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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1263656
審判番号 不服2010-14653  
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-02 
確定日 2012-09-18 
事件の表示 特願2001-508998「カード支払いシステムのためのダイナミックな通貨変換」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 1月18日国際公開、WO01/04846、平成15年 2月 4日国内公表、特表2003-504742〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年9月1日(パリ条約に基づく優先権主張外国受理 平成11年7月12日 アイルランド(IE))を国際出願日とする特許出願であって、平成17年11月11日付け及び平成20年5月8日付けでそれぞれ手続補正がなされ、平成20年5月23日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年10月27日付けで手続補正がなされ、同年12月15日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成21年4月27日付けで意見書が提出され、同年7月21日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成22年1月28日付けで意見書が提出されたが、同年2月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月2日付けで拒絶査定不服審判請求及び手続補正がなされたものである。
その後、平成23年8月31日付けで審尋がなされたが、請求人からは回答がなされなかった。

2.補正の適否・本願発明
平成22年7月2日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲については、本件補正前の請求項1ないし23のうち、請求項2ないし23が削除され、請求項1のみそのまま残すものとされた。
上記補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。

よって、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年7月2日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
小売業者と、チャージカード、デビットカード又はクレジットカードカード所有者との間のチャージカード、デビットカード又はクレジットカード取引に伴う通貨を決定するための、データ処理システムにおいて実行されるデータ処理方法であって、
前記カード所有者に属する前記カードからカード番号を得るステップと、
前記得たカード番号から識別コードを特定するステップと、
前記特定された識別コードをテーブルのエントリーと比較することによって、該識別コードに対する通貨を決定するステップであって、前記テーブルの各エントリーが、発行者識別コード又は発行者識別コードの範囲および対応する通貨コードを含む、前記決定するステップと、
前記カード取引に伴う通貨を、前記識別コードに対する前記決定された通貨に設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とするデータ処理方法。」

3.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特表平9-504396号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した)。
(1)「【特許請求の範囲】
1.通貨を供給し、あるいは商品およびサービスを購入する方法であって、
複数のカード上にコード化されたカード番号に対応する、それぞれ、口座番号と銀行識別番号とを含む、複数のカード番号を生成するステップと、
少なくとも、前記銀行識別用の第1のフィールドと、前記口座番号用の第2のフィールドと、顧客データ用の第3のフィールドと、通貨額用の第4のフィールドと、個人識別番号(PIN)用の第5のフィールドとを有するデータベースを中央コンピュータ上に作成するステップと、
前記銀行識別番号および前記口座番号を前記データベースにロードし、前記第3および第4のフィールドを空白のままにするステップと、
カード購入時に、顧客データ、カード番号に対応するID番号、顧客が選択した通貨額を第1のリモート端末から受信するステップと、
それぞれ、前記カード番号に含まれる銀行識別番号および口座番号に対応する、前記データベースの前記第3および第4のフィールドに前記顧客データおよび前記通貨額をただちに入力するステップと、
前記顧客に対応する前記データベースの第5のフィールドに個人識別番号(PIN)をただちに入力するステップと、
それに続いて、顧客が入力したPIN、前記顧客のカードのカード番号、借方記入通貨額を第2のリモート端末から受信するステップと、
受信した顧客カード番号およびPINに対応する前記データベース中の通貨額から前記通貨借方記入額を差し引き、前記データベース中の通貨額を更新するステップと、
前記通貨借方記入額がデータベース中の前記通貨額よりも少ない場合に、前記通貨借方記入額を顧客に供給するための許可メッセージを前記第2のリモート端末へ送信するステップと、
前記通貨借方記入額がデータベース中の前記通貨額よりも多い場合に、通貨の供給を拒否するメッセージを前記第2のリモート端末へ送信するステップとを含むことを特徴とする方法。
2.さらに、
前記第2の端末の通貨タイプを示す通貨コードを前記第2のリモート端末から送信するステップと、
前記銀行識別番号が示す前記カードの発行通貨と前記通貨タイプを比較するステップと、
前記通貨タイプの前記借方記入通貨額を前記発行通貨に変換するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。」(2頁1行?3頁7行)

(2)「本発明は、電子データ・ネットワークを介した許可に応答してカード保持者に通貨を供給するシステムおよび方法に関する。」(7頁4?5行)

(3)「本発明は、本明細書では電子トラベラーズ・チェック(ETC)と呼ぶデビット・カードとトラベラーズ・チェックの両方の態様の固有の組合せを含む電子キャッシュ・アクセス方法を提供するものである。この方法は、送金およびその他のプリペイド・キャッシュ・アクセス製品に使用することもできる。顧客によって選択された値を有するカードが顧客に発行される。クレジット・カードやデビット・カードとは異なり、この値は固定される。トランジット・カードとは異なり、カードの価額の値が中央コンピュータに記憶される。このカードを使用して、世界中のATMまたはその他の端末を通じて口座にアクセスすることができ、個人識別番号(PIN)を使用して、たとえば従来型のトラベラーズ・チェック上の署名によって与えられるよりも大きな追加セキュリティを与えることができる。このカードは、口座がなくなったときに、新しい金額の新しいカードまたは口座を得て、処分することができる。
カード自体は、銀行識別番号(BIN)と口座番号とを含むコード化カード番号を含む磁気ストライプを有する。カードは、口座に対して金融上の責任を負う複数のETC発行者によって発行することができるが、それらのETC発行者の代わりに、本明細書ではETCプロセッサと呼ぶ単一のエンティティによって処理される。」(8頁25行?9頁13行)

(4)「発行機関のBIN番号は、発行に使用される通貨の表示と共にETCプロセッサ中のデータベースに記憶される。特定の銀行は、カードを発行できる複数のタイプの通貨用の複数のBIN番号を有することができる。顧客がリモート・コンピュータでカードを利用する際、その端末をVisaNetネットワークなどの中間ネットワークに接続することができる。端末の通貨は中央VisaNetコンピュータへ送信され、中央VisaNetコンピュータは、必要に応じて通貨変換を実行し、口座残高を借方に記入する。」(10頁6?12行)

(5)「第1図は、本発明によるETCカード10の図である。カード上には、口座情報を含む磁気ストライプ12がある。磁気ストライプにはまず、銀行識別番号(BIN)14がコード化される。この番号は発行側銀行だけでなく、カードが発行された通貨も定義する。銀行が米国通貨でしか発行しない場合、その銀行は単一の番号しか有することができないが、複数の通貨で発行する銀行には複数のBIN番号を割り当てることができる。第2の番号は、特定のカードの実際の口座番号16である。BIN番号および口座番号は、一次口座番号(PAN)と呼ばれることもあるカード番号17を形成する。第3の番号は、サービス・コード番号であり、これが「現金専用」カードであることを適当なソフトウェアに対して識別する。代替サービス・コードを使用して、小売業者の現場におけるPOS装置での購入に関する借方記入をカードに許可することができる。最後に、カード検証値(CVV)19がエラー検出および詐欺検出のために使用される。」(11頁10?21行)

(6)「顧客は次いで、カードを使用するために任意のVisa ATM50に接近する。ATM50は、通信リンク52を介してVisaNetネットワークに接続される。ATMによって送信されるデータは、カード番号と、顧客が引き落としたい通貨の金額とを含む。この通貨額は、そのカード番号に関してデータベースに記憶されている金額と比較される。十分な金額が許可されている場合、リターン・メッセージによって引き落としが許可される。ATMが、それ自体が供給する通貨を示すコードを送信し、データベースが、記憶されているそのカード番号に関するBIN番号からそのカードの通貨を知るので、VisaNetコンピュータは必要な通貨変換を行う。」(13頁9?17行)

(7)「第4図は、本発明が使用する電子ネットワークの詳細なブロック図である。第1の販売端末60は、インタフェース62を介してETCプロセッサ66へのディジタルT-1回線64などの通信回線に接続されるものとして示されている。別の銀行または販売代理店にある第2の販売端末68は、ダイヤルアップ・モデム70を介してETCプロセッサ66への公衆パケット交換網通信リンク72に接続される。ETCプロセッサは、在庫データベース76、口座データベース78、代理店データベース80に接続されたコンピュータ74を含む。口座データベース78は、顧客がETCカードを使用するたびに更新される口座情報を記憶する。
ETCプロセッサ66は、VisaNetネットワーク82などのネットワークに接続される。VisaNetネットワーク82は、IBM3745などの通信プロセッサ84を有する中央コンピュータを含む。通信プロセッサ84は、IBM3090などのメインフレーム86に接続される。メモリ88は、メインフレーム86用の記憶域を備える。中央端末90は、ローカル・サービスおよび制御を可能にする。
通信プロセッサ84はATMインタチェンジ92に接続され、ATMインタチェンジ92は個別のATM機94に接続される。通信プロセッサ84は、個別のPOS端末98に接続された直接デビット・ネットワーク96に接続することもてきる。」(13頁24行?14頁14行)

(8)「第6図は、顧客が発行後にカードを実際に使用する際に使用されるソフトウェアを示す。顧客は、標準Visa ATM機にカードを挿入することができる(POSまたはその他の装置を使用することもできる)。ATM機ソフトウェアは、磁気ストライプを読み取り、BIN番号と口座番号とを含むカード番号をカードから判定する(ステップA)。顧客は次いで、PINを入力し、ソフトウェアがそれを取り込む(ステップB)。最後に、顧客は、引き出すべき所望の借方記入額を入力する(ステップB)。
次いで、ローカルATMソフトウェアが入力情報と共にメッセージをVisaNetシステムへ送信する(ステップC)。ATM機は、ATM中にどの通貨があるかを示す通貨コードも送信する。VisaNetネットワークは必要な通貨変換を実行する(ステップD)。次いで、ETCプロセッサ・ソフトウェアがデータベース中のカード番号を参照し、データベース中の口座に関連するPIN番号が、送信されたPIN番号と比較される(ステップF)。PINが合致しない場合、リターン・エラー・コードがATMへ送信される(ステップG)。
PIN番号が合致した場合、借方記入額が口座の残高と比較される(ステップH)。資金額が不十分である場合、資金額が不十分であることを示すエラー・メッセージがATMに返される(ステップI)。十分な資金額が利用できる場合、ソフトウェアが借方記入の後にその口座の残高を更新し(ステップJ)、許可承認メッセージがATMに返される(ステップK)。」(16頁15行?17頁4行)

特に上記(1)中の請求項2に係る記載や上記(4)及び(6)中の「データベース」に関する記載に着目し、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「電子データ・ネットワークを介した許可に応答してカード保持者に通貨を供給し、あるいは商品およびサービスを購入するシステムにおいて実行される方法であって、
当該システムは、ATMまたは小売業者の現場におけるPOSなどの端末と接続された通信プロセッサを有する中央コンピュータを含むVisaNetネットワークを有し、
使用されるカードは、デビット・カードとトラベラーズ・チェックの両方の態様の固有の組合せを含むETCカードであって、このカードを使用して世界中の前記ATMまたはPOSなどの端末を通じて口座にアクセスすることができ、カード自体は、発行機関(発行側銀行)を定義する銀行識別番号(BIN)と、口座番号とを含むコード化カード番号を含む磁気ストライプを有するものであり、
カード保持者(顧客)が前記カードを実際に使用する際には、
前記端末が、前記カードの磁気ストライプを読み取り、銀行識別番号(BIN)と口座番号とを含むカード番号と、借方記入通貨額とを前記VisaNetネットワークに送信するステップと、
前記端末の通貨タイプ(当該端末自体が扱う通貨)を示す通貨コードを当該端末から前記VisaNetネットワークに送信するステップと、
前記VisaNetネットワークの中央コンピュータは、銀行識別番号(BIN)と共にそのカードの発行通貨の表示とが記憶されたデータベースから、前記送信された銀行識別番号(BIN)が示すカードの発行通貨を知り、当該発行通貨と前記送信された端末の通貨タイプとを比較するステップと、
前記VisaNetネットワークの中央コンピュータは、前記比較の結果に応じて前記通貨タイプの前記借方記入通貨額を前記発行通貨に変換する通貨変換を実行し、口座残高を借方に記入するステップと、
を含む方法。」

4.対比
そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、
(1)引用発明における「カード保持者(顧客)」、「カード番号」は、それぞれ本願発明における「カード所有者」、「カード番号」に相当し、
引用発明における「カード保持者(顧客)が前記カードを実際に使用する際には、前記端末が、前記カードの磁気ストライプを読み取り、銀行識別番号(BIN)と口座番号とを含むカード番号と、借方記入通貨額とを前記VisaNetネットワークに送信するステップと」は、本願発明における「前記カード所有者に属する前記カードからカード番号を得るステップと」に相当することは明らかである。

(2)引用発明における「銀行識別番号(BIN)」、「データベース」は、それぞれ本願発明における「識別コード」、「テーブル」に相当し、
引用発明における「前記VisaNetネットワークの中央コンピュータは、銀行識別番号(BIN)と共にそのカードの発行通貨の表示とが記憶されたデータベースから、前記送信された銀行識別番号(BIN)が示すカードの発行通貨を知り、当該発行通貨と前記送信された端末の通貨タイプとを比較するステップと」によれば、引用発明においても、カード番号から銀行識別番号(BIN)を特定していることは明らかであり、また、引用発明のデータベースに記憶された「銀行識別番号(BIN)」および「そのカードの発行通貨の表示」が、本願発明でいうテーブルの「エントリー」でありそれぞれ「発行者識別コード」および「対応する通貨コード」に相当し、引用発明においても、銀行識別番号(BIN)をデータベース中の銀行識別番号(BIN)と比較することにより対応するそのカードの発行通貨を決定していることは自明といえることであるから、本願発明と引用発明とは「前記得たカード番号から識別コードを特定するステップと、前記特定された識別コードをテーブルのエントリーと比較することによって、該識別コードに対する通貨を決定するステップであって、前記テーブルの各エントリーが、発行者識別コードおよび対応する通貨コードを含む、前記決定するステップと」を含む点で一致する。

(3)引用発明における「前記VisaNetネットワークの中央コンピュータは、前記比較の結果に応じて前記通貨タイプの前記借方記入通貨額を前記発行通貨に変換する通貨変換を実行し、口座残高を借方に記入するステップと」によれば、結局、カード取引に伴う通貨を、送信された銀行識別番号(BIN)が示す発行通貨として、データベースを参照することによって決定されたものに設定していることに他ならないといえるから、本願発明と引用発明とは「前記カード取引に伴う通貨を、前記識別コードに対する前記決定された通貨に設定するステップと」 を含む点で一致する。

(4)そして、引用発明における「電子データ・ネットワークを介した許可に応答してカード保持者に通貨を供給し、あるいは商品およびサービスを購入するシステムにおいて実行される方法であって、当該システムは、ATMまたは小売業者の現場におけるPOSなどの端末と接続された通信プロセッサを有する中央コンピュータを含むVisaNetネットワークを有し、使用されるカードは、デビット・カードとトラベラーズ・チェックの両方の態様の固有の組合せを含むETCカードであって、このカードを使用して世界中の前記ATMまたはPOSなどの端末を通じて口座にアクセスすることができ・・・・前記VisaNetネットワークの中央コンピュータは、前記比較の結果に応じて前記通貨タイプの前記借方記入通貨額を前記発行通貨に変換する通貨変換を実行し、口座残高を借方に記入する」によれば、引用発明におけるカード取引は、ATMを利用する場合のみならず、小売業者の現場におけるPOS端末を利用する場合も含むものであり、このPOS端末を利用したカード取引の場合に特定してみれば、本願発明と引用発明とは「小売業者と、カード所有者との間のカード取引に伴う通貨を決定するための、データ処理システムにおいて実行されるデータ処理方法」である点で共通するということができる。

よって、本願発明と引用発明とは、
「小売業者と、カード所有者との間のカード取引に伴う通貨を決定するための、データ処理システムにおいて実行されるデータ処理方法であって、
前記カード所有者に属する前記カードからカード番号を得るステップと、
前記得たカード番号から識別コードを特定するステップと、
前記特定された識別コードをテーブルのエントリーと比較することによって、該識別コードに対する通貨を決定するステップであって、前記テーブルの各エントリーが、発行者識別コードおよび対応する通貨コードを含む、前記決定するステップと、
前記カード取引に伴う通貨を、前記識別コードに対する前記決定された通貨に設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とするデータ処理方法。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点]
カード取引に使用されるカードが、本願発明では、「チャージカード、デビットカード又はクレジットカード」であるのに対し、引用発明では、デビット・カードとトラベラーズ・チェックの両方の態様の固有の組合せを含むETCカードである点。

5.判断
上記相違点について検討する。
引用発明におけるカード取引に使用されるETCカードは、デビット・カードとトラベラーズ・チェックの両方の態様の固有の組合せを含むものであり、クレジットカードなどのごく一般的なカードとは異なるものの、このETCカードにおいても磁気ストライプに発行者(発行機関)を特定する銀行識別番号と、口座番号とを含むカード番号が記録されてなるものであり、一方、一般的なクレジットカードにおいても同様に、磁気ストライプに発行者(発行機関)を特定する企業コードと、口座番号とを含むカード番号が記録されている(例えば原査定の拒絶の理由に引用された「光ハンディメモリの標準化に関する調査研究 1993(平成5)年3月」,財団法人光産業技術振興協会,1993年3月31日,p19の「5.2.1 磁気クレジットカードにおける企業コードの表示」の項の記載を参照)ことは技術常識ともいえる周知の技術事項である。したがって、引用発明における、カード取引に使用するカードのカード番号から発行者を特定する識別番号を特定し、該特定された識別番号からデータベース(テーブル)を参照することにより当該カード取引に伴う通貨を決定するという技術事項を、カード番号に発行者を特定する識別番号(識別コード)と口座番号とを含むものである点で共通する上記のような一般的なクレジットカードに採用することも、特段の阻害要因はなく当業者であれば容易に想到し得ることである。

そして、本願発明が奏する効果についてみても、引用発明及び周知の技術事項から当業者が十分に予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-13 
結審通知日 2012-04-19 
審決日 2012-05-02 
出願番号 特願2001-508998(P2001-508998)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 雅士  
特許庁審判長 清田 健一
特許庁審判官 松尾 俊介
井上 信一
発明の名称 カード支払いシステムのためのダイナミックな通貨変換  
代理人 松井 光夫  
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