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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C09C
管理番号 1263839
審判番号 不服2010-26663  
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-11-26 
確定日 2012-10-15 
事件の表示 特願2004- 21706「黄色酸化チタン系顔料及びその製造方法並びにそれを用いた樹脂組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 8月11日出願公開、特開2005-213364、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成16年1月29日の出願であって、平成22年4月30日付けで拒絶理由が通知され、同年6月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月30日付けで拒絶査定され、同年11月26日に拒絶査定不服審判が請求されると共に手続補正書が提出され、平成24年5月29日付けの審尋に対し、同年6月25日に回答書が提出されたものである。

第2 平成22年11月26日の手続補正書による補正の却下の決定

[補正の却下の結論]
平成22年11月26日の手続補正書による補正を却下する。

[補正の却下の理由]
1 補正の内容
平成22年11月26日の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、平成22年6月14日の手続補正書によって補正された、本件補正前の請求項1?6の
「【請求項1】
クロム及びアンチモンを含有する黄色酸化チタン系顔料であって、その粒子表面及び/又は内部にTiO_(2)換算の酸化チタンに対し、リンをP_(2)O_(5)換算で0.03?2重量%の範囲で、マグネシウムをMgO換算で0.03?2重量%の範囲で含み、さらに、粒子表面に酸化アルミニウム及び/又は酸化スズの被覆を有することを特徴とする黄色酸化チタン系顔料。
【請求項2】
被覆量が0.05?20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料。
【請求項3】
平均粒子径が0.1μmより大きく、1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料。
【請求項4】
TiO_(2)換算のチタン酸化物に対し、P_(2)O_(5)換算で0.03?2重量%の範囲に相当するリン化合物、及びMgO換算で0.03?2重量%の範囲に相当するマグネシウム化合物と、チタン酸化物、クロム化合物及びアンチモン化合物とを混合し、加熱焼成して黄色酸化チタン系粒子を得る第1の工程、得られた黄色酸化チタン系粒子を含むスラリーに、アルミニウム塩及び/又はスズ塩の溶液と中和剤とを添加して、粒子表面を酸化アルミニウム及び/又は酸化スズで被覆する第2の工程を含むことを特徴とする黄色酸化チタン系顔料の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料とプラスチックス樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項6】
プラスチックス樹脂がポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。」

「【請求項1】
ルチル型核晶の存在下、硫酸チタニルを加熱加水分解してルチル型核晶を含む含水酸化チタンを得る第1の工程、リン、マグネシウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の第三元素の化合物、第1の工程で得られたルチル型核晶を含む含水酸化チタン及びアンチモン化合物とを混合し、加熱焼成して平均粒子径が0.1μmより大きく1.0μm以下であるルチル型の黄色酸化チタン系粒子を得る第2の工程、得られた黄色酸化チタン粒子を含むスラリーに、アルミニウム塩及び/又はスズ塩の溶液と中和剤とを添加して、粒子表面に酸化アルミニウム及び/又は酸化スズで被覆する第3の工程を含むことを特徴とする平均粒子径が0.1μmより大きく1.0μm以下であるルチル型の黄色酸化チタン系顔料の製造方法。
【請求項2】
第三元素が少なくともリン及びマグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料の製造方法。
【請求項3】
TiO_(2)換算の前記含水酸化チタンに対し、リン化合物の使用量がP_(2)O_(5)換算で0.03?2重量%の範囲にあり、マグネシウムの化合物の使用量がMgO換算で0.03?2重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料の製造方法。
【請求項4】
黄色酸化チタン系粒子に対し、アルミニウム塩の使用量がAl_(2)O_(3)換算で0.05?20重量%の範囲にあり、スズ塩の使用量がSnO_(2)換算で0.05?20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の黄色酸化チタン系顔料の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法で得られた黄色酸化チタン系顔料とプラスチックス樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項6】
プラスチックス樹脂がポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。」
に改める補正を含むものである。

2 補正の適否
補正後の請求項1に記載された発明は「・・・黄色酸化チタン系顔料の製造方法。」であり、本件補正前の請求項1?6のうち、それと同じカテゴリーの発明は請求項4のみであるが、本件補正前の請求項4では「TiO_(2)換算のチタン酸化物に対し、P_(2)O_(5)換算で0.03?2重量%の範囲に相当するリン化合物、及びMgO換算で0.03?2重量%の範囲に相当するマグネシウム化合物」のように、第三元素の化合物がリンとマグネシウムに限定されていたものが、本件補正後の請求項1では「リン、マグネシウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の第三元素の化合物」のように、それ以外の元素まで含まれるように記載されている。
したがって、本件補正後の請求項1についての補正は、本件補正前の請求項4に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。
また、原査定において、特に本件補正前の請求項1?6に係る発明について明りょうでない旨の指摘もなされていないから、この補正が明りょうでない記載の釈明を目的とするものとも認められない。
そして、この補正が請求項の削除や誤記の訂正を目的とするものでないことは明らかである。
よって、この補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。

3 補正の却下の決定のむすび
したがって、上記補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 当審の判断
平成22年11月26日の手続補正書による補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?6に係る発明は、平成22年6月14日の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2012-09-21 
出願番号 特願2004-21706(P2004-21706)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C09C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柿崎 美陶藤原 浩子  
特許庁審判長 星野 紹英
特許庁審判官 小出 直也
橋本 栄和
発明の名称 黄色酸化チタン系顔料及びその製造方法並びにそれを用いた樹脂組成物  

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