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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G02F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1265209
審判番号 不服2011-9750  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-05-09 
確定日 2012-10-22 
事件の表示 特願2008-328591「液晶表示装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 4月23日出願公開、特開2009- 86685〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年7月10日に出願した特願2001-209410号の一部を平成19年10月1日に新たな特許出願とした特願2007-258154号の一部をさらに平成20年12月24日に新たな特許出願としたものであって、平成22年10月28日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、平成23年1月4日に意見書が提出されるとともに明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正がなされたが、同年2月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年5月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正がなされたものである(以下、平成23年5月9日になされた手続補正を「本件補正」という。)。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、本願特許請求の範囲の請求項1を
「基板上に塗布した有機膜に有機溶剤を浸透させて溶解を生じさせ有機膜の平坦化を行う方法において、使用する前記有機溶剤の種類の選択と前記有機溶剤の温度と前記基板との温度差設定、すなわち、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させるために、容器に、前記有機溶剤を入れ、前記容器の上に絶縁基板を処理面を裏返しにして蒸気暴露処理する面が前記有機溶剤側に向くように配置させることを特徴とする有機膜の平坦化方法。」と補正することを含むものである(下線は、審決で付した。)。

2 本件補正が新規事項を追加するものであるかについての検討
本件補正後の「容器に、前記有機溶剤を入れ、前記容器の上に絶縁基板を処理面を裏返しにして蒸気暴露処理する面が前記有機溶剤側に向くように配置させる」との事項は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0026】等に記載されていることが認められるが、この事項が「使用する前記有機溶剤の種類の選択と前記有機溶剤の温度と前記基板との温度差設定、すなわち、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させるため」のものである旨の記載は、本願当初明細書等に認められず、本件補正後の「使用する前記有機溶剤の種類の選択と前記有機溶剤の温度と前記基板との温度差設定、すなわち、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させるために、容器に、前記有機溶剤を入れ、前記容器の上に絶縁基板を処理面を裏返しにして蒸気暴露処理する面が前記有機溶剤側に向くように配置させる」との事項は、本願当初明細書等のすべての記載を総合しても導くことができるものではない。

3 むすび
したがって、本件補正は、本願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願について
1 本願特許請求の範囲の記載
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりのもの(平成23年1月4日になされた手続補正後のもの)である。
「基板上に塗布した有機膜に有機溶剤を浸透させて溶解を生じさせ有機膜の平坦化を行う方法において、使用する前記有機溶剤の種類の選択と前記有機溶剤の温度と前記基板との温度差設定、すなわち、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させることを特徴とする有機膜の平坦化方法。」

2 請求項1に係る発明が明確であるかについての検討
本願請求項1には、「有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させる」と記載されているが、本願明細書には、「有機膜の溶解速度を制御させる」ことを説明する記載はもとより、「溶解速度」について言及する記載も認められず、「有機膜の溶解速度を制御させる」ということの技術的意味内容が不明である。
請求人は、平成22年10月28日付け拒絶理由における『請求項1の「有機溶剤の温度と絶縁基板との温度の違いを利用して有機膜の溶解速度を制御する」との事項及び請求項2の「有機溶剤に固有の蒸気圧の違いを利用して有機膜の溶解速度又は溶解深度を制御する」との事項が、それぞれ、どのようなことを表しており、いかなる技術的意義を持つのか、発明の詳細な説明に照らしても理解できない。』との指摘に対し、平成23年1月4日提出の意見書において、『「有機溶剤の温度と絶縁基板との温度の違いを利用して有機膜の溶解速度を制御する」との記載を「使用する前記有機溶剤の種類の選択と前記有機溶剤の温度と前記基板との温度差設定、すなわち、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くすることにより溶解速度を制御させる」ものと補正致しました。本補正により、単に温度差の違いとするのみでなく、「前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が高い設定により前記有機膜の溶解速度を遅く、または、前記有機溶剤の温度に対する前記基板の温度が低い設定により前記有機膜の溶解速度を速くする」という場合分けの条件設定を明らかにしたものであります。本記載によって請求項1は明瞭になったものと思料致します。したがって、請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしたものであります。』と主張しているが、同主張をもって、「有機膜の溶解速度を制御させる」ということの技術的意味内容が明らかになったものとは認められない。
以上のとおりであって、本願特許請求の範囲の記載では、特許を受けようとする発明が明確であるとはいえない。

3 むすび
したがって、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-05-22 
結審通知日 2012-05-25 
審決日 2012-06-08 
出願番号 特願2008-328591(P2008-328591)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (G02F)
P 1 8・ 537- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 右田 昌士  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 岡▲崎▼ 輝雄
江成 克己
発明の名称 液晶表示装置の製造方法  
代理人 吉田 尚美  
代理人 徳本 浩一  
代理人 松島 鉄男  
代理人 田中 祐  
代理人 渡辺 篤司  
代理人 角田 恭子  
代理人 河村 英文  
代理人 奥山 尚一  
代理人 森本 聡二  
代理人 中村 綾子  
代理人 有原 幸一  
代理人 広瀬 幹規  
代理人 深川 英里  

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