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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09G
管理番号 1262743
審判番号 不服2010-12354  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-08 
確定日 2012-09-05 
事件の表示 特願2005-340654「液晶表示装置の駆動方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 1月11日出願公開、特開2007- 4109〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
平成17年11月25日 特許出願(パリ条約による優先権主張2005年6月27日、大韓民国)
平成20年 2月26日 拒絶理由通知(同年3月4日発送)
平成20年 5月23日 意見書・手続補正書
平成20年 8月 4日 拒絶理由通知(最後)(同年8月19日発送)
平成20年11月18日 意見書・手続補正書
平成22年 2月 4日 平成20年11月18日付け手続補正の却下の決定
拒絶査定(同年2月9日送達)
平成22年 6月 8日 本件審判請求・手続補正書
平成23年 4月22日 審尋(同年4月26日発送)
平成23年 7月25日 回答書
平成23年10月31日 拒絶理由通知(同年11月8日発送。以下「当審拒絶理由」という。)
平成24年 2月 8日 意見書・手続補正書

2 本願発明
本願の請求項1-3に係る発明は、平成24年2月8日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1には以下のとおり記載されている。
「 出力バッファからプリチャージ回路を介してデータ信号をデータラインに供給するためのデータ駆動集積回路を有する液晶表示装置の駆動方法において、
前記データ駆動集積回路の発熱を防止するために、前記データ駆動集積回路と分離され、別途に印刷回路基板上に位置する外部プリチャージ電圧源から正極性プリチャージ電圧と負極性プリチャージ電圧を発生させる段階と、
第1期間の間、前記プリチャージ回路が、第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された正極性プリチャージ電圧供給ラインと第2スイッチを通じた充電電流を利用して、正極性データ電圧が供給されるデータラインを前記正極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階と、
前記第1期間に続いて、第2期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記正極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに正極性データ信号を供給する段階と、
前記第2期間に続いて、第3期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された負極性プリチャージ電圧供給ラインと第3スイッチを通じた放電電流を利用して、負極性データ電圧が供給されるデータラインを前記負極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階と、
前記第3期間に続いて、第4期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記負極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに負極性データ信号を供給する段階と
を含み、
前記正極性及び負極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の中間階調レベル電圧であり、前記正極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)の3/4電圧であり、前記負極性プリチャージ電圧は前記高電位供給電圧の1/4電圧であり、
前記正極性及び負極性プリチャージ電圧を生成するために用いられる高電位供給電圧VDDは、前記出力バッファに供給される高電位供給電圧VDDと同一である
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。」(以下「本願発明」という。)

3 当審拒絶理由
当審拒絶理由で通知した拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
「本願の請求項1?3に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物1:特開2002-229525号公報
刊行物2:特開2004- 93691号公報
刊行物3:特開平5-134628号公報
刊行物4:特開平7-325556号公報
刊行物5:特開2004-112405号公報
刊行物6:特開平9-230309号公報」

4 引用する刊行物と引用発明
4-1 上記刊行物1には、図面と共に、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリクス型などの液晶表示装置に用いられ、低消費電力化に適した、信号線駆動回路及び信号線駆動方法に関する。」

イ 「【0039】図4は、本発明に係る信号線駆動回路の第三実施形態を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0040】本実施形態の信号線駆動回路は、第一実施形態を交流反転駆動方式へ適用した具体例であり、1水平期間前の画像データと次に表示する画像データとを各信号線ごとに比較する画像データ比較手段としてのラッチ71及び比較回路72と、比較回路72での比較結果に応じて中間電位Vp,Vqを供給するスイッチ制御手段としてのスイッチ制御回路73とを備えたことを特徴とする。
【0041】また、本実施形態の信号線駆動回路は、データラッチ33、デコーダ34、アナログスイッチ35、出力アンプ36、アナログスイッチSW1,SW2,SW3等を備えている。なお、本実施形態の信号線駆動回路は、わかりやすくするために、信号線Snのみに対するものとして図示している。したがって、実際には、信号線S1,S2,…,Snのそれぞれに対して本実施形態の信号線駆動回路が設けられる。
【0042】ラッチ71は、nビットのラッチ回路であり、データラッチ33の内容が更新される直前に、データラッチ33から出力される画像データの上位nビット又は全ビットを取り込み、これを保持する。比較回路72は、データラッチ33及びラッチ71から受け取った1水平期間前後の画像データのnビットを比較し、比較結果信号CMPをスイッチ制御回路73へ出力する。スイッチ制御回路73は、比較結果信号CMPと極性反転信号Poとに基づいて、アナログスイッチSW1,SW2,SW3に対し、予め設定されたタイミングでオン/オフを制御する。
【0043】信号線Snは、アナログスイッチSW2又はアナログスイッチSW3がオンすることにより中間電位Vp又は中間電位Vqへプリチャージされる。ただし、中間電位Vpは共通電位Vcomより正極側へ設定され、中間電位Vqは共通電位Vcomより負極側へ設定されている。
【0044】図5は、図4の信号線駆動回路の動作を示すタイミングチャートである。以下、図4及び図5に基づき説明する。
【0045】この極性反転信号Poを用いた信号線駆動回路の動作のタイミングは、図5のようになる。正極側駆動時(Po=H)において、上記第二実施形態と同様に、比較回路72は第一の画像データD1の上位nビットとラッチ71の画像データD0’とを比較する。これらが一致しない場合、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW2をオンすることにより信号線Snを中間電位Vpにプリチャージし、続いてアナログスイッチSW2をオフし、アナログスイッチSW1をオンすることにより、画像データD1に対応する階調電圧を信号線Snへ供給する(T1)。
【0046】第二の画像データD2が供給されると、画像データD2と第一の画像データD1の上位nビットとが一致しているため(CMP=L)、プリチャージは行わない。そのため、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW2をオフのまま、アナログスイッチSW1のみをオンすることにより、信号線Snへ階調電圧を供給する(T2)。
【0047】極性反転信号PoがLになると階調電圧が負極性へ反転するため、スイッチ制御回路73は、比較結果信号CMPに関わらずアナログスイッチSW3をオンすることにより、信号線Snを負極側の中間電位Vqにプリチャージする。その後、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW1をオンすることにより、第三の画像データD3に対応する階調電圧を信号線Snへ供給する(T3)。
【0048】同様に、負極側駆動から正極側駆動へ極性反転する場合には、比較の結果に関わらずアナログスイッチSW2をオンすることにより、信号線Snを中間電位Vpへプリチャージする。このように、本実施形態の信号線駆動回路によれば、極性反転駆動を行う場合においてもプリチャージの制御を行うことができるので、低消費電力化が可能となる。
【0049】換言すると、ライン反転駆動方式のように1フレーム期間において液晶パネルに配置された液晶素子へ同極性の電圧を供給する場合、列で隣り合う液晶画素へ書き込む階調信号が等しければ、プリチャージを行わなくとも十分に安定した書き込みが可能である。」

ウ 図4には、出力アンプの出力がアナログスイッチSW1を介して信号線Snに接続されている回路図が描かれている。

エ 図5には、「中間電位Vp」、「中間電位Vq」は、信号線Snの電位の最大値と最小値の間の電位であることが描かれている。

4-2 記載事項の検討
(1)上記「4-1 ア」には、「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、…液晶表示装置に用いられ、低消費電力化に適した、信号線駆動回路及び信号線駆動方法に関する。」との記載があるから、刊行物1には「信号線駆動回路を有する液晶表示装置の駆動方法」が開示されている。
また、上記「4-1 イ」には、「【0045】…、スイッチ制御回路73は、…アナログスイッチSW2をオフし、アナログスイッチSW1をオンすることにより、画像データD1に対応する階調電圧を信号線Snへ供給する(T1)。」との記載があり、さらに、上記「4-1 ウ」に記載したとおり、図4には、出力アンプの出力がアナログスイッチSW1を介して信号線Snに接続されている回路図が描かれていることを併せると、刊行物1には、「出力アンプからアナログスイッチSW1を介して画像データに対応する階調電圧を信号線に供給するための信号線駆動回路」が開示されている。
してみると、刊行物には、「出力アンプからアナログスイッチSW1を介して画像データに対応する階調電圧を信号線に供給するための信号線駆動回路を有する液晶表示装置の駆動方法」が開示されている。

(2) 上記「4-1 イ」には、「【0043】信号線Snは、…中間電位Vp又は中間電位Vqへプリチャージされる。ただし、中間電位Vpは共通電位Vcomより正極側へ設定され、中間電位Vqは共通電位Vcomより負極側へ設定されている。」との記載があるから、刊行物1には、「プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp、プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」が開示されている。ここで、前記プリチャージ電圧は、何らかの回路(通常、電圧を発生する回路は「電圧源」である。)が発生することは技術常識であることを考慮すると、前記プリチャージ電圧としての中間電位Vp、Vqを発生する回路、すなわち電圧源を有していることは明らかである。
してみると、刊行物1には、「プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp、プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを電圧源に発生させる段階」が開示されている。

(3) 上記「4-1 イ」には、「【0042】…。スイッチ制御回路73は、…、アナログスイッチSW1,SW2,SW3に対し、予め設定されたタイミングでオン/オフを制御する。」との記載があるから、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW1をオン/オフすることが記載されている。また、上記「4-1 ウ」より、図4には、出力アンプの出力がアナログスイッチSW1を介して信号線Snに接続されている回路図が描かれており、アナログスイッチSW1がオフすることにより、出力アンプが信号線Snから電気的に分離することは、当業者に明らかである。してみると、刊行物には、スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して出力アンプを信号線から電気的に分離させることが開示されている。
上記「4-1 イ」には、「【0045】この極性反転信号Poを用いた信号線駆動回路の動作のタイミングは、図5のようになる。正極側駆動時(Po=H)において、…。…、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW2をオンすることにより信号線Snを中間電位Vpにプリチャージし、…」との記載がある。ここで、上記(2)に記載したとおり、「中間電位Vp」は「電圧源」が発生する電圧である。また、「【0043】信号線Snは、アナログスイッチSW2…がオンすることにより中間電位Vp…へプリチャージされる。ただし、中間電位Vpは共通電位Vcomより正極側へ設定され、…」との記載があるから、「中間電位Vp」は、共通電位Vcomより正極側へ設定された電位である。そして、前記「中間電位Vp」が配線を通じて供給されることは技術常識である。さらに、「正極側駆動時」は、信号線Snに正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される時である。してみると、刊行物1には、「電圧源と接続された共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpを供給する配線とアナログスイッチSW2を通じたプリチャージ電圧を利用して、正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで予め充電する段階」が開示されている。
以上のことから、刊行物1には、「スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して出力アンプを信号線から電気的に分離させ、電圧源と接続された共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpを供給する配線とアナログスイッチSW2を通じたプリチャージ電圧を利用して、正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで予め充電する段階」が開示されている。

(4) 上記「4-1 イ」には、「【0045】…、続いてアナログスイッチSW2をオフし、アナログスイッチSW1をオンすることにより、画像データD1に対応する階調電圧を信号線Snへ供給する(T1)。」との記載がある。ここで、「続いて」とは、上記(3)で検討した「…中間電位Vpで予め充電する段階」に続く旨の意味である。また、「【0042】…。スイッチ制御回路73は、…、アナログスイッチSW1,SW2,SW3に対し、予め設定されたタイミングでオン/オフを制御する。」との記載から、「スイッチ制御回路73」は「アナログスイッチSW1」のオン/オフを制御する。上記「4-1 ウ」より、図4には、出力アンプの出力がアナログスイッチSW1を介して信号線Snに接続されている回路図が描かれているから、アナログスイッチSW1がオンすることにより、出力アンプと信号線Snが電気的に接続することは、当業者に明らかである。
してみると、刊行物1には、「前記中間電位Vpで予め充電する段階に続いて、スイッチ制御回路がアナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで充電された前記信号線に正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」が開示されている。

(5) 上記「4-1 イ」には、「【0047】極性反転信号PoがLになると…、スイッチ制御回路73は、…アナログスイッチSW3をオンすることにより、信号線Snを負極側の中間電位Vqにプリチャージする。その後、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW1をオンすることにより、第三の画像データD3に対応する階調電圧を信号線Snへ供給する(T3)。」との記載がある。上記記載は、上記(3)、(4)で検討した正極性の場合の各段階を、負極性とした場合についての記載である。してみると、上記(3)、(4)と同様に検討すると、刊行物1には、「スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して出力アンプを信号線から電気的に分離させて、電圧源と接続された共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを供給する配線とアナログスイッチSW3を通じたプリチャージ電圧を利用して、負極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階」、「中間電位Vqで予め充電する段階に続いて、スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して出力アンプを信号線に電気的に接続させて、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで充電された前記信号線に負極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」が開示されている。
ところで、刊行物1に記載された第三実施形態は、1水平期間前の画像データと次に表示する画像データとを比較し、上位nビットが一致しない場合はプリチャージを行い、一致する場合はプリチャージを行わない駆動方法であるところ、「【0046】…画像データD2と第一の画像データD1の上位nビットとが一致しているため(CMP=L)、プリチャージは行わない。そのため、スイッチ制御回路73は、アナログスイッチSW2をオフのまま、アナログスイッチSW1のみをオンすることにより、信号線Snへ階調電圧を供給する(T2)。」と記載し、図5に記載のT2の期間では、上位nビットが一致し、プリチャージを行わない場合の動作を説明している。しかしながら、1水平期間前の画像データと次に表示する画像データの上位nビットが一致するか否かは表示する画像に依存し、通常、表示画像内には、「一致する」箇所と「一致しない」箇所の両者が存在する。そうすると、該刊行物1には、「一致する」場合と「一致しない」場合の両者、すなわち、図5に記載のT2の期間は「一致する」のでプリチャージを行なわず、T3の期間では負極性でプリチャージする駆動方法、図5に記載のT2の期間は「一致しない」ので正極性のプリチャージを行ない、T3の期間では負極性のプリチャージを行う駆動方法の両者が実質的に開示されている。してみると、刊行物1には、上記(4)で検討した「…正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」に続く段階として「負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階」が実質的に開示されている。したがって、刊行物1には、「前記正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを供給する配線とアナログスイッチSW3を通じたプリチャージ電圧を利用して、負極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階」が開示されている。

(6) 上記「4-1 エ」より、信号線駆動回路の動作を示すタイミングチャートである図5には、「中間電位Vp」、「中間電位Vq」は、信号線Snの電位の最大値と最小値の中間の電位であることが描かれているから、「中間電位Vp」、「中間電位Vq」は、中間階調のレベルの電圧であることが開示されている。そして、上記(2)で検討したとおり、「中間電位Vp」、「中間電位Vq」は、それぞれ、「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」、「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」である。
してみると、刊行物1には、「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp及び共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqは、中間階調のレベルの電圧である」ことが開示されている。

4-3 引用発明の認定
以上のことから、刊行物1には、以下の発明が開示されている。
「出力アンプからアナログスイッチSW1を介して画像データに対応する階調電圧を信号線に供給するための信号線駆動回路を有する液晶表示装置の駆動方法において、
プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp、プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを電圧源に発生させる段階と、
スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpを供給する配線とアナログスイッチSW2を通じたプリチャージ電圧を利用して、正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで予め充電する段階と、
前記中間電位Vpで予め充電する段階に続いて、スイッチ制御回路がアナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで充電された前記信号線に正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階と、
前記正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを供給する配線とアナログスイッチSW3を通じたプリチャージ電圧を利用して、負極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階と、
前記中間電位Vqで予め充電する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで充電された前記信号線に負極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階と、
を含み、
前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp及び前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqは、中間階調のレベルの電圧である、
液晶表示装置の駆動方法。」(以下「引用発明」という。)

5 対比
5-1 本願発明と引用発明を比較する。
(1) 本願発明の「出力バッファからプリチャージ回路を介してデータ信号をデータラインに供給するためのデータ駆動集積回路を有する液晶表示装置の駆動方法」と、引用発明の「出力アンプからアナログスイッチSW1を介して画像データに対応する階調電圧を信号線に供給するための信号線駆動回路を有する液晶表示装置の駆動方法」を比較する。
引用発明の「出力アンプ」は、本願発明の「出力バッファ」に相当し、以下同様に、「画像データに対応する階調電圧」が「データ信号」に、「信号線」が「データライン」に、それぞれ相当する。また、液晶表示装置のデータ駆動回路を集積回路として構成することは当該技術分野の技術常識であるから、引用発明の「信号線駆動回路」は、集積回路として構成した「信号線駆動回路」であり、本願発明の「データ駆動集積回路」に相当する。さらに、引用発明の「アナログスイッチSW1」は、アナログスイッチSW2、アナログスイッチSW3、スイッチ制御回路と共に一体として本願発明の「プリチャージ回路」に相当する。
してみると、本願発明の「出力バッファからプリチャージ回路を介してデータ信号をデータラインに供給するためのデータ駆動集積回路を有する液晶表示装置の駆動方法」と、引用発明の「出力アンプからアナログスイッチSW1を介して画像データに対応する階調電圧を信号線に供給するための信号線駆動回路を有する液晶表示装置の駆動方法」は相当関係にある。

(2)本願発明の「前記データ駆動集積回路の発熱を防止するために、前記データ駆動集積回路と分離され、別途に印刷回路基板上に位置する外部プリチャージ電圧源から正極性プリチャージ電圧と負極性プリチャージ電圧を発生させる段階」と、引用発明の「プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp、プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを電圧源に発生させる段階」を比較する。
引用発明の「プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」、「プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」は、それぞれ、本願発明の「正極性プリチャージ電圧」、「負極性プリチャージ電圧」に相当し、引用発明の「電圧源」は、本願発明の「プリチャージ電圧源」に相当する。
してみると、本願発明の「前記データ駆動集積回路の発熱を防止するために、前記データ駆動集積回路と分離され、別途に印刷回路基板上に位置する外部プリチャージ電圧源から正極性プリチャージ電圧と負極性プリチャージ電圧を発生させる段階」と、引用発明の「プリチャージ電圧としての、共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp、プリチャージ電圧としての、共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを電圧源に発生させる段階」は、「プリチャージ電圧源から正極性プリチャージ電圧と負極性プリチャージ電圧を発生させる段階」の点で一致する。

(3) 本願発明の「第1期間の間、前記プリチャージ回路が、第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された正極性プリチャージ電圧供給ラインと第2スイッチを通じた充電電流を利用して、正極性データ電圧が供給されるデータラインを前記正極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階」と引用発明の「スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpを供給する配線とアナログスイッチSW2を通じたプリチャージ電圧を利用して、正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで予め充電する段階」を比較する。
引用発明の「アナログスイッチSW1」は、本願発明の「第1スイッチ」に相当し、以下同様に、「出力アンプ」は「出力バッファ」に、「信号線」は「データライン」に、「電圧源」は「プリチャージ電圧源」に、「配線」は「電圧供給ライン」に、「アナログスイッチSW2」は「第2スイッチ」に、「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」は「正極性プリチャージ電圧」に、「正極性の画像データ」は、「正極性データ電圧」に、それぞれ相当する。そして、引用発明の「スイッチ制御回路」は、アナログスイッチSW1?SW3と共に一体として本願発明の「プリチャージ回路」に相当する。さらに、引用発明における「中間電位Vpで予め充電する段階」を実行する期間は、本願発明の「第1の期間」に相当する。
してみると、本願発明の「第1期間の間、前記プリチャージ回路が、第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された正極性プリチャージ電圧供給ラインと第2スイッチを通じた充電電流を利用して、正極性データ電圧が供給されるデータラインを前記正極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階」と引用発明の「スイッチ制御回路が、アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpを供給する配線とアナログスイッチSW2を通じたプリチャージ電圧を利用して、正極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで予め充電する段階」は、相当関係にある。

(4)本願発明の「前記第1期間に続いて、第2期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記正極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに正極性データ信号を供給する段階」と引用発明の「前記中間電位Vpで予め充電する段階に続いて、スイッチ制御回路がアナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで充電された前記信号線に正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」を比較する。
引用発明の「前記中間電位Vpで予め充電する段階に続」くことは、本願発明の「前記第1期間に続」くことに相当する。引用発明の「スイッチ制御回路」は、アナログスイッチSW1?SW3と共に一体として本願発明の「プリチャージ回路」に相当する。また、引用発明の「アナログスイッチSW1」は本願発明の「第1スイッチ」に相当し、以下同様に、「出力アンプ」は「出力バッファ」に、「信号線」は「データライン」に、「前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」は「正極性プリチャージ電圧」に、「正極性の画像データに対応する階調電圧」は「正極性データ信号」に、それぞれ相当する。そして、引用発明における「正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」を実行する期間は、本願発明の「第2の期間」に相当する。
してみると、本願発明の「前記第1期間に続いて、第2期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記正極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに正極性データ信号を供給する段階」と引用発明の「前記中間電位Vpで予め充電する段階に続いて、スイッチ制御回路がアナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vpで充電された前記信号線に正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」は、相当関係にある。

(5) 本願発明の「前記第2期間に続いて、第3期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された負極性プリチャージ電圧供給ラインと第3スイッチを通じた放電電流を利用して、負極性データ電圧が供給されるデータラインを前記負極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階」と引用発明の「前記正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを供給する配線とアナログスイッチSW3を通じたプリチャージ電圧を利用して、負極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階」を比較する。
引用発明の「前記正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階に続」くことは、本願発明の「前記第2期間に続」くことに相当する。引用発明の「スイッチ制御回路」は、アナログスイッチSW1?SW3と共に一体として本願発明の「プリチャージ回路」に相当する。また、引用発明の「アナログスイッチSW1」は本願発明の「第1スイッチ」に相当し、以下同様に、「出力アンプ」は「出力バッファ」に、「信号線」は「データライン」に、「電圧源」は「プリチャージ電圧源」に、「配線」は「電圧供給ライン」に、「アナログスイッチSW3」は「第3スイッチ」に、「負極性の画像データに対応する階調電圧」は「負極性データ電圧」に、「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」は「負極性プリチャージ電圧」に、それぞれ相当する。さらに、引用発明における「中間電位Vqで予め充電する段階」を実行する期間は、本願発明の「第3の期間」に相当する。
してみると、本願発明の「前記第2期間に続いて、第3期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された負極性プリチャージ電圧供給ラインと第3スイッチを通じた放電電流を利用して、負極性データ電圧が供給されるデータラインを前記負極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階」と引用発明の「前記正極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線から電気的に分離させて、前記電圧源と接続された共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqを供給する配線とアナログスイッチSW3を通じたプリチャージ電圧を利用して、負極性の画像データに対応する階調電圧が供給される信号線を前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで予め充電する段階」は、相当関係にある。

(6)本願発明の「前記第3期間に続いて、第4期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記負極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに負極性データ信号を供給する段階」と引用発明の「前記中間電位Vqで予め充電する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで充電された前記信号線に負極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」を比較する。
引用発明の「前記中間電位Vqで予め充電する段階に続」くことは、本願発明の「前記第3期間に続」くことに相当する。引用発明の「スイッチ制御回路」は、アナログスイッチSW1?SW3と共に一体として本願発明の「プリチャージ回路」に相当する。また、引用発明の「アナログスイッチSW1」は本願発明の「第1スイッチ」に相当し、以下同様に、「出力アンプ」は「出力バッファ」に、「信号線」は「データライン」に、「前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」は「負極性プリチャージ電圧」に、「負極性の画像データに対応する階調電圧」は「負極性データ信号」に、それぞれ相当する。そして、引用発明における「負極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」を実行する期間は、本願発明の「第4の期間」に相当する。
してみると、本願発明の「前記第3期間に続いて、第4期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記負極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに負極性データ信号を供給する段階」と引用発明の「前記中間電位Vqで予め充電する段階に続いて、前記スイッチ制御回路が、前記アナログスイッチSW1を利用して前記出力アンプを前記信号線に電気的に接続させて、前記前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqで充電された前記信号線に負極性の画像データに対応する階調電圧を供給する段階」は相当関係にある。

(7)本願発明の「前記正極性及び負極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の中間階調レベル電圧であり、前記正極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)の3/4電圧であり、前記負極性プリチャージ電圧は前記高電位供給電圧の1/4電圧であ」ることと、引用発明の「前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp及び前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqは、中間階調のレベルの電圧である」ことを比較する。
引用発明の「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」は本願発明の「正極性…プリチャージ電圧」に相当し、引用発明の「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」は本願発明の「負極性プリチャージ電圧」に相当する。
してみると、本願発明の「前記正極性及び負極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の中間階調レベル電圧であり、前記正極性プリチャージ電圧は前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)の3/4電圧であり、前記負極性プリチャージ電圧は前記高電位供給電圧の1/4電圧であ」ることと、引用発明の「前記共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp及び前記共通電位より負極側へ設定された中間電位Vqは、前記信号線駆動回路に供給される高電位供給電圧と基底電圧間の中間の電圧である」ことは、「前記正極性及び負極性プリチャージ電圧は中間階調レベル電圧であ」る点で一致する。

5-2 以上のことから本願発明と引用発明は、
「出力バッファからプリチャージ回路を介してデータ信号をデータラインに供給するためのデータ駆動集積回路を有する液晶表示装置の駆動方法において、
プリチャージ電圧源から正極性プリチャージ電圧と負極性プリチャージ電圧を発生させる段階と、
第1期間の間、前記プリチャージ回路が、第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された正極性プリチャージ電圧供給ラインと第2スイッチを通じた充電電流を利用して、正極性データ電圧が供給されるデータラインを前記正極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階と、
前記第1期間に続いて、第2期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記正極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに正極性データ信号を供給する段階と、
前記第2期間に続いて、第3期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に分離させて、前記外部のプリチャージ電圧源と接続された負極性プリチャージ電圧供給ラインと第3スイッチを通じた放電電流を利用して、負極性データ電圧が供給されるデータラインを前記負極性プリチャージ電圧で予め充電させる段階と、
前記第3期間に続いて、第4期間の間、前記プリチャージ回路が、前記第1スイッチを利用して前記出力バッファを前記データラインから電気的に接続させて、前記負極性プリチャージ電圧で充電された前記データラインに負極性データ信号を供給する段階と
を含み、
前記正極性及び負極性プリチャージ電圧は中間階調レベル電圧である
液晶表示装置の駆動方法。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1:
プリチャージ電圧源が、本願発明では、「前記データ駆動集積回路の発熱を防止するために、前記データ駆動集積回路と分離され、別途に印刷回路基板上に位置する外部プリチャージ電圧源」であるのに対し、引用発明では、そのような特定事項を備えていない点。

相違点2:
本願発明では、前記「正極性プリチャージ電圧」が、「前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の」電圧であって「前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)の3/4電圧であ」る「中間階調レベル電圧」であり、「負極性プリチャージ電圧」が「前記データ駆動集積回路に供給される高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の」電圧であって「前記高電位供給電圧の1/4電圧であ」る「中間階調レベル電圧」であるのに対し、引用発明では、「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」と「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」が中間階調レベル電圧であるものの、基底電圧がGNDであるか否か、中間電圧が中間階調レベル電圧であるか否か不明であると共に、「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」が、信号線駆動回路に供給される高電位供給電圧の3/4電圧になっておらず、「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」が、信号線駆動回路に供給される高電位供給電圧の1/4電圧になっていない点。

相違点3:本願発明では、「前記正極性及び負極性プリチャージ電圧を生成するために用いられる高電位供給電圧VDDは、前記出力バッファに供給される高電位供給電圧VDDと同一である」のに対し、引用発明では、同一であるのか否か不明である点。

6 判断
以下、上記相違点について検討する。
相違点1について:
液晶表示装置において、駆動回路(ドライバ)が発熱して問題を引き起こさないよう、駆動回路の温度上昇を抑えることは、例えば、刊行物2(【0034】、【0101】の記載参照)、刊行物3(【0003】参照)、刊行物4(【0096】参照)に記載されるよう、液晶表示装置の技術分野において、従来より周知の技術課題である。
また、電子装置一般において、電源部分が発熱することは技術常識であるところ、電源部分の発熱が他に影響しないように電源部分を分離することは周知の技術手段である(例えば、電源部分を別基板とすることは、刊行物5(【0006】の記載参照)。
してみると、引用発明の信号線駆動回路は、プリチャージ電圧源が出力する中間電位Vp、Vqを利用しているところ、信号線駆動回路の温度上昇を抑えるという従来より周知の技術課題を解決する目的で、上記周知の技術手段を採用し、プリチャージ電圧源を別途に基板(印刷回路基板)上に位置させ、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項と為すことは、当業者が容易に想到し得たことと認められる。

相違点2について:
液晶表示装置の駆動方法として、共通電極に、高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GNDの中間の電位、すなわち、前記高電位供給電圧(VDD)の1/2の電圧を印加して駆動する駆動方法、あるいは、共通電極に交流の電位を印加して駆動する駆動方法は、何れも周知の駆動方法である(例えば、前者については、刊行物6(【0025】、【図7】等)参照。後者については、上記引用発明参照)ところ、引用発明において、共通電極に交流の電位を印加して駆動する駆動方法に代えて、高電位供給電圧(VDD)の1/2の電圧を印加して駆動するする駆動方法を採用することは当業者が容易に想到し得た事項である。そしてその際、引用発明の「中間電位Vp」、「中間電位Vq」は、それぞれ「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」、「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」であるところ、中間電位Vpを「高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の」電圧であって「高電位供給電圧(VDD)の3/4電圧」の中間階調レベルの電圧に設定すること、そして、「高電位供給電圧(VDD)と基底電圧GND間の」電圧であって「前記高電位供給電圧の1/4電圧」の中間階調レベルの電圧に設定する程度のことに困難性はない。
そうすると、引用発明に上記周知技術を適用し、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項と為すことは、当業者が容易に想到し得たことと認められる。

相違点3について:
引用発明の「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」と「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」は、何れも中間階調のレベルの電圧であるから、出力アンプが出力する「画像データに対応する階調電圧」とは、電位の点で格別相違するものではない。そうすると、電圧源が「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」と「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」を発生するために用いる高電位の供給電圧と、出力アンプに供給される高電位の供給電圧とを同一とするか否かは、設計事項にすぎない。したがって、引用発明において、電圧源が「共通電位より正極側へ設定された中間電位Vp」と「共通電位より負極側へ設定された中間電位Vq」を発生するために用いる高電位の供給電圧と、出力アンプに供給される高電位の供給電圧とを同一と為し、上記相違点3に係る本願発明の発明特定事項と為すこと波、当業者が容易に想到し得たことと認められる。

そして、本願発明が奏する作用効果は、引用発明と、上記周知技術に基いて当業者が容易に予測しうる程度のものであり、格別の作用効果とは認められない。

7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明と周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、上記の拒絶理由によって拒絶すべきものである。

よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-13 
結審通知日 2012-03-21 
審決日 2012-04-24 
出願番号 特願2005-340654(P2005-340654)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G09G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安藤 達哉  
特許庁審判長 小松 徹三
特許庁審判官 中塚 直樹
越川 康弘
発明の名称 液晶表示装置の駆動方法及び装置  
代理人 上田 俊一  
代理人 鈴木 憲七  
代理人 曾我 道治  
代理人 古川 秀利  
代理人 梶並 順  
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