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審決分類 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1265263
審判番号 不服2010-4803  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-04 
確定日 2012-10-24 
事件の表示 特願2003-514454「階層的な画像特徴ベースの視覚化方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 1月30日国際公開、WO03/09181、平成17年 8月25日国内公表、特表2005-525606〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 その1.手続の経緯
本願は,2002年7月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2001年7月16日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,
平成16年3月15日付けで特許法第184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出され,平成17年7月11日付けで審査請求がなされる共に手続補正がなされ,平成20年6月19日付けで審査官により最初の拒絶理由が通知され,これに対して同年12月24日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされ,平成21年2月5日付けで審査官により最後の拒絶理由が通知され,これに対して同年8月13日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,同年10月22日付けで審査官により補正却下がなされると共に拒絶査定がなされ,これに対して平成22年3月4日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,同年6月7日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成23年10月12日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋がなされ,平成24年1月16日付けで回答書の提出があったものである。

その2.平成22年3月4日付けの手続補正の却下の決定

結論

平成22年 3月 4日付け手続補正を却下する。

理由

1.補正の内容
平成22年3月4日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成20年12月24日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲は,
「 【請求項1】
一組のデータファイルから,1つのデータファイルを視覚化し,検索する方法であって,該方法における各ステップは,情報処理を行うプロセッサによって実行され,
対応するデータファイルを表わす複数の画像を,それぞれのデータファイル間の第1の距離尺度を用いて表示装置上に表示するステップと,
前記複数の画像の一部を,改善距離尺度を用いて前記表示装置上に再表示するステップと,
少なくとも1つの所望のデータファイルを検索するステップ,マーク付けするステップ,および,選択するステップのうちの少なくとも1つを実行するステップと,
を含み,
前記第1の距離尺度は,
各データファイルに対して,特徴ベクトルを計算するステップと,
前記特徴ベクトルに含まれる第1のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の前記第1の距離尺度を計算するステップと,
によって計算され,
前記改善距離尺度は,
前記第1のサブセットよりも大きい,前記特徴ベクトルに含まれる第2のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の第2の距離尺度を計算するステップ,
によって計算される,方法。
【請求項2】
前記所望のデータファイルが識別可能になるまで,前記再表示するステップを繰り返すステップをさらに含む,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特徴ベクトルを計算するステップが,
前記方法を開始する前に,各データファイルに対して,前記特徴ベクトルを計算するステップと,
各データファイルに対して,前記特徴ベクトルを格納するステップと,
各データファイルに対して,前記特徴ベクトルにアクセスするステップと,
を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特徴ベクトルが,色特徴およびテクスチャ特徴のうちの少なくとも1つを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴ベクトルが,色ヒストグラム,色モーメント,色コヒーレンス・ヒストグラム,多重解像度同時自己回帰(MRSAR)モデル,粗さ,および,方向性のうちの少なくとも1つを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の距離尺度が,表示のため,FastMapを用いてN次元空間にマッピングされ,前記改善距離尺度が,再表示のため,FastMapを用いてN次元空間にマッピングされる,請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のデータファイル間の最大距離にわたる固定目盛を確立するステップと,
前記画像の一部の再表示のために,前記固定目盛上に相対的位置を示し,それにより,基準フレームを前記ユーザに与えるステップと,
をさらに含む,請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表示上の画像の重なり合い量を表わす表示深さ指標を与えるステップと,
スクロールして,前記画像の重なり合いにより以前には表示することができなかった画像を表示するステップと,
をさらに含む,請求項1に記載の方法。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)から,
「 【請求項1】
一組のデータファイルから,1つのデータファイルを視覚化し,検索する方法であって,該方法における各ステップは,情報処理を行うプロセッサによって実行され,
対応するデータファイルを表わす複数の画像を,それぞれのデータファイル間の第1の距離尺度を用いて表示装置上に表示するステップと,
前記複数の画像の一部を,改善距離尺度を用いて前記表示装置上に再表示するステップと,
少なくとも1つの所望のデータファイルを検索するステップ,マーク付けするステップ,および,選択するステップのうちの少なくとも1つを実行するステップと,
を含み,
前記第1の距離尺度は,
各データファイルに対して,特徴ベクトルを計算するステップと,
前記特徴ベクトルに含まれる第1のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の前記第1の距離尺度を計算するステップと,
によって計算され,
前記改善距離尺度は,
前記第1のデータ・サブセットよりも大きい,前記特徴ベクトルに含まれる第2のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の第2の距離尺度を計算するステップ,
によって計算され,
前記方法は,さらに,
前記表示上の画像の重なり合い量を表わす表示深さ指標を与えるステップと,
表示の深さ方向にスクロールして,前記画像の重なり合いにより以前には表示することができなかった画像を表示するステップと,
を含む,方法。
【請求項2】
前記所望のデータファイルが識別可能になるまで,前記再表示するステップを繰り返すステップをさらに含む,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特徴ベクトルを計算するステップが,
前記方法を開始する前に,各データファイルに対して,前記特徴ベクトルを計算するステップと,
各データファイルに対して,前記特徴ベクトルを格納するステップと,
各データファイルに対して,前記特徴ベクトルにアクセスするステップと,
を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特徴ベクトルが,色特徴およびテクスチャ特徴のうちの少なくとも1つを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴ベクトルが,色ヒストグラム,色モーメント,色コヒーレンス・ヒストグラム,多重解像度同時自己回帰(MRSAR)モデル,粗さ,および,方向性のうちの少なくとも1つを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の距離尺度が,表示のため,FastMapを用いてN次元空間にマッピングされ,前記改善距離尺度が,再表示のため,FastMapを用いてN次元空間にマッピングされる,請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のデータファイル間の最大距離にわたる固定目盛を確立するステップと,
前記画像の一部の再表示において,前記固定目盛上に相対的位置標識を提供し,それにより,再表示レベルにおける基準フレームを前記ユーザに与えるステップと,
をさらに含む,請求項1に記載の方法。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。

2.補正の適否
2-1.新規事項
本件手続補正は,その内容から,平成16年3月15日付けで提出された明細書,請求の範囲の日本語による翻訳文,及び,国際出願の願書に添付された図面(以下,これを「当初明細書等」という)の範囲内でなされたものであるから,平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第3項の規定を満たすものである。

2-2.目的要件
次に,本件手続補正が,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正が,特許法第17条の2第4項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。

本件手続補正によって,補正前の請求項1に記載された構成において,
「距離尺度を用いて表示画面上に表示するステップ」,「改善処理尺度を用いて表示画面上に再表示するステップ」,「所望のデータファイルを検索するステップ,データファイルをマーク付けするステップ,データファイルを選択するステップのうち少なくとも1つを実行するステップ」,「特徴ベクトルを計算するステップ」,「第1の距離尺度を計算するステップ」,及び,「第2の距離尺度を計算するステップ」という各「ステップ」に加えて,
「表示上の画像の重なり合い量を表わす表示深さ指標を与えるステップ」と,「表示の深さ方向にスクロールして,画像の重なり合いにより以前には表示することができなかった画像を表示するステップ」という,新たな2つの「ステップ」を加えるものである。
ここで,上記引用の付加された内容は,補正前の請求項8に記載された内容と同等であるから,
本件手続補正が,補正前の請求項1を削除し,請求項8を新たな請求項1としたものとすると,補正前の請求項8は,補正前の請求項1のみを引用し,補正前の請求項2乃至請求項7は,何れも,補正前の請求項1のみを引用するものであるから,補正後の請求項において,補正前の請求項8を新たな請求項1としたものを,補正後の請求項2乃至請求項7を引用するという関係を含む補正内容は,請求項の削除に該当しないことは明らかである。
更に,上記引用の本件手続補正によって新たに加えられる2つのステップは,その記載内容から,補正前の請求項1記載に記載された上記引用の,どのステップを詳細に説明する内容のものでもなく,また,前記どのステップのサブステップに相当するものでもないことは明らかである。
したがって,本件手続補正は,特許請求の範囲の減縮を目的としたものでないことも,明らかである。
また,原審拒絶理由においては,補正前の請求項1に記載の内容について,明りょうでない旨の指摘はしていないので,本件手続補正が,明りょうでない記載の釈明に相当しないことも明らかである。
そして,本件手続補正が,誤記の訂正でないことも明らかである。
以上検討したことから,本件手続補正は,特許法第17条の2第4項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れを目的としたものでない。
よって,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定に違反する。

2-3.独立特許要件
上記2-2.において検討したように,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるが,
仮に,本件手続補正が,適法に行われたものであるとして,本件手続補正が,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定を満たすものであるか否か,即ち,補正後の請求項に係る発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて,以下に検討する。

(1)補正後の発明
補正後の請求項1に係る発明(以下,「補正後の発明」という)は,上記において,補正後の請求項1として引用した記載のとおりのものである。

(2)引用刊行物に記載の発明
一方,原審が平成21年2月5日付けの拒絶理由(以下,「原審拒絶理由」という)で引用した,本願の第1国出願前に既に公知である,「RUBNER, Yossi, “Perceptual Metrics for Image Database Navigation,” [online], Ph.D Thesis, Stanford University, 1999, [retrieved on 2008-06-18], Retrieved from the Internet:, pp. 113 - 127.」(以下,これを「引用刊行物1」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

A.「Chapter 8
Navigation
The MDS-based visualization technique, described in the last chapter, makes it possible to display a large number of images in an intuitive way that allows the user to see at a glance the commonalities is the returned set of images and what part of the display is most relevant. In this chapter, we develop a navigation method based on this display. Once the user points to the region of interest on the display, the system zooms in and finds more images that are similar to the common features of the images in the region. By iterating this refinement process, the user can quickly home in to the relevant parts of the database. We show examples of navigation in a space of color images and in a space of police mugshots.

8.1 Retrieval by Navigation
The discrepancy that results from using syntactic features, such as color and texture, to satisfy semantic queries causes a basic problem with the traditional query/response style of interaction. An overly generic query yields a large jumble of images, which are hard to examine, while an excessively specific query may cause many good images to be overlooked by the system. This is the traditional trade-o between good precision (few false positives) and good recall (few false negatives). Striving for both good precision and good recall may pose an excessive burden on the definition of a “correct” measure of image similarity. While most image retrieval systems recognize this and allow for an iterative re nement of queries, the number of images returned for a query is usually kept low so that the user can examine them, one at a time, in order of similarity to the query.
If, as we showed in Chapter 7, images are arranged on the screen so as to reflect similarities and differences between their feature distributions, the initial queries can be very generic, and return a large number of images. The consequent low initial precision is an advantage rather than a weakness, as it provides a neighborhood of images the user can relate to when refining the query and deciding where to go next. In fact, the user can see large portions of the database at a glance, and form a mental model of what is in it. Rather than following a thin path of images from query to query, as in the traditional approach, the user now zooms in to the images of interest. Precision is added incrementally in subsequent query refinements, and fewer and fewer images need to be displayed as the desired images are approached. This can be envisioned as analogous to visiting a bookstore. Books are shelved according to their subjects, for example, travel-books, cookbooks, poetry, etc. After locating the right section, say cookbooks, the books are again classified into different categories such as vegetarian cooking, baking, etc. The books can be further sorted by title or by author. The last step when searching for a book is to scan the relevant set of books, one at a time, and find the desired one. After a few visits to the bookstore, a global mental picture of it is formed, with the knowledge of what kinds of books can be found and where to look for them.
When the user selects the region of interest on the display, a new, more specific query is automatically generated, reflecting the common features of the images in the selected set. A new set of images is returned and displayed by a new MDS, which now reflects the new dominant axes of variation. By iterating this process, the user is able to quickly navigate to the portion of the image space of interest, typically in very few mouse clicks.
This navigation scheme can be categorized as a relevance feedback system [81, 59, 92] where retrieval is guided by feedback from the user, who marks relevant and nonrelevant images. A major difference from other relevance feedback systems is that in our navigation approach, the relevant images are likely to be displayed close to each other, and far from ones which are completely irrelevant. This makes the selection of the relevant set easier and more intuitive, as the user naturally moves his focus to relevant parts of the display, while in the other methods the user needs to scan the list of images, one at a time, and decide whether it is relevant or not.
We propose a navigation scheme in which the user starts by specifying a generic query. Using partial queries is encouraged when the user is not confident about certain features by specifying “don't care” rather than guessing. A large set of images is returned and embedded in two-dimensional space using MDS. Once the user selects an area of interest, an appropriate new query is automatically generated and submitted. Now a smaller number of images is returned by the system. The new set of images is not necessarily a subset of the previous set, so images which were not returned by the previous query can still be retrieved at later stages, as the query becomes more precise. A new MDS display is shown, with new axes of variation based on the new image set.
To generate the new query, our user interface allows the user to select from the MDS display images that will be used to form the next query. The selection can consist of one or multiple regions. The signatures of the selected k images are combined to generate a signature that will be used as the next query. We want the new signature to reflect features which are common in these images, and ignore the others by using “don't care.” This is done by representing the clusters of all the signatures in the return set as points in the feature space and finding the dominant clusters in that space. We use a similar clustering algorithm as the one that was used in Section 4.2 to generate the color signatures.・・・・(中略)・・・・ Each new cluster is assigned a weight that is the median of the weights of the points in that cluster. We use the median instead of the mean for robustness with respect to points that have very different weights. Finally, we normalize the resulting signature by dividing the weights of the clusters by the number of points that contributed to it. If the total weight of the signature is now greater than 100%, we normalize it again. Usually, however, the total weight of the signature will be less than 100%, so the reminder is marked “don't care.”

8.2 An Example
An example of retrieval by navigation using color signatures is given in Figures 8.1 and 8.2. Suppose we are looking for images of skiers. These images can be characterized by blue skies and white snow, so we use as our query “20% blue, 20% white and 60% 'don't care'.” The query is illustrated in Figure 8.1(a). Since this is a generic query, the precision is bound to be low as confirmed by the list of ten images in Figure 8.1(b). Only one of the ten images is relevant (although the color signatures of the others matches the query well), and, in general, consecutive images in the list can be very different from each other. Figure 8.1(c) displays the MDS embedding of the best one hundred matches. Although a large number of images is displayed, it is easy to see their structure. Images of underwater scenes are at the left, images with plants are at the top right, and so forth. The desired images of skiers are clearly at the right. At this point the user selects, with the mouse, the relevant region as shown by the black ellipse in Figure 8.1(c). The new generated query, illustrated in Figure 8.2(a), resulted in the images shown in Figures 8.2(b)-(c). Note that blue and white are the dominant colors in the images of the skiers, although not the same shades as specified in the original query. The precision was significantly improved, and nine out of the ten best matches are now images of skiers. Figure 8.2(c) shows the MDS embedding of the best twenty matches; the axes of maximal variation are the amount of blue and the brightness. Images with more blue are at the top of the display, while brighter ones are at the right.」<113頁1行?116頁21行>
(8章
ナビゲーション
前章において述べた,MDSを基礎とした視覚化方法は,直感的な方法で,大量の画像を表示することを可能とし,それは,共通点は,回答された画像であること,及び,最も関連している部分なんであるかを,ユーザが一瞥して理解することを許すものである。この章では,この表示を基礎としたナビゲーション方法を発展させる。ユーザが,ひとたび,その表示上で,興味の領域を指し示すと,システムがズーム・インし,その領域内で,それら画像の共通の特徴において類似しているより多くの画像を見つけ出す。この微調整の過程を繰り返すことで,ユーザは,素速く,データベースの関連する部分へ,たどり着くことができる。カラー画像と,警察の容疑者の顔写真におけるナビゲーションの例を示す。

8.1 ナビゲーションによる検索
意味の問い合わせを満たすために,例えば,色と質感などの,統語的な特徴を用いることに起因する不一致は,従来の質問・応答の対話形式における基本的な問題によるものである。あまりにも一般的な質問は,画像の大きな寄せ集めを生じさせ,それは,調べることが困難であり,その上,過度に特殊な質問が,多くの良い画像が,システムによって見落とされることを引き起こす。これは,良い正確さ(誤検出の少なさ)と,良い再現率(検出漏れの少なさ)との間の,従来のトレードオフである。良い正確さと,良い再現率の両方を得ようと努力することは,画像類似の“正しい”尺度の定義に対して,過度の負担を突きつける。ほとんどの画像検索システムが,このことを認め,インタラクティブな質問の微調整を考慮している間は,質問のために回答される画像の数は,低く保たれ,そのため,ユーザは,質問の類似の順に,一つずつ,それらを調べることができる。
もし,7章で示したように,画像を,それらの特徴の分布の間の,類似性と相違の程度を示すこととなるようにスクリーン上に配置するとすれば,最初の質問は,非常に一般的となり,多数の画像が回答される。結果として生じる,低い正確さは,それが,ユーザが,何時,質問の修正を行うかに,及び,次に何処へ行くかを決定することに,関わることができる画像の区域を提供しているように,弱点というよりは,むしろ,利点である。実際,ユーザは,一瞥で,データベースの広い部分を見ることが可能であり,その中にあるものの精神的なモデルを形成することができる。従来のやり方として,質問から質問へ,細い道をたどるよりは,むしろ,ユーザは,今,興味の画像へとズーム・インする。正確さは,連続的な質問の修正において,徐々に加えられ,要求された画像に似ているものとして,表示されるために必要な画像は,段々少なくなる。これは,書店を訪れることに類似するものとして想像することができる。本は,例えば,旅行本,料理本,詩集などと,それらの主題にしたがって,棚に並べられている。料理本といった,正しいセクションを見つけると,それらの本は,菜食主義者の料理,パンを焼くこと等といった,異なるカテゴリに,再び分類される。それらの本は,題名や,作家によっても,分類され得る。本を探索する場合の最後のステップは,ひとつずつ本の適切なセットを調べ,希望の1つを見つけることだ。数回の書店訪問の後,どのような本が見い出され,それをどこで探すかといった知識とともに,それの全般的な,精神的なモデルが,形成される。
ユーザが,表示上の興味の領域を選択したとき,新しい,選択されたセットにおいて,画像の共通する特徴を示している,より詳しい質問が,自動的に生成される。画像の新しいセットは,新しい変位の主要な軸が,今,示している,新しいMDSによって,回答され,表示される。この過程の繰り返しによって,ユーザは,一般的には,非常に少ない,マウス・クリックの回数で,興味の画像空間の,その部分に,速やかにナビケートすることが可能である。
このナビゲーション・スキームは,関連のある,及び,関連のない画像をマークするような,ユーザからのフィードバックによって,検索が導かれるような,関連性フィードバックシステム[81,59,92]として,分類される。他の関連性フィードバックとの大きな違いは,ナビゲーション・アプローチにおいては,関連ある画像が,互いに,近接表示され,完全に関連しないものは,それらから,離れて表示され得ることである。他の方法においては,ユーザが,1つずつ,イメージのリストを調べ,それが関連するかどうかを決定する必要があるのだか,これは,ユーザが,自然に,表示の関連する部分に,ユーザの焦点を動かすように,より簡単に,そして,より直感的に関連するセットの選択を行う。
我々は,ユーザが,それにおいて,一般的な質問を規定することで開始する,ナビゲーション・スキームを提案する。部分的な質問を用いることは,ユーザが,推察するよりも,むしろ,“無関係”と明確にすることによって,明白な特徴について自身がないときに,推奨される。画像の大きなセットが回答され,MDSを用いて,二次元空間に組み込まれる。ユーザが,興味の領域を選択した時点で,適切な新しい質問が,自動的に生成され,提示される。今,システムにとって,より小さな数の画像が,回答される。その新しい画像のセットは,必ずしも,前のセットのサブセットではない。そのため,前の質問によって,回答された画像が,その質問が,より的確になると,後のステージでも,また,検索されることが可能である。新しいMDS表示は,新しい画像のセットに基づく,新しい変数の軸によって,表現される。
新しい質問を生成するために,我々のユーザ・インタフェースは,次の質問を形成するために用いられるMDS表示画像から,選択することを,ユーザに許す。その選択は,1つ,或いは,複数の領域から構成され得る。選択されたk個の画像のシグネチャは,次の質問として用いられるシグネチャを生成するために,結合される。我々は,その新しいシグネチャが,これらの画像において共通である特徴を示すことを望み,その他は,“無関係”として無視する。これは,特徴空間の点として,回答されたセットにおける全てのシグネチャの集団を示すこと,及び,その空間から,主要な集団を見つけ出すことによってなされる。4.2節で,色シグネチャを生成するために用いたものと類似の,クラスタリング・アルゴリズムを用いる。・・・・(中略)・・・・それぞれの,新しい集団は,それらの集団における,点の重みの平均を重みとして割り当てられる。我々は,非常に異なった重みを持つ点についてのロバスト性のための手段に代えて,平均を用いる。最後に,それに貢献した点の数によって,数段の重みを割ることで,結果であるシグネチャを正規化する。もしシグネチャの重みの合計が,100%より大きければ,再び正規化を行う。しかしながら,普通は,シグネチャの重みの合計は,100%より小さい,それ故,残りは,“無関係”とマークされる。

8.2 例
色シグネチャを用いるナビゲーションによる検索の例が,図8.1,及び,図8.2に与えられている。スキーヤーの画像を探し出すことを仮定する。これらの画像は,青い空と,白い雪によって特徴付けられることが可能であるので,質問として,20%青,20%白,60%は“無関係”を用いる。質問は,図8.1(a)に説明される。これは,一般的な質問であるから,図8.1(b)における,10の画像のリストによって,確かめられる,低いものに押さえられる。10の画像の1つのみが,関連している(しかしながら,他の色シグネチャは,質問によくマッチしている),そして,普通,リスト内の連続的な画像は,互いに非常に異なることがあり得る。図8.1(c)は,よく一致した100が割り付けられたMDSを表示する。多数の画像が表示されていても,それらの構造を見ることは簡単である。水面下の光景の画像は左に,植物との画像は右上,など。所望の,スキーヤーの画像は,明らかに右側である。この場所で,ユーザが,図8.1(c)において,黒の楕円によって表現されたところの,関連する領域を,マウスを用いて選択する。図8.2(a)に説明された,新しく生成された質問は,図8.2(b)?(c)に表現される画像という結果となった。青と白は,スキーヤーの画像における,主要な色であるが,しかしながら,最初の質問において規定されているように,同一の色調ではないことに注意する。正確さは,かなり良くなって,今,ベストマッチの9割がたは,スキーヤーの画像である。図8.2(c)は,最もよく一致している20の画像が割り付けられたMDSを表現している;最大の変数の軸は,青さと輝度の量である。より青い画像は表示の上のほうで,白く,より輝く画像は,右のほうである。<当審にて訳出>)

(あ)上記Aの「 Once the user points to the region of interest on the display, the system zooms in and finds more images that are similar to the common features of the images in the region. (ユーザが,ひとたび,その表示上で,興味の領域を指し示すと,システムがズーム・インし,その領域内で,それら画像の共通の特徴において類似しているより多くの画像を見つけ出す。)」という記載から,
引用刊行物には、「画像を見つけ出す」,即ち,“画像検索”に関する技術が記載されていることが読み取れ,また,上記引用の記載から,引用刊行物に記載の“画像検索”において,該「画像」は,「表示」されているのであるから,“視覚化”されていることは明らかである。

(い)上記Aの「If, as we showed in Chapter 7, images are arranged on the screen so as to reflect similarities and differences between their feature distributions, the initial queries can be very generic, and return a large number of images. (もし,7章で示したように,画像を,それらの特徴の分布の間の,類似性と相違の程度を示すこととなるようにスクリーン上に配置するとすれば,最初の質問は,非常に一般的となり,多数の画像が回答される。)」という記載と,上記(あ)で指摘の事項から,
引用刊行物には,“画像を,それらの特徴の分布の間の,類似性と相違の程度を示すこととなるようにスクリーン上に表示する”ことが記載されていると読み取れる。

(う)上記Aの「When the user selects the region of interest on the display, a new, more specific query is automatically generated, reflecting the common features of the images in the selected set. A new set of images is returned and displayed by a new MDS, which now reflects the new dominant axes of variation. (ユーザが,表示上の興味の領域を選択したとき,新しい,選択されたセットにおいて,画像の共通する特徴を示している,より詳しい質問が,自動的に生成される。画像の新しいセットは,新しい変位の主要な軸が,今,示している,新しいMDSによって,回答され,表示される。)」という記載,及び,
上記Aの「A large set of images is returned and embedded in two-dimensional space using MDS. Once the user selects an area of interest, an appropriate new query is automatically generated and submitted. Now a smaller number of images is returned by the system.(画像の大きなセットが回答され,MDSを用いて,二次元空間に組み込まれる。ユーザが,興味の領域を選択した時点で,適切な新しい質問が,自動的に生成され,提示される。今,システムにとって,より小さな数の画像が,回答される。)」という記載から,
引用刊行物には,
“新しい質問によって,より小さな数の新しい画像のセットが表示される”ことが記載されていると読み取れ,上記引用の記載から,前の表示を更新して行われるものであることは明らかであるから,当該“新しいセットの表示”は,“再表示”を意味することも,引用刊行物に記載の事項から読み取れ,また,上記引用の記載から,引用刊行物に記載された検索は,「システム」によって実行されることは明らかである。

(え)上記Aの「This navigation scheme can be categorized as a relevance feedback system [81, 59, 92] where retrieval is guided by feedback from the user, who marks relevant and nonrelevant images.(このナビゲーション・スキームは,関連のある,及び,関連のない画像をマークするような,ユーザからのフィードバックによって,検索が導かれるような,関連性フィードバックシステム[81,59,92]として,分類される。)」という記載から,
引用刊行物には,“検索において,画像にマークする”過程が含まれることが記載されていると読み取れ,
また,上記Aの「An example of retrieval by navigation using color signatures is given in Figures 8.1 and 8.2. Suppose we are looking for images of skiers. These images can be characterized by blue skies and white snow, so we use as our query “20% blue, 20% white and 60% 'don't care'.”(色シグネチャを用いるナビゲーションによる検索の例が,図8.1,及び,図8.2に与えられている。スキーヤーの画像を探し出すことを仮定する。これらの画像は,青い空と,白い雪によって特徴付けられることが可能であるので,質問として,20%青,20%白,60%は“無関係”を用いる。)」
という記載から,
引用刊行物には,“画像を,色の特徴量を用いる最初の質問によって,検索する”例が記載されていることが読み取れ,
上記Aの「 Figure 8.1(c) displays the MDS embedding of the best one hundred matches. Although a large number of images is displayed, it is easy to see their structure. Images of underwater scenes are at the left, images with plants are at the top right, and so forth. The desired images of skiers are clearly at the right. At this point the user selects, with the mouse, the relevant region as shown by the black ellipse in Figure 8.1(c).(図8.1(c)は,よく一致した100が割り付けられたMDSを表示する。多数の画像が表示されていても,それらの構造を見ることは簡単である。水面下の光景の画像は左に,植物との画像は右上,など。所望の,スキーヤーの画像は,明らかに右側である。この場所で,ユーザが,図8.1(c)において,黒の楕円によって表現されたところの,関連する領域を,マウスを用いて選択する。)」という記載から,
引用刊行物には,“画像を検索し,多数の画像が表示されている表示上の関連する領域を選択する”操作が記載されていることが読み取れる。

(お)上記(い)で引用した上記Aの記載から,
引用刊行物には,“質問が,画像の類似性と相違の程度によって生成される”こと記載されていると読み取れ,
また,上記Aの「To generate the new query, our user interface allows the user to select from the MDS display images that will be used to form the next query. The selection can consist of one or multiple regions. The signatures of the selected k images are combined to generate a signature that will be used as the next query.(新しい質問を生成するために,我々のユーザ・インタフェースは,次の質問を形成するために用いられるMDS表示画像から,選択することを,ユーザに許す。その選択は,1つ,或いは,複数の領域から構成され得る。選択されたk個の画像のシグネチャは,次の質問として用いられるシグネチャを生成するために,結合される。)」という記載,並びに,上記(う),及び,(え)で引用した上記Aの記載から,
引用発明には,“最初の質問によって得られたMDSに表示されている画像のシグネチャを用いて,新しい質問を生成する”ことが読み取れ「シグネチャ(signature)」とは,“特徴”とも日本語訳されることを勘案すると,
引用発明には,“最初の質問によって得られたMDSに表示されている画像の特徴を用いて,新しい質問を生成する”ことが記載されていると読み取れる。

(か)上記Aの「the relevant images are likely to be displayed close to each other, and far from ones which are completely irrelevant.(ナビゲーション・アプローチにおいては,関連ある画像が,互いに,近接表示され,完全に関連しないものは,それらから,離れて表示され得ることである。)」という記載と,上記(い),及び,(お)で検討した事項から,
引用刊行物には,“質問に含まれる,画像の類似性と相違の程度について,画像が類似しているもの,相違の程度の低いものは近くに表示され,非類似のもの,相違の程度の高いものは離れて表示される”ものであることが記載されていると読み取れる。

(き)上記Aの「the user now zooms in to the images of interest. Precision is added incrementally in subsequent query refinements, and fewer and fewer images need to be displayed as the desired images are approached.(ユーザは,今,興味の画像へとズーム・インする。正確さは,連続的な質問の修正において,徐々に加えられ,要求された画像に似ているものとして,表示されるために必要な画像は,段々少なくなる。)」という記載,及び,上記(あ)?(お)で検討した事項から,
引用刊行物に記載された検索においても,最終的に1枚の画像のみを表示すること,即ち,所望の1枚の画像を検索し得ることは,明らかである。

よって,上記(あ)?(き)で検討した事項から,引用刊行物には,次の発明(以下,「引用発明」という)が記載されているものと認める。

複数の画像を視覚化し,所望の画像を検索する方法であって,
該方法はシステムによって実行され,
複数の画像を,最初の質問によって,画像が類似しているもの,相違の程度の低いものは近くに表示され,非類似のもの,相違の程度の高いものは離れて表示されるよう表示し,
新しい質問によって,前記複数の画像を再表示し,
前記システムによって実行される方法は,所望の画像を検索し,マークし,選択することを含み,
前記最初の質問は,複数の画像の類似性と相違の程度によって生成され,
前記新しい質問は,最初の質問によって表示された画像の特徴から生成されるものである
方法。

(3)補正後の発明と引用発明との対比
次に,補正後の発明と引用発明との対比を行う。

イ.引用発明において検索を行うシステムが,当該検索処理を行うプロセッサを有する態様を含むこと,引用発明において検索される画像が,当該検索を行うシステム内において,ファイルとして扱われる態様を含むことは,引用発明の技術が属する技術分野の技術常識を勘案すれば明らかであから,引用発明における「複数の画像」は,「複数の画像ファイル」という態様を含むものであり,上記(2)(き)で指摘したように,引用発明における「検索」は,“所望の一枚の画像を検索する”態様を含むものであるから,
引用発明における「複数の画像を視覚化し,所望の画像を検索する方法」が,
補正後の発明における「一組のデータファイルから,1つのデータファイルを視覚化し,検索する方法」に相当し,
引用発明における「方法はシステムによって実行され」が,
補正後の発明における「情報処理を行うプロセッサによって実行され」に相当する。
ロ.引用発明における「最初の質問」によって,「画像が類似しているもの,相違の程度の低いものは近くに表示され,非類似のもの,相違の程度の高いものは離れて表示される」ことになることから,「最初の質問」は,「画像」同士の関連性を“距離尺度”で表すものであることは明らかであり,
引用発明における「最初の質問」が,補正後の発明における「第1の距離尺度」に相当し,引用発明においても,「画像」が「表示装置」に表示される態様を含むことは明らかであるから,
引用発明における「複数の画像を,最初の質問によって,画像が類似しているもの,相違の程度の低いものは近くに表示され,非類似のもの,相違の程度の高いものは離れて表示されるよう表示し」が,
補正後の発明における「対応するデータファイルを表わす複数の画像を,それぞれのデータファイル間の第1の距離尺度を用いて表示装置上に表示する」に相当する。
ハ.上記ロに検討した事項から,引用発明における「新しい質問」も,新たに表示される画像間の“距離尺度”を表現するものであることは明らかであるから,
引用発明における「新しい質問によって,前記複数の画像を再表示し」と,
補正後の発明における「前記複数の画像の一部を,改善距離尺度を用いて前記表示装置上に再表示する」とは,
“複数の画像を,新しい距離尺度を用いて表示装置上に再表示する”点で共通する。
ニ.引用発明における「システムによって実行される方法は,所望の画像を検索し,マークし,選択することを含」むことと,
補正後の発明における「少なくとも1つの所望のデータファイルを検索するステップ,マーク付けするステップ,および,選択するステップのうちの少なくとも1つを実行する」こととは,
“少なくとも1つの所望のデータファイルを検索すること,マーク付けすること,及び選択すること,を実行する”点で共通する。
ホ.引用発明においても,「最初の質問」は,「複数の画像の類似性と相違の程度によって生成され」るものであり,上記(2)(え)において指摘したように,「画像」の「特徴」に関するものであって,当該「画像」の「特徴」から“導き出される”ものであるから,
引用発明における「前記最初の質問は,複数の画像の類似性と相違の程度によって生成され」ることと,
補正後の発明における「前記第1の距離尺度は,各データファイルに対して,特徴ベクトルを計算するステップと,前記特徴ベクトルに含まれる第1のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の前記第1の距離尺度を計算する」こととは,
“第1の距離尺度は,画像ファイルの特徴から導き出される”点で共通する。
ヘ.引用発明における「新しい質問」は,「最初の質問」の結果で「表示された画像の特徴から生成」される,即ち,「最初の質問」に関連して導き出されるものであるから,
引用発明における「前記新しい質問は,最初の質問によって表示された画像の特徴から生成されるものである」と,
補正後の発明における「前記改善距離尺度は,前記第1のデータ・サブセットよりも大きい,前記特徴ベクトルに含まれる第2のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の第2の距離尺度を計算するステップ,によって計算され」るとは,
“新しい距離尺度が,第1の距離尺度に関連して導き出される”ことである点で共通し,
引用発明における「?実行され」,「?表示し」,「?再表示し」といった一連の過程が,“ステップ”として表現できることは明らかである。
上記イ?へで検討した事項より,補正後の発明と引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
一組のデータファイルから,1つのデータファイルを視覚化し,検索する方法であって,
該方法における各ステップは,情報処理を行うプロセッサによって実行され,
対応するデータファイルを表わす複数の画像を,それぞれのデータファイル間の第1の距離尺度を用いて表示装置上に表示するステップと,
複数の画像を,新しい距離尺度を用いて表示装置上に再表示するステップと,
少なくとも1つの所望のデータファイルを検索すること,マーク付けすること,及び選択すること,を実行するステップと,
を含み,
前記第1の距離尺度は,画像ファイルの特徴から導き出され,
前記新しい距離尺度が,第1の距離尺度に関連して導き出される
方法。

[相違点1]
“複数の画像を,新しい距離尺度を用いて表示装置上に再表示するステップ”が,
補正後の発明においては,
「複数の画像の一部」を「再表示」するものであるのに対して,
引用発明においては,
前記「再表示」が,「最初の質問」によって得られた「複数の画像」の「一部」であるか明確に示されていない点。

[相違点2]
“少なくとも1つの所望のデータファイルを検索すること,マーク付けすること,及び選択すること,を実行するステップ”が,
補正後の発明においては,「検索すること」,「マーク付けすること」,「選択すること」の「うちの少なくとも1つを実行する」ものであるのに対して,
引用発明においては,「少なくとも1つの実行する」という態様を含むものであるか,明確でない点。

[相違点3]
“前記第1の距離尺度は,画像ファイルの特徴から導き出され”ることに関して,
補正後の発明においては,「第1の距離尺度」は,
「各データファイルに対して,特徴ベクトルを計算するステップと,前記特徴ベクトルに含まれる第1のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の前記第1の距離尺度を計算するステップと,よって計算され」るのに対して,
引用発明には,上記2つのステップに相当する計算を行っているか明確でない点。

[相違点4]
“前記新しい距離尺度が,第1の距離尺度に関連して導き出される”点に関して,
補正後の発明においては,“新しい距離尺度”である,「改善距離尺度」は,
「前記第1のデータ・サブセットよりも大きい,前記特徴ベクトルに含まれる第2のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の第2の距離尺度を計算するステップによって計算され」るのに対して,
引用発明においては,上記のような計算を行っているか明確でない点。

[相違点5]
補正後の発明は,
「前記表示上の画像の重なり合い量を表わす表示深さ指標を与えるステップと,
表示の深さ方向にスクロールして,前記画像の重なり合いにより以前には表示することができなかった画像を表示するステップと,を含む」ものであるのに対して,
引用発明においては,上記のステップを含むか明確でない点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討する。

[相違点1]について,
検索において,1次検索を行った後,当該1次検索の結果に対して,更に,2次検索を行って,検索結果を絞り込む処理は,当業者にとって周知の検索手法である。
引用発明においても,上記Aに「例」として引用した記載中の図8.1(c),及び,図8.2(c)に関連する記載と,当該図8.1(c),及び,図8.2(c)とを参照すると,図8.1(c)に表示された画像の一部に対して,「新しい質問」によって,図8.2(c)を再表示している。
以上から,引用発明において,複数の画像の一部に対して,新しい質問を用いて再表示を行うことは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,相違点1は,格別のものでない。

[相違点2]について,
引用発明においても,「システム」が,“画像の検索”,“マーク付け”,及び,“選択”のうち,少なくとも1つを実行するよう構成し得ることは,当業者にとって自明の事項である。
よって,相違点2は,格別のものでない。

[相違点3],及び,[相違点4]について,
原審拒絶理由で引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,「ゴー ホック-チュー、吉田 俊之、酒井 善則、「階層化構造を持った色 情報に基づいた画像検索法」、電子情報通信学会技術研究報告、画像工学 IE96-109?122、社団法人電子情報通信学会、1997年02月03日、第96巻 第507号、pp.45?52.」(以下,これを「引用刊行物2」という)に,

B.「第1層では、まず13個の色代表値に対し、13×14/2通りの組合せの色対を3章と同様な方法により求め、さらにこれを発生頻度順に並べ換えた「色対ヒストグラム」を得る。色対ヒストグラムは91次元のベクトルで、キー画像とデータ画像の色対ヒストグラムベクトルをそれぞれx、yとすると、その間の距離(pseudometric)は二次形式
d_(hist)^(2)(x,y)=(x-y)^(t)A(x - y) (2)
により表される[12]。ただし、A=[a_(ij)]はiとjの重み(類似度)で、a_(ij)を正規化し、O≦a_(ij)≦1,a_(ii)=1とする。a_(ij)の値が大きくなるほど、2つのbinの類似度も高くなる。ここで同じく、x、yを正規化して、Σ_(i)x_(i)=Σ_(i)y_(i)=1とする。
例えば、赤-赤・オレンジ-オレンジ・青-青・緑-緑のヒストグラム分布を考えるとき、仮にキー画像xは赤-赤のみの色対より成る画像とすると、X=[1.0,0.0,0.0,0.0]^(T)となる。一方、データ画像y を同様にオレンジ-オレンジのみより成るとすると、y=[0.0,1.0,0.0,0.0]^(T)となるこここで、赤-赤とオレンジ-オレンジ色は80%似ていると仮定すれば、Aは次のように書ける。
・・・・(中略)・・・・
このとき、式(2)より、x, y分布の距離d_(hist)^(2)=0.4となる。しかし、 A=Iのユークリッド距離を用いた場合、赤とオレンジ色は全く異なる色として取り扱われるため、x, y分布の距離は2.0となってしまう。従って、図5の各色相値の境界で一定の重みを行列Aに付ければ、キー画像とデータ画像の類似度をより正確に計算でき、検出もれを防ぐ効果がある。
以上のように式(2)を用いて、d_(hist)^(2)(x,y)がある閾値th_(1)以下の画像データをすべて検索候補として第2層ヘパイプされる。ここでは、th_(1)を0.2、図5における隣合う色相値の類似度、すなわちAの主対角の上下の対角要素を文献[12]に基づき、0.8に設定した。ただしth_(1)は実験に基づき経験的に求めた値を使用している。」

と記載されて,上記Bの記載中の「赤-赤」等が,“ベクトルの要素”に対応するものであることは明らかであるから,上記Bの記載から,複数の段階での画像検索の際に,画像に関するベクトルを求め,該ベクトルの要素について,距離を計算することは,当業者に周知の技術事項である。
そして,新たな検索を行う際に,どのような要素を選択するかを,検索対象によって随意変更し得ることは,当業者にとって自明の事項であって,絞り込んだ候補から,新しい観点で更に検索候補の絞り込みを行う場合に,該観点において,最初は多くの候補がヒットするように,該観点を示すパラメータを大きめに設定することは,検索における常識であるから,
引用発明においても,最初の質問を,画像データからベクトルを求め,該求めたベクトルの要素から距離を計算することで得るようすること,また,新しい質問を生成する際に,前記求めたベクトルの他の要素から計算される距離を用い,該距離の大きいほうから小さい方へ絞り込むように検索をすることは,当業者がが適宜なし得る事項である。
よって,相違点3,及び,相違点4は,格別のものでない。

[相違点5]について,
原審拒絶理由で引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,「FALOUTSOS, Christos and LIN, King-Ip, “FastMap: a fast algorithm for indexing, data-mining and visualization of traditional and multimedia datasets,” In: Proceedings of the 1995 ACM SIGMOD international conference on Management of data, ACM, 1995, ISBN:0-89791-731-6, pp. 163 - 174.」(以下,これを「引用刊行物3」という)に,

C.「2.1 Multi-Dimentional Scaling (MDS)
Multidimentional scaling (MDS) is used to discover the underlying (spatial) structure of a set of data items from the (dis)similarity information among them.There are several variations, but the basic method (eg.,see [29])is described next. Following the ‘distance’ case setting, the method expects (a) a set of N items, (b) their pair-wise (dis)similarities and (c) the desirable dimensionality k.」<165頁右欄9?17行>
(2.1 多次元スケーリング(MDS)
多次元スケーリング(MDS)は,データ・アイテム間の情報の(非)類似性から,一組みのデータ・アイテムの内在する(特別な)構造を,見いだすために用いられる。それらは,幾つかの変形があるが,基本的な手法が(例えば,[29]を参照されたい),次に説明される。‘距離’の場合の設定にしたがって,その手法は,(a)N個のアイテムのセット,(b)それらの対比較の(非)類似性,(c)望ましい次元kを求める。)

と記載されているように,MDSが,多次元のスケーリングであることは,当業者にとって周知の技術事項であって,引用発明も上記Aに引用した記載にあるとおり,MDSに関連するものであり,上記Aの例において参照している図8.1(c),或いは,図8.2(c)において,画像が重なった表現も示されていることかも明らかなように,3次元の深さ方向への表示も意図するものである。
3次元方向に画像が重なっているような環境において,重なった画像を表示可能とする技術である,“ウォークスルー”は,例えば,本願の第1国出願前に既に公知である,「広池 敦、他、「VR空間を用いた画像特徴量空間の可視化-画像データベースの検索・ブラウジングのためのユーザインターフェイス」,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.98 No.275,社団法人電子情報通信学会、1998年09月18日、第98巻 第275号,pp. 17?24.」(以下,これを「周知文献1」という)に,

D.「4 VR版可視化システム
4.1 システム構成
今回のシステムで,ハード面で特に重要なのは,各画像データを表現するためのテクスチュアマッピング機能である.今回,計算機としては; Silicon Graphics社製のOnyx2を用いた.
一方,ソフトウェア的には,システムは,特徴量サーバ,VR空間の表示を行う可視化サーバ,および,検索条件の指定等を行うためクライアントプログラムから構成される.この内)GUI関連の処理が多いクライアントプログラムはJava.で開発した.可視化サーバに関しては】効率的にプロトタイプを開発するために,今回は,ソリッドレイ研究所製の汎用VRシステム「RealMaster」を用いた. これによって3次元表示,ウォークスルー機能,オブジェクトの運動軌道の設定,各種のイベント処理等を容易に実現することができた.」

と記載され,また,同じく,本願の第1国出願前に既に公知である,特開平09-259130号公報(1997年10月3日公開,以下,これを「周知文献2」という)に,

E.「【0006】他方、探索対象である大量の情報について情報間の関係付けを行い、情報間の関係を3次元の情報構造として提示する技術が提案されている(例えば、Information Visualizer:Xerox社)。これによると、3次元の情報構造の中をウオークスルーする様子が画面に表示され、利用者はウオークスルーしながら目的の情報を探索する。」

と記載されているように,当業者とって周知の技術であって,周知文献1,及び,周知文献2は,共に,画像検索,或いは,シンボルを用いた検索に関連するものであるから,
引用発明において,重なっている画像を見ることが可能となるように,上記周知技術を適用することは,当業者が適宜なし得る事項である。
また,その際,重なっている画像について,その関係を示す情報を付与することは,当業者に自明の事項である。
よって,相違点5は,格別のものでない。

上記で検討したごとく,相違点1?5はいずれも格別のものではなく,そして,補正後の発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば当然に予測可能なものに過ぎず格別なものとは認められない。
よって,補正後の発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際特許を受けることができない。

3.補正却下むすび
したがって,本件手続補正は,上記2-2.目的要件において指摘のとおり,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また,本件手続補正が,特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものであったと仮定しても,上記2-3.独立特許要件において指摘のとおり,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

その3.本願発明について
平成22年3月4日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という)は,平成20年12月24日付けの手続補正により補正された,上記項目その2の「1.」において,補正前の請求項1として引用したとおりのものである。

その4.引用刊行物に記載の発明
一方,上記項目その2.「平成22年3月4日付けの手続補正の却下の決定」における,2.補正の適否中の,2-3.独立特許要件における,(2)引用刊行物に記載の発明において引用した引用刊行物1には,上記(2)引用刊行物に記載の発明において指摘したとおりの引用発明が記載されている。

その5.本願発明と引用発明との対比
そこで,本願発明と引用発明とを比較すると,
本願発明は,上記項目その2.平成22年3月4日付けの手続補正の却下の決定おける,2.補正の適否中の,2-3.独立特許要件における,項目(1)で指摘した補正後の発明から,
「前記表示上の画像の重なり合い量を表わす表示深さ指標を与えるステップと,
表示の深さ方向にスクロールして,前記画像の重なり合いにより以前には表示することができなかった画像を表示するステップ」という2つのステップを取り除いたものである。
したがって,本願発明と引用発明との一致点,及び,相違点は次のとおりである。

[一致点]
一組のデータファイルから,1つのデータファイルを視覚化し,検索する方法であって,
該方法における各ステップは,情報処理を行うプロセッサによって実行され,
対応するデータファイルを表わす複数の画像を,それぞれのデータファイル間の第1の距離尺度を用いて表示装置上に表示するステップと,
複数の画像を,新しい距離尺度を用いて表示装置上に再表示するステップと,
少なくとも1つの所望のデータファイルを検索すること,マーク付けすること,及び選択すること,を実行するステップと,
を含み,
前記第1の距離尺度は,画像ファイルの特徴から導き出され,
前記新しい距離尺度が,第1の距離尺度に関連して導き出される
方法。

[相違点1]
“複数の画像を,新しい距離尺度を用いて表示装置上に再表示するステップ”が,
補正後の発明においては,
「複数の画像の一部」を「再表示」するものであるのに対して,
引用発明においては,
前記「再表示」が,「最初の質問」によって得られた「複数の画像」の「一部」であるか明確に示されていない点。

[相違点2]
“少なくとも1つの所望のデータファイルを検索すること,マーク付けすること,及び選択すること,を実行するステップ”が,
補正後の発明においては,「検索すること」,「マーク付けすること」,「選択すること」の「うちの少なくとも1つを実行する」ものであるのに対して,
引用発明においては,「少なくとも1つの実行する」という態様を含むものであるか,明確でない点。

[相違点3]
“前記第1の距離尺度は,画像ファイルの特徴から導き出され”ることに関して,
補正後の発明においては,「第1の距離尺度」は,
「各データファイルに対して,特徴ベクトルを計算するステップと,前記特徴ベクトルに含まれる第1のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の前記第1の距離尺度を計算するステップと,よって計算され」るのに対して,
引用発明には,上記2つのステップに相当する計算を行っているか明確でない点。

[相違点4]
“前記新しい距離尺度が,第1の距離尺度に関連して導き出される”点に関して,
補正後の発明においては,「改善距離尺度」は,
「前記第1のデータ・サブセットよりも大きい,前記特徴ベクトルに含まれる第2のデータ・サブセットを用いて,各データファイル間の第2の距離尺度を計算するステップによって計算され」るのに対して,
引用発明においては,上記のような計算を行っているか明確でない点。

その6.当審の判断
上記[相違点1]?[相違点4]についての判断は,上記項目その2.平成22年3月4日付けの手続補正の却下の決定おける,2.補正の適否中の,2-3.独立特許要件における,項目(4)当審の判断において示したとおりであるから,
上記相違点1?相違点4は,格別のものでない。
そして、本願発明の構成によってもたらされる効果も、引用発明,及び,周知技術から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

その7.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-05-29 
結審通知日 2012-06-01 
審決日 2012-06-14 
出願番号 特願2003-514454(P2003-514454)
審決分類 P 1 8・ 571- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 574- Z (G06F)
P 1 8・ 573- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 波内 みさ  
特許庁審判長 西山 昇
特許庁審判官 原 秀人
石井 茂和
発明の名称 階層的な画像特徴ベースの視覚化方法  
代理人 河村 英文  
代理人 有原 幸一  
代理人 奥山 尚一  
代理人 松島 鉄男  
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