線通信を行う通信制御部33」である点。 (相違点2) 「前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データを伝達する電話通信処理部」に関し、 補正後の発明は、「前記第1の無線通信制御手段及び前記内部通信制御手段を制御して所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示を伝達する制御手段と、を有する電話通信処理部」であるのに対して、 引用発明は、単に「携帯電話機13」であって、「所定の情報データ」に加え「所定の情報データに関する操作指示」を伝達する点、および「制御手段」を有する点については明示しない点。 (相違点3) 「情報データ記録手段側の内部通信制御手段」における通信の内容が、 補正後の発明は、「所定の情報データ及び前記所定の情報データに関する操作指示」であるのに対して、 引用発明の「伝送部31」では、単に「各種データ」(所定の情報データ)であって、「所定の情報データに関する操作指示」がない点。 (相違点4) 「前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段」に関し、 補正後の発明は、「前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得した前記所定の情報データに関する操作指示に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記所定の情報データを処理すると共に、前記所定の情報データあるいは応答を前記所定の情報データに関する操作指示を取得した前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する情報データ処理手段」であるのに対して、 引用発明では、「前記記憶部27からアプリケーションプログラム及び各種データを読み出して、認証処理や決済処理等を実行し、電子マネー等の価値データを前記ホストコンピュータ40及びICカードリード/ライタ39との間で授受する処理部29」であって、 「前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得した前記所定の情報データに関する操作指示に応じて」処理する点、および、「あるいは応答」を「前記所定の情報データに関する操作指示を取得した」手段経由で送出する点については明示しない点。 (相違点5) 「前記情報データ処理手段は、前記所定の情報データを取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で外部に前記所定の情報データを送出する」点に関し、 補正後の発明は、「前記情報データ処理手段は、前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で前記基地局に前記所定の情報データに関する操作指示に応じた前記所定の情報データあるいは応答を送出する」のに対し、 引用発明は、「前記通信制御部33は、前記処理部29によってアプリケーション処理され、伝送部31から伝送部35を通じて伝送されたICカード1からの出力データを、前記ホストコンピュータ40に送信し、また、このホストコンピュータ40から送信されるデータを伝送部35から伝送部31を通じて前記処理部29に伝送する」ものであって、 「前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で「前記基地局」に「前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を送出する点については明示しない点。 (相違点6) 「情報データ処理手段」に関し、補正後の発明は、「必要に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記情報データに暗号化を施す暗号化手段を有しており、暗号化した暗号化データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する」のに対して、引用発明は、その様な構成がない点。 まず、上記相違点1の「外部との間の第1の無線通信を制御する第1の無線通信制御手段」について検討する。 引用発明の外部にある「銀行等のホストコンピュータ40」は、引用例図2には「他通信機器(センタなど)」と記載され、引用例の上記ハ.【0021】、ホ.【0034】の記載によれば通常の電話機も含むとあるから、いわゆる「電話回線網」内に位置するものであるのは明らかであり、このような「電話回線網」と携帯電話機が無線通信する際には「基地局」が介在することとなるのも、携帯電話のような移動体通信の技術分野における技術常識である。 したがって、引用発明において、「銀行等のホストコンピュータ40との間で第1の無線通信を行う通信制御部33」(第1の無線通信制御手段)を「電話回線網を構成する基地局との間の第1の無線通信を制御する」ものとする上記相違点1は格別のものではなく、当業者が容易になし得ることである。 次に、相違点2のうち、「電話通信処理部」の「制御手段」を有する点について、最初に検討する。 引用例図2にあるように、引用発明の「携帯電話機13」には「通信制御部33」と「伝送部35」しか明記はないが、引用発明のような携帯電話機が、例えばマイクロプロセッサ、CPU(中央処理装置)のような、各部を統括制御して種々の機能を実現する「制御手段」を有するのは技術常識であるから、「制御手段」に関する相違点2は格別のことではない。 次に、相違点2のうち、「所定の情報データに関する操作指示」を伝達する点、 相違点3の「所定の情報データに関する操作指示」を伝達する点、、 相違点4の「前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得した前記所定の情報データに関する操作指示に応じて」処理する点、および、「あるいは応答」を「前記所定の情報データに関する操作指示を取得した」手段経由で送出する点、 相違点5の「前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で「前記基地局」に「前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を送出する点について、まとめて検討する。 これらの相違点は、要すれば本願発明が「所定の情報データ」に加えて、例えば「情報データの読み出し指示」、「情報データの書き換え指示」(本願明細書【0020】等参照)のような、「前記所定の情報データに関する操作指示」をも伝達、通信し、該指示に応じた処理を行い、結果のデータあるいは「応答」を指示元に送出する、というものであるが、 一般に、メモリのような記憶装置が、読み出し命令や書き込み命令のような操作指示(コマンド)に対して、データや応答を返すのは通常のことであって、特にICカードのような情報処理能力を備えた記憶装置においては何らかの処理操作が伴うのも周知のことであり、例えば、 特開平5-135244号公報(【0016】?【0018】、【0029】、【0035】?【0042】、図1?3、図5、図6等参照)、 特開平1-248292号公報(4頁左上欄10行?右上欄7行等参照)、 特開平8-315091号公報(【0019】、【0022】、【0029】?【0031】、図1,2参照)、 特開平3-276383号公報(4頁左上欄12行?右上欄11行、5頁左上欄6行?右上欄11行) などに記載がある。 したがって、引用発明の「ICカード1」(情報データ記録部)にこのような周知技術を適用して、 「所定の情報データ」に加えて、「前記所定の情報データに関する操作指示」をも伝達、通信し(以上、相違点2,3関連)、該指示に応じた処理を行い、「応答」を送出するようになすこと(以上、相違点4,5関連)は、当業者であれば適宜なし得る程度のことである。 そして、引用発明の「処理部29」(情報データ処理手段)と各通信制御手段「伝送部31、35、通信制御部33」(内部通信制御手段、第1、第2の無線通信制御手段)の接続関係と、情報データおよび処理操作の内容(認証処理や決済処理等を実行し、電子マネー等の価値データを授受する)を勘案すれば、指示のあった側に応答を返すのは当然であるから、 伝達される「所定の情報データに関する操作指示」が、「前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で取得」され、処理結果の「応答」を、「前記所定の情報データに関する操作指示を取得した」手段経由で送出すること(以上、相違点4関連)、 および、「前記電話通信処理部の内部通信制御手段経由で前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を取得した場合には、前記第1の無線通信手段経由で「前記基地局」(外部)に「前記所定の情報データに関する操作指示に応じた」前記所定の情報データ「あるいは応答」を送出すること(以上、相違点5関連)も、引用発明への周知技術の適用に伴う必然的な結果に過ぎない。 したがって、上記相違点2?5は格別のものではなく、当業者が適宜になし得ることである。 さいごに、上記相違点6の「情報データ処理手段」が「必要に応じて前記情報データ記録手段に記録された前記情報データに暗号化を施す暗号化手段を有しており、暗号化した暗号化データを前記情報データ記録手段側の内部通信制御手段あるいは前記第2の無線通信制御手段経由で送出する」点について検討する。 一般に、情報やデータを記録、通信する際にセキュリティ、守秘性が要求されるのであれば、これを「暗号化」するのは周知の慣用手段であるが、 更に例えば、 特開平10-111896号公報(【0032】、図7等参照)、 特開昭60-62252号公報(2頁右下欄10行?3頁左上欄11行等参照)、 特開平2-31290号公報(5頁右下欄1行?6頁左上欄11行等参照) などに開示されているように、ICカード等の記憶手段に格納されたデータを外部装置に出力する場合、該記憶手段内でデータを暗号化することは周知技術である。 そして、この周知技術を引用発明に適用する上での阻害要因は何ら見あたらないから、引用発明において、ICカード1内の「処理部29」(情報データ処理手段)に「暗号化手段」を設け、暗号化したデータを、伝送部35との間の伝送処理(情報データ記録手段側の内部通信制御手段)あるいはICカードリーダ/ライタ39との間の無線通信処理(前記第2の無線通信制御手段)を行う伝送部31を経由して外部装置に送出すること、即ち、相違点6に係る構成を採用することは、当業者であれば適宜なし得ることである。 したがって、上記相違点6も格別のものではなく、当業者が容易になし得ることである。 そして、補正後の発明の効果も上記引用発明および周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであり、また、当審の審尋に対する回答書を参酌しても、上記認定を覆すに足りるものは見あたらない 以上のとおりであるから、補正後の発明は、引用発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4. 結語 以上のとおり、本件補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合していない。 したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、上記「第2.補正却下の決定」の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。 2.引用発明 引用発明は、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明」の項で認定したとおりである。 3.対比・判断 そこで、本願発明と引用発明とを対比するに、本願発明は上記補正後の発明から当該補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明、及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、上記補正後の発明から当該補正に係る限定を省いた本願発明も、同様の理由により、容易に発明できたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、上記引用発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 なお、平成22年12月6日付けの手続補正が請求項の削除を目的とした補正であったとしても、補正後の発明は上記引用発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、結論は変わらない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-07-04 |
結審通知日 | 2012-07-10 |
審決日 | 2012-07-25 |
出願番号 | 特願2001-147398(P2001-147398) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04B)
P 1 8・ 575- Z (H04B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 宮崎 賢司 |
特許庁審判長 |
石井 研一 |
特許庁審判官 |
遠山 敬彦 山本 章裕 |
発明の名称 | 携帯通信装置及び通信システム並びにその通信方法 |
代理人 | 服部 毅巖 |