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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G09G |
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管理番号 | 1265829 |
審判番号 | 不服2011-20397 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-09-21 |
確定日 | 2012-11-27 |
事件の表示 | 特願2008-114873「液晶ディスプレイパネル及び表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年11月12日出願公開、特開2009-265355、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成20年4月25日を出願日とする特許出願であって、その請求項1ないし9に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められる。 そして、本願については、以下に示すように、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 すなわち、原査定において引用された下記刊行物1ないし3のいずれにも、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)を特定する事項である「前記反転増幅回路は、前記画素保持容量電極の電圧信号に基づいて、前記コネクション端子の側とは他方の側の他端子から反転増幅電圧信号を前記共通電極に出力する」との構成を備えた液晶ディスプレイパネルについては記載されておらず、その示唆もない。 原査定では、刊行物1に記載された発明の認定に当たり、「共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率に相関関係があること、共通電極電圧値の歪曲によりクロストークが発生し、それを補償するためにストレージキャパシターに所定の相殺電圧を印加することが示されている。共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率との間に相関関係があることを考慮すると、共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率のいずれかの変動によってクロストークが発生し、その両者のいずれかを補償すれば相殺されてクロストークが低減することも示されているといえる。」としている。 しかしながら、刊行物1には、上記認定のように、「共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率に相関関係があること」は示されておらず、したがって、「共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率との間に相関関係があることを考慮すると」との前提は成り立たず、その結果、「共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率のいずれかの変動によってクロストークが発生し、その両者のいずれかを補償すれば相殺されてクロストークが低減することも示されているといえる。」とはいえない。 すなわち、刊行物1には、共通電極電圧の歪曲によって生じる液晶キャパシタの充電率の不足分をストレージキャパシターの充電率を過剰として補うことにより、データラインと共通電極との間の寄生容量によって発生するクロストークを補償する発明が開示されているのであり、そのために、共通電極電圧値の歪曲電圧に基づいてストレージキャパシターの充電率を上昇させて過剰充電させるものであるから、上記「共通電極電圧値とストレージキャパシターの充電率に相関関係があること」が示されているとの認定は誤りであり、むしろ、共通電極電圧値の歪曲電圧に応じてストレージキャパシターの充電率を変化させることが開示されているというべきである。 以上のとおりであるから、本願発明は刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 請求項2ないし9に係る発明についても同様である。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2012-11-14 |
出願番号 | 特願2008-114873(P2008-114873) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G09G)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 福村 拓、一宮 誠 |
特許庁審判長 |
下中 義之 |
特許庁審判官 |
中塚 直樹 森 雅之 |
発明の名称 | 液晶ディスプレイパネル及び表示装置 |
代理人 | 永田 良昭 |
代理人 | 大田 英司 |
代理人 | 永田 元昭 |