• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1264590
審判番号 不服2011-27611  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-22 
確定日 2012-10-11 
事件の表示 特願2007-207682「放熱器」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 2月26日出願公開、特開2009- 43963〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成19年8月9日の出願であって、平成23年9月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年12月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明9」という。)は、平成23年6月3日付けの手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
伝熱部材(2)に冷媒流路となる金属製の冷媒パイプ(3)が装着された放熱器において、
前記伝熱部材(2)の側面に、前記冷媒パイプ(3)の配管経路に沿って、その開口幅(W)が冷媒パイプ(3)が挿入可能な溝幅を有すると共に、冷媒パイプ(3)が一部突出状に収納されるパイプ収納溝(22)が備えられ、該パイプ収納溝(22)に冷媒パイプ(3)が前記一部突出状で収納された状態でのプレス加工により、冷媒パイプ(3)の前記一部突出状の部分がパイプ収納溝(22)内に押し込まれてパイプ収納溝(22)内面に冷媒パイプ(3)が密着状となる塑性変形状態とされると共に、前記プレス加工によって形成された抜止め手段(23,31)で、パイプ収納溝(22)内に冷媒パイプ(3)が抜止め状態で保持されて前記冷媒パイプ(3)の一部が露出し、
前記抜止め手段(23,31)は、前記パイプ収納溝(22)の側壁面に形成された抜止め溝部(23)と、前記冷媒パイプ(3)の塑性変形により抜止め溝部(23)に侵入した塑性変形侵入部(31)とからなることを特徴とする放熱器。
【請求項2】
請求項1に記載の放熱器において、
前記抜止め手段(25)は、前記伝熱部材(2)における前記パイプ収納溝(22)の両側端縁部がパイプ収納溝(22)方向に塑性変形された内向き変形保持部(25)からなることを特徴とする放熱器。
【請求項3】
請求項2に記載の放熱器において、
前記プレス加工に用いられるプレス治具(47)に、前記伝熱部材(2)における前記パイプ収納溝(22)の両側端縁部位置に対応して食い込み突部(47b)が備えられ、プレス加工によりこの食い込み突部(47b)が伝熱部材(2)におけるパイプ収納溝(22)の両側端縁部に食い込むことによって前記内向き変形保持部(25)が形成されることを特徴とする放熱器。
【請求項4】
請求項3に記載の放熱器において、
前記プレス治具(47)の前記食い込み突部(47b)に対応する前記パイプ収納溝(22)の両側端縁部位置に、前記内向き変形保持部(25)の形成を誘導する塑性変形誘導溝(26)が形成されていることを特徴とする放熱器。
【請求項5】
請求項2に記載の放熱器において、
前記伝熱部材(2)における前記パイプ収納溝(22)の両側端縁部に外向き突出状に保持突部(27)がそれぞれ備えられると共に、各保持突部(27)の配置位置に対応するパイプ収納溝(22)の側壁面に保持突部(27)のパイプ収納溝(22)方向の塑性変形を誘導する内向き変形誘導溝(28)がそれぞれ形成され、プレス加工による各保持突部(27)のパイプ収納溝(22)方向の塑性変形により前記内向き変形保持部(25)が形成されることを特徴とする放熱器。
【請求項6】
伝熱部材(2)に冷媒流路となる金属製の冷媒パイプ(3)が装着された放熱器において、
前記伝熱部材(2)の側面に、前記冷媒パイプ(3)の配管経路に沿って、その開口幅(W)が冷媒パイプ(3)が挿入可能な溝幅を有すると共に、冷媒パイプ(3)が一部突出状に収納されるパイプ収納溝(22)が備えられ、該パイプ収納溝(22)に冷媒パイプ(3)が前記一部突出状で収納された状態でのプレス加工により、冷媒パイプ(3)の前記一部突出状の部分がパイプ収納溝(22)内に押し込まれてパイプ収納溝(22)内面に冷媒パイプ(3)が密着状となる塑性変形状態とされると共に、前記プレス加工によって形成された抜止め手段(23,31)で、パイプ収納溝(22)内に冷媒パイプ(3)が抜止め状態で保持されて前記冷媒パイプ(3)の一部が露出し、
前記抜止め手段(29)は、前記パイプ収納溝(22)の側壁面に形成されると共に、前記プレス加工によって前記冷媒パイプ(3)の表面に食い込み状となる抜止め突部(29)からなることを特徴とする放熱器。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放熱器において、
前記パイプ収納溝(22)と前記冷媒パイプ(3)との相互間に熱伝導性流動体が塗布されていることを特徴とする放熱器。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放熱器において、
前記パイプ収納溝(22)と前記冷媒パイプ(3)との相互間に熱伝導性を有する熱可塑性材料が塗布されていることを特徴とする放熱器。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の放熱器において、
前記伝熱部材(2)が押出型材からなることを特徴とする放熱器。」

3.本願発明1について
(1)本願発明1
本願発明1は、上記2.に記載したとおりである。
(2)刊行物
(2-1)刊行物1
本願の出願前に頒布された、特開2001-208496号公報(以下、「刊行物1」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(あ)「【請求項1】 金属板と、該金属板の一面に形成した溝部の壁面に外周面が当接して固定したパイプ要素とを含む加熱・冷却用熱盤において、
前記パイプ要素は、前記溝部の壁面に前記外周面が当接して固定した金属材料によって作られている外側パイプと、該外側パイプの内側で該外側パイプに外周面が当接し内部に流体を流すよう金属材料によって作られている内側パイプとを有し、前記外側パイプは前記外周面の軸方向の一部分が前記一面に露出している露出部を有し、該露出部の肉厚寸法が前記露出部を除く前記外側パイプの肉厚寸法よりも薄い寸法でありかつ前記露出部の露出面が前記一面と同一な面に形成されていることを特徴とする加熱・冷却用熱盤。」
(い)「【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱物の加熱もしくは被冷却物の冷却に用いる加熱・冷却用熱盤及びその製造方法に属する。」
(う)「【0003】金属板の一面には、発熱体を有する熱板が設けられ、金属板を加熱することによって金属板の一面とは反対面となるフェース面において被加熱物を加熱する。さらに、被加熱物を加熱した後、金属板及び熱板を冷却するために、パイプ内に冷却水のような流体を流して冷却を行っている。」
(え)「【0014】図1を参照して、この一実施の形態例における加熱・冷却用熱盤10は、金属板11と、この金属板11の一面11aに形成した溝部12の壁面に外周面が当接して固定され内部に流体を流すよう金属材料によって作られているパイプ要素とを有している。」
(お)「【0021】図2は、加熱・冷却用熱盤を利用した加熱装置の例を示している。図2を参照して、金属板11の一面11a(アルマイト被膜15aを含む)上には、発熱板21が設けられている。この発熱板21の反対面には押え板31が設けられている。」
また、図2を参酌すると、パイプ要素の配管経路に沿って該パイプ要素が挿入可能な溝部が金属板に形成されていることが把握できる。
(か)「【0025】次に、加熱・冷却用熱盤の製造方法を図3及び図4をも参照して説明する。図3に示すように、金属板11の一面11aに溝部12を形成するとともに溝部12の両側で溝部12に沿って一面11a上に突出させた突条部11bとを形成する。
【0026】さらに、溝部12の内壁に外周面が当接し内部に流体を流すよう金属材料によって作られている内側パイプ14及び外側パイプ13を溝部12に設ける。そして、図4に示すように、突条部11b,内側パイプ14及び外側パイプ13をプレス機41を用いてプレスすることによって、突条部11bを少し潰し外側パイプ13の外周面の軸方向の一部分を一面11aに露出させた露出部13aを形成する。
【0027】この時、突条部11b及び露出部13aが一面11aよりも少し上方の位置となるようプレスによって内側パイプ14及び外側パイプ13を溝部12へ圧入し、その後に露出部13aの露出面が一面と同一な面とするように一面11a全体を均一面となるまで切削加工するとともに、切削加工によって露出部13aの肉厚寸法が露出部を除く外側パイプの肉厚寸法よりも薄い寸法となるまで形成する。」
また、溝部は図3の配置から、その開口幅(W)がパイプ要素が挿入可能な溝幅を有する点と、さらに図4のプレス後のパイプ要素及び突条部の形状から、パイプ要素が一部突出状に収納される溝部である点及び潰された突条部と該溝部によりパイプ要素が抜止め状態で保持されていることが把握できる。
以上の記載事項及び図面からみて、本願発明1の記載ぶりに倣って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1に記載されている発明」という。)が記載されている。
「金属板に内部に冷却水を流すよう金属材料によって作られているパイプ要素が装着された加熱もしくは被冷却物の冷却に用いる加熱・冷却用熱盤において、
前記金属板の側面に、前記パイプ要素の配管経路に沿って、その開口幅(W)がパイプ要素が挿入可能な溝幅を有すると共に、パイプ要素が一部突出状に収納される溝部が備えられ、該溝部にパイプ要素が前記一部突出状で収納された状態でのプレスにより、パイプ要素の前記一部突出状の部分が溝部内に圧入されると共に、前記プレスによって形成された潰された突状部で、溝部内にパイプ要素が抜止め状態で保持されて前記パイプ要素の一部が露出した被加熱物の加熱もしくは被冷却物の冷却に用いる加熱・冷却用熱盤。」
(2-1)刊行物2
本願の出願前に頒布された、特開平9-271863号公報(以下、「刊行物2」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(き)「【請求項1】 接合される2つの独立した押し出し材の双方の接合面にどちらか一方がまたは双方が角度を備えた部分を有する複数の凹凸条部と内面に複数の小突起を備えた溝を設け、一方の押し出し材に形成された凹凸条部を対応する他方の凸凹条部への圧入による2つの押し出し材の締結時に、前記押し出し材の溝に挟んだ物体の外側表面に前記押し出し材に形成されてる小突起を塑性変形にて形成させること特徴とする押し出し材同志の結合方法。
【請求項2】 前記請求項1にて接合される2つの独立した押し出し材を発熱素子取り付け面とし、これに挟まれる物体が冷却流体用輸送管であること特徴とする液冷ヒートシンクの組立方法。」
(く)「【発明の属する技術分野】本発明は液冷ヒートシンクの組立方法及び液冷ヒートシンクに関する。」
(け)「【00010】図2は、本発明の液冷ヒートシンクの組立前を表している、押し出し材などによって作られた発熱素子を取り付けるベース2及び2aの冷却流体輸送用パイプと勘合する2及び2aの溝部分には小突起3aが設けられている、また2及び2aには一方に勘合用凹条突起4aと対応する凸条部4が設けられており、圧力によって凸条部4と対応する凹条部4aが勘合する際、間に差し込まれた冷却流体輸送パイプ3の表面に2及び2a上の小突起3aに対応する突起が、刻み込まれる。」
(こ)「【00012】図4は、2つのベース板2及び2aと冷却流体輸送パイプ3の勘合後の部分拡大図である、冷却流体郵送パイプの表面には、2及び2aに付けられた小突起が圧力により刻み込まれるのと同時に2及び2aが勘合される為、ベース板2及び2a及びパイプ3の結合力及び接触面積が増大して冷却効率の良い液冷ヒートシンクを制作できる。」
(3)対比
そこで、本願発明1と刊行物1に記載されている発明とを対比すると、その意味、機能または構造からみて、後者の「金属板」は前者の「伝熱部材」に相当し、以下同様に「パイプ要素」は「冷媒パイプ」に、「溝部」は「パイプ収納溝」に、「プレス」は「プレス加工」に相当する。
刊行物1に記載されている発明の「潰された突状部」は、図3に示されるように溝部の両側で溝部に沿って突出させた突状部をプレスにより潰されることでパイプ要素の出口の両端部を塞ぐものでありパイプ要素の抜け止めの作用を有するものであるから、本願発明1の「プレス加工によって形成された抜け止め部材」に相当する。
また、刊行物1の上記記載事項(か)、図3及び図4を参酌すると、パイプ要素が溝部内に圧入されることで、図3に示されるようにパイプ要素が溝部に対して挿入可能な状態から図4に示されるようにパイプ要素がプレスされて扁平な露出部を形成すると同時にパイプ要素が溝部に密着する変化を遂げていることが把握できるので、刊行物1に記載されている発明のパイプ要素もプレス時には、溝部内面に密着状となる塑性変形状態とされたものと認められる。よって、刊行物1に記載されている発明の「パイプ要素が前記一部突出状で収納された状態でのプレスにより、パイプ要素の前記一部突出状の部分が溝部内に圧入される」は、本願発明1の「該パイプ収納溝に冷媒パイプが前記一部突出状で収納された状態でのプレス加工により、冷媒パイプの前記一部突出状の部分がパイプ収納溝内に押し込まれてパイプ収納溝内面に冷媒パイプが密着状となる塑性変形状態とされる」に相当する。
また、刊行物1に記載されている発明の「被加熱物の加熱もしくは被冷却物の冷却に用いる加熱・冷却用熱盤」は「被冷却物の冷却に用いる冷却用熱盤」を含むものであるから本願発明1の「放熱器」に相当する。
そうすると、両者は本願発明1の用語を用いて表現すると、次の点で一致する。
[一致点]
「伝熱部材(2)に冷媒流路となる金属製の冷媒パイプ(3)が装着された放熱器において、
前記伝熱部材(2)の側面に、前記冷媒パイプ(3)の配管経路に沿って、その開口幅(W)が冷媒パイプ(3)が挿入可能な溝幅を有すると共に、冷媒パイプ(3)が一部突出状に収納されるパイプ収納溝(22)が備えられ、該パイプ収納溝(22)に冷媒パイプ(3)が前記一部突出状で収納された状態でのプレス加工により、冷媒パイプ(3)の前記一部突出状の部分がパイプ収納溝(22)内に押し込まれてパイプ収納溝(22)内面に冷媒パイプ(3)が密着状となる塑性変形状態とされると共に、前記プレス加工によって形成された抜止め手段(23,31)で、パイプ収納溝(22)内に冷媒パイプ(3)が抜止め状態で保持されて前記冷媒パイプ(3)の一部が露出する放熱器」
そして、両者は次の点で相違する。
[相違点]
本願発明1は、「前記抜止め手段(23,31)は、前記パイプ収納溝(22)の側壁面に形成された抜止め溝部(23)と、前記冷媒パイプ(3)の塑性変形により抜止め溝部(23)に侵入した塑性変形侵入部(31)とからなる」のに対し、刊行物1に記載されている発明では、プレスによって形成された潰された突状部で、パイプ要素が溝部内に抜止め状態で保持される構造である点

(4)判断
上記相違点について検討する。
刊行物2には、記載事項(き)?(こ)及び図面からみて、「ベース板の内面に複数の小突起を備えた溝を設け、2つのベース板の締結時に、前記ベース板の溝に挟んだ、銅などから作られている冷却流体用輸送管の外側表面に前記ベース板に形成されてる小突起に対応する突起を、2つのベース板の締結時の圧力により塑性変形により刻み込ますことで、ベース板及びパイプの結合力を増大させる」という発明が記載されている。
ここで、刊行物2に記載されている発明の「ベース板」は本願発明1の「伝熱部材」に相当し、以下同様に「パイプ」は「冷媒パイプ」に、「溝」は「パイプ収納溝」に相当する。
「小突起に対応する突起」は、刊行物2の記載事項(き)及び(け)並びに図4からみても、ベース板の溝内面の小突起の間の空間に冷却流体用輸送管の表面が塑性変形して突起として該空間内に形成されることを意味するものであり、刊行物2の図4を参酌すれば該「突起」はベース板の溝内面の全体にわたって形成されており、特に2つのベース板との境界線付近に刻み込まれている「突起」はベース板の溝内面の「小突起」の間の空間に入り込んでいる構造上、ベース板に対するパイプの抜け止めの作用を有することは自明なものであるから、刊行物2に記載されている発明の「ベース板の溝内面の小突起の間の空間」は本願発明1の「抜止め溝部」に相当し、刊行物2に記載されている発明の「小突起に対応する突起」は、本願発明1の「塑性変形侵入部」に相当するものである。
刊行物1に記載されている発明の「潰された突状部」も、管と板材とを接合する際、接合時の圧力により金属を塑性変形させて形成される抜止め手段である点では刊行物2に記載されている発明と共通しており、また、板と管との抜止め手段としては様々な形態が考えられるところ、刊行物1に記載されている発明の「抜止め手段」に代えて、放熱器における板と管との接合技術である点で共通する刊行物2に記載されている発明の「ベース板の溝内面の小突起の間の空間に冷却流体用輸送管の表面が塑性変形して突起として該空間内に形成される突起」を採用して本願発明1の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得るものである。
そして、本願発明の奏する作用効果も、刊行物1及び刊行物2に記載されている発明に基づいて当業者が予測できる程度のものである。

なお、審判請求人は、審判請求書の請求の理由において、本願発明は、
「本願における抜止め突部(29)及び塑性変形侵入部(31)は、引用文献3における小突起3a、小突起3aの間、にそれぞれ対応するかのようである。
しかしながら、引用文献3はパイプに勘合する溝を有するベース2,2aでパイプを挟み込むことが前提であって、二つの板材でパイプを保持した場合には、本願請求項1,6に係る発明の冷媒パイプの一部が露出することに対し、パイプは露出しない。
他方、引用文献1ではその突条部11bを潰すため、また引用文献2ではそのヒートパイプ固定部をプレスするため、二つの板材でパイプを保持することはない。
なるほど引用文献1において図5で示された態様において、外側パイプ13及び内側パイプ14は二つの熱板11,21で挟まれている。しかしながら、抜止め手段が施されておらず、突出部25bを加締めることによって固定されるシーズヒータ51は、二つの板材では挟まれていない。
よって二つの板材でパイプを保持する引用文献3から独り小突起3aのみを抽出して引用文献1,2と組合せることは、本願を見て得られる後知恵に基づいた阻害要因の排除であり、進歩性判断の根拠として採用することはできないと思料する。」(「(3)本願発明が特許されるべき理由」「(c)本願請求項1,6にかかる発明と引用文献引用との対比」の項を参照。)と主張する。
出願人の主張しているとおり、抜止め手段を施す際に、刊行物1に記載されている発明ではプレス加工を、刊行物2に記載されている発明では2つの板材の締結により行っている点で相違しているが、板に対して金属材料からなる管に圧力をかけることで金属材料を塑性変形して抜止め手段を形成する点で共通しており、また、刊行物1及び刊行物2に記載されている発明は放熱器における板と管との接合技術である点で共通する技術分野に属するものであるから、刊行物2に記載されている発明の板材と管の接合する手段を抽出して刊行物1に記載されている発明に適用することは当業者であれば容易に想到し得るものである。
よって出願人の主張は認められない。
(5)むすび
したがって、本願発明1は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.結論
以上のとおり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである以上、本願発明2?9について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-08-13 
結審通知日 2012-08-16 
審決日 2012-08-29 
出願番号 特願2007-207682(P2007-207682)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉澤 秀明  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 所村 陽一
冨岡 和人
発明の名称 放熱器  
代理人 吉竹 英俊  
代理人 有田 貴弘  
代理人 福市 朋弘  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ