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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1265592
審判番号 不服2011-22161  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-13 
確定日 2012-11-20 
事件の表示 特願2006-219462「ジッタ特性分析プログラム及びジッタ特性の表又はグラフ表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 2月28日出願公開、特開2008- 45900、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成18年8月11日を出願日とする特許出願であって、その請求項1、2に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められる。
そして、本願については、以下に示すように、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

すなわち、原査定において引用された下記刊行物1ないし3のいずれにも、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)を特定する事項である「互いに異なる複数のビット・パターンを検出特定する」及び「複数の上記ビット・パターン夫々の上記ジッタ特性の互いの関係を示す表又はグラフを表示する」との構成を備えたジッタ特性分析プログラムについて記載されておらず、その示唆もない。

そして、本願発明は、上記構成を備えることにより、「ビット・パターン別にジッタ特性が表又はグラフで表示されるので、パターン依存性ジッタのなかでも、特にどのビット・パターンに問題が生じているかをユーザが容易に認識できる。また、複数のビット・パターンのジッタ特性が比較可能に表示されるので、ビット・パターン間のジッタ特性の相対的な関係も容易に認識できる。これらによって、電子回路や伝送経路に潜む問題の発見に極めて有効である。」(本願明細書の段落【0015】)との効果を奏し得るが、かかる効果は刊行物1ないし3から予想し得ない効果である。

したがって、本願発明は、刊行物1ないし3に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

請求項2に係る発明についても、同様である。

また、平成23年12月20日付け前置報告書において引用された下記刊行物4について検討すると、刊行物4には、情報記録装置において、光ディスクにテストパターンを記録し、そのテストパターンを再生してその再生RF信号から、データ抽出クロック信号とマークの前縁又は後縁との位相差を位相誤差として検出する位相誤差検出部11において、(a)位相比較器36と、(b)データ長をチャネルクロック単位で計測し、記録層におけるスペースの長さとそのスペースの直後に続くマークの長さとの組み合わせのパターン毎にデータパターンのデータを分類し、パターン信号を出力するパターン検出器47と、(c)位相誤差検出器48を設け、上記位相誤差検出器48は、パターン検出器47から出力されたパターン信号に基づいて、パターン毎に位相比較器36の出力を加算し、一定期間加算した後、その平均値を出力し、マークの長さとそのマークの直前のスペースの長さとの組み合わせ毎に対応する位相誤差量を示した位相誤差テーブルを作成することが記載されている。(以下、「刊行物4に記載された発明」という。)

ここで、刊行物4に記載された発明における上記「スペースの長さとそのスペースの直後に続くマークの長さとの組み合わせのパターン」は、光ディスクに書き込まれるスペースとその直後のマークとの組み合わせよりなるパターンであるから、本願発明の「被測定デジタル信号の波形データに含まれる複数ビットから夫々構成され、互いに異なる複数のビット・パターン」とは異なるものである。

そして、本願発明が、上記「被測定デジタル信号の波形データに含まれる複数ビットから夫々構成され、互いに異なる複数のビット・パターン」をジッタ特性分析の対象とした理由は、データ転送においてデジタル信号を復号する際に重要な指標となるデジタル信号のジッタ特性には、機器自身の雑音や外来雑音等に起因して発生するランダムノイズ性のものと、送信するデジタル信号のビット・パターンに起因して発生するパターン依存性ジッタがあり、このパターン依存性ジッタは、例えば、送信される信号周波数に対して機器の周波数特性が十分でない場合に信号の波形歪みが生じて発生するジッタであり、従来技術であるアイパターンによるジッタ特性の測定では、これら発生原因による区別ができず、また、パターン依存性ジッタのみを測定する従来技術においても、どのビット・パターンががどのようなジッタ特性を持つのかはわからない、即ち、複数のビット・パターンがあるときに、あるビット・パターンのジッタ特性は、他のビット・パターンのジッタ特性と比較して良いのか悪いのか、といったことがわからないとの問題点に鑑みて、本願発明では、上記「被測定デジタル信号の波形データに含まれる複数ビットから夫々構成され、互いに異なる複数のビット・パターン」をジッタ特性分析の対象とし、デジタル信号中に含まれる複数のビット・パターン夫々のジッタ特性を得るとともに、複数のビット・パターンのなかで、あるビット・パターンのジッタ特性が他のものと比較して、どのような位置づけにあるのかが容易にわかるようなジッタ特性の表現技術を提供することをその課題としたとの事情によるものである。(本願明細書の、特に、段落【0009】?【0011】の記載参照。)

これに対して、刊行物4に記載された発明において、スペースの長さとそのスペースの直後に続くマークの長さとの組み合わせのパターンを位相誤差検出の対象とした理由は、マルチパルスのレーザ光により光ディスクへ情報を書き込む際のレーザ光の強度、パルス幅等を規定するライトストラテジの決定に当たり、従来の情報記録方法に比べて少ない試し書き回数により、記録時毎に最適なライトストラテジを決定することができるようにするために、スペースの長さとそのスペースの直後に続くマークの長さとの組み合わせのパターン毎に位相誤差を検出し、位相誤差を有する組合せパターンに対応するパラメータを変更することにより、位相誤差が最小になる記録条件を容易に見つけることが可能となるようにしたという事情によるものである。(刊行物4の、特に、段落【0008】、【0009】、【0040】の記載参照。)

したがって、本願発明と刊行物4に記載された発明とは、その属する技術分野が異なるとともに背景技術が全く異なっており、パターン毎に位相差を求める点において一応共通するとはいえるものの、上記のごとく、パターン自体が異なり、パターン毎に位相差を求めるようにした理由も異なるから、刊行物4に記載された発明において、パターンを、上記「スペースの長さとそのスペースの直後に続くマークの長さとの組み合わせのパターン」から「被測定デジタル信号の波形データに含まれる複数ビットから夫々構成され、互いに異なる複数のビット・パターン」に変更するとともに、「複数の上記ビット・パターン夫々の上記ジッタ特性の互いの関係を示す表又はグラフを表示する」ことは当業者にとって容易に想到し得ることであるとはいえない。
よって、本願発明は刊行物4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

そして、原査定において引用された刊行物1ないし3に記載された発明と刊行物4に記載された発明との関連についても、その属する技術分野が異なるとともに背景技術が全く異なっており、パターン自体も異なり、パターン毎に位相差を求めるようにした理由も異なるから、これらを組み合わせる動機付けがあるとはいえず、本願発明がこれらの刊行物に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるともいえない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。


1.特開2004-200868号公報
2.特開2005-347796号公報
3.特開2004-259446号公報
4.特開2003-30837号公報
 
審決日 2012-11-06 
出願番号 特願2006-219462(P2006-219462)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉田 久  
特許庁審判長 下中 義之
特許庁審判官 中塚 直樹
森 雅之
発明の名称 ジッタ特性分析プログラム及びジッタ特性の表又はグラフ表示方法  
代理人 特許業務法人山口国際特許事務所  
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