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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H05B 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H05B |
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管理番号 | 1263752 |
審判番号 | 不服2011-6608 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-03-29 |
確定日 | 2012-09-26 |
事件の表示 | 特願2006-236171「有機電界発光表示装置及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 8月 9日出願公開、特開2007-200854〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成18年(2006年)8月31日(パリ条約による優先権主張 2006年1月27日 大韓民国)の出願(特願2006-236171号)であって、平成21年10月29日付けで拒絶理由が通知され、平成22年2月1日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされ、同年7月28日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年11月4日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされ、同年11月26日付けで同年11月4日付けの手続補正に対する補正の却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成23年3月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同日付けで手続補正がなされたものである。 その後、平成23年8月24日付けで当審から審尋をし、同年11月29日付けで回答書が提出された。 第2 平成23年3月29日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成23年3月29日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成22年2月1日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載の、 「画素領域と非画素領域で分けられ、前記画素領域には第1電極、有機薄膜層及び第2電極からなる有機電界発光素子が形成され、前記非画素領域にはスキャンドライバ及び前記スキャンドライバの位置と対応されるように金属膜がそれぞれ形成された第1基板と、 前記第1基板の画素領域及び非画素領域と所定間隔が離隔されて封着される第2基板と、 前記第2基板の非画素領域の周辺部に沿って形成されたフリットと、を含み、 前記フリットは、前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外で、かつ前記非画素領域に形成されたスキャンドライバの活性領域部分まで重畳されるように形成されることを特徴とする有機電界発光表示装置。」が 「画素領域と非画素領域で分けられ、前記画素領域には第1電極、有機薄膜層及び第2電極からなる有機電界発光素子が形成され、前記非画素領域にはスキャンドライバ及び前記スキャンドライバの位置と対応されるように金属膜がそれぞれ形成された第1基板と、 前記第1基板の画素領域及び非画素領域と所定間隔が離隔されて封着される第2基板と、 前記第2基板の非画素領域の周辺部に沿って形成され、前記第1基板と第2基板とを互いに接着するフリットと、を含み、 前記フリットは、前記第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外で、かつ前記非画素領域に形成されたスキャンドライバの活性領域部分まで重畳されるように形成し、 前記金属膜は、前記非画素領域のスキャンドライバと対応される位置に前記第1電極と同じ金属物質で形成することを特徴とする有機電界発光表示装置。」と補正された。 上記から、本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に係る発明において、本件補正前の「第1基板の画素領域を覆うシール領域外」を、「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外」とする補正事項を含むものである。 2 新規事項追加の違反についての検討 次に、本件補正後の請求項1において特定された上記の「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外」なる事項が、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書の発明の詳細な説明及び図面(以下「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるかについて検討する。 (1)上記補正の事項に関連して、審判請求書において、請求人は次のように述べている。 「この補正は、前回の拒絶理由通知(平成22年7月28日起案)にて、審査官殿がご指摘になった“「前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外で」との記載について、何が「前記第1基板の画素領域」を覆うのか不明確である。”との事項に対応して行ったものであり、このような補正の根拠となる記載は、本願明細書の図3に示されています。すなわち、本願図面の図3には、「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシール」についての構成が明確に示されており、これに基づき行った補正は、新規事項の追加には当たらないと思量致します。」 上記記載から、上記の補正事項は、「フリット」とは別の部材として「シール」(部材)を「(第1基板の画素領域を覆うように)設ける」こと特定するものであることを請求人が意図していることは明らかである。 そして、その補正の根拠が、当初明細書等における【図3】の記載であるとしている。 (2)当初明細書等の【図3】及び発明の詳細な説明における【図3】の関連箇所である【0022】【0023】には次の事項が記載されている。 ア「【図3】 」 イ「【0022】 図3は、本発明による有機電界発光表示装置の一実施例を示した平面図である。図3に示されたように、有機電界発光表示装置は、画素領域210と非画素領域220に分けられ、前記画素領域210には第1電極、有機薄膜層及び第2電極からなる有機電界発光素子が形成されて、前記非画素領域220にスキャンドライバ410及び前記スキャンドライバの位置と対応されるように金属膜108bがそれぞれ形成された第1基板200と、前記第1基板200の画素領域210及び非画素領域220と所定間隔が離隔されて封着される第2基板300と、前記第1基板200及び前記第2基板300の非画素領域の離隔された間に形成されて、前記第1基板200のスキャンドライバ410の活性領域まで重畳されるように形成されたフリット320と、を含んで構成される。 【0023】 前記有機電界発光表示装置の第1基板200は、前記画素領域210と、画素領域210を取り囲む非画素領域220に定義される。前記第1基板200の画素領域210には走査ライン104b及びデータライン106cの間にマトリックス方式で連結された複数の有機電界発光素子100を形成して、非画素領域220には画素領域210の走査ライン104b及びデータライン106cから延長された走査ライン104b及びデータライン106c、有機電界発光素子100の動作のための電源供給ライン(図示せず)、そしてパッド104c及び106dを通じて外部から提供された信号を処理して走査ライン104b及びデータライン106cに供給する走査駆動部410及びデータ駆動部420を形成する。」 (3)上記摘記箇所には、「フリット320」以外に設けられた「シール」部材は記載されていない。【図3】における430の番号は、領域を示すものであり、何らかの部材を示すものでないことは明らかである。 したがって、「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシール」は上記摘記箇所に記載されていないといえる。 (4)上記【図3】においてIII-III’で示される位置の断面図が【図5】に記載され、【図5】に関連した事項が発明の詳細の説明の【0035】ないし【0047】に記載されている。 ア「【図5】 」 イ「【0035】 一方、図5は前記図3のIII-III'を示した断面図である。これに示されたように、前記非画素領域220と対応される第2基板300の周辺部に沿って密封のためのフリット320を形成する。ここで、前記フリット320は0.7mmの幅で前記スキャンドライバ410の活性領域まで重畳されるように形成される。 【0036】 より詳細には、前記非画素領域220で前記スキャンドライバ410は活性領域、スキャンドライバ配線領域及び信号配線を含み、0.7mmの幅を持って、前記スキャンドライバの活性領域は0.15mm、スキャンドライバ配線領域は0.25mm及び信号配線は0.3mmの幅をそれぞれ持つ。 【0037】 そして、前記フリット320の幅0.7mmは、前記スキャンドライバ410の活性領域、スキャンドライバ配線領域及び信号配線を含む0.7mm幅と重畳されるように形成する。 【0038】 すなわち、前記フリット320はシール(1.5mm)430領域に形成されず、スキャンドライバの活性領域まで形成してシール(1.5mm)430領域の約0.7mm程度のデッドスペースを減少させることができ、また他のスキャンドライバが形成された他の一側のデッドスペースも減少するようになって両側で合計1.4mmのデッドスペースを減少させることができるようになる。 【0039】 また、前記フリット320は前記画素領域210と同時に延長されて非画素領域220まで順次形成されたバッファー層101、ゲート絶縁膜103、層間絶縁膜105、平坦化層107及び金属膜108b上に形成される。 【0040】 この時、前記フリット320にレーザビームまたは赤外線などを照射する時、前記金属膜108bによって前記スキャンドライバが形成された位置から反射されて前記スキャンドライバの損傷を防止することができる。 【0041】 前記フリット320は、前記画素領域210を密封させて水素及び酸素や水気の浸透を防止するためのもので、画素領域210を含む非画素領域220の一部を取り囲むように形成する。ここで、前記フリット320が形成された外郭領域に補強吸湿剤をさらに形成することができる。 【0042】 前記フリット320は、一般的にパウダー形態の硝子原料を意味するが、本発明ではレーザ吸収剤、有機バインダー、熱膨脹係数を減少させるためのフィルターなどが含まれたペースト状態のフリットがレーザや赤外線によって溶融された状態を意味する。 【0043】 例えば、スクリーンプリンティングまたはディスペンシング方法で少なくとも一種の遷移金属がドーピングされたペースト状態の硝子フリットを14?15μm程度の高さ及び0.6?0.7mm程度の幅で塗布した後、水気や有機バインダーが除去されて硬化されるように焼成させる。 【0044】 前記画素領域210及び非画素領域220の一部と重畳されるように第2基板300を前記有機電界発光素子100が形成された第2基板200の上部に配置する。そして、第2基板300の背面からフリット320に沿ってレーザを照射してフリット320が溶融されて第1基板200に接着されるようにする。 【0045】 より詳細には、前記レーザビームは36ないし38W程度のパワーで調節して照射し、一定の溶融温度及び接着力が維持されるようにフリット320に沿って一定の速度、例えば、10ないし30mm/sec、好ましくは20mm/sec程度の速度で移動させる。 【0046】 また、本発明の効果を極大化させるためには表示装置を設計する時にフリット320と一致する非画素領域220の基板200上に金属ラインなどのようなパターンに照射されないようにすることが好ましい。 【0047】 一方、本実施例ではフリット320が画素領域210のみを密封させるように形成された場合を説明したが、これに限らず走査駆動部410を含むように形成することができる。この場合、封止基板300の大きさも変更されなければならない。また、フリット320を封止基板300に形成した場合を説明したが、これに限らず、基板200に形成することができ、フリット320を基板200に溶融接着させるためにレーザを使用したが、赤外線のような他の光源を使用することができる。」 (5)上記(4)の摘記箇所においては、「シール領域」(【0038】においては「シール(1.5mm)430領域」)が記載されている。この「シール領域」が、「フリット」によって形成される「シール領域」であるかは上記摘記箇所を含む当初明細書等全体を参酌しても明確でないが、上記(4)の摘記箇所においても「フリット」以外に設けられた「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシール」が記載されていないことは明らかである。 (6)以上のとおりであるから、上記の「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシール」は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであるといえる。 すなわち、上記の、本件補正前の「第1基板の画素領域を覆うシール領域外」を、「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外」とする補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてした補正であるということはできない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成22年11月4日付けの手続補正については原審において既に補正の却下の決定がなされ、平成23年3月29日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成22年2月1日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2 平成23年3月29日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。) 2 特許法第36条第6項第2号の違反について (1)原審の拒絶理由 原審における、本願発明に対する、特許法第36条第6項第2号の違反の拒絶理由は次のとおりである。 「請求項1に係る発明は、「前記フリットは、前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外で、かつ前記非画素領域に形成されたスキャンドライバの活性領域まで重畳されるように形成される」ことを発明特定事項としているが、「シール領域」とは、第1基板と第2基板とを接合するためにフリットが設けられるところであると思われるところ、「フリット」を「シール領域外」に設けることがどのような状態となっているのか不明確である。 また、「前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外で」との記載について、何が「前記第1基板の画素領域」を覆うのか不明確である。」 (2)請求人(出願人)の対応 上記の拒絶理由に対し、請求人(出願人)は、平成22年11月4日付けの手続補正により、 「画素領域と非画素領域で分けられ、前記画素領域には第1電極、有機薄膜層及び第2電極からなる有機電界発光素子が形成され、前記非画素領域にはスキャンドライバ及び前記スキャンドライバの位置と対応されるように金属膜がそれぞれ形成された第1基板と、 前記第1基板の画素領域及び非画素領域と所定間隔が離隔されて封着される第2基板と、 前記第2基板の非画素領域の周辺部に沿って形成され、前記第1基板と第2基板とを互いに接着するフリットと、を含み、 前記フリットは、前記第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外で、かつ前記非画素領域に形成されたスキャンドライバの活性領域部分まで重畳されるように形成し、 前記金属膜は、前記非画素領域のスキャンドライバと対応される位置に前記第1電極と同じ金属物質で形成することを特徴とする有機電界発光表示装置。」 と補正した(下線部は、上記(1)の拒絶理由に対する対応箇所を示すために、当審において付した)。 また、同日付けで提出された意見書において次の事項を述べている。 「このような審査官殿のご指摘に関して、本願明細書(段落0021?0047)及びこれに関連する図面に基づき、請求項1及び8のフリットに関する記載について、「第1基板と第2基板とを互いに接合する」との事項を加入し、さらに「前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外」との記載を「前記第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外」として、「シール」、「フリット」の位置関係及び役割を明確に致しました。」 (3)当審の判断 ア 上記(2)の意見書における「「シール」、「フリット」の位置関係及び役割を明確に致しました。」とする請求人(出願人)の主張は、「フリット」の他の部材として「シール」が設けられることを意味していることは明らかである。 これに対して、本願明細書の発明の詳細な説明(当初明細書等における発明の詳細な説明と同じ)には、「フリット」以外に設けられた「(第1基板の画素領域を覆うように設けられた)シール」が記載されていないことは、上記「第2 平成23年3月29日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「2 新規事項追加の違反についての検討」(特に「(3)」及び「(5)」参照)において述べたとおりである。 よって、原審における上記拒絶理由に対し、「第1基板の画素領域を覆う」のが「シール」(「フリット」とは別の部材)であると対応したものと認められるが、本願明細書においては、「フリット」とは別の部材の「シール」については何等記載されていないのであるから、本願発明の「第1基板の画素領域を覆うシール領域外」が何を意味しているのかは、発明の詳細な説明の記載を参酌しても明確でない。 イ また、本願明細書の発明の詳細な説明及び図面には、「シール領域」に関して、次の記載も認められる。 「【0011】 図1は、従来の有機電界発光表示装置を図示した平面図で、図2は前記図1のI-I'を図示した断面図である。 図1及び図2に示されたように、従来の有機電界発光表示装置は、蒸着基板10と、封止基板20、フリット30で構成される。 【0012】 蒸着基板10は、少なくとも一つの有機発光素子を含む画素領域11と、画素領域11外縁に形成される非画素領域15を含む基板であり、封止基板20は蒸着基板10の有機発光素子16が形成された面に対向して接着される。 【0013】 ここで、前記蒸着基板10の非画素領域15には駆動ドライバであるスキャン駆動ドライバ12及びデータ駆動ドライバ13がそれぞれ形成されている。 【0014】 前記蒸着基板10と前記封止基板20の接着のためにフリット30が蒸着基板10と封止基板20の縁に沿って塗布されて、フリット30はレーザビームまたは紫外線照射等の方法によって硬化される。ここで、フリット30が塗布されても密封剤をさらに形成して微細な隙間に浸透する水素、酸素、水気等を防止する。 【0015】 一方、従来の有機電界発光表示装置は非画素領域15にはスキャン駆動ドライバ(0.4mm)及び信号配線(0.3mm)を形成するようになって、前記画素領域11と非画素領域15の間のシール(11.5mm)14領域内にフリット(7mm)30を形成するようになる。ここで、前記スキャン駆動ドライバの活性領域は約0.15mmで、スキャンドライバの配線領域が約0.25mmの幅を占めるようになる。」 「【図1】 【図2】 」 これらの記載からは、「シール領域」は「(フリットによって)シールされる領域」を意味していると解するのが自然であるといえる。そうすると、上記においても「フリット」以外の部材である「シール」は記載されていない。 また、「シール領域」は「(フリットによって)シールされる領域」を意味している場合には、本願発明の「前記フリットは、前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外で、かつ・・・形成される」が何を意味するのか明確でないという拒絶理由は何等解消されない。 ウ いずれにしても、「第1基板の画素領域を覆うように設けられたシール」は、発明の詳細な説明の記載を参酌しても何を想定したものであるのか明確でないから、請求人が「前記第1基板の画素領域を覆うように設けられたシールの領域外」と補正することによって意味が明確になったとする「前記第1基板の画素領域を覆うシール領域外」についても、当然、発明の詳細な説明の記載を参酌しても明確でない。 すなわち、上記の拒絶理由は何等解消されておらず、本願発明は明確でないから、本願は特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 3 付言(回答書において示された補正案について) 平成23年11月2日付けで請求人が提出した回答書において、請求項1に係る発明から「シール」に関する構成要素を削除することを主旨とする補正案が提示された。 しかし、この補正案においては、請求項1に係る発明が、特開2004-139767号公報に記載された発明及び米国特許出願公開第2004/207314号明細書に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとする原審の拒絶理由は解消されないこととなり、上記補正案によっても判断の結論を覆すことはできない(判断の結論に影響はない)。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は明確でなく、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていないから、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-04-13 |
結審通知日 | 2012-04-17 |
審決日 | 2012-05-14 |
出願番号 | 特願2006-236171(P2006-236171) |
審決分類 |
P
1
8・
561-
Z
(H05B)
P 1 8・ 537- Z (H05B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 西岡 貴央 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
吉川 陽吾 森林 克郎 |
発明の名称 | 有機電界発光表示装置及びその製造方法 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 佐伯 義文 |