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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1264528
審判番号 訂正2012-390104  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2012-08-13 
確定日 2012-09-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4151919号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4151919号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第4151919号の請求項1に係る発明は、平成9年4月25日に特許出願され、平成20年7月11日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成24年8月13日(書面には8月10日の日付)に本件審判が請求されたものである。


2.審判請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、本件特許第4151919号の明細書(以下「特許明細書」という。)を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。
その訂正内容は、次のとおりである。(下線は当審で付加。)

<訂正事項1>
特許請求の範囲の請求項1に
「遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え
確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、
前記枠部材は、
第1の入球口と、第2の入球口と、
前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、
前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、
前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、
前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、
前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、
前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、
前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機。」とあるのを、
「遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え
確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、
前記枠部材は、
第1の入球口と、第2の入球口と、
前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、
前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、
前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、
前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、
前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、
前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、
前記ベース板の前記球出口の左側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する左球遊動部材が設けられ、 前記ベース板の前記球出口の右側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する右球遊動部材が設けられており、
前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、
前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、及び、前記第3の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機。」に訂正する。

<訂正事項2>
明細書の段落【0006】に
「【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み請求項1記載の発明はなされたものであり、遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え、確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、前記枠部材は、第1の入球口と、第2の入球口と、前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機である。こうした構成により、枠部材における遊技球の動作の趣向性を高めることができ、単調な遊技を解消することができる。」とあるのを、
「【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み請求項1記載の発明はなされたものであり、遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え、確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、前記枠部材は、第1の入球口と、第2の入球口と、前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、前記ベース板の前記球出口の左側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する左球遊動部材が設けられ、前記ベース板の前記球出口の右側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する右球遊動部材が設けられており、前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、及び、前記第3の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機である。こうした構成により、枠部材における遊技球の動作の趣向性を高めることができ、単調な遊技を解消することができる。」に訂正する。

<訂正事項3>
明細書の段落【0007】に「また、請求項1記載の発明に、付加的に、」とあるのを、「また、付加的に、」に訂正する。


3.当審の判断
<訂正事項1>について
まず、訂正目的について検討する。
訂正事項1は、「弾球遊技機」について、「前記ベース板の前記球出口の左側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する左球遊動部材が設けられ」ている点及び「前記ベース板の前記球出口の右側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する右球遊動部材が設けられて」いる点を限定する(以下「訂正事項1-1」という。)とともに、
始動装置用特別球遊動面(第2の球遊動面)から流下された遊技球が始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、「前記第3の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率」よりも高くなる点を限定する(以下「訂正事項1-2」という。)ものである。
よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

次に、新規事項について検討する。
訂正事項1-1について、
特許明細書の【0024】には「左球遊動部材28a,右球遊動部材28bは、図4に示す通り、ベース板25の球出口52の左右の部分に左右対称的に設けられ(図3参照)、遊技球Bが球出口52の前方空間に向かって遊動されるようになっている。すなわち、左球遊動部材28a,右球遊動部材28bは、各々上面に略水平な左第3球遊動面80,右第3球遊動面81を有し・・・」と、
特許明細書の【0027】には、「・・・遊技球Bは・・・第1球遊動面29(・・・)に誘導され(図4参照)、第1球遊動面29を遊動してそのまま下方に落下するか、又は、さらに左第3球遊動面80,右第3球遊動面81に落下し遊動してから下方に落下する。」と記載されている。
訂正事項1-2について、
特許明細書の【0027】には、「第1球遊動面29、左第3球遊動面80,右第3球遊動面81から落下してきた遊技球Bは比較的始動入賞装置6(図2参照)の近辺に落下するものの、遊技球Bの落下幅が広いため入球の可能性はそれ程高くない。」、及び、「一方、・・・遊技球Cは(図3参照)、・・・第2球遊動面43を遊動してから、球出口52から下方に落下する(図4参照)。・・・また球出口52の幅は20mm程度とされているので、ここから落下した遊技球は、始動入賞装置6のほぼ真上から落下するので始動入賞装置6に入球する可能性は極めて高い。」と記載されている。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものである。

<訂正事項2?3>について
訂正事項2?3は、いずれも、訂正事項1における特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載の整合性を図るものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである
また、訂正事項1と同様に、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものである。

したがって、訂正事項1は特許法126条1項ただし書1号に掲げる事項を、訂正事項2?3は特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を、目的としたものである。
そして、訂正事項1?3は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであるから、特許法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項1?3は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないので、特許法126条6項の規定に適合する。
さらに、訂正後の請求項1に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、特許法126条7項の規定にも適合する。


4.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法126条1項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条5?7項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え
確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、
前記枠部材は、
第1の入球口と、第2の入球口と、
前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、
前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、
前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、
前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、
前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、
前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、
前記ベース板の前記球出口の左側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する左球遊動部材が設けられ、
前記ベース板の前記球出口の右側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する右球遊動部材が設けられており、
前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、
前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、及び、前記第3の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機に関し、特に可変表示装置の枠部材に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の弾球遊技機の可変表示装置の枠部材(所謂センター役物)には複数の入球口が設けられており、前記入球口に入球した遊技球は、球誘導樋(所謂ワープ樋)を介して球遊動面(所謂ステージ上)上に導かれるように構成されている。そして、遊技球はステージ上で遊動した後、遊技領域の下方に向かって落下し、センタ一役物の下方に配置されている始動口に入球する可能性がある。これにより可変表示装置の図柄が変動する可能性が生じる。
【0003】
特に第一種と呼ばれる遊技機所謂フィーバータイプの弾球遊技機の可変表示装置の下方には始動入賞口(所謂電動チューリップ)、更にこの始動入賞口の下方には大入賞装置(所謂アタッカー)が設けられているのが現状である。
【0004】
しかしながら、従来のセンター役物のステージは平面的(一面のみ)であり、多少の凹凸があるのみで、ステージ上の遊技球の動作は単調極まりなく、入球した遊技球毎の動作にほとんど差がないこととなり、遊技自体にはほとんど影響しないため著しく趣向性に欠ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、請求項1に記載の発明の課題は、可変表示装置の枠部材(センター役物等)における遊技球の動作の趣向性を高めた弾球遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み請求項1記載の発明はなされたものであり、遊技領域に配設され、始動装置への遊技球の入球又は該始動装置を遊技球が通過することに起因して、表示態様を変化させた後に確定表示する可変表示装置と、前記可変表示装置の前面側に配設される枠部材と、を備え、確定表示された前記可変表示装置の表示態様が予め定められた特別表示態様となったことに起因して、遊技者に特別遊技を実施する機会を与えるように構成された弾球遊技機において、前記枠部材は、第1の入球口と、第2の入球口と、前記第1の入球口に入球した遊技球を通過させる第1の球誘導部と、前記第2の入球口に入球した遊技球を通過させる第2の球誘導部と、前記第1の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第1の球遊動面と、前記第2の球誘導部から流出する前記遊技球を遊動させて前記遊技領域の下方に流下させる第2の球遊動面と、を備え、前記第1の球遊動面は、前記枠部材の内側底面に形成され、前記第2の球遊動面は、前記第1の球遊動面の下側に設けられた空洞部の底面に形成され、前記第1の球遊動面から遊技球が流下する流下幅は、前記始動装置の左方又は右方に落下可能な程度に形成され、前記第2の球遊動面の前面に配置されたベース板には、前記流下幅よりも狭められた流下幅に設定された小口の球出口が貫設され、該球出口の真下には前記始動装置が配置され、前記第2の球遊動面から前記球出口を経て流出する遊技球が真下に流下し前記始動装置に入球または通過可能となっており、前記ベース板の前記球出口の左側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する左球遊動部材が設けられ、前記ベース板の前記球出口の右側には、上面に第3の球遊動面を有し、前記第1の球遊動面から落下してきた遊技球を前記球出口の前方空間に向かって遊動する右球遊動部材が設けられており、前記第2の球遊動面を始動装置用特別球遊動面とし、前記始動装置用特別球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は前記始動装置を通過する確率が、前記第1の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、及び、前記第3の球遊動面から流下された遊技球が前記始動装置へ入球する確率又は該始動装置を通過する確率、よりも高くなるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機である。こうした構成により、枠部材における遊技球の動作の趣向性を高めることができ、単調な遊技を解消することができる。
【0007】
ここにいう始動装置としては、始動口又は始動ゲートが好適であるが、これらに限定されるわけではない。また、ここにいう可変表示装置には、図柄を表示する発光ダイオード等の発光源からなる表示体の他、液晶表示盤、CRTからなる表示体等が挙げられるが、特に限定されるわけではない。ここにいう枠部材は、前述の可変表示装置の枠を形成するものであるが、表示体の全周囲また一部(例えば上部)に設けられることが好適であり、またセンター役物が一例として例示されるが限定されるわけではない。ここにいう球誘導部としては、いわゆるワープ樋が好適ではあるが、特に限定されるわけではない。ここにいう球遊動面としては、遊技球が自由に動けるようにするものであればすべての面が含まれる。いわゆるステージとも呼ばれたものが例示され、枠部材の内側底面に備えられた略水平面を有する平坦な板部材が好適ではあるが、位置、形状、構造等がこれに限定されるわけではない。複数の球遊動面は各々離隔して設けることもできるし(図3で示す具体例1参照)、全部又は一部を隣接して設けられることもできる(図10で示す具体例2参照)。球遊動面には、平面、凸面(図10で示す具体例2の第2球遊動面143a?143d参照)、凹面、カーブ面等のあらゆる面が含まれても良いことはいうまでもない。さらに、入球口、球誘導部、及び球遊動面の組み合わせや設置数は任意に構成することができるし、複数の球遊動面が一体に形成されても良いし、別体で形成されても良い。また、付加的に、前記球遊動面から流れ出す遊技球を遊動させるための球遊動面を、前記球誘導部とは関連せず単独で設置することもできる(図3の左第3球遊動面80,右第3球遊動面81参照)。以上の通り、当業者は発明の要旨内で種々なる態様で発明の実施が可能である。
【0008】
請求項1記載の発明により、前記課題が解決されるとともに、遊技者が前記始動装置を狙って遊技球を発射すれば、これに起因して、前記可変表示装置の表示態様が特別表示態様となる可能性が高まり、大当りへの期待感が高まるとともに、遊技内容の豊富化を図ることができる。
【0009】
上述の請求項1記載の発明は、具体的には、前記枠部材の始動装置用特別遊動面の流下側の中央部に、流出面が狭められた構造の球出口を設置することにより、上記の通り、前記の確率を高くすることが好適であるが、これはあくまで好適例である(図3の第2球遊動面43出口に設けた球出口52参照)。
【0014】
前記複数の球遊動面の少なくとも1つに球誘導装置を備えたことが好ましい。これにより遊技球の動きに一層趣向性を生じさせることができる。
【0015】
ここにいう球誘導装置としては、遊技球を目標物又は目標方向に誘導するものが挙げられる。例えば、中心軸を備えた回転盤と、前記中心軸を回転させる駆動制御装置とから構成された例が挙げられる(図10で示す具体例2の回転盤K参照)が、これに限定されるわけではなく、球誘導溝、球誘導凸条、開閉可能な羽根部材等、種々なる態様が挙げられる。これにより遊技の趣向性が格段に向上する。さらに、より具体的な態様としては、前記回転盤の表面上に凸条からなる遊技球の誘導路(図13(b)の凸片285a,285b参照)を設け、該誘導路が遊技盤と直交する位置で前記駆動制御装置が前記回転盤を一時停止させることもできる(図13で示す具体例2の変形例参照)。これにより、始動装置への入球又は通過確率が向上し、入賞への期待感が高まる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である具体例1の弾球遊技機1は、フィーバー機、あるいは第一種と呼ばれるものであり、以下、図面を参照して説明する。図1に示す通り、この弾球遊技機1の表面側には、遊技盤2が着脱自在に装着されている。この遊技盤2には発射された打球を誘導するための誘導レール3がほぼ円弧状に植立され、この誘導レール3で区画された領域が図2に示す通り遊技領域4を構成している。この遊技領域4の中央部には、可変表示装置としての液晶表示装置5が設けられている。その下側の遊技領域4に始動入賞装置6が設けられている。この始動入賞装置6は、遊技球の入球又は通過に起因して、液晶表示装置5の特別図柄の表示態様を変化させた後に確定表示させるものである。始動入賞装置6の下側には大入賞装置7(いわゆるアタッカ-とも呼ばれる)が設けられている。その大入賞装置7の下部には普通図柄の表示態様を変化させた後に確定表示させる普通図柄表示装置8が設けられている。普通図柄表示装置8の周囲近辺には普通図柄表示装置8用の4個の保留ランプ8aが設置されている。さらに遊技領域4には、ゲート9,10、入球口11,12、風車13a?13d、ランプ14a,14b等が設けられている。大入賞装置7及びゲート9,10、入球口11,12にはそれぞれ入球検出センサ(図示略)が設けられ、遊技球が入球又は通過するとオンするようになっている。遊技盤2の最下方には、アウト口15が設けられている。なお、液晶表示装置5に代えて、CRT、LED等の表示体とすることも可能である。始動入賞装置6に遊技球が受け入れられると、液晶表示装置5が図柄の変動を開始し、これが特定の表示態様、例えば777の3桁同一の数字で停止表示されると、特別遊技状態となり大入賞装置7が所定回数開放し、一方、特定表示態様以外で停止表示されると大入賞装置7は開放しないように構成されている。また、ゲート9又は10を遊技球が通過すると、普通図柄表示装置8が図柄の変動を開始し、これが所定の表示態様、例えば7の数字で停止表示されると、羽根部材6aが所定時間開放され始動口6bが拡大し始動入賞装置6への入球確率が高められ、所定時間経過に伴い羽根部材6aが閉じることとなり、一方、所定の表示態様以外で停止表示されると始動口6bは開放せず始動入賞装置6への入球確率はそのままとなるように構成されている。なお、始動入賞装置6に代えて、これを始動通過ゲートに置換し、これを遊技球が通過することに起因して液晶表示装置5の図柄が変動及び停止をすることもできる。
【0017】
さらに、図1に示す通り、遊技盤2のすぐ下側には上受け皿16aが設けられた上皿部材16と、下受け皿17aが設けられた下皿部材17が配置されている。上受け皿16aの左下側には遊技状態に応じた効果音を発生させるスピーカ18が設けられている。また、下受け皿17aの右側には、上受け皿16aから供給される遊技球を遊技領域4に対して弾発する遊技球発射装置(図示略)と接続された発射ハンドル19が設けられている。
【0018】
前述の液晶表示装置5は、表示制御基板(図示略)等を含み構成されたものであり、液晶表示装置5の前面側にはセンター役物21が設けられている。図3乃至図6に示す通り、枠部材としてのセンター役物21は、左右対称の略五角形の枠形状に形成され、液晶表示装置5を可視可能にする大開口部22を有するものである。センター役物21は図4に示す通り、後側から前方に向かって順に、第1樋部材23、第2樋部材24、ベース板25、入球部材26、入球部材カバー27、左右一対の左球遊動部材28a,右球遊動部材28bとから構成され、これらを組立てて一体になることができるものである。
【0019】
第1樋部材23は、図4及び図5に示す通り、五角形枠30の頂部に四角形状の入球口31が形成されている。入球口31と連通する左ワープ樋32a,右ワープ樋32bが各々左右対称に五角形枠30の内部に設けられ下方まで延設され(図5参照)、内壁側面33の下方に配置された左球出口34a,右球出口34bに各々連通している。五角形枠30の内壁の底面には第1球遊動面後面35が形成され、中央部に凹面36が形成されている。五角形枠30の中央には四角形の貫通穴37が形成されている。したがって、入球口31から入球した遊技球Bは左ワープ樋32a又は右ワープ樋32bを経て、左球出口34a又は右球出口34bから流出し、第1球遊動面後面35に誘導されるのである。
【0020】
第2樋部材24は、図4に示す通り、第1樋部材23の前面側に固定されるものである。第2樋部材24は、その前面側が開放された中空のU字枠40を有し、U字枠40内部に形成された左ワープ樋41a,右ワープ樋41bが形成されている。U字枠40は五角形枠30に適合した大きさであり、U字枠40の凹部の底面には前述した第1球遊動面後面35に連続できる第1球遊動面前面42が形成され、そこには凹面36と同様な凹面46が形成されている。これら第1球遊動面後面35及び第1球遊動面前面42により、いわゆるステージとも呼ばれる第1球遊動面29が構成されている(図3及び図6参照)。また貫通穴37に適合した大きさの開口部44が形成されている。さらにU字枠40の第1球遊動面前面42の下側には空洞部41が設けられ、空洞部41の底面には凹面状の第2球遊動面43が形成されており、この空洞部41は、左ワープ樋41a,右ワープ樋41bと連絡されている。
【0021】
第2樋部材24は図4に示す通り、ベース板25の裏面に固定されるものである。また、ベース板上の最上方には小口の四角形状の球通過口50が貫設され、これは入球口31と連通することができ(図3参照)、左右上部の両側には左球通過孔51a,右球通過孔51bが貫設されており、これは左ワープ樋41a,右ワープ樋41bと各々連通することができるものである。またベース板25の最下方には小口の四角形状の球出口52が貫設され、これは空洞部41に連通することができるものである。したがって、ベース板25が第2樋部材24に固定されると、左ワープ樋41a,右ワープ樋41b,空洞部41は、左球通過孔51a,右球通過孔51b、球出口52を介してしか外部空間とは連通されない構造である。中央には開口部44に適合した大きさの大口の四角形状の貫設孔53が貫設されている。球出口52の上方には第1球遊動面前面42に連続することができる幅の小さな球遊動面54が設けられている。
【0022】
入球部材26は、図4に示す通り、ベース板25の前面側の上部に固定されるものである。入球部材26の中央部上方には凹面状の天入球口60が形成され、これは球通過口50と連通することができるものである(図3参照)。入球部材26の左右端部には各々左入球口61a,右入球口61bが形成され、これらが各々左球通過孔51a,右球通過孔51bに連通することができるものである(図3参照)。入球部材26の下側には凹空間62が形成されている。
【0023】
入球部材カバー27は、図4に示す通り、入球部材26に適合した形状とされ、その前面側に固定されるものであり、入球部材カバー27の前面中央部には液晶表示装置5用の保留ランプ70乃至73が横方向に列設されている。入球部材カバー27の下側には凹空間74が形成されている。
【0024】
左球遊動部材28a,右球遊動部材28bは、図4に示す通り、ベース板25の球出口52の左右の部分に左右対称的に設けられ(図3参照)、遊技球Bが球出口52の前方空間に向かって遊動されるようになっている。すなわち、左球遊動部材28a,右球遊動部材28bは、各々上面に略水平な左第3球遊動面80,右第3球遊動面81を有し、それらの前側端部に各々傾斜面82,83を有し、それらの外側端部に各々、丸い表面の舌片84,85を有している。
【0025】
図6に示す通り、センター役物21は、遊技盤2の中央部の貫設穴2aに嵌め込まれており、ねじ等の取付部材21aで遊技盤2の表面に固定できるようになっている。また、液晶表示装置5がセンター役物21の裏側に配置され、液晶表示装置5の前面にある液晶表示盤5aが第1樋部材23の貫通穴37(図4参照)に配設され、取付部材5bで遊技盤2の裏側に固定されている。
【0026】
なお、図3における変形例として、図示はしないが、以下に説明するものが挙げられる。すなわち、第1球遊動面29の凹面(図4の凹面36及び凹面46)は、中央に配置されているが、左右いずれかに変移させる等、位置を変えることもできるし、単数に限らず複数でも良い。また球出口52の位置も左右に変移させても良いし、単数に限らず複数設けても良い。他の変形例としては、第2球遊動面43の前面にあるベース板25の部分を開放面とし、遊技球Bを中央に誘導させるため、誘導凸部等からなる誘導路等を設けて、球出口52と同様の機能を果たすものに置換することもできる。左入球口61a,右入球口61bの位置もU字枠40の側面の任意の場所に設けることもできる。さらにセンター役物21の各構成要素について、左右対称形に代えて、片側だけとしても良い。このように当業者であれば様々に改変を施すことができる。
【0027】
本実施形態の具体例1の動作を説明する。図3に示す通り、天入球口60に入球した遊技球Bは(図3参照)、入球口31、左ワープ樋32a,右ワープ樋32bを通過して第1球遊動面29(第1球遊動面後面35、第1球遊動面前面42)に誘導され(図4参照)、第1球遊動面29を遊動してそのまま下方に落下するか、又は、さらに左第3球遊動面80,右第3球遊動面81に落下し遊動してから下方に落下する。第1球遊動面29、左第3球遊動面80,右第3球遊動面81から落下してきた遊技球Bは比較的始動入賞装置6(図2参照)の近辺に落下するものの、遊技球Bの落下幅が広いため入球の可能性はそれ程高くない。なお、第1球遊動面29上において、遊技球同士が衝突することもあるし、側壁に衝突する場合もあり、遊技球は様々に遊動することができる。一方、左入球口61a,右入球口61bに入球した遊技球Cは(図3参照)、左球通過孔51a,右球通過孔51b、左ワープ樋41a,右ワープ樋41bを通過して、第2球遊動面43を遊動してから、球出口52から下方に落下する(図4参照)。ここで、第2球遊動面43を遊技球が勢いで往復動し勢いが減衰してから、球出口52から下方に落下する場合もあるし、第2球遊動面43を遊技球が往復動せず直ちに球出口52から流出する場合もありうるし、さらに第2球遊動面43において、両側からくる遊技球が衝突する場合もある。また球出口52の幅は20mm程度とされているので、ここから落下した遊技球は、始動入賞装置6のほぼ真上から落下するので始動入賞装置6に入球する可能性は極めて高い。始動入賞装置6が開放状態であれば尚更である。なお、図3において、第1球遊動面29を遊動する遊技球Bは凹面36,46から落下することが比較的多く、左球遊動部材28a,右球遊動部材28b、特に傾斜面82,83に当たった後、落下する場合もある。また、前述した凹面36,46の両側にある水平面から落下する場合もあり、そこから落下した遊技球Bは、比較的に左第3球遊動面80,右第3球遊動面81に落下することが多い。以上は代表的な落下パターンであり、それ以外の落下パターンも種々あり得るであろうがここでは説明を省略する。
【0028】
また、前述した通り、普通図柄表示装置8の図柄が7で停止した場合に、始動入賞装置6の羽根部材6aが開放され、遊技球が入球し易い状態となることができる。また、羽根部材6aの開放の有無に関係なく、始動入賞装置6に遊技球が入球すると、液晶表示盤5aの3桁の各図柄が各々変動し始め、これらの各々の図柄が所定の組み合わせとなった場合、大当たり状態となり、大入賞装置7の開閉板7aが16ラウンドにわたり開放する等の特別遊技が開始される。
【0029】
以上述べた通り、弾球遊技機1によると、入球口31と、左入球口61a,右入球口61bとに各々入球した遊技球は、各々異なる第1樋部材23、第2樋部材24を介在させて各々異なる第1球遊動面29、第2球遊動面43に誘導され、それらの遊動面において遊動してから落下するが、第2球遊動面43から落下する遊技球の始動入賞装置6への入球確率は高くなる構成である。したがって、これらが遊技に直接影響を及ぼし、遊技の趣向性が格段に向上する。特に、第2球遊動面43に誘導されれば始動入賞装置6へ入球する可能性が極めて高いので、遊技者は、第2球遊動面43に対応した左入球口61a,右入球口61bを狙う等して常に期待感を持って遊技を楽しむことができるという優れた効果がある。
【0030】
なお、始動入賞装置6に入球した場合には、液晶表示装置5の図柄が可変表示を開始し、所定の図柄の組み合わせになると(具体例においては111?999のいずれか1つ)、大当たりとなる。そして、大当たり後に大当たりの種類によって所定数の時短機能が付加されている。すなわち、液晶表示装置5の液晶表示盤5aに表示される特別図柄は変動時間の短縮がなされ、普通図柄表示装置8に表示される普通図柄も変動時間の短縮がなされ、さらに普通図柄が当たりの場合、始動入賞装置6の開放時間が例えば4秒延長される。本具体例1において、時短回数は、特別図柄が111では20回、333は50回、555は80回、777は100回に設定している。そして、例えば、777で大当たりして時短50回目に次の大当たり111が発生した場合、大当たり終了後に50回(777で大当たりした時の時短回数の余り)プラス20回(111の大当たりで付加される時短回数)=70回の時短が付加されるように構成されている。なお、前回の大当り時に付加された時短の余りは、必ずしも付加される構成でなくとも良いし、付加されるとしても、時短の余り全てを付加する構成でなくとも良い。この場合、余りの時短が付加されるかどうか及び余り時短数のうち何回が付加されるかどうかは、例えば、大当り後の抽選等で決定しても良いし、その他の決定手段で決定しても良い。さらに時短に関する情報は、液晶表示装置5の液晶表示盤5aに表示させても良いし、その他の表示体で表示させる構成でも良い。この時短機能により、液晶表示装置5の図柄の変動サイクルが短縮化され、前記のセンター役物21の機能とあいまって一層趣向性が増大するのである。
【0031】
さらに、図2の遊技盤2においては、球出口52の下側に始動入賞装置6が設けられているが、これは一例であり特にこれに限定されるわけではない。例えば、図7に示す変形例である遊技盤2’に示す通り、様々な態様で実施が可能である。すなわち、この遊技盤2’の始動入賞装置6’は、第1球遊動面29’の凹面(前述した凹面36、凹面46対応するもの)を左側に変移させるとともに、その下側に始動入賞装置6’を変移させたものである。また、球出口52’を右側に変移させるとともに、その下側に入球口90’を新設したものである。なお、図7において、その他の遊技盤2(図2参照)に対応する構成要素については、それらの番号にダッシュを付して説明は省略する。さらに、第1球遊動面29’及び始動入賞装置6’を単独で設置したものでも良いし、一方、球出口52’と入球口90’を単独で設置したものでも良い。これらの位置も左右逆にすることも可能であるし、始動入賞装置6’と入球口90’の位置を置換したもの等、当業者には種々なる態様が様々に実施可能である。
【0032】
次の本実施形態の具体例2の弾球遊技機(図示略)の遊技盤102を図8乃至図12を参照して説明する。図8に示す遊技盤102の構成が図2に示す遊技盤2と異なる点は、センター役物21をセンター役物121としたことである。すなわち、センター役物121は、図11に示す通り、四角形枠状に形成された本体ケース123の前面側に樋部材124a,124b、入球部材126を固定し合体させたものである。すなわち、本体ケース123の四角形枠130前面の周囲にはベース板125が設けられ、そこに入球部材126、樋部材124a及び124bを固定できるようにしてある。図12に示す通り、本体ケース123の内側底面には、第1球遊動面129と、その左右及び上方に配置されたなだらかな凸面からなる第2球遊動面143a?143dと、第1球遊動面129、第2球遊動面143a?143dにより囲まれた部分に円形凹面状の第3球遊動面180とが形成されており、第3球遊動面180上には、駆動制御装置(図示略)により回転軸186により回転可能にされ中央に配置された回転盤Kが配置されている。この回転盤Kの表面には小径の凸片185が複数点在して配置されている。以上述べた各球遊動面全体がいわゆるステージを形成している。そのステージの最奥部には奥壁164が立設され、その上部に前側方向に向いて配列された仕切部材165が形成されている。内壁側面133の下部で、かつ、第2球遊動面143a?143dの左右外側には、各々左球誘導路132a,右球誘導路132bが形成されている。四角形枠130には、貫通穴137を設け、上部には球排出樋138を設け、四角形枠130の両側外部の下部には取付部材139を一対設けている。なお、第3球遊動面180に設けられた回転盤Kは常時回転させても良いし、特定の始動口等に入球する等、所定条件の成立に基づいて、回転させても良い。所定時間回転させても良いし、間欠的に回転させても良い。また、一方方向に限らず、時計方向、半時計方向いずれにも適宜回転させることもできる。なお、回転盤Kと駆動制御装置(図示略)が球誘導装置を構成する。
【0033】
入球部材126は、図11に示す通り、頂部には球排出樋138に連通できる天入球口160が形成され、内側下方に凹空間162が形成されているものである。また、天入球口160の下部には保留ランプ170乃至173が形成されている。入球部材126の下側の左右端部には樋部材124a,124bが配置されている。それらの各々は上端部に左入球口145a,右入球口145bを有し、それらの各々連通する左ワープ樋146a,右ワープ樋146bを有し、その出口が各々左球誘導路132a,右球誘導路132bに開口している。液晶表示装置105等、具体例1と共通する構成要素は、番号を100番台とし、それらの説明は割愛する。なお、変形例としては、ワープ樋によって遊技球が誘導される経路を異ならしめた構造としても良い。また、回転盤Kを具体例1のセンター役物21に適用することも可能である。
【0034】
具体例2の弾球遊技機のセンター役物の動作を説明する。図10に示す通り、天入球口160に入球した遊技球Bは、球排出樋138を通過してセンター役物121外部(遊技盤102裏面側)に排出され所定数の賞球が遊技者に付与される。左入球口145a,右入球口145bに入球した遊技球は、各々左ワープ樋146a,右ワープ樋146bを通過して、各々、左球誘導路132a,右球誘導路132bに誘導される。こうしてステージに誘導された遊技球Cは、図12に示す通り、遊動されてから、遊技領域104の下方に落下する。こうした遊技球Cの落下パターンは種々あるが、代表的には次のものが挙げられる。
a.第2球遊動面143b,143d→回転盤K表面(第3球遊動面180上)→第1球遊動面129→落下
b.第2球遊動面143b,143d→第1球遊動面129→落下
c.第2球遊動面143a,143c→第1球遊動面129→回転盤K表面(第3球遊動面180上)→第1球遊動面129→落下
等が考えられる。
ステージからの遊技球の落下パターンによっては、落下位置、落下タイミングが異なるため、特に始動入賞装置106が開放した際には(特に時短中)、遊技球がどのような動作をしているかで始動入賞装置106へ入球するかしないかが決るので、遊技に直接影響を及ぼし、遊技の趣向性が向上する。
【0035】
具体例2の回転盤Kの変形例である回転盤K’を図13(a)(b)を参照して説明する。第3球遊動面280上のこの回転盤K’の表面には、遊技球Bが通過可能な間隔で、2本の凸片285a,285bが並行に立設されている。駆動制御装置(図示略)が、回転軸286を介して回転盤K’を駆動することができる構造である。この回転盤K’の凸片285a,285bが遊技盤202に対して垂直位置になる毎に一旦回転を停止するように構成している。回転盤K’の凸片285a,285bの間に進入した遊技球Bは、始動口(図示略)のほぼ真下に落下するので、遊技球が始動口(図示略)に入球する可能性は極めて高いのである。なお、図13において、図12に対応する構成要素については、それらの番号を200番台とし説明は省略する。
【0036】
以上の通り、本変形例によれば、貝体例2と同様の効果を有する他、回転盤K’の球誘導路に入球すれば始動ロ(図示略)への入球の可能性が高いため、遊技者はステージ内の遊技球の動作に注目し、遊技に集中することができる。
【0037】
以上、本実施形態を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変できることは当然であり、このような改変も、本発明の技術的範囲に属するものである。例えば、センター役物21,121,221の各部の形状、構造、他の部材との組み合せ等は、実施形態に限定されることはなく、当業者であれば種々なる態様が挙げれられる。
【0038】
さらに、本発明は、いわゆる権利物や一般電役と呼ばれている機種、アレンジボール弾球遊技機、確率変動機能をもった機種等の種々の弾球遊技機に適用が可能である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、可変表示装置の枠部材(センター役物等)における遊技球の動作の趣向性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の具体例1の弾球遊技機の正面図である。
【図2】同弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】同弾球遊技機のセンター役物の斜視図である。
【図4】同センタ?役物の分解斜視図である。
【図5】同センタ?役物の第1樋部材の正面図である。
【図6】同センタ?役物の中央縦断面図である。
【図7】同弾球遊技機の遊技盤の変形例の正面図である。
【図8】本実施形態の具体例2の弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図9】同弾球遊技機のセンター役物の正面図である。
【図10】同センター役物の斜視図である。
【図11】同センター役物の分解斜視図である。
【図12】遊技盤に固定されたセンター役物の中央横断面図である。
【図13】(a)は同センタ?役物の変形例のステージ付近の平面図、(b)は同変形例の回転盤の斜視図である。
【符号の説明】
1,・・・弾球遊技機 2,2’,102,202・・・遊技盤
4,4’,104・・・遊技領域 5,5,105・・・可変表示装置
6,6’,106・・・始動入賞装置(始動装置)
7,7’,107・・・大入賞装置
21,121,221・・・センター役物(枠部材)
31・・・入球口
60,160・・・天入球口(入球口)
61a・・・左入球口(入球口)
61b・・・右入球口(入球口)
145a・・・左入球口(入球口)
145b・・・右入球口(入球口)
29・・・第1球遊動面
29’・・・第1球遊動面(始動装置用特別球遊動面)
32a,41a,146a・・・左ワープ樋(球誘導部)
32b,41b,146b・・・右ワープ樋(球誘導部)
43・・・第2球遊動面(始動装置用特別球遊動面)
43’・・・第2球遊動面(入賞口用特別球遊動面)
143a?143d・・・第2球遊動面
80・・・左第3球遊動面 81・・・右第3球遊動面
185,285a,285b・・・凸片(球誘導装置)
K,K’・・・回転盤(球誘導装置)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-09-07 
出願番号 特願平9-123275
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 瀬津 太朗
秋山 斉昭
登録日 2008-07-11 
登録番号 特許第4151919号(P4151919)
発明の名称 弾球遊技機  

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