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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1267945
審判番号 不服2011-25385  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-25 
確定日 2013-01-09 
事件の表示 特願2001- 98970「甘味を有する薬剤組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成13年12月11日出願公開、特開2001-342151〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年3月30日(優先権主張 平成12年3月31日)の出願であって、平成22年2月17日付けで拒絶理由が通知され、平成22年4月19日に意見書とともに特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、平成23年4月26日付けで再度拒絶理由が通知され、平成23年7月28日に意見書が提出され、平成23年8月31付けで拒絶査定された。
これに対し、平成23年11月25日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、同日付けで発明の詳細な説明を補正する手続補正書が提出され、平成24年1月13日に早期審理に関する事情説明書が提出されたものである。

2.本願発明
請求項に係る発明は、平成22年4月19日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、以下のとおりのものである。
【請求項1】塩酸ドネペジルおよびスクラロースを含有する薬剤組成物。

3.引用例
(1)原査定の拒絶の理由に引用例1として引用された特開平2-177870号公報(以下、「引用例1」という)には、以下の事項が記載されている。
(1-1)
「1)苦味または不快なオフノートを有するフレーバー剤、および、フレーバー剤の味または不快なオフノートを消去するのに充分な量の非苦味強力甘味剤を含有する、不快な味をマスキングする組成物。
2)非苦味強力甘味剤が、クロロデオキシスクロース誘導体およびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体およびこれらの混合物よりなる群から選択されるクロロデオキシ糖誘導体である請求項1記載の組成物。
3)クロロデオキシ糖誘導体が4,1′,6′-トリクロロ-4,1′,6′-トリデオキシガラクトスクロースである請求項2記載の組成物。
・・・(中略)・・・
8)苦味または不快なオフノートを有するフレーバー剤が、鎮痛剤、抗喘息剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗嘔吐剤、鬱血除去剤、アルカロイド、緩下剤、抗コレステロール血症および抗脂質剤、食欲抑制剤、中枢神経刺激剤、去痰剤、抗炎症剤、栄養補助剤およびこれらの混合物よりなる医薬の群より選択される、苦味または不快なオフノートを有する医薬である請求項1記載の組成物。
・・・(中略)・・・
60)薬学的に許容される担体、および、不快な味をマスキングする組成物の治療有効量を含有する摂取可能な薬学的組成物、ただし、上記の不快な味をマスキングする組成物は、苦味または不快なオフノートを有する薬剤、および、薬剤の味またはオフノートを消去するのに充分な量の非苦味強力甘味剤を含有するものである上記した摂取可能な薬学的組成物。」(特許請求の範囲)

(1-2)
「例えば、以下に示すように、これらの化合物は様々な甘味強度を有している。
化合物 強度(対スクロース比)可溶性サッカリン塩 300×
サイクラメート塩 30×
N-L-α-アスパルチル-L-フェニルアラニン1-メチルエステル
(アスパルテーム) 180×
6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4(3H)-オン-2,2-ジオキシド
のカリウム塩(エースサルフェームK,・・・(中略)・・・) 200×
4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクラロース
(スクラロース、・・・(中略)・・・) 600×
L-α-アスパルチル-N-(2,2,4,4-テトラメチル-3-チエタニル)
-D-アラニンアミド水和物(アリテーム、・・・(中略)・・) 2000×
各強力甘味料は化学的に異なっているため、摂取可能な組成物中の甘味料として実際に使用する際に異なる問題点を呈する。例えば、ある強力甘味料、例えばアスパルテームは安定性の問題を有しており、アルデヒド、ケトン、水分等の存在下では不安定になる。他の強力甘味料、例えばサッカリン(オハイオ州シンシナテイーのPMC Specialty Group Inc.の市販品)、ステビオサイド、エースサルフエーム-K、グリチルリチン、グリチルリチン2カリウム塩、グリチルリチン酸アンモニウム塩およびタウマチン(タリン)は苦味やオフノートを伴っている。」(7頁左下欄6行?右下欄16行)

(1-3)
「苦味または不快なオフノートを伴った強力甘味料は、特定のフレーバーを含有する組成物の不快な味を増大させることが知られている。」(8頁左下欄5?7行)

(1-4)
「好ましい実施態様においては、クロロデオキシ糖誘導体は4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシル-1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシドであり、これは4,1′,6′-トリクロロ-4,1′,6′-トリデオキシガラクトスクロース(スクラロース)としても知られている。」(10頁左上欄2?8行)

(1-5)
「薬剤は、広範囲の不快な味覚の治療薬および治療薬の混合物から選択してよい。例示的カテゴリーおよび特定の例には以下のものが包含されるがこれらに限定されるものではない。」(11頁右下欄12?15行)

(1-6)
「実施例1?8
これらの実施例は、フレーバー剤としてスペアミント油を含有するチューインガム製品中における種々の強力甘味料について、不快な味をマスキングする能力を示したものである。

・・・(中略)・・・
強力甘味剤としてそれぞれサッカリンおよびエースサルフエーム-Kを含有する実施例7および8のチューインガム製品は、強力甘味料を含有しない実施例1のチューインガム製品と比較して苦味または他のオフノートの低下を示さなかった。少量のスクラロースを含有する実施例2および3のチューインガム製品およびアスパルテームを含有する実施例5および6のチューインガム製品は、不快な味の特徴に関しては、実施例1のチューインガム製品と比較して、苦味/オフノート感が50%低下した。実施例2の製品の2倍の量のスクラロースを含有する実施例4のチューインガム製品は、実施例2、3、5および6よりも、苦味/オフノート感が意外にも遥かに大きく低下していた。
実施例4のチユーインガム製品は、苦い後味または他の不快なオフノートを伴わず、好ましく長続きするスペアミントフレーバーを有していたことから、実施例1?8のチユーインガム製品よりも有意により好適であつた。」(21頁右上欄3?6行、22頁左上欄6行?右上欄8行)

(1-7)
「実施例9?14
これらの実施例は、フレーバー剤としてスペアミント油を含有するチューインガム製品における種々の強力甘味料について、不快な味のマスキング能力を示したものである。

・・・(中略)・・・
強力甘味剤としてそれぞれサッカリンおよびエースサルフエーム-Kを含有する実施例13および14のチューインガム製品は、強力甘味料を含有しない実施例9のチューインガム製品と比較して苦味または他のオフノート感の低下を殆ど示さなかった。強力甘味剤として少量のスクラロースおよびアスパルテームを含有する実施例10および12のチューインガム製品も、同様に、実施例9のチューインガム製品と比較して不快な味の低下は僅かであった。不快な味/苦味感の低下における最も顕著な減少は実施例11のチユーインガム製品で観察され、これには実施例10の製品の2倍の量のスクラロース甘味料が含まれていた。
実施例11のチューインガム製品は、苦い後味または他の不快なオフノートを伴わず、好ましく長続きするスペアミントフレーバーを有していたことから、実施例9?10および12?14のチユーインガム製品よりも有意により好適であつた。」(22頁右上欄9?13行、23頁左上欄11行?右上欄13行)

(2)原査定の拒絶の理由に引用例10として引用された特開平11-106354号公報(以下、「引用例10」という)には、以下の事項が記載されている。
(2-1)
「塩酸ドネペジルは、次の構造式

によって表される1-ベンジルー4-(5,6-ジメトキシインダノン-2-イル)メチルピペリジン塩酸塩である。このものは、軽度から中等度のアルツハイマー治療剤であるが、その水溶液は激しい苦味、口腔内のしびれがある。」(【0007】【0008】)

4.対比
上記(1-1)(1-4)の記載から、引用例1には「苦味を有する薬剤及びスクラロースを含有する薬剤組成物」が記載されていると認められる。
そこで、本願発明と引用例1に記載された発明とを対比すると、両者は「スクラロースを含有する薬剤組成物」である点で一致しており、前者は「塩酸ドネペジル」を含有するものであるのに対し、後者は「苦味を有する薬剤」を含有するものである点で、両者は相違する。

5.当審の判断
上記(1-5)の記載から、引用例1には、「苦味を有する薬剤」として、引用例1に具体的に例示された薬剤に限らず、広範囲の苦味を有する薬剤が使用できることが示されていると認められる。
また、上記(2-1)の記載から、引用例10には、「塩酸ドネペジル」が激しい苦味を有することが示されていると認められる。
そうすると、引用例1に記載された発明において、「苦味を有する薬剤」として、引用例10に記載された激しい苦味を有する「塩酸ドネペジル」を使用した薬剤組成物とすることは、当業者が容易になし得ることである。
そして、本願明細書をみても、苦味を有する薬剤として塩酸ドネペジルを使用することにより、当業者の予想を超える効果を奏するとは認められない。

6.審判請求人の主張
審判請求人は、平成23年11月25日付け審判請求書において、以下のように主張する。
(1)本願発明は、不快な味を有する薬物の中でも特に塩酸ドネペジルを選択し、これを甘味料の中でも特にスクラロースを選択して組み合わせることで、薬物の不快な味を隠蔽し、マイルドな甘みを有し、さらに、後味としての痺れ感、苦味をも改善した服用感に優れた薬剤組成物を得ることができる、という当業者には予期し得ない格別な効果を奏するものである。
(2)塩酸ドネペジルとスクラロースを組み合わせた薬剤組成物の、甘み、苦味、後味の改善効果は、平成22年4月19日付け意見書の追加実験1及び2、平成23年7月28日付け意見書の追加実験3、平成23年11月25日付け審判請求書の追加実験4の結果に示されている。

審判請求人は、さらに、平成24年1月13日付け早期審理に関する事情説明書において、以下のように主張する。
(3)追加試験3及び4では、種々の甘味料の甘味度の違いを考慮し、製剤としての甘味度を揃えて実験を行い、スクラロースのみが顕著なマスキング効果を示すことを実証している。

そこで、これらの主張について検討する。
(1)の主張について
本願明細書の発明の詳細な説明には、「発明の効果」として、「本発明により、薬物の不快な味を隠蔽し、マイルドな甘みを有する服用感に優れた薬剤組成物を得ることができる。実施例に示した方法に準じて製造した試料を用いて、甘み、苦味等の服用感を官能試験により評価したところ、スクラロースを用いることにより、服用感の優れた製剤が得られることが明らかになった。以下に官能試験の詳細を説明する。」と記載され(【0013】)、この記載に続いて、「試験例1」として、実施例2記載の液剤、すなわち無水カフェインとスクラロースを含有する液剤と、この液剤からスクラロースを除いたものとについて、甘み、苦味、後味を評価した結果が記載されている(【0014】)。しかしながら、発明の詳細な説明には、塩酸ドネペジルとスクラロースを組み合わせることについては、実施例1として、両成分を含む錠剤を得たことは記載されているものの、両成分を組合せたことによる効果についての具体的な記載は見あたらない。
また、引用例1の(1-2)(1-3)の記載から、アスパルテームには安定性の問題があり、サッカリン、ステビオサイド、エースサルフエーム-K、タウマチン(タリン)等の強力甘味料は苦味やオフノートを伴っており、特定のフレーバーを有する組成物の不快な味を増大させるという問題があることが認められ、(1-1)(1-4)の記載から、不快な味をマスキングする組成物に配合される「非苦味甘味剤」としてはスクラロースが好ましいことが認められる。
以上のとおり、本願明細書の記載からは、塩酸ドネペジルとスクラロースとを特に選択して組み合わせることで、当業者に予期し得ない格別な効果を奏することはうかがえないところ、不快な味を有する薬物の一つである塩酸ドネペジルにつき、その不快な味をマスキングするための甘味料としてスクラロースを選択することは、引用例1に接した当業者が当然に行うことと認められる。
そして、塩酸ドネペジルとスクラロースを組み合わせることにより、スクラロースの甘みが出るとともに苦味がマスキングされるであろうことは、引用例1の(1-1)に、スクラロースが「非苦味甘味剤」として記載され不快な味をマスキングすることが記載されていること等からみて、当業者が予想できることであると認められる。また、塩酸ドネペジルとスクラロースを組み合わせることにより、苦みや痺れの不快な後味を伴わないであろうことについても、引用例1の(1-6)(1-7)に、スクラロースを入れたチューインガム製品が苦い後味や不快なオフノートを伴わないことが記載されていることからみて、当業者が予想できることであると認められる。
したがって、本願発明が、塩酸ドネペジルとスクラロースとを特に選択して組み合わせることで、当業者に予期し得ない格別な効果を奏するものであるという主張は採用できない。

(2)(3)の主張について
追加試験1は、塩酸ドネペジル及びスクラロースを含む液剤(本発明品1,2)と塩酸ドネペジルは含むがスクラロースは含まない液剤(比較例1)とについて、また、追加試験2は、塩酸ドネペジル及びスクラロースを含むシロップ剤(本発明品3,4)と塩酸ドネペジルは含むがスクラロースは含まないシロップ剤(比較例2)とについて、それぞれ、甘み、苦味、後味を評価したものである。
そして、追加試験1の結果として、比較例1では、強い苦味を感じ、後味として痺れ感、苦味があったのに対し、本発明品1(塩酸ドネペジル250mg、スクラロース2.5mgを含む)では、僅かに苦味があったものの、本発明品2(塩酸ドネペジル250mg、スクラロース2500mgを含む)では、強い甘みを感じ苦味は感じなかった上、本発明品1及び2では、後味として痺れ感、苦味はなかったことが示されている。追加試験2の結果として、比較例2では、強い苦味を感じ、後味として痺れ感、苦味があったのに対し、本発明品3(塩酸ドネペジル100g、スクラロース75gを含む)及び本発明品4(塩酸ドネペジル100g、スクラロース300gを含む)では、甘みを感じ苦味は感じなかった上、後味として痺れ感、苦味はなかったことが示されている。
しかしながら、塩酸ドネペジル及びスクラロースを含む液剤やシロップ剤が、スクラロースを含まない液剤やシロップ剤に比べ、甘み、苦味、後味の点で優れるであろうことは、上記「(1)の主張について」において述べたのと同様、当業者が予想しうる効果にすぎない。
よって、追加試験1、2が、当業者の予期し得ない格別な効果を示しているとは認められない。

追加試験3は、塩酸ドネペジルと各種甘味剤(スクラロース、ソーマチン、ステビア、サッカリン、アスパルテーム又はアセスルファム-K)とを含有し、甘味度が等しくなるように甘味剤の配合量が調整されてなる溶液6種について、また、追加試験4は、塩酸ドネペジルと各種甘味剤(スクラロース、ソーマチン、ステビア又はサッカリン)を含有し、甘味度が等しくなるように甘味剤の配合量が調整されてなる錠剤4種について、それぞれ、甘み、苦味、後味を評価したものである。
そして、追加試験3、4の結果として、スクラロース以外の甘味剤を使用した場合は、苦味を感じ、後味としても苦味、痺れ感があったのに対し、スクラロースを使用した場合には、苦味は感じず、後味としても苦味、痺れ感を感じなかったことが示されている。
しかしながら、引用例1には、アスパルテームはケトンの存在下では不安定になることが記載されている((1-2)参照)ところ、引用例10の記載(2-1)参照)によれば、塩酸ドネペジルはケトンを有することが明らかであるから、不快な味を有する薬物として塩酸ドネペジルを用いる場合に甘味料としてアスパルテームを用いると、アスパルテームの作用が十分に発揮できないことは、当業者が当然認識できることである。
また、引用例1には、サッカリン、ステビオサイド、エースサルフエーム-K、およびタウマチン(タリン)は苦味やオフノートを伴っていること、及び、苦味または不快なオフノートを伴った強力甘味料は、特定のフレーバーを含有する組成物の不快な味を増大させることが記載されている((1-2)、(1-3)参照)から、引用例1に「非苦味強力甘味料」、すなわち、上記甘味料のような苦味を持たない甘味料として記載されているスクラロースが、サッカリン、ステビオサイド、エースサルフエーム-K、およびタウマチン(タリン)に比べて苦味のマスキングの点で優れることは、当業者が十分予想できることである。
さらに、引用例1には、スクラロース、アスパルテーム、可溶性サッカリン塩、エースサルフェーム-Kの甘味強度がそれぞれ、600、180、300、200であることが記載され((1-2)参照)、実施例4ではスクラロース1000ppm、実施例5、6ではアスパルテーム各2000ppm、3500ppm、実施例7ではサッカリン1400ppm、実施例8ではエースサルフェーム-K2500ppmを配合して不快な味のマスキング能力が比較され、また、実施例11ではスクラロース1000ppm、実施例12ではアスパルテーム2000ppm、実施例13ではサッカリン1500ppm、実施例14ではエースサルフェーム-K2500ppmを配合して不快な味のマスキング能力が比較されているのであるから、これらの実施例における甘味料は、甘味度が近くなるような配合割合で配合されていると解するのが相当である。そして、この比較試験の結果、スクラロースがアスパルテーム、サッカリン、エースサルフェーム-Kに比べて、苦味や苦い後味等の低下の点で優れていたことが確認されているのである((1-6)(1-7)参照)。
ここで、ステビオサイドは植物ステビアに含まれる成分であり、エールサルフェーム-KがAcesulfame KすなわちアセスルファムKを意味し、タウマチンがThaumatinすなわちソーマチンを意味することは明らかである(必要なら、五十嵐脩他編、丸善食品総合辞典、丸善、平成10年3月25日発行、p.22,577,624,647-648参照)。
以上のことから、甘味剤としてスクラロースを用いれば、ソーマチン、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム-Kを用いた場合に比べて、甘み、苦味、後味の点で優れるであろうことは、引用例1の記載から当業者が予想しうる効果である。
よって、追加試験3、4が、当業者の予期し得ない格別な効果を示しているとは認められない。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1及び引用文献10に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-02-09 
結審通知日 2012-02-14 
審決日 2012-02-28 
出願番号 特願2001-98970(P2001-98970)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 遠藤 広介  
特許庁審判長 今村 玲英子
特許庁審判官 星野 紹英
大久保 元浩

発明の名称 甘味を有する薬剤組成物  
代理人 内藤 和彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 田中 克郎  

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