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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 F03G
管理番号 1264065
審判番号 不服2011-13725  
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-28 
確定日 2012-06-14 
事件の表示 特願2006- 1320「宇宙に充満する最小複合粒子の3次元万有引力と万有引力全圧Pghを使用する方法とその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 7月19日出願公開、特開2007-182801〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成18年1月6日の出願であって、平成22年12月24日付けで拒絶理由が通知され、平成23年2月25日付けで意見書が提出されたが、平成23年3月25日付けで拒絶査定がなされ、平成23年6月28日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同日付けで手続補足書が提出されたものである。

第2.平成22年12月24日付けの拒絶理由の通知の内容
平成22年12月24日付けの拒絶理由の通知には、次の理由が記載されている。

「2.この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。



発明の詳細な説明中に記載された効果を奏するために、具体的にどのような装置で実施するのか、明確に記載されていない。
よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1ないし13に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。」

第3.平成23年2月25日付けで提出された意見書における請求人の主張の概要
上記拒絶理由に対して、本件請求人は、平成23年2月25日付けで提出した意見書(以下、単に「意見書」という。)において、次のとおり主張している。

「3-2.第2の拒絶理由(特許法第36条)に対して
第2の拒絶理由は、特許法第36条第4項第1号に規定の要件を満たしていないと言う理由です。
これに対しては、「第2世代の自然科学」の創出者の義務と責任で、次の2つの応答をします。
3-2-1.第1の応答(特許法第36条第4項第1号の規定に対する異議):
「第2世代の自然科学」が普及するまでは、
説明が困難な、宇宙の観測出来ない部分を含み、
これまでの常識に反する宇宙の数学解析出来ない部分を含み、
予め、解明して在るが、周知されていない、宇宙の構成要素を使用
して、物象を解明し、
表現が、必然的に、文章表現に成る
「第2世代の自然科学」に基づく本願特許に対して、特許法第36条第4項第1号の規定を適用するのは、「第2世代の自然科学」に基づいて、構成され、出願された発明は、それが、実施に必要な事を、総て、充分に記載して居ても、「第2世代の自然科学」を知らない人には、理解出来ず、説明不充分と、判断されるので、適用に、異議が在ります。
この状態に適した判断基準に変える必要があります。
‥‥(中略)‥‥
3-2-3.本願発明の明細書と、請求の範囲の書き方が、実施に充分な内容を、具体的に、充分に、記載している事を、以下に、説明します。
「第2世代の自然科学」に基づく本願発明を理解し実施する為に書かれている、請求項と、明細書の部分については、 請求項と、明細書の下記の部分を読めば、本願発明を、理解し、実施出来ます。
‥‥(中略)‥‥
(2)明細書:
[課題を解決するための手段]の[0305]から[0319]まで:
本願発明の基本が判ります。尚、[0304]には、必要ならば、本発明者に、ノウハウを求める事を記載してあります。
[発明を実施するための最良の形態]の[0534]から[0585]まで、特に、[0554]から[0560]の流量発生手段3の説明:
請求項1の(1)、図2、図3と組み合わせて読めば、本願発明を理解出来ます。
少なくとも、上記を読めば、本願発明を理解し、実施出来ます。従って、本願発明は、特許法第36条第4項第1号の規定を満たしています。」

第4.平成23年3月25日付けの拒絶査定における拒絶理由の内容
平成23年3月25日付けの拒絶査定には、

「この出願については、平成22年12月24日付け拒絶理由通知書に記載した理由1.又は2.によって、拒絶をすべきものです。
なお、意見書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。」

と記載されており、理由2.についての備考として次の事項が記載されている。

「(2)理由2.について
依然として、発明の詳細な説明中に記載された効果を奏するために、具体的にどのような装置で実施するのか、発明の詳細な説明が物理法則に基づいて明確に記載されておらず、当業者が請求項1ないし13に係る発明を実施することができる程度に、明確かつ十分に記載されているとは認められない。」

第5.審判請求書における請求人の主張の概要
審判請求書の【請求の理由】において、本件請求人は、次のとおり主張している。
「 10)本願発明の記載は、段落[0304]に記載の配慮をしているので、特許の範囲内で、目的の方法、装置と、1対1の対応をしています。これ以上の説明は、不可能です。
本願発明の記載を不十分で、判らないと言われるのは、本願発明が、第2種永久運動の実施なので、在り得ない事が書かれていると思いながら読まれるからです。本願発明が実施可能で、日本を再び元気にする発明だと判ってから読めば、多くの人が理解出来ます。
‥‥(中略)‥‥
3.[課題を解決するための手段]の説明:
課題を解決するための手段の説明は、段落[0304]以下に在り、請求項1から13の目的、考え方、実施内容、科学技術的な根拠、新規性進歩性を、詳細に説明しています。
説明は、請求項1、2に、集中しています。段落[0305]から段落[0330]までを、本願発明が、実施可能で、日本を再び元気にする事が判ってから読めば、多くの人が理解出来ます。
4.[発明の効果]の説明:
発明の効果の説明は、科学技術的な説明だけでは無く、本願発明を実施して、人類社会を、争いが無く、豊かで、平和で、幸せにする為に、必要な、人文科学的な事を、総て含んでいます。
その理由は、本願発明の実施を希望する企業が、この明細書を読んで、人類社会を、争いが無く、豊かで、平和で、幸せにする仕事に、参加してくれる事の実現に対する期待です。
発明の効果の説明は、段落[0344]から段落[0533]まで在りますが、特許が登録になってから、読んで貰うべき部分です。
5.[発明を実施するための最良の状態]の説明:
発明を実施するための最良の状態は、段落[0535]から段落[0585]に記載され、「第3種永久運動汎用水力発電装置」に関する、目的、考え方、科学技術内容実施内容、科学技術的な根拠、新規性進歩性を詳細に書いています。これを読んで、信じて、実施すれば、理解出来ます。
6.上記に依り、理由2.「発明の詳細な説明中に記載された効果を奏するために、具体的にどのような装置で実施するのか、発明の詳細な説明が物理法則に基づいて明確に記載されておらず、当業者が請求項1ないし13に係る説明を実施することができる程度に、明確かつ十分に記載されているとは、認められない。」との拒絶査定は、不当です。
本願発明の明細書、請求の範囲は、「第2世代の自然科学」に基づいて書かれているので、「第2世代の自然科学」の必要最低限度を理解していないと、理論的な構成が判らないので、「明確に記載されておらず、」になります。又、「明確かつ十分に記載されているとは、認められない。」になります。
一つの方法として、発明者は、段落[0304]の記載を念頭に置いて書いていますから、本願発明が理論的に正しく、実施可能で、大きな効果が在ると判ってから、本願発明を読めば、読み方が変わるので、理解出来るとの期待で、大阪大学にお願いする追認試験の結果が出てから、審判される事をお願いします。」

第6.当審の判断
本願の明細書の段落【0545】ないし【0566】には次の記載がある。
「‥‥(前略)‥‥
(1)全体構成の説明:
図2は、本方法・装置の全体構成を示す図である。
図2において、1は内径約51mmの循環管路、2は本方法・装置で使用する水8を保持し供給する流体保持・供給手段であり、循環管路1は、流体保持・供給手段2の流出側に取り付けられた縮小部1aと拡大部1bとの組み合わせと、方向を変える為に取り付けた湾曲部7と、直線部分を入れる為に取り付けた縮小部1aと拡大部1bとの組み合わせと、方向を変えて流体保持・供給手段2に戻る為の湾曲部7とで構成される。
【0546】
3は流量発生手段であり、流体保持・供給手段2に取り付けた縮小部1aと拡大部1bとの組み合わせに設置されている。
3aはモーター、4は発電機であり、モーター3aと、流量発生手段3と、発電機4とは、一本の軸で接続される事により、宇宙の自然現象と同じように、軸方向の加速度運動座標と円周方向の回転座標とを複合した複合加速度運動座標(この複合加速度運動座標は宇宙の座標である。)を構成して、一蓮托生している。又、水8も、本方法・装置の構造により、循環管路1内で、完全に一蓮托生して流れている。纏めると、装置は装置で一蓮托生し、水は水で一蓮托生し、更に、両者が一蓮托生している。
即ち、本発明は、総てを一蓮托生させて、本方法・装置内に存在・作用する宇宙の基礎エネルギ源のみのエネルギで第2種永久運動機関を構成している。外から不要のエネルギが入ると、全体の一蓮托生の体制が崩れて、第2種永久運動機関は消滅する。楕円形の循環管路1の長径は約60cm、短径は約30cm、モーター3aはオリエンタルモーターの交流100V、150Wのコンデンサモーター(実験で、容量が足りない場合には、スライダックで130Vに昇圧し出力を上げて使用していた。)、発電機4はホンダの交流100V、450Wである。
(2)部品の説明:
1)循環管路1の説明:
循環管路1は、上記の図2の説明が示す構造を持っているので、
1. 循環管路1内の水8(前述のように、エネルギは宇宙の基礎エネルギ源に属し、水8は、エネルギの発生触媒・作用触媒・伝播媒体である。)は、図2に示す循環管路1の形状・大きさに基づいて、位置決め作用と加速度とを伴う流れ跡空間埋め合わせ現象により、抵抗0の状態で、加速・減速を繰り返して流れ、且つ、循環管路1の形状・大きさが、各断面毎に発生・維持する水8の軸方向の質量流量と、軸方向の基礎エネルギ源の場の歪み量(運動量に対応して発生・維持され、慣性力と加速度とになる。)と、軸方向の平衡流動エネルギとが、循環管路1の全長の各断面毎に夫々が等しくなるように構成されている。これが、本発明の第1の基本である。
【0547】
2.循環管路1内の水8の流れは、流量発生手段3の回転で発生・維持されるので、螺旋形に回転しながら流れ、その流れは、軸方向の加速・減速と、円周方向の減速・加速とを組み合わせて流れる。又、循環管路1内には、1個の流量発生手段3のみしか存在せず、且つ、羽根10の枚数が少ない(本実施の形態では2枚)ので、流体保持・供給手段2内の水8の大気圧と水圧とは、流量発生手段3を通過して、循環管路1内を循環する。これらの条件では、循環管路1内の水8は、螺旋形に回転しながら万有引力の作用による位置決め作用と加速度とを伴う流れ跡空間埋め合わせ現象で流れ、循環管路1内の各断面毎に存在・作用する宇宙の基礎エネルギ源の場の歪み量は、軸方向と円周方向との歪み量循環回路を構成しながら水8を流し、水8の流れのエネルギは、大気圧と水圧と動圧とを有し宇宙の基礎エネルギ源からエネルギを供給される平衡流動エネルギであり、
「大気圧+水圧+動圧」の仕事量である。この事が、本発明の第2の基本である。
【0548】
3.そして、図2に示すように流量発生手段3が位置する拡大部1bにおいては、流路の形状・大きさに基づいて宇宙の基礎エネルギ源が、各断面毎に、発生・維持する質量流量と基礎エネルギ源の場の歪み量と平衡流動エネルギとの形状・大きさと、流量発生手段3が、各断面毎に、発生・維持する質量流量と基礎エネルギ源の場の歪み量と平衡流動エネルギとの形状・大きさとが、軸方向、円周方向共に等しくなるように、流量発生手段3が位置する縮小部1aと拡大部1bとの組み合わせ部の内部の形状・大きさの変化を、後述の流量発生手段3の説明で示すようにして、流量発生手段3の外径の大きさの変化に合わせる必要がある。これが、本発明の第3の基本である。詳細と理由とは、後述の流量発生手段3の説明に記載する。
【0549】
‥‥(中略)‥‥
尚、本発明では、構造を工夫して、場の歪み量は、そのものを重複して存在・作用させ、平衡流動エネルギは、そのものでは重複して存在させ得ないので、発電機と接続した流量発生手段が平衡流動エネルギと全く同じ回転動作をするように構成し、発電機と接続した流量発生手段3のその回転動作を、平衡流動エネルギと重複して存在・作用させている。
詳細は、流量発生手段3の項で説明する。
このようにすると、この流量発生手段3は、発電機4と繋がっているので、前述の重複した場の歪み量は、発電機4の負荷と釣り合って、発電機4を回転駆動する。
【0550】
‥‥(中略)‥‥
尚、図2の下部の縮小部1aと拡大部1bとの内形は、単純な円錐台の組み合わせであり、両端の内径は51mm、中央の内径は42mmである。
【0551】
但し、図2の上部の縮小部1aと拡大部1bとの内径は、図2には、表現してないが、流量発生手段3の説明と図3とに示す特殊な形をしている。
【0552】
2)流体保持・供給手段2の説明:
流体保持・供給手段2は、図2の説明の構造と位置とを持っており、厚さ15mmのポリカーボネート板製で、内法は、長さ50mm、幅200mm、高さ400mmである。循環管路1内を、流量発生手段3が発生・維持する位置決め作用と加速度とを伴う流れ跡空間埋め合わせ現象による場の歪み量に基づく平衡流動エネルギで水8が流れると(形容句が長くなるのは、宇宙の基礎エネルギ源が、作用前、作用中、作用後で形態を変えるからである。流体現象では、宇宙の基礎エネルギ源の作用前、作用中、作用後の形態の変化を理解しないと、理解・判断を間違える。また、作用前、作用中は、観測出来ない。)、流体保持・供給手段2では、上記の長い形容句が付く流れ跡空間埋め合わせ現象に基づく質量流量によって、水8が、流出し、同時に、同じ量の水8が流入する。
‥‥(中略)‥‥
【0554】
3)流量発生手段3の説明:
流量発生手段3は、図2に示すように、流体保持・供給手段2に接続している縮小部1aと拡大部1bとの組み合わせにおける拡大部1bに設置されている。設置位置は、組み立ての都合を配慮する必要がある。組み立てが可能であれば、設置位置は、縮小部1aと拡大部1bとの組合わせ内で自由に変更出来る。
【0555】
この項における流量発生手段3の説明は、本実施の形態におけるように流体が非圧縮性の場合に限らず、流体が膨張したり、圧縮したりする場合にも、各断面を単位時間に通過する質量流量を一定値に維持するように構成すれば、適用出来る。
【0556】
図3に示すように、流量発生手段3は、軸流型であり、その羽根10は円を基準とする平衡流動曲面で構成されている。円を基準にすると、流量発生手段3内の水8は、各位置で、必ず、円運動の組み合わせで流れ、各位置で、必ず、加速・減速が加わる。
【0557】
図3において、Eは仮想円弧の仮想中心、EFGは仮想平面、FGは仮想円弧、Sは仮想円柱である。そして、X軸、Y軸、Z軸、θ軸を使用するコンピューター制御の多軸旋盤で加工し、羽根10の両面を請求項に示す平衡流動曲面に仕上げる。3は流量発生手段であり、9は軸、13は加工前の外形線である。
【0558】
上記のようにしてその羽根10の両面が平衡流動曲面に加工された流量発生手段3は、図2に示す本方法・装置の実施の形態のようにして設置されると、流量発生手段3内の全断面の全位置にある水8は、総てが、羽根10の平衡流動曲面が発生・維持する宇宙の基礎エネルギ源の場の歪み量に基づく位置決め作用と加速度とを伴う流れ跡空間埋め合わせ現象により、羽根10の平衡流動曲面を、各位置毎に、垂直に、押して・引くようにして流れる。
これが、水8が、平衡流動曲面による流れ跡空間埋め合わせ現象で流れる場合の特徴である。本発明の請求項に示す流量発生手段3による水8のこの流れ方(総ての境界条件が満たされている事が前提)が、本発明の出発点であり、到達点である。この流れ方を発生・維持する事が、本発明の総てに繋がる。そして、平衡流動曲面を有する流量発生手段3がベースになって、従来の常識から離れた多くの事を実現する。
【0559】
流量発生手段3が流量を発生・維持する場合には、水8が、上記のように流れる事は間違い無いが、水8の流れが、流量発生手段3を、上記のように、全断面の全位置で、平衡流動曲面に垂直に、押して・引くように作用する為には、請求項に記載のように、流量発生手段3が発生・維持する質量流量と基礎エネルギ源の場の歪み量と平衡流動エネルギとの形状・大きさと、循環管路1の形状・大きさが発生・維持する質量流量と基礎エネルギ源の場の歪み量と平衡流動エネルギとの形状・大きさとを一致させる必要がある。これが、本発明の第5の基本である。
【0560】
上記の第5の基本によると、全断面の全位置の水8の「大気圧+水圧+動圧」(総てが、宇宙の基礎エネルギ源から供給されるエネルギである。)は、流れによるその作用方向を、平衡流動曲面上の円弧FGに垂直に向けながら、円弧FGに沿って移動している。そして、同じ円弧FGにおいては、垂直方向に作用する「大気圧+水圧+動圧」は等しいので、各断面の各位置での軸方向の圧力は(大気圧+水圧+動圧)・(その位置での羽根10の偏向角度のsin値)、円周方向の圧力は(大気圧+水圧+動圧)・(その位置での羽根10の偏向角度のcos値)になり、軸方向のエネルギが増加・減少すると、円周方向のエネルギは減少・増加して、両者の和は、常に、一定になる。
従って、上記の流量発生手段3の作用は、基礎エネルギ源に変化を残す事無く、総て、基礎エネルギ源から供給されるエネルギで賄われる。
即ち、これが、第2種永久運動であり、本発明の第6の基本である。
流量発生手段3内の水8の流速を考えると、各断面の各位置における平衡流動曲面に垂直方向の流速は、(その位置における回転半径と回転数とで決まる円周方向の流速)÷(その位置における羽根10の偏向角度のcos値)であり、各断面における軸方向の流速は、(その位置における回転半径と回転数とで決まる円周方向の流速)・(その位置における羽根10の偏向角度のtan値)である。
流量発生手段3を設置する拡大部1bと、流量発生手段3との設計は、本実施の形態では、次のように行った。
【0561】
1.方法・装置の全体構成から、流量発生手段3を設置する縮小部1a
と拡大部1bとの組み合わせ部分の最大径を51mm、最小径を42mmと設定し、縮小部1aの長さと拡大部1bの長さとを共に120mmに設定した。
【0562】
2.14年間の実験の経験から判断して、流量発生手段3を、拡大部1bに設置した。流量発生手段3の最上流端は、上記の最小径の位置にあり、最下流端は、最大径の位置にあるようにし、前記の最上流端と最下流端とから順番に、各位置毎に発生・維持される質量流量が或る一定値になるように、下記によって、調整した。この場合、実験の経験から、流量発生手段3の回転数を3200rpm、質量流量を毎秒1.5Kg(毎秒1.5リットル)と決めた。流量が多過ぎると、モーターの負荷が大きくなり、第2種永久運動機関としての出力が小さくなり、且つ、モーターが持たない。流量が少な過ぎると、動作が不安定になる。
【0563】
3.流量発生手段3の羽根10の両端の偏向角度を決める。内径と断面積
とが決まった最上流端の質量流量を3200rpmで毎秒1.5Kgにするには、計算により、羽根10の偏向角度は、13度07分になる。最下流端の質量流量を3200rpmで毎秒1.5kgにするには、羽根10の偏向角度は、7度24分になる。上記の場合の仮想円弧FGの半径は1223.24mmである。
【0564】
4.上記の設定で、図2において、外形線13を除いて、図3を作成出来
る。そして、先ず、外形線13を、円錐台と仮定し、この仮定で、各断面毎の質量流量を計算し、各断面の質量流量が、3200rpmで1.5Kgの一定値になるように、各断面の直径を修正する。その結果は、図3の外形線13が示すように、直径は、円錐台に比べて、中央部が、僅かに小さくなっている。本実施の形態では、図3に示す流量発生手段3の羽根10は、180度間隔の2枚の羽根10にする。その理由は、羽根10の枚数が少ない程、流体保持・供給手段2から作用する「大気圧+水圧+動圧」が流量発生手段3を通過して循環し易い事である。
【0565】
5.流量発生手段3は、図3に基づいて加工する。縮小部1aと、拡大部1bとは、上記の図3に示す流量発生手段3に合わせて、加工する。
【0566】
6.上記により加工した部品を、図2に示すように組み立て、全体として、充分な加工精度があれば、本発明の第2種永久運動機関が実現する。即ち、加工精度があれば、位置決め作用と加速度とを伴なう流れ跡空間埋め合わせ現象による平衡エネルギが発生して成功する。加工精度が無ければ、圧力差で流れて不成功になる。」

これらの明細書の記載並びに図2及び3の記載において、流量発生手段3が循環管路1内の水8の流れを発生させるために、何からどのようにしてエネルギを得るのかということが、物理法則等の自然法則に基づいて明確に示されていない。
また、明細書及び図面のその他の記載にも、流量発生手段3が循環管路1内の水8の流れを発生させるために、何からどのようにしてエネルギを得るのかということが、物理法則等の自然法則に基づいて明確に示されていない。

したがって、本願の発明の詳細な説明の記載は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということはできない。

なお、審判請求書には、「一つの方法として、発明者は、段落[0304]の記載を念頭に置いて書いていますから、本願発明が理論的に正しく、実施可能で、大きな効果が在ると判ってから、本願発明を読めば、読み方が変わるので、理解出来るとの期待で、大阪大学にお願いする追認試験の結果が出てから、審判される事をお願いします。」との記載があるが、特許出願の願書に添付する明細書における発明の詳細な説明には、第三者の追認試験の結果の内容にかかわらず、該出願に係る発明を理解できるように記載する必要があるから、上記追認試験の結果を待つことなく、当審の判断を行う。

第7.むすび
したがって、本願は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-04-11 
結審通知日 2012-04-17 
審決日 2012-05-02 
出願番号 特願2006-1320(P2006-1320)
審決分類 P 1 8・ 536- Z (F03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 茂夫  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 中川 隆司
柳田 利夫
発明の名称 宇宙に充満する最小複合粒子の3次元万有引力と万有引力全圧Pghを使用する方法とその装置  
代理人 廣幸 正樹  

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