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審決分類 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 取り消して特許、登録 B60N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60N
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録 B60N
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 B60N
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 取り消して特許、登録 B60N
管理番号 1262797
審判番号 不服2012-5646  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-03-27 
確定日 2012-09-26 
事件の表示 特願2006-169469号「車両用シート」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月27日出願公開、特開2007-331724号、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 I.手続の経緯
本願は、平成18年6月19日の出願であって、平成23年10月31日付けで拒絶理由通知が通知されたところ、平成24年1月2日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、平成24年2月8日付けで拒絶査定がなされたところ、同査定を不服として平成24年3月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

II.平成24年3月27日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成24年3月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含むものであって、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1、すなわち、
「背凭シート2の背凭フレーム3に、着座者の背部を支持しうる合成樹脂製の一枚板形状のプレート体31を、ワイヤスプリング32を介して前記背凭フレーム3に対して前後移動自在に取付け、該プレート体31の前面には、弾性を有する一枚板状の弾力調節プレート40を前記プレート体31に対して前後するように設けて、弾力調節プレート40により着座者の身体の支持弾力を調節しうるように構成し、前記プレート体31の下部には弾力調節プレート40の下部係合部55が係合する下部開口部60を形成し、前記弾力調節プレート40の下部係合部55の表面側には、ケーブル先端係合体61を嵌合させうる上下幅であって、ケーブル先端係合体61の左右幅より長く形成した嵌合溝55Aを設け、左右何れか一方側に寄った位置の嵌合溝55Aにワイヤーケーブル56のインナーケーブル57を挿通するケーブル挿入溝58を形成すると共に、ケーブル挿入溝58の近傍の嵌合溝55A内に前記インナーケーブル57のケーブル先端係合体61が係合する抜止体55Bを設けた車両用シート。」
を、本件補正後の請求項1、すなわち、
「背凭シート2の背凭フレーム3に、着座者の背部を支持しうる合成樹脂製の一枚板形状のプレート体31を、ワイヤスプリング32を介して前記背凭フレーム3に対して前後移動自在に取付け、該プレート体31の前面には、弾性を有する一枚板状の弾力調節プレート40を前記プレート体31に対して前後するように設けて、弾力調節プレート40により着座者の身体の支持弾力を調節しうるように構成し、前記プレート体31の裏面所定位置には、弾力調節プレート40の支持弾力を調節するワイヤーケーブル56のアウターチューブ62のチューブ先端63を上方から係合させて係止させるチューブ係止部65を設け、前記プレート体31の下部には弾力調節プレート40の下部係合部55が係合する下部開口部60を形成し、前記弾力調節プレート40の下部係合部55の表面側には、ケーブル先端係合体61を嵌合させうる嵌合溝55Aを設け、該嵌合溝55Aに前記ワイヤーケーブル56のインナーケーブル57を挿通するケーブル挿入溝58および前記インナーケーブル57のケーブル先端係合体61が係合する抜止体55Bを設けた車両用シート。」(下線は、補正箇所を示す。)
とする補正を含むものである。
つまり、本件補正は、以下の補正事項を含むものである。
補正事項1:補正前の請求項1の「ケーブル先端係合体61を嵌合させうる上下幅であって、ケーブル先端係合体61の左右幅より長く形成した嵌合溝55A」を、補正後の請求項1の「ケーブル先端係合体61を嵌合させうる嵌合溝55A」と補正する。
補正事項2:補正前の請求項1の「左右何れか一方側に寄った位置の嵌合溝55Aにワイヤーケーブル56のインナーケーブル57を挿通するケーブル挿入溝58を形成すると共に、ケーブル挿入溝58の近傍の嵌合溝55A内に前記インナーケーブル57のケーブル先端係合体61が係合する抜止体55Bを設けた」を、補正後の請求項1の「該嵌合溝55Aに前記ワイヤーケーブル56のインナーケーブル57を挿通するケーブル挿入溝58および前記インナーケーブル57のケーブル先端係合体61が係合する抜止体55Bを設けた」と補正する。

2.本件補正の目的
補正事項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「嵌合溝55A」について、ケーブル先端係合体61を嵌合させうる「上下幅であって」との限定及び「ケーブル先端係合体61の左右幅より長く形成した」との限定を削除するものである。
補正事項2は、補正前の補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「ケーブル挿入溝58」について、「左右何れか一方側に寄った位置の」嵌合溝55Aに「形成する」との限定を削除するとともに、補正前の補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「抜止体55B」について、「ケーブル挿入溝58の近傍の」嵌合溝55A「内」に設けたとの限定を削除するものである。
してみると、本件補正の補正事項1,2は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「嵌合溝55A」、「ケーブル挿入溝58」及び「抜止体55B」について、その限定事項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当しない。
また、本件補正の補正事項1,2は、請求項の削除、誤記の訂正、あるいは明りょうでない記載の釈明のいずれを目的としたものにも該当しない。

3.まとめ
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項各号に掲げる何れの事項を目的とするものにも該当しない上記補正事項を含んでおり、同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

III.当審の判断
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?6に係る発明は、平成24年1月2日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

IV.むすび
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2012-09-14 
出願番号 特願2006-169469(P2006-169469)
審決分類 P 1 8・ 573- WY (B60N)
P 1 8・ 571- WY (B60N)
P 1 8・ 574- WY (B60N)
P 1 8・ 121- WY (B60N)
P 1 8・ 572- WY (B60N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 西尾 元宏  
特許庁審判長 横林 秀治郎
特許庁審判官 松下 聡
田合 弘幸
発明の名称 車両用シート  
代理人 新関 淳一郎  
代理人 新関 千秋  

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