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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C09K 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C09K |
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管理番号 | 1266526 |
審判番号 | 不服2009-25793 |
総通号数 | 157 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-01-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-12-25 |
確定日 | 2012-11-22 |
事件の表示 | 特願2005-9444「研磨用組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成18年7月27日出願公開、特開2006-193695〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 この出願は、平成17年1月17日の出願であって、平成21年6月15日付けの拒絶理由に対し、同年8月24日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月15日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月25日に審判が請求されるとともに手続補正書が提出され、平成23年9月21日付けの審尋に対し、同年11月28日に回答書が提出され、平成24年5月29日付けの審尋に対し、同年8月6日に回答書が提出され、同年9月11日に技術説明(面接)がなされたものである。 第2 平成21年12月25日付けの手続補正についての却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成21年12月25日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容及び適否 平成21年12月25日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の請求項2の「ポリスチレンスルホン酸塩及びその塩、並びにポリ酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体化合物」を「ポリスチレンスルホン酸塩」、「研磨促進剤」を「硫酸水素アンモニウム、硫酸水素カリウム、マレイン酸、メタンスルホン酸、HEDP、NTMP、PBTC、ホスホン酸、ホスフィン酸、マロン酸、ギ酸、グルコン酸カリウム、グリコール酸、イタコン酸、酢酸、ホウ酸、アラニン、グリシン、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨促進剤」に限定して新請求項1とする補正事項を含むものであり、補正前の請求項2に記載された発明と新請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、平成18年法律第55号に係る改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正を含むものである。 そこで、新請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否かについて以下に検討する。 (1)本件補正発明の認定 本件補正発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明は次のとおりのものであると認める。 「ガラス基板を研磨する用途に用いられる研磨用組成物であって、 二酸化ケイ素粒子と、 ポリスチレンスルホン酸塩と、 水と、 硫酸水素アンモニウム、硫酸水素カリウム、マレイン酸、メタンスルホン酸、HEDP、NTMP、PBTC、ホスホン酸、ホスフィン酸、マロン酸、ギ酸、グルコン酸カリウム、グリコール酸、イタコン酸、酢酸、ホウ酸、アラニン、グリシン、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨促進剤と を含有する研磨用組成物。」 (2)刊行物に記載された事項 原査定の引用文献1に相当する本願出願日前に頒布された特開2001-64631号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は・・ガラス・・のような脆性材料からなる、記録媒体部品・・などの化学的機械研磨(CMP)に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組成物・・」 イ 「【0007】 【発明の実施の形態】本発明の研磨用組成物は、少なくとも研磨材、およびスルホン酸(塩)基を有する(共)重合体からなる研磨助剤を含有するものである。上記研磨材としては、研磨砥粒として通常使用されるものを適宜使用でき・・記録媒体用基板・・などの研磨用として・・好ましくは・・ヒュームドシリカ粒子、コロイダルシリカ粒子である。・・」 ウ 「【0012】本発明の研磨用組成物に含まれる研磨助剤は、スルホン酸(塩)基を有する(共)重合体・・例えば・・芳香族構造を含むベースポリマー(前駆体)の芳香族環・・をスルホン化・・することで得られる。・・ 【0013】本発明に使用される・・好ましいベースポリマーとしては、例えばポリスチレン・・が挙げられ・・る。」 エ 「【0035】本発明の研磨用組成物が、スルホン酸(塩)基を有する(共)重合体からなる研磨助剤を含むことにより、研磨効果が上昇し、研磨表面の平坦性が上昇する・・」 オ 「【0040】なお、本発明の研磨助剤には、酸化合物またはその塩など、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば・・、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、安息香酸などの有機酸、フッ化水素、過酸化水素、炭酸、塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、過硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの無機酸・・が挙げられ・・一般に、これらの化合物は、遊離酸あるいは塩の形で用いらる。 【0041】例えば・・記録媒体部品・・の製造用には特性に悪影響を及ぼさない酸型、アンモニア・・ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属・・との塩の形で使用することが・・好ましく、特に好ましくはアンモニアまたはカリウムとの塩である。・・また、これらの化合物の使用量は・・0.01重量%未満では、充分な研磨特性が得られない場合があり、一方、10重量%を超えると、添加効果の向上が見られず効果的でない。・・」 カ 「【0043】本発明の研磨用組成物に含まれる溶剤は・・水を主成分とするもの、特に水が好ましい。・・」 キ 「【0047】本発明の研磨用組成物は・・ガラス基板・・のような脆性材料からなる、記録媒体部品・・などの化学的機械研磨(CMP)・・の研磨に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる。・・」 ク 「【0048】 【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。・・」 ケ 「【0052】・・ ・・スルホン化ポリスチレンのアンモニウム塩(A)を得・・重合体(塩)の重量平均分子量は、10,000であった。・・」 (3)刊行物1に記載された発明 刊行物1には、「ガラス・・のような脆性材料からなる、記録媒体部品・・などの化学的機械研磨(CMP)に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組成物」(摘示ア)について、「ガラスのような脆性材料からなる、記録媒体部品」が「ガラス基板」(摘示キ)であること、「研磨用組成物」は、「少なくとも研磨材、およびスルホン酸(塩)基を有する(共)重合体からなる研磨助剤を含有する」(摘示イ)こと、「研磨用組成物に含まれる溶剤」は「水を主成分とするもの、特に水が好ましい」(摘示カ)こと、「研磨材」は、「記録媒体用基板・・などの研磨用として・・好ましくは・・ヒュームドシリカ粒子、コロイダルシリカ粒子である」(摘示イ)こと、が記載されている。 また、刊行物1には、「研磨助剤」は、「スルホン酸(塩)基を有する(共)重合体・・例えば・・芳香族構造を含むベースポリマー(前駆体)の芳香族環・・をスルホン化・・することで得られ・・好ましいベースポリマーとしては、例えばポリスチレン・・が挙げられ・・る」(摘示ウ)ことが記載されており、その記載から、研磨助剤としてポリスチレンの芳香族環をスルホン化したもの、すなわち、ポリスチレンスルホン酸(塩)が示されているといえるし、具体例として、「スルホン化ポリスチレンのアンモニウム塩」(摘示ケ)も示されている。 そうすると、刊行物1には、 「ガラス基板の研磨に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組成物であって、シリカ粒子からなる研磨材、ポリスチレンスルホン酸塩からなる研磨助剤、及び水を含有する研磨用組成物」 の発明が記載されていると認められる。 さらに、刊行物1には、「研磨助剤」には、「酸化合物またはその塩など、その他の成分が含まれていてもよい・・例えば・・グルコン酸・・などの有機酸、・・炭酸、・・亜リン酸、次亜リン酸などの無機酸、およびこれらを官能基として有する有機酸が挙げられ・・一般に、これらの化合物は、遊離酸あるいは塩の形で用い・・例えば・・記録媒体部品・・の製造用には特性に悪影響を及ぼさない酸型、アンモニア・・ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属・・との塩の形で使用することが・・好ましく、特に好ましくはアンモニアまたはカリウムとの塩である」(摘示オ)こと、が記載されている。 してみると、刊行物1には、 「ガラス基板の研磨に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組成物であって、シリカ粒子からなる研磨材、ポリスチレンスルホン酸塩からなる研磨助剤、及び水を含有し、さらに、研磨助剤には、グルコン酸などの有機酸の遊離酸又はそのアンモニアもしくはカリウム塩、炭酸、亜リン酸、次亜リン酸などの無機酸の遊離酸又はそのアンモニアもしくはカリウム塩をその他の成分として含む、研磨用組成物」 の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (4)本件補正発明についての検討 ア 対比 引用発明における「ガラス基板の研磨に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組成物」は、本件補正発明における「ガラス基板を研磨する用途に用いられる研磨用組成物」に相当し、引用発明における「シリカ粒子」、「ポリスチレンスルホン酸塩」及び「水」は、本件補正発明における「二酸化ケイ素粒子」、「ポリスチレンスルホン酸塩」及び「水」に相当する。 また、引用発明における研磨助剤は、その他の成分として、グルコン酸などの有機酸の遊離酸又はそのアンモニアもしくはカリウム塩、炭酸、亜リン酸、次亜リン酸などの無機酸の遊離酸又はそのアンモニアもしくはカリウム塩を含み、それら化合物うち、グルコン酸のカリウム塩、炭酸のアンモニア塩、炭酸のカリウム塩、亜リン酸、次亜リン酸は、それぞれ、「グルコン酸カリウム」、「炭酸アンモニム」、「炭酸カリウム」、「ホスホン酸」、「ホスフィン酸」に相当するものであって、本件補正発明における「研磨促進剤」として列挙された化合物に相当する。 してみると、本件補正発明と引用発明は、 「ガラス基板を研磨する用途に用いられる研磨用組成物であって、 二酸化ケイ素粒子と、 ポリスチレンスルホン酸塩と、 水と グルコン酸カリウム、炭酸アンモニム、炭酸カリウム、ホスホン酸又はホスフィン酸 を含有する研磨用組成物」 という点で一致し、以下の点で一応相違する。 相違点 研磨用組成物に含有される、グルコン酸カリウム、炭酸アンモニム、炭酸カリウム、ホスホン酸又はホスフィン酸が、本件補正発明では、「研磨促進剤」であるのに対し、引用発明では、そのような特定がされていない点 イ 相違点についての検討 刊行物1には、グルコン酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、ホスホン酸又はホスフィン酸(以下、「グルコン酸カリウム等」という。)が研磨促進剤であるとは記載されていないものの、引用発明と本件補正発明の必須成分の化合物がいずれも一致していることを考慮すれば、引用発明におけるグルコン酸カリウム等は、本件補正発明における対応する化合物と同様、研磨促進剤として機能するものと解される。 また、刊行物1には、「研磨助剤に・・含まれていてもよい・・その他の成分としては・・シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、安息香酸などの有機酸、フッ化水素、過酸化水素、炭酸、塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、過硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの無機酸・・が挙げられ・・これらの化合物は、遊離酸あるいは塩の形で用い・・特に好ましくはアンモニアまたはカリウムとの塩である」(摘示オ)と記載されており、それら有機酸又は無機酸の遊離酸又はアンモニアもしくはカリウム塩の大部分が、平成21年8月24日、同年12月25日付けの手続補正により補正された明細書(以下、「本願明細書」という。)の段落【0019】、【0020】及び【0026】において研磨促進剤の具体的化合物として列挙されたものと一致していることからみても、引用発明におけるグルコン酸カリウム等は、本件補正発明における対応する化合物と同様、研磨促進剤として機能するものと解するのが相当であるといえる。 さらに、刊行物1には、「研磨用組成物が、研磨助剤を含むことにより、研磨効果が上昇」(摘示エ)するものの、研磨助剤に含まれるグルコン酸カリウム等「の化合物の使用量は・・0.01重量%未満では、充分な研磨特性が得られない場合があ」(摘示オ)ることが記載されており、その記載からすると、研磨助剤に所定量で含まれるグルコン酸カリウム等は、研磨助剤による研磨効果を充分に上昇させる、すなわち、研磨助剤による研磨効果を促進させる機能を果たすものであると認められる。 そうであれば、その観点からも、引用発明におけるグルコン酸カリウム等は、研磨助剤による研磨効果を促進させる機能を果たすもの、すなわち、研磨促進剤として機能するものといえる。 以上のとおり、引用発明におけるグルコン酸カリウム等は、「研磨促進剤」として機能するものであるといえるから、上記相違点は実質的な相違点ではない。 ウ 小括 したがって、上記アで示した相違点は実質的な相違点ではないから、本件補正発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)である。 (5)審判請求人の主張について 審判請求人は、平成21年12月25日付けの審判請求書において、「引用文献1は、実施例欄において、研磨材としてアルミナ砥粒、研磨助剤として過酸化水素、及び所定の共重合体を含有する研磨用組成物を用いて銅膜付きウェハ基板を研磨する構成についてのみ開示する」のであって、「金属であるアルミナ及び銅は、非金属であるガラス及び二酸化ケイ素と化学的な性質は異な」り、また、「過酸化水素以外の研磨助剤として列挙される多数の化合物、例えば有機酸、無機酸及びそれらの塩等について、研磨特性に影響を与える酸化力又はpH等の性質は過酸化水素と全く異な」ることからすれば、「当業者が二酸化ケイ素粒子及び特定の研磨材を含有する研磨用組成物でガラス基板を研磨した場合の研磨特性を容易に推認することはできない」旨を主張している。 そこで、上記審判請求人の主張について検討する。 上記審判請求人が主張するとおり、刊行物1には、銅付きウェハ基板の研磨に好適な、アルミナ粒子を研磨材として、強い酸化力を有する過酸化水素を研磨助剤として含む実施例しか示されていない。 しかしながら、刊行物1の記載から、シリカ粒子の研磨材がガラス基板の研磨用として適し、研磨助剤に所定量で含まれるグルコン酸カリウム等により、研磨助剤による研磨効果が促進されると認められることは、上記(3)及び(4)イで示したとおりである。 そして、刊行物1に記載された発明とは、当然ながら「実施例に限定されるものではない」(摘示ク)のであるから、上記刊行物1の記載から認められる事項について、特定の実施形態について認められる事項を敢えて援用して異なる推認をすることは適当でない。 してみると、上記審判請求人の主張は採用できない。 (6)独立特許要件についてのまとめ 以上のとおり、本件補正発明は、刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでない。 2 まとめ 上記1で示したとおり、本件補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないから、上記特許請求の範囲の減縮を目的とする補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、その余の事項を検討するまでもなく、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 上記第2のとおり、本件補正は却下されたので、この出願の発明は、同年8月24日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものであると認める。 「ガラス基板を研磨する用途に用いられる研磨用組成物であって、 二酸化ケイ素粒子と、 ポリスチレンスルホン酸及びその塩、並びにポリ酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体化合物と、 水と を含有する研磨用組成物。」 2 原査定の理由 原査定は、 「この出願については、平成21年6月15日付けの拒絶理由通知書に記載した理由1・・によって、拒絶すべきものです。」 という理由によるものであって、平成21年6月15日付けの拒絶理由通知書からみて次の理由を含むものである。 「1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 ・・ 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) (理由1) 請求項1・・ 引用文献1・・ ・備考 引用文献1には、研摩材、ポリスチレンスルホン酸(塩)、水を含有する研摩用組成物が開示され(特許請求の範囲,段落【0023】)、ガラス基板を研摩すること(段落【0005】)、研摩材としてコロイダルシリカやヒュームドシリカを用いること(段落【0007】)、クエン酸等の酸化合物を用いてもよいこと(段落【0040】)が記載されている。 ・・ 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開2001-064631号公報 ・・」 3 刊行物に記載された発明 原査定の拒絶の理由において「引用文献1」として引用された本願出願日前に頒布された上記刊行物1には、上記第2 1(3)で記載したとおりの発明(引用発明)が記載されている。 4 本願発明についての検討 本願発明は、本件補正発明における、「硫酸水素アンモニウム、硫酸水素カリウム、マレイン酸、メタンスルホン酸、HEDP、NTMP、PBTC、ホスホン酸、ホスフィン酸、マロン酸、ギ酸、グルコン酸カリウム、グリコール酸、イタコン酸、酢酸、ホウ酸、アラニン、グリシン、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨促進剤」という特定事項を欠き、「ポリスチレンスルホン酸塩」を「ポリスチレンスルホン酸及びその塩、並びにポリ酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体化合物」としたものであるといえる。 そこで、本願発明と引用発明を対比すると、両者は一致する。 5 まとめ 上記4で示したとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)である。 したがって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許を受けることができないものであるから、その余の事項について検討するまでもなく、この出願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-09-21 |
結審通知日 | 2012-09-25 |
審決日 | 2012-10-09 |
出願番号 | 特願2005-9444(P2005-9444) |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(C09K)
P 1 8・ 575- Z (C09K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤原 浩子 |
特許庁審判長 |
中田 とし子 |
特許庁審判官 |
村守 宏文 木村 敏康 |
発明の名称 | 研磨用組成物 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 恩田 誠 |