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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J
管理番号 1266392
審判番号 不服2011-15026  
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-07-12 
確定日 2012-11-14 
事件の表示 特願2008-321708「インクタンク」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 7月 1日出願公開、特開2010-143036〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成20年12月18日に出願されたものであって、平成22年12月28日付けで手続補正がなされ、平成23年3月22日付けで拒絶の査定がなされ、同年7月12日に拒絶査定に対する審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されて特許請求の範囲及び明細書を補正する手続補正がなされ、その後、当審において、上記の平成23年7月12日付けの手続補正を平成24年4月12日付けで却下すると共に拒絶の理由を通知したところ、これに対し、同年7月17日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成24年7月17日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願の発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「キャリッジと、受信部とを備え、前記キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができるプリンタに装着されるインクタンクであって、
可視光線より長い波長の赤外線を発信する発信部と、情報記憶媒体とが備えられ、
前記発信部は前記情報記憶媒体の上部近傍に配置されるとともに、
前記発信部からの前記赤外線が、前記発信部の方向到達点に配置された前記受信部に対して入射波の方向に発信されることを特徴とするインクタンク。」
と補正された。
上記補正は、請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「インクタンク」に関し、「キャリッジと、受信部とを備え、前記キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができるプリンタに装着されるインクタンク」と限定すると共に、「発信部」に関し、「情報記憶媒体とが備えられ、前記発信部は前記情報記憶媒体の上部近傍に配置される」と限定し、さらに、「前記発信部は受信部への入射波の方向に前記赤外線を発信する」との態様に関し、「前記発信部からの前記赤外線が、前記発信部の方向到達点に配置された前記受信部に対して入射波の方向に発信される」と限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるところ、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
(2-1)引用例1
当審における平成24年4月12日付けで通知した拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された「特許第3793216号公報 」(以下「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
・「以上の構成によれば、記録装置の本体側の接点(コネクタ)と接続する液体収納容器であるインクタンクの接点(パッド)を介して入力される信号と、そのインクタンクの個体情報とに基づいて発光部の発光を制御するので、先ず、搭載される複数のインクタンクが共通の信号線によってその同じ制御信号を受け取ったとしても、固体情報に合致するインクタンクのみがその発光制御を行うことができ、これにより、インクタンクを特定した発光部の点灯など発光制御が可能となる。次に、このようなインクタンクを特定した発光制御が可能な場合、例えば、キャリッジに搭載された複数のインクタンクについて、その移動に伴い所定の位置で順次その発光部を発光させるとともに、上記所定(審決注:「処置」は「所定」の明らかな誤記と認められるので、修正して摘記した。)の位置での発光を検出するようにすることにより、発光が検出されないインクタンクは誤った位置に搭載されていることを認識できる。これにより、例えば、ユーザに対してインクタンクを正しい位置に再装着することを促す処理をすることができ、結果として、インクタンクごとにその搭載位置を特定することができる。」(段落【0019】)
・「記録ヘッド105’を備えた記録ヘッドユニット105に一体化されているホルダ150の第1係止部155および第2係止部156に対し、インクタンク1の第1係合部5および第2係合部6がそれぞれ係合することで、インクタンク1がホルダ150に装着され、固定される。またこのとき、ホルダ150に設けられた接点(以下コネクタと称す)152と、インクタンクに設けられた基板100の外側に向かって位置する面に設けられた接点としての電極パッド102(図5(b))とが接触し、電気的接続が可能となる。」(段落【0033】)
・「インクタンク1の内側に向かって位置する基板100の面には、LEDなど可視光を発生する第1発光部101と、この発光部を制御する制御素子103とが設けられており、コネクタ152よりパッド102を介して供給される電気信号により、制御素子103は第1発光部101の発光の制御を行う。なお、図5(a)は、制御素子103を基板100に実装した後に、保護用の封止剤でこれを被覆した状態を示している。また、インクタンクが収納しているインクの色やインク残量などの情報を記憶させておくメモリ素子を搭載する場合にも、これを同じ位置に実装して封止剤で被覆することができる。」(段落【0034】)
・「かかる配置とした基板100を用いることで、記録装置(ひいてはこれが接続されるコンピュータなどのホスト装置)だけでなく、ユーザに対しても、第1発光部101を兼用してインクタンク1に係る所定の情報を直接提示することが可能となる。すなわち、図3(a)に示すように、ホルダ150を搭載するキャリッジの走査範囲の端部にあって図の右上方向に投光される光を受容する位置に受光部を配置し、その部位にキャリッジが位置したときに第1発光部101の発光を制御することで、記録装置側は受光部の受光内容からインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。また、例えば走査範囲の中央にキャリッジを位置させて第1発光部101の発光を制御することで、図3(b)に示すように、ユーザはその発光状態を目視することによりインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。」(段落【0036】)
・「図6(a)および(b)は、それぞれ、第1の実施形態に係るインクタンクに取り付けられる制御基板の変形例を示す側面図および正面図である。この例は、光が特に第1受光部210およびユーザの目の位置に向う方向に指向するようにしたものである。このためには、第1発光部101の姿勢を適切に定めた配置を行うほか、当該指向を行わせるための部材(レンズ等)を設けることができる。」(段落【0040】)
・「図17に示すように、本実施形態のプリンタ200は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載したキャリッジが走査のための移動をして記録を行う機構などプリンタの主要部分が、本体カバー201およびその他のケース部分によって覆われているプリンタ本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203と、自動給紙装置(ASF)202とを備えたものである。また、本体カバーを閉じた状態および開いた状態の両方で本プリンタの状態を表示するための表示器、電源スイッチおよびリセットスイッチを備えた操作部213が設けられている。」(段落【0068】)
・「以上の各実施形態は、吐出されたインク量に対応した量のインクが常に、プリントヘッドに対し言わば連続的に供給されるように供給系を構成した方式のもの(以下、連続供給方式という)にあって、キャリッジ等に搭載されて往復移動(主走査)する記録ヘッドに分離可能に取り付けられる形態のインクタンクを用いる構成に本発明を適用した場合について説明した。しかし本発明は、記録ヘッドに対して一体不可分に取り付けられたインクタンクを用いる構成に適用することもできる。そのような構成であっても、装着位置が異なれば異なる色のデータを受け取ったり、あるいは色の重なり順が設計とは異なることによって所望の記録品位が得られなくなることが考えられるからである。」(段落【0134】)
また、図3a、図5、及び図6から、以下の事項が看取できる。
・第1発光部101は、制御素子103の上部近傍に配置される。
さらに、図18から、以下の事項が看取できる。
・プリンタ200は、第1受光部210を備えている。
これらの記載事項及び図示内容を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「インクタンクを搭載したキャリッジ、及び第1受光部を備えたプリンタのキャリッジに搭載されて分離可能に取り付けられる形態の複数のインクタンクについて、その移動に伴い所定の位置で順次その発光部を発光させるとともに、上記所定の位置での発光を検出するようにすることにより、発光が検出されないインクタンクは誤った位置に搭載されていることを認識できるものであって、
可視光を発生する第1発光部と制御素子とが設けられ、また情報を記憶させておくメモリ素子を搭載し、制御素子を同じ位置に実装し、
第1発光部は、制御素子の上部近傍に配置されるとともに、
第1発光部の光を受容する位置に第1受光部を配置し、第1発光部の光が第1受光部の位置に向う方向に指向するようにしたインクタンク。」

(2-2)引用例2
当審における平成24年4月12日付けで通知した拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された「特開2001-310457号公報 」(以下「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
・「【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき、図を参照しながら説明する。図1は本発明に係るプリンタのインクキャリアを後方からみた斜視図である。図において、20はインクキャリア、21はインクキャリア20に保持されるインクカートリッジ、22はインクキャリア20を移動可能に支持する導体からなるシャフト、23はシャフト22に高周波電圧を通電するための高周波電圧回路である。」(段落【0016】)
・「インクキャリア20は、内部に回路基板24を備えており、この回路基板24には制御部を構成するIC25、送受信部を構成する赤外線発光素子26および赤外線受光素子27、電圧抽出手段を構成するピックアップコイル28などの部品が実装されている。」(段落【0017】)
・「キャリア制御部36は、インクキャリア20の動作を制御する制御部であって、インクカートリッジ21の印字ヘッドを駆動するためのドライバなどを含んでいる。送受信部37は、前述の赤外線発光素子26および赤外線受光素子27(図1)から構成され、本体42に設けられた送受信部40との間で双方向にデータの送受を行なうものである。送受信部40から送受信部37へは、本体42のメインボード41から印字データやコマンドなどが送信される。送受信部37が受信したこれらのデータはキャリア制御部36へ渡され、キャリア制御部36はこれに基づいて、インクカートリッジ21に所定の印字動作を行なわせるとともに、高周波電圧制御部38に信号を出力して、インクキャリア20の移動速度を制御する。」(段落【0024】)
・「以上のように、上記実施形態においては、シャフト22に通電される高周波電圧をピックアップコイル28により非接触で取り出して、インクキャリア20の内部へ電源として供給しているので、本体42とインクキャリア20との間に電源供給用のケーブルが不要となる。また、本体42とインクキャリア20間の信号の送受を赤外線による双方向通信により行なっているため、信号用のケーブルも不要となる。さらに、非接触で取り出された高周波電圧を利用して圧電振動素子29,30を駆動し、インクキャリア20を移動させるようにしているので、搬送用のベルトやモータも不要となる。」(段落【0026】)

これらの記載事項を総合すると、引用例2には、次の事項(以下、「引用例2に記載された事項」という。)が記載されているものと認められる。
「プリンタのインクキャリアに実装されている赤外線発光素子および赤外線受光素子から構成されている送受信部とプリンタの本体に設けられた送受信部との間で、赤外線による双方向にデータの送受を行なう。」

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、
後者における「第1受光部」は、その機能、作用等からみて、前者における「受信部」に相当し、以下同様に、「第1発光部、発光部」は、「発信部」に、「情報を記憶させておくメモリ素子」は、「情報記憶媒体」に、それぞれ相当する。
また、後者の「可視光、光」と前者の「可視光線より長い波長の赤外線」とは、「電磁波」との概念で共通する。
また、後者における「インクタンク」は、キャリッジに搭載されて分離可能に取り付けられる形態であり、「交換用インクタンク」を含むものであることは明らかであり、また、プリンタは、インクタンクを搭載したキャリッジを備えるから、「プリンタに装着されるインクタンク」といえる。また、後者における「プリンタ」は、複数のインクタンクについて、その移動に伴い所定の位置で順次その発光部を発光させるとともに、上記所定の位置での発光を検出するようにすることにより、発光が検出されないインクタンクは誤った位置に搭載されていることを認識できるものであるから、「キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができるプリンタ」といえる。また、後者における「第1発光部(発信部)」は、制御素子の上部近傍に配置され、制御素子と同じ位置にメモリ素子を実装されているから、「制御素子(情報記憶媒体)の上部近傍に配置される」といえる。また、後者において、「第1発光部の光を受容する位置に第1受光部を配置し」ているから、「第1発光部(発信部)の方向到達点に配置された第1受光部(受信部)」といえる。また、後者における「第1発光部の光」が第1受光部の位置に向う方向に指向するようにしたから、「第1発光部の光が、受信部に対して入射波の方向に発信される」といえる。
したがって、両者は、
「キャリッジと、受信部とを備え、前記キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができるプリンタに装着されるインクタンクであって、
電磁波を発信する発信部と、情報記憶媒体とが備えられ、
前記発信部は前記情報記憶媒体の上部近傍に配置されるとともに、
前記発信部からの前記電磁波が、前記発信部の方向到達点に配置された前記受信部に対して入射波の方向に発信されるインクタンク。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]
電磁波に関し、本願補正発明は、「可視光線より長い波長の赤外線」であるのに対し、引用発明は、「可視光、または光」である点。

(4)判断
上記相違点について以下検討する。
本願補正発明は、発信部と該発信部の方向到達点に配置された前記受信部との間の事項に関して、何ら特定されていないから、例えば、本願明細書の背景技術に記載されているような「キャリッジ」や「インクタンク」(段落【0003】)といった受信部に向かう可視光の光軸を妨げるものが存在しないものや光路部材を使用したもの(段落【0004】)をも包含するものである。してみると、本願補正発明は、受信部に向かう可視光の光軸を妨げるものが存在しないもの等をも包含するものであるから、本願明細書において、本願補正発明の目的を「本発明の主たる目的は、強度劣化をもたらす開口や高価な光路部材を使用せずとも、インクタンクの状態をプリンタが正確に判定できるための新規な報知部を備えたインクタンクを提供することである。」(段落【0010】)と記載しているが、請求項1の記載、及び本願明細書の記載からみて、本願補正発明の目的は、「キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができる」ようにすることであって、その目的を解決する手段として、電磁波の1つである「赤外線」を使用したものである。
また、一般に、赤外線が、可視光線より長い波長で、空気中の透過力が大きく、赤外線写真・赤外線通信などに用いられていることは、技術常識である。
また、引用例2に記載された事項には、「プリンタのインクキャリアに実装されている赤外線発光素子および赤外線受光素子から構成されている送受信部と、プリンタの本体に設けられた送受信部との間で赤外線による双方向にデータの送受を行なう」、つまり、プリンタを構成する部材間において、赤外線発光素子(発信部)および赤外線受光素子(受信部)を設けて、赤外線によるデータの送受(報知)を行なうことが示されている。(なお、インクキャリアの送受信部が赤外線発光素子および赤外線受光素子から構成されていることから、プリンタの本体の送受信部が、赤外線受光素子および赤外線発光素子から構成されていることは明らかである。)
してみると、これらの事項に照らして、通信に用いる電磁波として可視光にかえて赤外線を使用することは、当業者が所望により適宜容易になし得る程度のものである。
したがって、引用発明において、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識を適用することにより、相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、本願補正発明の全体構成によって奏される効果も、引用発明、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識から当業者が予測し得る範囲内のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおりであって、本件補正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願の発明について
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年12月28日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「可視光線より長い波長の電磁波を発信する発信部が備えられ、前記電磁波が赤外線であり、前記発信部は受信部への入射波の方向に前記赤外線を発信することを特徴とするインクタンク。」

(1)引用例
当審における平成24年4月12日付けで通知した拒絶の理由に引用された刊行物、及び、その記載内容は、上記「2.(2)引用例」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、実質的に上記「2.(1)補正後の本願の発明」で検討した本願補正発明の「インクタンク」に関し、「キャリッジと、受信部とを備え、前記キャリッジに交換用インクタンクが正しく装着されているか否かを認識することができるプリンタに装着されるインクタンク」との限定、「発信部」に関し、「情報記憶媒体とが備えられ、前記発信部は前記情報記憶媒体の上部近傍に配置される」との限定、及び「前記発信部は受信部への入射波の方向に前記赤外線を発信する」との態様に関し、「前記発信部からの前記赤外線が、前記発信部の方向到達点に配置された前記受信部に対して入射波の方向に発信される」との限定した点を省いたものである。

そうすると、本願発明を特定する事項の全てを含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「2.(3)対比」及び「2.(4)判断」に記載したとおり、引用発明、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された事項、及び上記技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-08-02 
結審通知日 2012-08-28 
審決日 2012-09-10 
出願番号 特願2008-321708(P2008-321708)
審決分類 P 1 8・ 575- WZ (B41J)
P 1 8・ 121- WZ (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤本 義仁立澤 正樹  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 鈴木 秀幹
長島 和子
発明の名称 インクタンク  

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