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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B |
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管理番号 | 1265668 |
審判番号 | 不服2011-15257 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-07-14 |
確定日 | 2012-11-08 |
事件の表示 | 特願2005-376198「カラーフィルタの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 7月12日出願公開、特開2007-178662〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成17年12月27日の出願であって、平成22年12月3日付けで拒絶理由が通知され、平成23年2月14日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、同年4月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月14日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。 その後、平成24年6月15日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、同年8月7日付けで回答書が提出された。 第2 平成23年7月14日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成23年7月14日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正後の請求項に記載された発明 平成23年7月14日付けの手続補正(以下「本件補正」という)により、本願の本件補正前の特許請求の範囲の請求項2は、本件補正後の請求項1として、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下単に「改正前特許法第17条の2」という)第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的として、以下のように補正された。 「基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、 前記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが、透明基板、遮光膜、および半透明膜の順に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜および前記遮光膜上に形成された半透明膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、 前記半透明膜および前記遮光膜がクロム系膜であり、 前記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%?13.5%の範囲内であり、 前記感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂であり、 前記露光は、300nm?450nmの範囲内の波長を含む露光光により行われることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。」(以下「補正発明」という。) そこで、上記補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するか否か)について、以下に検討する。 2.引用刊行物 引用文献1:特開2004-45757号公報 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、上記引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。) (a)「【0020】 (マスクの構造) まず、カラーフィルタ層を形成する際に使用されるマスクについて説明する。図1は、本実施例においてカラーフィルタ層を製造する際に使用されるマスク100を示している。このマスク100はハーフトーンマスクを利用したものである。ハーフトーンマスクとは、位相シフト法を用いたフォトリソグラフィー用のマスクのことであり、以下にその方式について説明する。 【0021】 光は、物質を通過する際に伝播速度が遅れ、その分だけ位相が変わる。そこで、透明な薄膜をマスク上に設けると、局所的に位相を変えることが可能になる。この透明膜は、位相を変換するという意味で位相シフタと呼ぶ。この方法は転写すべきパターンが形成されているマスクに光の位相を変化させる部分(シフタ)を設け、シフタを通過して位相が変わった光とシフタを通過せずに位相の変わっていない光の干渉を利用する方式である。 【0022】 ハーフトーンマスクは、上記位相シフタ方式を利用しており、遮光部に相当する吸収体によって、一部光を通過させることを可能にしている。前記一部通過した光と、そのまま通過した光とは、位相が反転している。このため、位相反転による光強度の低下が起こり、従来とは異なるフォトリソグラフィー工程を実施することができる。ハーフトーン膜の材料としては、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などが挙げられる。 【0023】 上述のマスク100を用い、半透過反射型カラーフィルタ基板用の透過表示用カラーフィルタ領域と反射表示用カラーフィルタ領域を一度に作製し、それぞれの領域において、好適なカラーフィルタ特性を兼ね備えたカラーフィルタ基板を作製できる。 【0024】 本実施例では、カラーフィルタ材料としてネガ型カラーレジストを用いているが、この他にポジ型カラーレジストを用いることも可能である。 【0025】 図1のマスク100は、100%の光透過率を有する全透過領域1と、光を全く透過しない遮光領域2と、光を所定の割合(10%?50%の範囲)透過する領域3(以下、「中間透過率領域」と記す)とから形成されている。本実施例では、中間透過率領域の光透過率が40%のマスクを使用する。上記マスク100を使用してR・G・Bごとにフォトリソグラフィー工程を行い、所望のカラーフィルタ層を作製する。」 (b)「【0031】 (カラーフィルタ基板の製造方法) 次に、本実施例のカラーフィルタ基板を形成する工程の一例を図4に示す。また、図3に示す1つのカラー画素、すなわち3つのドット領域19に対応する部分を形成する場合の形成過程を図5及び図6に示す。 【0032】 まず、ガラスやプラスチックなどの基板4上に、アルミニウム、アルミニウム合金、銀合金、クロムなどの金属を蒸着法やスパッタリング法などによって薄膜状に成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングする。これにより、図5(a)に示すように、開口13を備えた反射膜6を形成する(工程P1)。なお、開口13は透過表示領域に対応して形成されるものであり、その幅をXで示す。 【0033】 次に、図5(b)に示すように、上記反射膜6の開口13を除く部分に、透明レジスト5を形成する(工程P2)。この透明レジスト5は、例えば基板4及び反射膜6の表面上にフォトリソグラフィー法などによって開口13の直上領域の部分を選択的に除去すること により形成できる。なお、透明レジスト5の材料としては、例えば透明なアクリル樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。 【0034】 なお、反射膜6と透明レジスト5の積層状態は、透明レジスト5が下、反射膜6がその上とすることも可能である。 【0035】 次に、図1に示すマスク100を利用し、カラーフィルタの赤色着色層7、緑色着色層8、及び青色着色層9を順に作製する(工程P3)。 【0036】 具体的には、まず、図5(c)に示すように、赤の着色材料15を基板4に塗布し、マスク100を使用して、フォトリソグラフィー法によりパターニングを実施する。このマスク100における全透過領域1の幅をX-2Yとする。ただし、Yは、プロセス用のマスク重ね合わせマージンとする。 【0037】 この全透過領域1は、照射された光の100%が透過される領域であり、この全透過領域1においては露光量が大きいため形成される着色層7の膜厚は厚くなる。これが透過表示用カラーフィルタ領域となる。一方、中間透過率領域3は、40%の透過率を有するため、着色材料15の露光量はその分減少し、その結果、中間透過率領域3に対応した着色層7の膜厚は薄くなる。この膜厚の薄い領域が反射表示用カラーフィルタ領域となる。このようにして、図6(a)に示すように、着色層7が形成される。 【0038】 同様にして、緑色着色層8及び青色着色層9を作製し、さらに隣接するドット領域間に遮光層(ブラックマスク)BMが形成される。以上の工程を経て、図6(b)に示すように、3色の着色層7?9、即ちカラーフィルタ層が形成される。なお、遮光層BMは、樹脂ブラックではなく、3色の着色層7?9が重ね合わされた、いわゆる重ね遮光層として形成してもよい。 【0039】 このように、中間透過率領域(ハーフトーンマスク領域)を含むマスク100を使用し、光の強度を落として露光量を調整してフォトリソグラフフィー工程を実施することができるため、反射表示用カラーフィルタ領域の薄膜化が可能となる。 【0040】 本実施例では、フォトリソグラフィー工程において、マスク100全体に250mJの露光量を照射した場合、透過表示用カラーフィルタ領域で露光量が250mJとなり、反射表示用カラーフィルタ領域では透過表示用カラーフィルタ部分と比較して40%の照射光、すなわち100mJで露光が可能なマスク設計をとっている。ただし、この条件は、40%に限定されるものではなく、10%?50%の範囲内の他の条件でも、望ましい好適な膜厚を得ることができる。もし、この条件を10%未満、又は50%よりも大きくした場合、すなわち、中間透過率領域の光透過率が10%?50%の範囲外である場合には、反射表示用カラーフィルタ領域において、好適な膜厚を得ることはできない。中間透過率領域の光透過率が10%未満の場合、反射表示用カラーフィルタ領域に対応する膜厚が過度に薄く形成される。つまり、明るさは充分得られる反面、所望の彩度を得ることができない。一方、光透過率が50%を越える場合には、反射表示用カラーフィルタ領域に対応する膜厚が過度に厚く形成される。つまり、中間透過率領域の光透過率が10%未満の場合とは逆に、彩度は充分得られる反面、所望の明るさを得ることができない。このように、光透過率が10%?50%の範囲外の条件では、反射表示用カラーフィルタ領域において好適な膜厚を得ることができない。 」 (c)記載事項(a)の【0024】の「カラーフィルタ材料としてネガ型カラーレジストを用いている」の「カラーフィルタ材料」が、上記記載事項(b)の【0035】?【0037】に記載される、フォトリソグラフィ法によりパターニングされる「着色層7」を形成する「着色材料15」のことであることは、当業者には明らかである。 上記引用文献1の記載事項から、引用文献1には、以下の発明が記載されている。 「着色材料15を基板4に塗布し、ハーフトーンマスクを利用したマスク100を使用して、フォトリソグラフィー法によりパターニングを実施し、膜厚の厚い着色層7である透過表示用カラーフィルタ領域と膜厚の薄い着色層7である反射表示用カラーフィルタ領域を形成するカラーフィルタ基板の製造方法であって、 マスク100は、100%の光透過率を有する全透過領域1と、光を全く透過しない遮光領域2と、光を所定の割合(10%?50%の範囲)透過する領域3とから形成されており、 着色材料15としてネガ型カラーレジストを用いることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。」(以下「引用発明」という。) 3.対比 引用発明と補正発明とを対比する。 (1)引用発明は「着色材料15としてネガ型カラーレジストを用い」ているから、引用発明の「着色材料15」が補正発明の「感光性樹脂」に相当し、また、「着色材料15」が「着色層7」を形成することから、引用発明の「着色材料15を基板4に塗布し」が補正発明の「基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程」に相当する。 (2)引用発明の「ハーフトーンマスクを利用したマスク100」が補正発明の「階調マスク」に相当し、また、引用発明の「フォトリソグラフィー法によりパターニングを実施」することは露光・現像してパターンを形成することであることは技術常識であり、また、「膜厚の厚い着色層7である透過表示用カラーフィルタ領域と膜厚の薄い着色層7である反射表示用カラーフィルタ領域を形成する」ことが補正発明の「感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する」ことに相当することが当業者には明らかであるから、引用発明の「ハーフトーンマスクを利用したマスク100を使用して、フォトリソグラフィー法によりパターニングを実施し、膜厚の厚い着色層7である透過表示用カラーフィルタ領域と膜厚の薄い着色層7である反射表示用カラーフィルタ領域を形成する」が、補正発明の「前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程」に相当する。 (3)引用発明の「カラーフィルタ基板」が、補正発明の「カラーフィルタ」に相当する。 (4)引用発明の「100%の光透過率を有する全透過領域1」、「光を全く透過しない遮光領域2」、「光を所定の割合(10%?50%の範囲)透過する領域3」が、それぞれ、補正発明の「透過領域」、「遮光領域」、「半透明領域」に相当する。 (5)引用発明の「ネガ型カラーレジスト」が補正発明の「ネガ型感光性樹脂」に相当する。 してみると、両者は、 「基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、 前記階調マスクは、遮光領域と、半透明領域と、透過領域とを有し、 前記感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。」で一致し、次の(イ)、(ロ)の点で相違する。 (イ)補正発明では「階調マスクは、透明基板、遮光膜、および半透明膜の順に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜および前記遮光膜上に形成された半透明膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、前記半透明膜および前記遮光膜がクロム系膜であり、前記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%?13.5%の範囲内であ」るのに対して、引用発明では「マスク100は、100%の光透過率を有する全透過領域1と、光を全く透過しない遮光領域2と、光を所定の割合(10%?50%の範囲)透過する領域3とから形成されて」いる点。 (ロ)補正発明では「前記露光は、300nm?450nmの範囲内の波長を含む露光光により行われる」のに対して、引用発明では「フォトリソグラフィー法」において使用する露光光の波長が明らかでない点。 4.判断 上記相違点(イ)、(ロ)について検討する。 ・相違点(イ)について 階調マスクが、透明基板、遮光膜、および半透明膜の順に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜および前記遮光膜上に形成された半透明膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有する構成は、特開2001-100652号公報(特に、段落【0072】?【0073】、図7参照)に示されるように周知である。 また、階調マスクにおいて、半透明膜および遮光膜をクロム系膜で形成することは、特開2002-189280号公報(特に、段落【0015】?【0016】、【0030】参照)に示されるように、また、半透明膜として使用されるクロム系膜の波長365nm、300nmでの透過率が、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%?13.5%の範囲内であるものは、特開平6-342205号公報(特に、段落【0008】、図9参照)に示されるように、いずれも周知である。 すると、引用発明の「マスク100」の具体的構造として、これら周知技術を参酌して、透明基板上に、クロム系膜からなる遮光膜、波長365nm、300nmでの透過率が、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%?13.5%の範囲内であるようなクロム系膜からなる半透明膜を、この順に積層して形成された構造として、上記相違点(イ)に係る補正発明の発明特定事項を得ることは当業者には容易である。 ・相違点(ロ)について フォトリソグラフィー法に使用する露光光として、波長300nm?450nmの範囲内の波長を含む露光光(例えば、高圧水銀ランプを光源とする、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)が挙げられる。)を使用することは周知であるから、引用発明において、フォトリソグラフィー法に使用する露光光として、上記周知の波長の露光光を使用することは、当業者が適宜選択し得ることである。 そして、補正発明が奏し得る効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。 したがって、補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5.小括 以上のとおり、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成23年7月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成23年2月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、 前記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、前記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%?13.5%の範囲内であり、 前記感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂であり、 前記露光は、300nm?450nmの範囲内の波長を含む露光光により行われることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。」(以下「本願発明」という。) 1.引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、上記引用文献1の記載内容は、上記「第2」「2.」に記載したとおりである。 2.対比・判断 本願発明は、上記「第2」で検討した補正発明の「透明基板、遮光膜、および半透明膜の順に」、「前記透明基板上に前記遮光膜および前記遮光膜上に形成された半透明膜が設けられた遮光領域」が、それぞれ、「順不同に」、「前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域」に拡張され、また、「前記半透明膜及び前記遮光膜がクロム系膜であり」が削除されたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に限定したものに相当する補正発明が、上記「第2」「4.」に記載したとおり、引用発明と周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-09-06 |
結審通知日 | 2012-09-11 |
審決日 | 2012-09-26 |
出願番号 | 特願2005-376198(P2005-376198) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 濱野 隆 |
特許庁審判長 |
伊藤 昌哉 |
特許庁審判官 |
土屋 知久 吉川 陽吾 |
発明の名称 | カラーフィルタの製造方法 |
代理人 | 山下 昭彦 |