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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W |
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管理番号 | 1267794 |
審判番号 | 不服2010-22904 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-10-08 |
確定日 | 2012-12-21 |
事件の表示 | 特願2006-275801「セルラーモードおよびプライベートワイヤレスネットワークモード間でハンドセットを構成するシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 4月26日出願公開、特開2007-110719〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成18年10月6日(パリ条約に基づく優先権主張 2005年10月7日 欧州特許庁)の出願であって、平成22年6月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成22年10月8日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。そして、平成24年3月21日付けで、平成22年10月8日付けの手続補正が却下されるとともに、拒絶理由が通知され、これに対して、平成24年6月20日付けで手続補正がなされたものである。 第2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成24年6月20日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次の事項により特定されるものである。 「【請求項1】 プライベートワイヤレスネットワークモードとセルラーモードとの間においてハンドセットをスイッチ可能に構成するスイッチ可能コンフィギュレーションシステムであって、 セルラートランシーバと、 プライベートワイヤレスネットワークトランシーバと、 該セルラーモードにおいて、該セルラートランシーバおよび該プライベートワイヤレスネットワークトランシーバの両方を制御するように構成されたセルラー制御部分と、 該プライベートワイヤレスネットワークモードにあるときに、該プライベートワイヤレスネットワークトランシーバを制御するように構成されたプライベートワイヤレスネットワーク制御部分と、 該ハンドセットをどのモードに構成するかを決定するように構成されたコンフィギュレーションモジュールと を備える、スイッチ可能コンフィギュレーションシステム。」 第3.引用発明 平成24年3月21日付けの拒絶理由通知に引用された刊行物1(特表2003-510897号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (a)【要約】欄 「ワイヤレス・コネクションを介しLAN(local area network)により通信する技術であって、第1の狭域・高速ワイヤレス通信経路が利用可能かどうかを決定し、前記狭域・高速ワイヤレス通信経路が利用不可能の場合は、広域・低速ワイヤレス通信経路を使用してLANに接続する。狭域・高速ワイヤレス通信経路はIEEE 802.11準拠のワイヤレスLANのようなワイヤレス・コネクションであり、また広域・低速ワイヤレス通信モードはセルラーCDMA方式コネクションである。第1のIEEE 802.11モードが利用可能かどうかの決定は、ビーコン(標識)信号を検出するか、または、プローブ(調査)要求メッセージを送信し、狭域・高速ワイヤレス通信経路の存在もしくは利用可能性を示して前記プローブ要求に応答するプローブ応答メッセージを検出することにより実行される。代替方法では、狭域・高速ワイヤレス通信経路の利用可能性を、単に前記経路のアクティビティを検出することにより検出できる。」 (b)段落番号【0065】-【0066】 「 【0065】 図6は、本発明の形態を組み込んだ加入者ユニット615を含む端末装置615を示す。この端末装置615のユーザは、ポータブル・コンピュータ110、PDAまたは他の同様のデバイスを使用して第2サイトとの通信を望んでいる。コンピュータ110は、加入者ユニット101に接続されている。例えば、加入者ユニット101はPCMCIAスロットに差し込むPCMCIAカードであっても良く、また、前記ユニットはモデム・ケーブルを用いてコンピュータ110に接続しても良い。 【0066】 好ましくは、加入者ユニット101は、インタフェース120、前述のスプーフィング132と帯域幅管理134とを含む各種の機能を実行するCDMAプロトコル・コンバータ130、CDMAトランシーバ140、W-LANプロトコル・コンバータ230、W-LANトランシーバ240、W-LAN検出回路201、経路選択スイッチ211A、211B,および加入者ユニット・アンテナ150から構成される。加入者ユニット101の各種コンポーネントは、ディスクリート・デバイスまたは集積回路で実現できる。例えば、PCMCIA、ISAバス、PCIバス、またはすべての他のコンピュータ・インタフェースなどの既存の従来のコンピュータ・インタフェース120を、既存のトランシーバ140、240と一緒に使用できる。この場合、固有機能が、個別デバイス、W-LAN検出回路201およびモード選択スイッチ211A,211Bとして販売されているプロトコル・コンバータ130、230によって全体に提供される。」 したがって、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「ワイヤレス・コネクションを介しLAN(local area network)により通信するシステムであって、第1の狭域・高速ワイヤレス通信経路が利用可能かどうかを決定し、前記狭域・高速ワイヤレス通信経路が利用不可能の場合は、広域・低速ワイヤレス通信経路を使用してLANに接続し、 狭域・高速ワイヤレス通信経路はIEEE 802.11準拠のワイヤレスLANのようなワイヤレス・コネクションであり、また広域・低速ワイヤレス通信モードはセルラーCDMA方式コネクションであり、 第1のIEEE 802.11モードが利用可能かどうかの決定は、ビーコン(標識)信号を検出するか、または、プローブ(調査)要求メッセージを送信し、狭域・高速ワイヤレス通信経路の存在もしくは利用可能性を示して前記プローブ要求に応答するプローブ応答メッセージを検出することにより実行され、 端末装置615の加入者ユニット101は、インタフェース120、スプーフィング132と帯域幅管理134とを含む各種の機能を実行するCDMAプロトコル・コンバータ130、CDMAトランシーバ140、W-LANプロトコル・コンバータ230、W-LANトランシーバ240、W-LAN検出回路201、経路選択スイッチ211A、211B,および加入者ユニット・アンテナ150から構成される、 システム。」 第4.本願発明と引用発明の一致点・相違点 引用発明の「第1のIEEE 802.11モード」が、本願発明の「プライベートワイヤレスネットワークモード」に相当する。 引用発明の「広域・低速ワイヤレス通信モード」が、本願発明の「セルラーモード」に相当する。 引用発明の「端末装置615」と本願発明の「ハンドセット」は、「端末装置」である点で一致している。 引用発明では、経路選択スイッチ211A、211Bにより、第1のIEEE 802.11モードと、広域・低速ワイヤレス通信モードを切り換えているから、引用発明と本願発明とは、「プライベートワイヤレスネットワークモードとセルラーモードとの間において端末装置をスイッチ可能に構成するスイッチ可能コンフィギュレーションシステム」である点で一致している。 引用発明の「CDMAトランシーバ140」が、本願発明の「セルラートランシーバ」に相当する。 引用発明の「W-LANトランシーバ240」が、本願発明の「プライベートワイヤレスネットワークトランシーバ」に相当する。 引用発明には、「広域・低速ワイヤレス通信モードにおいて、CDMAトランシーバ140を制御するように構成された部分」というものは明記はされていない。しかし、引用発明では、広域・低速ワイヤレス通信モードにおいて、広域・低速ワイヤレス通信経路を利用し、CDMAトランシーバ140が使用されており、CDMAトランシーバ140が使用されている状態では、CDMAトランシーバ140は種々の制御を受けていることは技術常識であるから、CDMAトランシーバ140を制御するように構成された部分があることは明らかである。 したがって、引用発明と本願発明は、「該セルラーモードにおいて、少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分」を備える点で一致している。 引用発明には、「第1のIEEE 802.11モードにおいて、W-LANトランシーバ240を制御するように構成された部分」というものは明記はされていない。しかし、引用発明では、第1のIEEE 802.11モードにおいて、第1の狭域・高速ワイヤレス通信経路を使用し、W-LANトランシーバ240が使用されており、W-LANトランシーバ240が使用されている状態では、W-LANトランシーバ240は種々の制御を受けていることは技術常識であるから、W-LANトランシーバ240を制御するように構成された部分があることは明らかである。 したがって、引用発明と本願発明は、「該プライベートワイヤレスネットワークモードにあるときに、該プライベートワイヤレスネットワークトランシーバを制御するように構成されたプライベートワイヤレスネットワーク制御部分」を備える点で一致している。 引用発明では、第1の狭域・高速ワイヤレス通信経路が利用可能かどうかに応じてモードを切り換えているから、引用発明と本願発明は、「該端末装置をどのモードに構成するかを決定するように構成されたコンフィギュレーションモジュール」を備える点で一致している。 したがって、本願発明と引用発明の一致点・相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「プライベートワイヤレスネットワークモードとセルラーモードとの間において端末装置をスイッチ可能に構成するスイッチ可能コンフィギュレーションシステムであって、 セルラートランシーバと、 プライベートワイヤレスネットワークトランシーバと、 該セルラーモードにおいて、少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分と、 該プライベートワイヤレスネットワークモードにあるときに、該プライベートワイヤレスネットワークトランシーバを制御するように構成されたプライベートワイヤレスネットワーク制御部分と、 該端末装置をどのモードに構成するかを決定するように構成されたコンフィギュレーションモジュールと を備える、スイッチ可能コンフィギュレーションシステム。」である点。 [相違点1] 本願発明では、ハンドセットであるのに対して、引用発明では、端末装置である点。 [相違点2] 本願発明では、セルラーモードにおいて、セルラー制御部分が、セルラートランシーバおよびプライベートワイヤレスネットワークトランシーバの両方を制御しているのに対して、引用発明は、W-LAN検出回路201を備えており、第1制御部分が、広域・低速ワイヤレス通信モードにおいてW-LANトランシーバ240を制御することは記載されていない点。 なお、平成24年3月21日付けの拒絶理由通知では、相違点2について、「本願補正発明では、セルラーモードにおいて、セルラートランシーバおよびプライベートワイヤレスネットワークトランシーバの両方を制御しているのに対して、引用発明は、W-LAN検出回路201を備えており、第1のIEEE 802.11モードにおいてW-LANトランシーバ240を制御することは記載されていない点。」と記載した(下線は、当審が付与した。)。相違点2は、本願発明のセルラーモードの場合を問題としており、上記拒絶理由通知の「4.本願補正発明と引用発明の一致点・相違点」の第3-4行に、「引用発明の「広域・低速ワイヤレス通信モード」が、本願補正発明の「セルラーモード」に相当する。」と指摘しているから、上記拒絶理由通知における「第1のIEEE 802.11モード」 が「広域・低速ワイヤレス通信モード」の誤記であったことは明らかである。 第5.相違点についての検討 [相違点1について] 引用発明の端末装置615をどのような形状とするかは、適宜決めることができた設計的事項と認められる。したがって、端末装置615の形状をハンドセットとすることは、容易に想到できたことである。 [相違点2について] 特開2005-12646号公報(以下、「刊行物2」という。)の段落番号【0002】-【0007】に、 「【0002】 【従来の技術】 近年、無線LANなどの狭域無線通信といった第1の通信に対応した機器が非常な普及を遂げており、これに伴って、公衆エリアでも狭域無線通信といった第1の通信を利用して通信端末をインターネットなどに接続し、これらの回線から必要なサービスを受けられるようになってきた。 【0003】 図5は、従来使用されているこの種の通信システムの概略構成図である。図5において、基地局500は、広域通信部501を介してインターネット、その他の公衆回線(公衆網)600に接続されており、通信端末700との間で狭域無線通信を行う狭域無線通信部502と、この狭域無線通信部502、広域通信部501をそれぞれ制御する通信制御部503と、ユーザ情報を登録しておくユーザ情報データベース504とを備えている。 【0004】 そして、通信制御部503は、通信端末100からの通信要求に対し、予めユーザ情報データベース504に登録された通信端末700からの通信要求であるかどうかを判断し、登録された通信端末700であるときに狭域無線通信部502を介して通信端末700と狭域無線通信するように制御する接続制御部505と、これらの接続状態を管理する接続管理部506とを備えている。 【0005】 また、通信端末700は、基地局500との間で狭域無線通信を行う狭域無線通信部701と、この狭域無線通信部701を制御する通信制御部702とを備えている。 【0006】 図5において、通信端末700は、通信制御部702の制御の下で、狭域無線通信部701を介して通信可能な基地局500を探索し、通信可能な基地局500があれば、その基地局700に対し、通信要求を送信する。通信要求を受けた基地局700は、その通信要求が予めユーザ情報データベース504に登録された通信端末700からの通信要求であるかどうかを判断し、予め登録された通信端末700からの通信要求である場合にのみ、その通信端末700との狭域無線通信を可能にする。 【0007】 そして、この状態で狭域無線通信、広域通信を可能にし、基地局500を介してインターネット、その他の公衆回線との間でデータの送受信を可能にする。」 と記載されている。(下線は、当審が付加した。) 刊行物2の狭域無線通信は無線LANであり、刊行物2には、無線LANのトランシーバである狭域無線通信部701を用いて通信可能な基地局500を探索することが開示されている。 また、特開2004-186749号公報(以下、「刊行物3」という。)の段落番号【0023】-【0024】に、 「【0023】 図2は無線端末の内部構成を示すブロック図である。無線端末は図2に示すようにアプリケーション部201、基地局検出部202、通信速度検出部203、通信制御部204、無線LAN I/F部205から構成されている。これらの処理部はそれぞれ概略次のように動作する。まず、アプリケーション部201は、ユーザーへの画面表示やユーザーからの入力検出と、基地局検出部202で検出された複数の基地局の平均速度比較と最適な接続先基地局の判断、通信制御部204への通信開始、停止の指示を行う。 【0024】 基地局検出部202は、無線LAN I/F部205から受信した信号から無線LAN基地局のビーコン信号を識別することで、通信可能な無線LAN基地局を検出しアプリケーション部201に通知する。通信速度検出部203は通信制御部204を監視し、現通信速度の算出、通信速度の算出を行う。」 と記載されている。(下線は、当審が付加した。) 刊行物3には、無線LANのトランシーバである無線LAN I/F部205を用いて通信可能な無線LAN基地局を検出することが開示されている。 また、特開2004-304409号公報(以下、「刊行物4」という。)の段落番号【0021】-【0022】に、 「【0021】 図2は、撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。撮像装置12は、撮像部30、バッファメモリ40、表示部42、画像転送部44、基地局検出部46、情報受信部48、通信部50、制御部52、および指示受付部56を有する。撮像部30は、被写体からの光を取り込んで結像するレンズ32と、結像された像を電気信号に変換するCCD34と、電気信号をA/D変換しこれを圧縮処理する画像処理部36と、を含む。 【0022】 バッファメモリ40は、画像処理部36が出力する撮影画像を一時的に格納する。バッファメモリ40は、JPEG形式やMPEG形式などで圧縮された静止画または動画のデータを一時的に記憶するRAMであり、画像処理部36が出力する撮影画像の他、画像転送部44が出力する再生画像も格納する。表示部42は、撮影画像または再生画像をLCDに表示する。通信部50は、無線LAN方式の通信モジュールを含み、画像転送部44、基地局検出部46、情報受信部48はそれぞれ通信部50を介して外部とデータを送受信する。指示受付部56は、ユーザからの指示を取得してこれを制御部52へ送るユーザインターフェイスである。」 と記載されている。(下線は、当審が付加した。) 刊行物4には、基地局を検出する際に、無線LANのトランシーバである通信部50を用いることが開示されている。 このように、無線LANの基地局を探索する際に、端末に備えられている無線LANのトランシーバを使用することが周知である。 なお、平成24年6月20日付けの意見書において、審判請求人は「しかしながら、引用文献3、4(当審注:刊行物3,4に相当する。)のいずれも、セルラートランシーバに関して何も言及していません。」と説明している。しかし、刊行物3,4がセルラートランシーバに関して何も言及していないことが、上記「無線LANの基地局を探索する際に、端末に備えられている無線LANのトランシーバを使用すること」の周知性の立証の障害となるわけではない。 上記したように、無線LANの基地局を探索する際に、無線LANの基地局を探索するための手段を新たに設けて探索をすることなく、端末に備えられている無線LANのトランシーバを使用して探索することが周知であるから、引用発明において、W-LANトランシーバ240を常時(当然、広域・低速ワイヤレス通信モードも含まれる。)、端末装置615のアンテナに接続して、W-LANトランシーバ240を使用して無線LANの基地局を探索するための制御手段を設けることは、容易に想到できたことである。 この点を補足すれば、引用発明において、W-LANトランシーバ240を常時、端末装置615のアンテナに接続して、W-LANトランシーバ240を使用してワイヤレスLANの基地局を探索するようにすれば、引用発明においてW-LAN検出回路201が行っていた役割を、W-LANトランシーバ240が果たすことになるから、W-LAN検出回路201が要らなくなるという利点がある。よって、当業者であれば、当然上記のように構成するということができる。 そうすると、引用発明は、「該セルラーモードにおいて、少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分」を備えるものであるから、セルラーモード(広域・低速ワイヤレス通信モード)において、「少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分」と「W-LANトランシーバ240を制御する部分」の二つが存在することになる。 ここで、「少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分」と「W-LANトランシーバ240を制御する部分」を二つの部分と呼ぶか、それとも「少なくとも該セルラートランシーバを制御するように構成された第1制御部分」と「W-LANトランシーバ240を制御する部分」を合わせて、一つの「セルラーモードにおいて、セルラートランシーバとW-LANトランシーバ240の両方を制御するセルラー制御部分」と呼ぶかは、呼び方の違いでしかなく、無線LANの基地局を探索する機能に違いはない。 なお、前記「第4.本願発明と引用発明の一致点・相違点」に記載したように、「該プライベートワイヤレスネットワークモードにあるときに、該プライベートワイヤレスネットワークトランシーバを制御するように構成されたプライベートワイヤレスネットワーク制御部分」は一致点である。上述の、引用発明から容易に想到できた発明では、セルラー制御部分とプライベートワイヤレスネットワーク制御部分とで、前記「W-LANトランシーバ240を制御する部分」を共有することになるかも知れないが、本願発明は、セルラー制御部分とプライベートワイヤレスネットワーク制御部分とで、前記「W-LANトランシーバ240を制御する部分」を共有することを妨げるものではない。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術から当業者が容易に想到できたものである。 第6.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-07-20 |
結審通知日 | 2012-07-23 |
審決日 | 2012-08-13 |
出願番号 | 特願2006-275801(P2006-275801) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H04W)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 丹治 彰、山中 実、中元 淳二 |
特許庁審判長 |
江口 能弘 |
特許庁審判官 |
飯田 清司 吉村 博之 |
発明の名称 | セルラーモードおよびプライベートワイヤレスネットワークモード間でハンドセットを構成するシステムおよび方法 |
代理人 | 大塩 竹志 |