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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1267963
審判番号 不服2011-4119  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-24 
確定日 2012-12-27 
事件の表示 特願2003-188952「プログラム生成装置およびプログラム生成方法およびプログラムおよび記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 1月27日出願公開、特開2005- 25416〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

1.手続の経緯の概要
本件請求に係る出願(以下「本願」と記す。)は、
平成15年6月30日付けの出願であって、
平成18年6月23日付けで審査請求がなされ、
平成21年10月30日付けで拒絶理由通知(同年11月4日発送)がなされ、
同年12月28日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正書が提出され、
平成22年8月25日付けで最後の拒絶理由通知(同年同月31日発送)がなされ、
同年10月27日付けで意見書が提出され、
同年11月16日付けで拒絶査定(同年同月24日発送)がなされ、
平成23年2月24日付けで審判請求がされるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものである。

なお、
平成23年6月27日付けで特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ、
同年9月29日付けで当該報告に対する意見を求める旨の審尋(同年10月4日発送)がなされ、これに対して
同年12月5日付けで回答書が提出されている。


2.補正の内容
(1)平成21年12月28日付け手続補正
上記平成21年12月28日付けの手続補正書は特許請求の範囲を以下のとおりに補正するとともに、発明の詳細な説明をこれに合わせて補正するものである。
「 【請求項1】 ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置であって、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御する画面制御手段と、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記業務仕様情報のデータ項目の定義及び該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段と、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段と、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段と、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行う第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段と、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段と、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段と、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、及び、前記第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段と、
前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、前記第2のJSPプログラム、及び、前記サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段と、を有することを特徴とするプログラム生成装置。
【請求項2】 前記業務仕様情報は、該業務仕様情報に定義された、前記加工式がデータ項目に対して四則演算を施す加工式であるか統計処理演算を施す加工式であるかを指定するフラグを有することを特徴とする請求項1記載のプログラム生成装置。
【請求項3】 前記業務仕様情報は、さらに複数のデータ項目の値及び演算処理結果を表示するための複数の画面表示項目の定義を含むものであり、
前記第1のJSPプログラム生成手段により生成される第1のJSPプログラムは、前記業務仕様情報で定義された各データ項目に対する入力を行うための入力画面を表示するためのプログラムであり、
前記第2のJSPプログラム生成手段により生成される第2のJSPプログラムは、前記業務仕様情報で定義された各画面表示項目に対する出力を行うための出力画面を表示するためのプログラムであることを特徴とする請求項1又は2記載のプログラム生成装置。
【請求項4】 前記入力手段は、前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に基づいて前記各画面表示項目の定義を生成し、前記第1の記憶手段に記憶される業務仕様情報に追加することを特徴とする請求項3記載のプログラム生成装置。
【請求項5】 ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置におけるプログラム生成方法であって、
画面制御手段が、複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面を表示制御する画面表示ステップと、
前記画面表示ステップで表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記業務仕様情報のデータ項目の定義及び該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として第1の記憶手段に格納する入力ステップと、
データベース生成手段が、前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成ステップと、
第1のBeanプログラム生成手段が、前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成ステップと、
第2のBeanプログラム生成手段が、前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行う第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成ステップと、
第1のJSPプログラム生成手段が、前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成ステップと、
第2のJSPプログラム生成手段が、該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成ステップと、
サーブレット生成手段が、前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、及び、前記第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成ステップと、
前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、前記第2のJSPプログラム、及び、前記サーブレットプログラムをそれぞれ第2の記憶手段に格納する格納ステップと、を有することを特徴とするプログラム生成方法。
【請求項6】 コンピュータを、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御する画面制御手段、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記業務仕様情報のデータ項目の定義及び該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行う第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、及び、前記第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段と、
前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、前記第2のJSPプログラム、及び、前記サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御する画面制御手段、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記業務仕様情報のデータ項目の定義及び該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行う第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、及び、前記第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段と、
前記第1のBeanプログラム、前記第2のBeanプログラム、前記第1のJSPプログラム、前記第2のJSPプログラム、及び、前記サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」

(2)平成23年2月24日付け手続補正
上記平成23年2月24日付けの手続補正書は特許請求の範囲を以下のとおりに補正するとともに、発明の詳細な説明をこれに合わせて補正しようとするものである。
「 【請求項1】 ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置であって、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する画面制御手段と、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段と、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段と、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段と、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段と、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段と、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段と、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段と、
前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段と、を有することを特徴とするプログラム生成装置。
【請求項2】 前記業務仕様情報は、該業務仕様情報に定義された、前記加工式がデータ項目に対して四則演算を施す加工式であるか統計処理演算を施す加工式であるかを指定するフラグを有することを特徴とする請求項1記載のプログラム生成装置。
【請求項3】 前記業務仕様情報は、さらに複数のデータ項目の値及び演算処理結果を表示するための複数の画面表示項目の定義を含むものであり、
前記第1のJSPプログラム生成手段により生成される第1のJSPプログラムは、前記業務仕様情報で定義された各データ項目に対する入力を行うための入力画面を表示するためのプログラムであり、
前記第2のJSPプログラム生成手段により生成される第2のJSPプログラムは、前記業務仕様情報で定義された各画面表示項目に対する出力を行うための出力画面を表示するためのプログラムであることを特徴とする請求項1又は2記載のプログラム生成装置。
【請求項4】 前記入力手段は、前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に基づいて前記各画面表示項目の定義を生成し、前記第1の記憶手段に記憶される業務仕様情報に追加することを特徴とする請求項3記載のプログラム生成装置。
【請求項5】 ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置におけるプログラム生成方法であって、
画面制御手段が、複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する画面表示ステップと、
前記画面表示ステップで表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として第1の記憶手段に格納する入力ステップと、
データベース生成手段が、前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成ステップと、
第1のBeanプログラム生成手段が、前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成ステップと、
第2のBeanプログラム生成手段が、前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成ステップと、
第1のJSPプログラム生成手段が、前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成ステップと、
第2のJSPプログラム生成手段が、該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成ステップと、
サーブレット生成手段が、前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成ステップと、
前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ第2の記憶手段に格納する格納ステップと、を有することを特徴とするプログラム生成方法。
【請求項6】 コンピュータを、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する画面制御手段、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段、
前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
複数のデータ項目の定義及び前記データ項目についての演算処理の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段、
前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する画面制御手段、
前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段、
前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段、
前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段、
該データ項目及び前記演算処理の結果のデータ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段、
前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」



第2.平成23年2月24日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成23年2月24日付けの手続補正を却下する。


[理由]
1.本件補正の内容
平成23年2月24日付けの手続補正(以下「本件補正」と記す。)は、特許請求の範囲について、上記第1.2.(1)記載の特許請求の範囲から、上記第1.2.(2)記載の特許請求の範囲に補正しようとするものである。


2.補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1記載の発明を特定するための事項(以下「発明特定事項」と記す。)であるところの
「前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御する画面制御手段」、
「前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記業務仕様情報のデータ項目の定義及び該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段」、及び
「前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行う第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段」を、
より下位の発明特定事項である
「前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する画面制御手段」、
「前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段」、及び
「前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段」に
限定することを含むものであり、この限定によって、本件補正前後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が格別変更されるものではない。

したがって、請求項1に係る本件補正の目的は、請求項に記載した発明特定事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下「限定的減縮」と記す。)に該当し、特許法第17条の2第4項第2号に掲げられる事項を目的とするものである。


3.独立特許要件
上記2.のとおり、請求項1に係る本件補正は限定的減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下に検討する。


3-1.本件補正発明
本件補正発明は、上記第1.2.(2)において【請求項1】として記載したとおりのものである。


3-2.先行技術

(1)引用文献
本願の出願前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原審の拒絶の査定の理由である上記平成22年8月25日付けの拒絶理由通知において引用された、下記引用文献には、下記引用文献記載事項が記載されている。(下線は当審付与。)


<引用文献1>
特開2001-344105号公報(平成13年12月14日出願公開)

<引用文献記載事項1-1>
「【請求項13】インターネットやイントラネット上で、サーバサイドJavaの技術であるサーブレット、JSP、およびJavaBeansコンポーネント(Bean)による構成を持つWebアプリケーションシステムを開発するWebアプリケーション開発システムであって、
前記Webアプリケーションシステムの設計仕様にある画面仕様に基づいて、画面毎に対応するサーブレット、JSP、およびBeanの各コンポーネントのソースファイル名称を1対1に対応させて定義することによって、サーブレット、JSP、およびBeanの開発を行う手段を備えたことを特徴とするWebアプリケーション開発システム。
【請求項14】請求項12または13に記載のWebアプリケーション開発システムにおいて、
前記画面と前記サーブレット、JSP、およびBeanの各コンポーネントのソースファイル名称との対応関係と、前記設計仕様の情報を利用して、各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段を、さらに備えたことを特徴とするWebアプリケーション開発システム。」


<引用文献記載事項1-2>
「【0033】図1は、本実施の形態において設計開発するWebアプリケーションシステムの画面とサーブレット、JSP、およびBeanとの対応表の一例を示す図である。対応表101は、画面名称102とJSP名称103とサーブレットファイル名称104とBeanファイル名称105とから成り、それぞれ画面に対して1対1となるようにファイル名称を定義する。JSP名称103の拡張子は".jsp"、サーブレットファイル名称104とBeanファイル名称の拡張子は".java"とする。例えば、画面名称"新規発注画面"に対しては、JSP名称103は"Order.jsp"とし、サーブレットファイル名称104は、JSP名称103に"Servlet"を付加した"OrderServlet.java"とする。同様に、Beanファイル名称105は、"Bean"を付加した"OrderBean.java"とする。"エラー表示画面"106の場合、サーブレットおよびBeanと1対1で対応するものではなく、いくつかのサーブレットから呼び出される画面であり、JSP名称103"Error.jsp"のみを定義してある。」

<引用文献記載事項1-3>
「【0034】図1中、107は様々な情報を格納する外部記憶装置を示す。外部記憶装置107には対応表101に定義したサーブレット、JSP、およびBeanの各コンポーネントのソースコード110、113、116を生成するために必要な情報を格納している。108および109はJSPソースコード110を生成するために必要な情報を示し、画面イメージ、フォーム項目表、入力処理表、および画面遷移図を記述した設計ドキュメント108とテンプレートデータ109から成る。111および112はサーブレットソースコード113を生成するために必要な情報を示し、パッケージ表、画面遷移図、エラー対応表、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメント111とテンプレートデータ112とサーブレット・スーパークラスソースコードデータから成る。114と115はBeanソースコード116を生成するために必要な情報を示し、パッケージ表、クラス図、シーケンス図、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメント114とテンプレートデータ115から成る。」

<引用文献記載事項1-4>
「【0035】図2は、Webアプリケーションシステムを設計開発するシステムのシステム構成の一例を示した図である。図2中、201はコマンド入力やマウスを使った操作を行う端末、202は本発明を実現する機能やデータを格納する中央処理装置、203は様々な情報を格納する外部記憶装置を示す。外部記憶装置203に格納されている設計ドキュメント204は、Webアプリケーションシステムの開発において、顧客からの要求や業務仕様から得られる画面仕様などの設計ドキュメント、および、画面デザインや各画面イメージを表すHTMLファイルなどが格納されている。図1中、108から116で示した設計ドキュメント、テンプレートデータ、および生成されたソースコードは、この外部記憶装置203に格納される。また、サーブレット・スーパークラスソースコードデータ212が格納される。
【0036】中央処理装置202に格納されている機能は、設計ドキュメント204に格納されている画面仕様から画面情報を読み込み、画面とサーブレット、JSP、およびBeanとの対応表206を生成する対応表生成部205と、対応表206と画面仕様やシステム設計書などの設計ドキュメント204の情報とテンプレートデータ208とを利用して、サーブレット、JSP、およびBeanの各ソースコードを自動生成するコード自動生成部207とから構成される。テンプレートデータ208には、ソースコードを生成する際の各コンポーネントのテンプレートとして利用するほか、サーブレットのスーパークラスとなるソースコードを格納する。コード自動生成部207によって生成される各ソースコードは、サーブレットソースコードデータ209、JSPソースコードデータ210、およびBeanソースコードデータ211に、それぞれ格納される。」

<引用文献記載事項1-5>
「【0037】図3は、本実施形態のシステムのコード自動生成部207によって生成したサーブレット、JSP、およびBeanを利用したWebアプリケーションシステムの全体構成の一例を示した図である。このWebアプリケーションシステムは、クライアント301からWebブラウザ302によって利用される。Webブラウザ302上には、HTMLページ303が表示される。Webブラウザ302からのリクエストはHTTP経由でサーバ304側に送信される。サーバ304にはHTTPサーバ305とアプリケーションサーバ306があり、アプリケーションサーバ306にはサーブレットやJSPの実行環境が含まれている。
【0038】コード自動生成部207によって生成したサーブレット、JSP、およびBeanは、それぞれ実行可能な状態で、サーバ304側のアプリケーションサーバ306上に配置する。サーバ304側にリクエストが送信されると、リクエストに応じて該当するサーブレット307が起動される。サーブレット307は、対応するBean 308に処理を要求する。さらに、Bean 308はDBアクセスオブジェクト310を利用してデータベース311にアクセスし、業務に関する処理やデータ加工などを行い、その処理結果を保持する。DBアクセスオブジェクト310は、業務を分析、設計した結果、作成されるクラスや、再利用可能な既存のクラスである。次に、サーブレット307からJSP309にBean 308を渡し、JSP309を呼び出す。JSP309は、Bean 308で保持する処理結果を参照して、HTMLページを生成し、クライアント301側に返送する。返送されたHTMLページは、Webブラウザ302上に表示される。ここで、サーブレット307、JSP309、およびBean 308は、Webブラウザ302に表示するHTMLページページ303に対して1対1で定義してある。
【0039】サーブレット307は、Webブラウザ302からのリクエストの受け付け、Bean 308への処理要求、およびJSP309の呼び出しという、それぞれの間をつなぎ、制御する役割を持つ。JSP309はHTMLページを出力するための表示に関することを受け持ち、Bean 308は業務に関する処理を受け持つ。Bean 308やJSP309を利用せず、サーブレット307のみでWebブラウザ302からのリクエストを処理することは可能であるが、Bean 308やJSP309を利用することでそれぞれの役割を明確に分離することで、機能分担を簡潔に把握することができる。」

<引用文献記載事項1-6>
「【0040】図4を参照して、対応表生成部205によって対応表101を生成する処理の流れを説明する。まず、設計ドキュメント204に格納されている画面仕様からすべての画面情報を読み込む(ステップ401)。画面情報から画面名称と画面コード名称を取得する(ステップ402)。画面コード名称は、例えば、各画面イメージとして作成されているHTMLファイルのファイル名称から取得してもいいし、画面情報として定義してあってもよい。また、端末201から各画面毎に入力してもよい。ここでは、取得した画面名称を"新規発注画面"、画面コード名称を"Order"として説明する。次に、取得した画面コード名称に拡張子".jsp"を付けてJSP名称とする(ステップ403)。画面コード名称に"Servlet"を付加し、拡張子".java"を付けてサーブレットファイル名称とする(ステップ404)。画面コード名称に"Bean"を付加し、拡張子".java"を付けてBeanファイル名称とする(ステップ405)。ここで、各ファイル名称は"Order.jsp"、"OrderServlet.java"、"OrderBean.java"と定義される。画面名称と、定義されたJSP名称、サーブレットファイル名称、およびBeanファイル名称の各ファイル名称を対応表101の該当個所に設定する(ステップ406)。ステップ401で取得した画面情報のすべてに対して処理したかをチェックし(ステップ407)、すべて処理するまで、ステップ402からステップ406までの処理を繰り返す。すべての画面情報に対して処理を行ったら、最後に、対応表101を出力して終了する(ステップ408)。ここで生成された対応表101は、設計ドキュメント204に格納されてもよい。」

<引用文献記載事項1-7>
「【0041】次に、図5を参照して、サーブレット、JSP、およびBeanの各ソースコードをコード自動生成部207によって自動生成する処理の流れを説明する。まず、対応表生成部205によって生成した対応表101を読み込む(ステップ501)。対応表101から画面名称102を取得する(ステップ502)。ここで取得した画面名称を"新規発注画面"として説明する。取得した画面名称に対応するJSP名称103、サーブレットファイル名称104、およびBeanファイル名称105の各名称がすべて設定されているかチェックする(ステップ503)。例えば、図1中の"エラー表示画面"106の場合、JSP名称103"Error.jsp"のみであるため、ステップ503から502に戻る。各名称がすべて設定してある場合、以降の処理を行う。ステップ502で取得した画面である"新規発注画面"に対するサーブレットのソースコード"OrderServlet.java"を生成する(ステップ504)。同様に、JSPのソースコード"Order.jsp"を生成し(ステップ505)、Beanのソースコード"OrderBean.java"を生成する(ステップ506)。ステップ501で読み込んだ対応法101のすべての画面に対して処理したかをチェックし(ステップ507)、すべて処理するまで、ステップ502からステップ506までの処理を繰り返す。すべての画面に対して処理を行ったら終了する。」

<引用文献記載事項1-8>
「【0042】図6と図7を用いて、指定した画面名称に対するサーブレットのソースコードを自動生成する処理の流れを説明する。サーブレットのソースコードを生成するに際しては、サーブレットのテンプレート701、パッケージ表702、対応表703、エラー対応表704、フォーム項目表706、およびBean公開メソッド表707を使用する。図7中、708は生成されるサーブレットのソースコードを示す。まず、対応表101から指定された画面名称102に対応する各名称を取得する(ステップ601)。ここで指定された画面名称102を"新規発注画面"として説明する。サーブレットファイル名称の"OrderServlet.java"をソースコード708のファイル名称としてファイルを作成する(ステップ602)。次に、テンプレートデータ208からサーブレットのテンプレート701を読み込む(ステップ603)。テンプレート701には、サーブレットの基本的な枠組みが記述されている。」

<引用文献記載事項1-9>
「【0047】図9と図10を用いて、指定した画面名称に対するJSPのソースコードを自動生成する処理の流れを説明する。JSPのソースコードを生成するに際しては、JSPのテンプレート1001、画面イメージ1002、対応表1003、画面遷移図1004、フォーム項目表1005、および入力処理表1006を使用する。図10中、1007は生成されるJSPのソースコードを示す。
【0048】まず、対応表101から指定された画面名称102に対応する各名称を取得する(ステップ901)。ここで指定された画面名称102を"新規発注画面"として説明する。JSP名称の"Order.jsp"をソースコード1007のファイル名称としてファイルを作成する(ステップ902)。次に、テンプレートデータ208からJSPのテンプレート1001を読み込む(ステップ903)。テンプレート1001には、JSPの基本的な枠組みが記述されている。
【0049】次に、ステップ901で取得したBeanファイル名称105"OrderBean.java"からBeanクラス名称1008"OrderBean"を取得し出力する(ステップ904)。1009は、JSP309内でBean 308を使用するためのJSP構文である。設計ドキュメント204から画面遷移図1004を読み込み、画面遷移先の画面を検索し(ステップ905)、遷移先の画面のサーブレットファイル名称104"OrderConfirmServlet.java"から、遷移先サーブレット1010に"OrderConfirmServlet"を設定する(ステップ906)。そして、設計ドキュメント204から入力処理表1005とフォーム項目表1006を読み込み(ステップ907)、画面イメージ1002のHTMLファイルを読み込む(ステップ908)。入力処理表1005はボタン押下やリスト選択などの際に処理する内容を入力チェック条件などと共に記述する。ステップ906で設定した遷移先サーブレット1010、および入力処理表1005とフォーム項目表1006の内容を、ステップ908で読み込んだHTMLファイルの内容に反映させて出力する(ステップ909)。最後に、作成したソースコード1007のファイルをJSPソースコードデータ210に格納し(ステップ910)、JSPのソースコードを自動生成する処理を終了する。」

<引用文献記載事項1-10>
「【0050】図11と図12を用いて、指定した画面名称に対するBeanのソースコードを自動生成する処理の流れを説明する。Beanのソースコードを生成するに際しては、Beanのテンプレート1201、パッケージ表1202、対応表1203、クラス図1204、シーケンス図1205、Bean公開メソッド表1206、およびフォーム項目表1207を使用する。図12中、1208は生成されるBeanのソースコードを示す。
【0051】まず、対応表101から指定された画面名称102に対応する各名称を取得する(ステップ1101)。ここで指定された画面名称102を"新規発注画面"として説明する。Beanファイル名称の"OrderBean.java"をソースコード1208のファイル名称としてファイルを作成する(ステップ1102)。次に、テンプレートデータ208からBeanのテンプレート1201を読み込む(ステップ1103)。テンプレート1201には、Beanの基本的な枠組みが記述されている。
【0052】次に、設計ドキュメント204からパッケージ表1202を読み込み、package文1209を出力する(ステップ1104)。package文1209にはBeanのパッケージ名称を出力する。Beanファイル名称105"OrderBean.java"から"OrderBean"をクラス名称として取得し、クラス定義部分1210を出力する(ステップ1105)。設計ドキュメント204からクラス図1204を読み込み、"OrderBean"が継承するスーパークラスのBeanを検索し、そのクラス名称1211を出力する(ステップ1106)。そして、サーブレットから実行されるメソッドである"doBusiness()"1212の処理内容を定義する。設計ドキュメント204からシーケンス図1205を読み込み、シーケンス図1205に従って、"doBusiness()"1212を定義し出力する(ステップ1107)。クラス図1204とシーケンス図1205は、UML(Unified Modeling Language)表記で記述されたドキュメントである。
【0053】次に、設計ドキュメント204からフォーム項目表1207とBean公開メソッド表1206を読み込み(ステップ1108)、フォーム項目表1207に記述されている項目すべてに対する変数宣言1213を出力し(ステップ1109)、Bean公開メソッド表1206のすべてのメソッドを定義し出力する(ステップ1110)。最後に、作成したソースコード1208のファイルをBeanソースコードデータ211に格納し(ステップ1112)、Beanのソースコードを自動生成する処理を終了する。」

<引用文献記載事項1-11>
「【0054】図13を用いて、Beanは画面に表示するために必要な情報をすべて持っているコンポーネントであることを説明する。図13は、画面情報とBeanとの関係を表している。図13中、1301は画面イメージであり、"新規発注確認画面"を例にして説明する。1302はBeanのクラスを示す。クラス1302の上の区画1303に表示している名称はクラス名で、"新規発注確認画面"に対応する"OrderConfirmBean"がBeanのクラス名であることを示す。下の区画1304はクラスの属性を表す。"OrderConfirmBean"は"新規発注確認画面"を表示するために必要となる情報をすべて保持し、それらの情報はJSPから参照され、HTMLページとして表示される。画面に表示するために必要な情報、およびフォームで入力される情報は、図12中のフォーム項目表1207とBean公開メソッド1206とで定義されている。」


<引用文献記載事項1-12>
「【0068】中央処理装置2002には、次の3つの機能を実現するソフトウェアが格納され動作している。対応定義生成/編集部2008は、設計情報2004に格納されている画面仕様から画面情報を読み込み、画面とサーブレット、JSP、およびBeanのコンポーネントとの対応定義表1901を生成し、対応定義データ2005に格納する。さらに、対応定義生成/編集部2008を利用して、端末2010から、生成された対応定義表1901の編集を行うことができる。コード生成部2009は、対応定義データ2005に格納されている対応定義表1901と、画面仕様やシステム設計書などの設計情報2004を利用して、サーブレット、JSP、およびBeanの各ソースコードを自動生成する。ソースコードを生成する際に、テンプレートデータ2006に格納されている各コンポーネントのテンプレートやスーパークラスを利用する。コード生成部2009によって生成される各ソースコードは、ソースコードデータ2007に格納される。コード編集部2010は、対応定義データ2005に格納されている対応定義表1901を利用して、開発対象の画面に対する各コンポーネントのソースコードをソースコードデータ2007から取得し、端末2001からエディタを利用して編集する。」

<引用文献記載事項1-13>
「【0076】図22を参照して、対応定義部/編集部2008によって、対応定義表1901を生成する処理の流れを説明する。まず、設計情報2004に格納されている画面仕様から全ての画面情報を読み込む(ステップ2201)。最初の画面情報から画面名称と画面IDを取得する(ステップ2202)。画面IDは、例えば、各画面イメージとして作成されているHTMLファイルのファイル名称から取得してもいいし、画面情報の中で定義してあってもよい。また、端末2001から画面毎に入力してもよい。ここでは、取得した画面名称を"発注確認"、画面IDを"confirm"として説明する。」

<引用文献記載事項1-14>
「開発するWebアプリケーションの画面とサーブレット、JSP、およびBeanとの対応表の一例を示す図であって、該画面としてログイン画面、メニュー画面、新規発注画面、新規発注確認画面、新規発注確定画面、発注一覧(確認)画面、発注内容確認画面、及びエラー表示画面が例示されている図」(【図1】)

<引用文献記載事項1-15>
「画面情報とBeanの関係を示す図であって、合計金額を表示するフィールドを有する新規発注確認画面の画面イメージ1301が例示されている図」(【図13】)


<引用文献2>
特開平11-232090号公報(平成11年8月27日出願公開)

<引用文献記載事項2-1>
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 画面表示用ファイルに基づいて表示画面を生成するブラウザ手段と、前記ブラウザ手段からの要求に応じてデータベースアクセス用プログラムを起動してデータベースアクセスの制御を行うサーバ手段とを有するデータベースシステムのために前記画面表示用ファイル、前記データベースアクセス用プログラム及び前記データベースを生成する自動生成システムにおいて、
入力データに基づきデータベースに登録するデータの定義情報を生成するデータ定義生成手段と、
前記データ定義手段が生成したデータ定義情報に基づき前記データベースを自動生成するデータベース生成手段と、
前記データ定義手段が生成したデータ定義情報に基づき前記画面表示用ファイルを自動生成するファイル生成手段と、
前記データ定義手段が生成したデータ定義情報に基づき前記データベースアクセス用プログラムを自動生成するプログラム生成手段と、
を有することを特徴とするデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項2】 前記ファイル生成手段は、前記画面表示用ファイルとして前記データベースへ登録するデータの入力画面用ファイルを自動生成する入力画面用ファイル生成部を有することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項3】 前記プログラム生成手段は、前記データベースアクセス用プログラムとして前記データベースへデータを登録するためのデータベース登録用プログラムを自動生成するデータベース登録用プログラム生成部を有することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項4】 前記ファイル生成手段は、前記画面表示用ファイルとして前記データベースに登録されたデータの検索条件を設定するための検索画面用ファイルを自動生成する検索画面用ファイル生成部を有することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項5】 前記プログラム生成手段は、検索画面から検索条件式が設定された時点で前記データベースを検索するためのデータ検索用プログラムを前記データベースアクセス用プログラムとして自動生成するデータ検索用プログラム生成部を有することを特徴とする請求項4記載のデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項6】 前記画面表示用ファイルは、ハイパーテキストマークアップ言語により記述されていることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステムの自動生成システム。
【請求項7】 前記データベースアクセス用プログラムは、コモンゲートウェイインタフェイスプログラムであることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステムの自動生成システム。」


(2)参考文献
本願の出願前に頒布または電気通信回線を通じて公衆に利用可能となされた下記参考文献には、それぞれ、下記参考文献記載事項が記載されている。(下線は当審付与。)

<参考文献1>
特開平01-298434号公報(平成元年12月1日出願公開)

<参考文献記載事項1-1>
「2.特許請求の範囲
1) 複数の列と複数の行とからなる2次元の表の行方向あるいは列方向に入力手段の項目と前記2次元の表の列方向或いは行方向に出力手段の項目とが設定され、前記列と行とで指示される位置で前記入力手段と前記出力手段との関係を記憶する2次元定義手段と、
前記入力手段と前記出力手段との関係を前記2次元定義手段から求め入出力プログラムを発生するプログラム発生手段とより成ることを特徴とするプログラム発生装置。
2) 複数の列と複数の行とからなる2次元の表の行方向あるいは列方向に入力手段の項目と前記2次元の表の列方向あるいは行方向に出力手段の項目が設定され、前記列と行とで指示される位置で前記入力手段と前記出力手段との関係を記憶する2次元定義手段と、
前記2次元定義手段1で指示される前記入力手段と前記出力手段との前記関係を演算式で記憶する演算式記憶手段と、
前記入力手段と前記出力手段との関係を前記演算式に従ってプログラムを発生するプログラム発生手段とよりなることを特徴とするプログラム発生装置。」(第1頁下左欄第4行乃至同頁下右欄第7行)

<参考文献記載事項1-2>
「第3図は上述したプログラム定義処理のフローチャートである。プログラム定義処理は本発明の2次元定義表9を用いてプログラムを作成する処理である。ここでCPU4が作成するプログラムは入力制御プログラムと出力制御プログラムの各項目名をパラメータとして、このパラメータによって構成するパラメータ式プログラムである。第4図はこの2次元定義表9の基本的な形を示した図であり、第5図はこの2次元定義表9と更に演算式定義表10とを示した図である。
:
(中略)
:
このプログラムは通し番号1と2のレコードについてみれば「(1)CRT画面は売上伝票処理の地区データ入力画面を表示し、キーボードはプログラマが入力する地区データをCPU4に加え、CPU4はそのデータを主記憶装置5とCRT端末7に加え、主記憶装置5はそのデータを記憶し、その地区データをCRT画面は表示する。(2)主記憶装置5が記憶する地区データをCPU4は読み出して補助記憶装置6に加え補助記憶装置6はl0FILE1にその地区データを記憶する。」という内容である。次にプログラマは第3図の処理S4計算式・条件式(即ち演算式)の記入を行う。
プログラマが2個の入力項目を演算して1個の出力項目に出力するプログラムを作成する時は、出力項目名に対応する行と2個の入力項目に対応する列とが交叉する定義指示欄9-3の2個所の欄をキーボードのキーを押下して指示し、CRT画面はキーボードからCPU4を介してこの指示データが加わえると、その指示欄に記号「0」を表示する。第5図はCRT画面が2次元定義表9の定義指示欄9-3の2個所(欄R6C3、R6C4)に記号「0」を表示した表示例である。そしてプログラマがキーボードのカーソルキーを押下するとCRT画面のカーソル表示は演算式定義表10に移動し、さらにプログラマが2個の入力項目を結合する演算式をキーボードから入力するとCRT画面は、その演算式を表示する。例えばプログラマが2個の入力項目の積を1個の出力項目に出力する演算式B×Cをキーボードから入力するとCPU4はパラメータ式プログラム●1、I、A、B:2、O、B、E、:3、I、A、C;4、O、B、E:〔B×C=E〕を発生する。ここで文字BとCは入力項目名である。プログラマが演算式B×Cを演算式定義表10に定義しているので、前述のようにCPU4はパラメータ式の後部にこの式を加える。この時のCRT画面は演算式を記号〔 〕でくくって表示する。
CPU4は演算式定義表10のCRT画面の演算式入力位置を判断してその位置に該当する出力項目Eを演算式に加え等式を作成し、CRT画面はこの式を表示する。
:
(中略)
:
次にこのCPU4が発生したパラメータ式プログラムを補助記憶装置6がプログラム辞書へ登録する処理S5を行う。上述した処理S3及び処理S4でCPU4が発生したパラメータ式プログラムを主記憶装置5は記憶している。プログラマがあらかじめ定義された登録キー(例えばファンクションキー)を押下すると、このキーからCPU4に信号が加わり、CPU4は主記憶装置5が記憶するパラメータ式プログラムを読み出すと同時にCRT画面にプログラマがプログラム名人力を行う指示を表示する。プログラマがこの指示に従ってキーボードからプログラム名を入力すると、CPU4はこのプログラム名とパラメータ式プログラムとを補助記憶装置6のプログラム辞書ファイルに記憶する(プログラム辞書への登録処理S5)。プログラマがキーボードからこのパラメータ式プログラムのプログラム名を入力してそのプログラムを画面表示する指示とプリントアウトの指示を入力するとCPU4はこのプログラムを補助記憶装置6から読み出し、CRT端末7はCRT画面にそのプログラムを表示し、印刷装置8はそのプログラムを印刷する。」(第3頁下左欄第2行乃至第6頁上右欄第8行)


<参考文献2>
特開2000-231478号公報(平成12年8月22日出願公開)

<参考文献記載事項2-1>
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 基本となるデータ処理、当該データ処理に必要なデータの抽出元と処理結果の移行先、および上記データの処理条件に関する各種仕様情報を定義するための仕様定義手段と、
上記仕様定義手段により定義された仕様情報に基づいて、上記抽出元からデータを取り込んで上記データ処理を行い、その結果を上記移行先に移行することを実現するためのプログラムを生成するプログラム生成手段とを備えたことを特徴とするソフトウェアの自動生成装置。
【請求項2】 上記データ処理は所望の計算処理であることを特徴とする請求項1に記載のソフトウェアの自動生成装置。
【請求項3】 上記プログラム生成手段は、上記仕様定義手段により定義された仕様情報を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された仕様情報を解析して上記プログラムのアルゴリズムを得る解析手段と、
上記解析手段による解析の結果に基づいて上記プログラムを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のソフトウェアの自動生成装置。
【請求項4】 上記データの処理条件の情報には、データの抽出条件、加工条件および採用条件に関する情報のうち少なくとも1つ以上が含まれることを特徴とする請求項1?3の何れか1項に記載のソフトウェアの自動生成装置。
【請求項5】 ソフトウェアのデータ処理で使用する基本となる計算式、当該計算式に必要なデータの抽出元と計算結果の移行先、および上記データの処理条件に関する各種仕様情報を定義する仕様定義ステップと、
上記定義された仕様情報に基づいて、上記抽出元からデータを取り込んで計算を行い、その結果を上記移行先に移行することを実現するためのプログラムを生成するプログラム生成ステップとを有することを特徴とするソフトウェアの自動生成方法。
【請求項6】 ソフトウェアのデータ処理で使用する基本となる計算式、当該計算式に必要なデータの抽出元と計算結果の移行先、および上記データの処理条件に関する各種仕様情報を定義するための仕様定義手段と、
上記仕様定義手段により定義された仕様情報に基づいて、上記抽出元からデータを取り込んで計算を行い、その結果を上記移行先に移行することを実現するためのプログラムを生成するプログラム生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」

<参考文献記載事項2-2>
「【0016】図1に示したように、本実施形態の仕様情報2は、表形式にて様々な情報を定義するようになっており、例えばマイクロソフト社の表計算ソフトであるMS-Excelを使用して定義を行う。この場合、図1に示した仕様情報2は、その入力画面そのものを示している。この入力画面では、ソフトウェア部品で使う数式名と、データの生成先(計算したデータの格納先をテーブル名と項目名で指定)と、数式と、その数式で使用される各データに関する定義とが入力される。
【0017】上記データ定義の欄では、各行のそれぞれに、数式内で使用されているデータの記号名と、データ格納場所(計算で使用するデータをどこから取り込んでくるかをテーブル名と項目名で指定)と、データをどういう条件で抽出するかという抽出条件と、その抽出したデータをどのように加工するかという加工条件とが入力される。
【0018】ここで言う抽出条件とは、例えば指定された読出起点から数えていくつかのデータのうち最新値を抽出するといったように、どういう条件のデータを抽出するか等を定義したものである。また、加工条件とは、例えば複数のデータを読んだときにそれらにどんな加工(例えば合計値計算、平均値計算、最大値選出、最小値選出等)を施すかについて定義したものである。」

<参考文献記載事項2-3>
「【0020】以上のように、本実施形態では、データのFrom-To情報や計算式、更にはデータの抽出条件や加工条件などの情報を定義している。これは、オンラインシステム上などで実際に稼働するソフトウェア部品20の処理に関して、データベース30上のどこにあるデータをどんな条件で読み出し、それをどのように加工して取り込むかと言うデータ抽出処理と、抽出したデータをどんな数式で計算するかと言うデータ演算処理と、その計算結果をデータベース30上のどこに格納するかと言うデータ格納処理との一連のデータ処理の流れをシート上で定義していることに相当する。」

<参考文献3>
特開2000-194548号公報(平成12年7月14日出願公開)

<参考文献記載事項3-1>
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 システム上で稼働するプログラムの処理に必要な各データの移行元と移行先および上記各データの処理条件に関する仕様情報を定義するための仕様定義手段と、
上記仕様定義手段により定義された仕様情報に基づいて上記プログラムを生成するプログラム生成手段とを備えたことを特徴とするソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項2】 システム上で稼働するプログラムの処理に必要な各データの移行元と移行先および上記各データの処理条件に関する仕様情報を定義するための仕様定義手段と、
上記仕様定義手段により定義された仕様情報に基づいて上記プログラムを生成するプログラム生成手段と、
上記仕様定義手段により定義された仕様情報のうち、上記データの移行先に関する情報に基づいて、上記プログラムがシステム上で使用するデータベースを生成するデータベース生成手段とを備えたことを特徴とするソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項3】 上記プログラム生成手段は、上記仕様定義手段により定義された仕様情報を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された仕様情報を解析してデータ処理のアルゴリズムを得る解析手段と、
上記解析手段による解析の結果に基づいて上記プログラムを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項4】 上記データベース生成手段は、上記仕様定義手段により定義された仕様情報の中から上記データの移行先に関する情報を、上記移行先として指定された単位毎に抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により各単位毎に抽出された情報を解析して重複する情報を削除する解析手段と、
上記解析手段による解析結果を用いて上記データベースを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項5】 上記データの移行先の単位として、異なる複数のデータベース上を定義することが可能であることを特徴とする請求項4に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項6】 上記仕様定義手段により定義される仕様情報の中に、上記移行元のデータの種別に関する情報が更に含まれることを特徴とする請求項1?5の何れか1項に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項7】 上記移行元のデータの種別に関する情報は、テーブルに格納されたデータか、サブルーチンにより求まるデータかの種別であることを特徴とする請求項6に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項8】 上記データの処理条件の情報には、少なくともデータの抽出条件および加工条件に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1?7の何れか1項に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項9】 上記データの処理条件の情報には、データの抽出前条件および加工処理後条件に関する情報が更に含まれることを特徴とする請求項8に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項10】 上記データの処理条件の情報には、元データの初期化指定に関する情報が更に含まれることを特徴とする請求項8または9に記載のソフトウェアの稼働環境生成装置。
【請求項11】 システム上で稼働するプログラムの処理に必要な各データの移行元と移行先および上記各データの処理条件に関する仕様情報を定義する定義ステップと、
上記定義ステップにて定義された仕様情報に基づいて上記プログラムを生成するプログラム生成ステップとを有することを特徴とするソフトウェアの稼働環境生成方法。
【請求項12】 システム上で稼働するプログラムの処理に必要な各データの移行元と移行先および上記各データの処理条件に関する仕様情報を定義する定義ステップと、
上記定義ステップにて定義された仕様情報に基づいて上記プログラムを生成するプログラム生成ステップと、
上記定義ステップにて定義された仕様情報のうち、上記データの移行先に関する情報に基づいて、上記プログラムがシステム上で使用するデータベースを生成するデータベース生成ステップとを有することを特徴とするソフトウェアの稼働環境生成方法。
【請求項13】 上記プログラム生成ステップは、上記定義ステップにより定義された仕様情報を抽出する抽出ステップと、
上記抽出ステップにて抽出された仕様情報を解析してデータ処理のアルゴリズムを得る解析ステップと、
上記解析ステップでの解析結果に基づいて上記プログラムを生成する生成ステップとから成ることを特徴とする請求項11または12に記載のソフトウェアの稼働環境生成方法。
【請求項14】 上記データベース生成ステップは、上記定義ステップにて定義された仕様情報の中から上記データの移行先に関する情報を、上記移行先として指定された単位毎に抽出する抽出ステップと、
上記抽出ステップにて各単位毎に抽出された情報を解析して重複する情報を削除する解析ステップと、
上記解析ステップでの解析結果を用いて上記データベースを生成するためのプログラムを生成する第1の生成ステップと、
上記第1の生成ステップにて生成されたデータベース生成プログラムに従って上記データベースを生成する第2の生成ステップとから成ることを特徴とする請求項12に記載のソフトウェアの稼働環境生成方法。
【請求項15】 請求項1?4の何れか1項に記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】 請求項11?14の何れか1項に記載のソフトウェアの稼働環境生成方法の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」

<参考文献記載事項3-2>
「【0032】図2は、AP仕様定義書1の一例を示す図である。図2に示すように、本実施形態のAP仕様定義書1は表形式にて様々な情報を定義するようになっており、例えばマイクロソフト社の表計算ソフトであるMS-Excelを使用して定義を行う。この場合、図2の例は、AP仕様定義書1の入力画面そのものを示している。この図2に示す表の各行にはそれぞれ、1つのデータに関するFrom-Toおよび処理条件に関する情報が入力される。」



3-3.引用発明の認定

(1)引用文献記載事項1-1の【請求項13】の記載より、引用文献1には、
「インターネットやイントラネット上で、サーバサイドJavaの技術であるサーブレット、JSP、およびJavaBeansコンポーネント(Bean)による構成を持つWebアプリケーションシステムを開発するWebアプリケーション開発システム」
が記載されていると言える。

(2)引用文献記載事項1-1の【請求項14】等から、該Webアプリケーション開発システムは、
「画面と前記サーブレット、JSP、およびBeanの各コンポーネントのソースファイル名称との対応関係と、前記Webアプリケーションシステムの設計仕様の情報を利用して、各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段を備え」たもの
であるといえる。

(3)また、引用文献記載事項1-4等から、前記Webアプリケーション開発システムは、
「コマンド入力やマウスを使った操作を行う端末と、
前記設計仕様の情報および生成されたソースコードを格納する外部記憶装置と、
中央処理装置とよりなるもの」
であると言える。

(4)引用文献記載事項1-3等から、
「前記設計仕様の情報は
JSPソースコードを生成するために必要な画面イメージ、フォーム項目表、入力処理表、および画面遷移図を記述した設計ドキュメントと、
サーブレットソースコードを生成するために必要なパッケージ表、画面遷移図、エラー対応表、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントと、
Beanソースコードを生成するために必要なパッケージ表、クラス図、シーケンス図、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントを含むもの」
であると言える。

(5)引用文献記載事項1-5等から、
「上記Webアプリケーションシステムは、
クライアントからWebブラウザによって利用されるものであり、
該Webブラウザ上には、HTMLページが表示され、
該WebブラウザからのリクエストはHTTP経由でサーバ側に送信され、
該サーバにはHTTPサーバとアプリケーションサーバがあり、
上記コード自動生成によって生成したサーブレット、JSP、およびBeanは、それぞれ実行可能な状態で、サーバ側のアプリケーションサーバ上に配置され、
該サーバ側にリクエストが送信されると、リクエストに応じて該当するサーブレットが起動され、
該サーブレットは、対応するBeanに処理を要求し、
さらに、BeanはDBアクセスオブジェクトを利用してデータベースにアクセスし、業務に関する処理やデータ加工などを行い、その処理結果を保持し、
次に、サーブレットからJSPにBeanを渡し、JSPを呼び出し、
該JSPは、Beanで保持する処理結果を参照して、HTMLページを生成し、上記クライアント側に返送し、該返送されたHTMLページは、Webブラウザ上に表示されるもの」
であると言える。

(6)
ア.引用文献記載事項1-7等から、
「前記各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段は」
「サーブレットのソースコードを生成するステップ」と
「JSPのソースコードを生成するステップ」と、
「Beanのソースコードを生成するステップ」
を実行するものであると言えところ、
引用文献記載事項1-8、1-9、1-10等から、これらのステップは
「前記サーブレットソースコードを生成するために必要な設計ドキュメント」、
「前記JSPソースコードを生成するために必要な設計ドキュメント」、
上記Beanソースコードを生成するために必要な設計ドキュメント」
を使用してそれぞれのソースコードを生成するステップと言えるものである。
したがって
「前記各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段は
前記サーブレットソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してサーブレットのソースコードを生成するステップと
前記JSPソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してJSPのソースコードを生成するステップと、
上記Beanソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してBeanのソースコードを生成するステップを実行するもの」
であると言える。

(7)引用文献記載事項1-2、1-11、1-14等から、前記Webアプリケーション開発システムは、
「前記画面として新規発注画面と新規発注確認画面を含んだ複数の画面とすることができるもの」であると言える。

(8)引用文献記載事項1-15等から、
「該新規発注確認画面は合計金額を表示するフィールドを含むもの」
であると言える。

(9)よって、引用文献には、下記引用発明が記載されていると認められる。

<引用発明>
「インターネットやイントラネット上で、サーバサイドJavaの技術であるサーブレット、JSP、およびJavaBeansコンポーネント(Bean)による構成を持つWebアプリケーションシステムを開発するWebアプリケーション開発システムであって、
該Webアプリケーション開発システムは、
画面と前記サーブレット、JSP、およびBeanの各コンポーネントのソースファイル名称との対応関係と、前記Webアプリケーションシステムの設計仕様の情報を利用して、各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段を備え、
コマンド入力やマウスを使った操作を行う端末と、
前記設計仕様の情報および生成されたソースコードを格納する外部記憶装置と、
中央処理装置とよりなるものであり、
前記設計仕様の情報は
JSPソースコードを生成するために必要な画面イメージ、フォーム項目表、入力処理表、および画面遷移図を記述した設計ドキュメントと、
サーブレットソースコードを生成するために必要なパッケージ表、画面遷移図、エラー対応表、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントと、
Beanソースコードを生成するために必要なパッケージ表、クラス図、シーケンス図、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントを含むものであり、
上記Webアプリケーションシステムは、
クライアントからWebブラウザによって利用されるものであり、
該Webブラウザ上には、HTMLページが表示され、
該WebブラウザからのリクエストはHTTP経由でサーバ側に送信され、
該サーバにはHTTPサーバとアプリケーションサーバがあり、
上記コード自動生成によって生成したサーブレット、JSP、およびBeanは、それぞれ実行可能な状態で、サーバ側のアプリケーションサーバ上に配置され、
該サーバ側にリクエストが送信されると、リクエストに応じて該当するサーブレットが起動され、
該サーブレットは、対応するBeanに処理を要求し、
さらに、BeanはDBアクセスオブジェクトを利用してデータベースにアクセスし、業務に関する処理やデータ加工などを行い、その処理結果を保持し、
次に、サーブレットからJSPにBeanを渡し、JSPを呼び出し、
該JSPは、Beanで保持する処理結果を参照して、HTMLページを生成し、上記クライアント側に返送し、該返送されたHTMLページは、Webブラウザ上に表示されるものであり、
前記各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段は
前記サーブレットソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してサーブレットのソースコードを生成するステップと
前記JSPソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してJSPのソースコードを生成するステップと、
上記Beanソースコードを生成するために必要な設計ドキュメントを使用してBeanのソースコードを生成するステップを実行するものであり、
前記画面として新規発注画面と新規発注確認画面を含んだ複数の画面とすることができるものであり、
該新規発注確認画面は合計金額を表示するフィールドを含むものである
Webアプリケーション開発システム。」


3-4.対比
以下、本件補正発明と引用発明とを比較する。

(1)引用発明は「各コンポーネントのソースコードを自動生成する手段」を備えた「Webアプリケーション開発システム」であるから、引用発明も本件補正発明と同様に「ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置」と言えるものである。

(2)引用発明における「外部記憶装置」は、本件補正発明における「第1の記憶手段」に対応付けることができるものであるところ、前者は「設計仕様の情報」「を格納する」ものであり、該「設計仕様の情報」は「JSPソースコードを生成するために必要な画面イメージ、フォーム項目表、入力処理表、および画面遷移図を記述した設計ドキュメントと、」「サーブレットソースコードを生成するために必要なパッケージ表、画面遷移図、エラー対応表、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントと、」「Beanソースコードを生成するために必要なパッケージ表、クラス図、シーケンス図、フォーム項目表、およびBean公開メソッド表を記述した設計ドキュメントを含むもの」であるから、「複数のデータ項目の定義」「を含む業務仕様情報」とも言えるものである。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「複数のデータ項目の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段」
を有する点で共通すると言える。

(3)引用発明における「端末」は表示装置を備え、その画面を制御する手段を有していることは明らかである。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「画面制御手段」
を有する点で共通すると言える。

(4)引用発明における「外部記憶装置」には「設計仕様の情報」が記憶されるのであるから、該「設計仕様の情報」を該「外部記憶装置」に格納するための何らかの「入力手段」を有することは明らかである。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段」
を有する点で共通すると言える。

(5)引用発明における「Beanのソースコードを生成するステップ」においては「フォーム項目表」等の設計ドキュメントを使用しているのであるから「前記データ項目を用いて」いると言える。
そして、引用発明によって開発される上記「Webアプリケーションシステム」においては「BeanはDBアクセスオブジェクトを利用してデータベースにアクセス」するのであるから、引用発明によって生成される「Beanのソースコード」も「前記データベースへのアクセスを行う」ものであると言える。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段」
を有する点で共通すると言える。

引用発明においては、「Beanのソースコード」は各画面に対応して生成されることは明らかであるから、上記「第1のBeanプログラム」とは別の「第2のBeanプログラム」も生成されると言える。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段」
を有する点でも共通すると言える。

(6)引用発明における「JSPのソースコードを生成するステップ」においては「フォーム項目表」等の設計ドキュメントを使用しているのであるから「前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて」いると言える。
また、引用発明における「画面」には「新規発注画面」がありこれは「入力画面」にほかならないものである。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段」
を有する点で共通すると言える。

(7)また、引用発明における「画面」には「新規発注確認画面」もあり、これは「出力画面」にほかならない。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「該データ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段」
を有する点で共通すると言える。

(8)引用発明において生成される「サーブレットのソースコード」は、「アプリケーションサーバ上に」「実行可能な状態で」「配置」される「サーブレット」のソースコードであり、該「サーブレット」は「サーバ側にリクエストが送信されると、リクエストに応じて」「起動され」るものであり、「対応するBeanに処理を要求し」「JSPにBeanを渡し、JSPを呼び出し」たりするものである。
したがって、引用発明と本件補正発明とは、
「前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段」
を有する点で共通すると言える。

(9)引用発明における「外部記憶装置」は、本件補正発明における「第2の記憶手段」にも対応付けられるものであるところ、前者は「生成されたソースコードを格納する」ものでもあるから、引用発明と本件補正発明とは、
「前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段」
を有する点でも共通すると言える。

(10)よって、本件補正発明は、下記一致点で引用発明と一致し、下記相違点で引用発明と相違する。

<一致点>
「ウェブアプリケーションプログラムを生成させるためのプログラム生成装置であって、
複数のデータ項目の定義を含む業務仕様情報を記憶する第1の記憶手段と、
画面制御手段と、
入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納する入力手段と、

前記データ項目を用いて、前記データベースへのアクセスを行う第1のBeanプログラムを生成する第1のBeanプログラム生成手段と、
第2のBeanプログラムを生成する第2のBeanプログラム生成手段と、
前記読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目を用いて入力画面を表示する第1のJSPプログラムを生成する第1のJSPプログラム生成手段と、
該データ項目を用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成する第2のJSPプログラム生成手段と、
前記入力画面からの入力情報を取得して該入力情報及び前記データベースに基づいて前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラムの実行を制御するサーブレットプログラムを生成するサーブレット生成手段と、
前記第1及び第2のBeanプログラム、第1及び第2のJSPプログラム、及び、サーブレットプログラムをそれぞれ記憶する第2の記憶手段と、を有するプログラム生成装置。」

<相違点1>
本件補正発明における第1の記憶手段に記憶される業務仕様情報は、複数のデータ項目の定義のほかに「前記データ項目についての演算処理の定義」を含むものである。
(これに対し、引用発明の「設計仕様の情報」が「前記データ項目についての演算処理の定義」を含む旨の記載は引用文献1にはない。)

<相違点2>
本件補正発明における画面制御手段は「前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する」ものであり、
本件補正発明における入力手段は「前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した」入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納するものである。
(これに対し、引用文献1には「画面コード名称」「対応定義表」「画面ID」等を「端末」から入力・編集してもよい旨の記載はあるが(引用文献記載事項1-6、1-12、1-13)、「設計仕様の情報」をも「端末」から入力する旨の記載はない。
また、引用発明におけるBeanは「データ加工などを行」うものであり、引用発明の「新規発注確認画面」では「合計金額」を表示しているものの、該「加工」や「合計」を定義する「加工式」を入力する旨の記載も引用文献1にはない。)

<相違点3>
本件補正発明は「前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段」を有する。
(これに対し、引用文献1にはデータベースを生成する旨の記載はない。)

<相違点4>
本件補正発明における第2のBeanプログラムは
「前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する」ものである。
(これに対し、引用発明ではBeanは「データ加工などを行」うものでもあるが、該加工を行うBeanが上記「第1のBeanプログラム」に対応付けられる「DBアクセスオブジェクトを利用してデータベースにアクセス」するBeanとは別のBeanとして生成される旨の記載や、該加工が「前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する」ものである旨の記載は引用文献1にはない。)

<相違点5>
本件補正発明における第2のJSPプログラムは
該データ項目だけでなく「前記演算処理の結果のデータ項目」も用いて、出力画面を表示する第2のJSPプログラムを生成するものである。
(これに対し、引用発明の「新規発注確認画面」では「合計金額」を表示しているものの、これが「前記演算処理の結果のデータ項目」すなわち「任意指定可能な加工式による演算処理」の結果のデータ項目である旨の記載は上記引用文献1には無い。)

3-5.判断
以下、上記相違点について検討する。

(1)相違点1について
ソフトウェアを生成する際に、該ソフトウエアが行う演算処理を定義することは、古くから採用されている周知慣用技術であり(必要があれば、参考文献記載事項1-1、1-2、2-1、2-2、2-3、3-1、3-2等参照)、引用発明における「設計仕様」に「新規発注確認画面」の「合計金額」やBeanが行う「加工」等の演算処理の定義を含ませること、すなわち上記相違点1に係る事項は、当業者であれば当然採用する事項にすぎない。

(2)相違点2について
表示装置に表示される入力欄に対してキーボード等の入力装置を用いて入力することで、ソフトウェアの生成に必要となる情報を設定することも、当業者の常套手段にすぎないものであり(必要があれば、参考文献記載事項1-2、2-2、3-2等参照)、また、演算処理の定義を式によって行うことも、古くから採用されている周知慣用技術である(必要があれば、参考文献記載事項1-1(特に「演算式記憶手段」)、参考文献記載事項1-2(特に計算式・条件式(即ち演算式)の記入を行う点)、参考文献記載事項2-1(特に【請求項5】)、参考文献記載事項2-2(特に「加工条件」を定義する点。)等参照)。
なお、「前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄」とは、その技術的な意味が必ずしも明確なものではないものの、これは「第2の入力欄」とは別の入力欄であり、しかも「加工式」以外の「データ項目の定義」をするための情報を入力するための欄であると解することができる。そして、そのような情報の入力を行うことも、当業者の常套手段にすぎないものである(必要があれば参考文献記載事項1-2(特に、出力項目名に対応する行と2個の入力項目に対応する列とが交叉する定義指示欄9-3の2個所の欄をキーボードのキーを押下して指示して記号「0」を表示する点)、参考文献記載事項2-2(特に、データの記号名、データ格納場所、抽出条件等をも入力する点)、参考文献記載事項3-2(特に、「仕様情報」の中に「移行元のデータの種別に関する情報」「データの抽出条件および加工条件に関する情報」「データの抽出前条件および加工処理後条件に関する情報」「元データの初期化指定に関する情報」等が含まれる点。)等参照)。
してみると、引用発明における「設計仕様の情報」も「端末」の表示装置に表示される入力欄に対してキーボード等の入力装置を用いて入力できるように構成することは、当業者であれば容易に着想し得ることであり、また、その際に「設計仕様の情報」として「加工」や「合計」等を定義する「加工式」を入力する欄を設けることも、当業者が適宜採用し得た設計的事項にすぎない。
したがって、引用発明における端末の画面制御手段を「前記業務仕様情報をユーザに入力させる際に表示する画面の表示を制御し、前記業務仕様情報のデータ項目の定義を入力可能な第1の入力欄の表示と、該データ項目についての演算処理に用いる任意指定可能な加工式による演算処理の定義を入力可能な第2の入力欄の表示とを制御する」ものとし、その入力手段を「前記画面制御手段により表示された画面を介するユーザ操作に応じて、前記第1の入力欄に入力されたデータ項目の定義及び前記第2の入力欄に入力された該データ項目についての加工式による演算処理の定義を入力し、該入力した」入力内容を前記業務仕様情報として前記第1の記憶手段に格納するものとすること、すなわち、上記相違点2にかかる構成を採用することは、当業者であれば容易に想到し得たものである。

(3)相違点3について
システム開発に際し、プログラムだけでなく、データベースの生成も行うことも、従来から適宜に採用されている周知慣用技術であり(必要があれば引用文献記載事項2-1、参考文献記載事項3-1(特に【請求項2】)等参照。)、引用発明においても、設計仕様の情報に基づいてデータベースを生成するようにし、「前記第1の記憶手段から前記業務仕様情報を読み出し、該読み出した業務仕様情報で定義された各データ項目に対応したデータベースを生成するデータベース生成手段」を有するものとすること、すなわち上記相違点3に係る構成を採用することは、当業者であれば適宜に採用し得た設計事項にすぎない。

(4)相違点4について
上記(2)で述べたように、引用発明における「設計仕様の情報」も「端末」の表示装置に表示される入力欄に対してキーボード等の入力装置を用いて入力できるように構成することは、当業者であれば容易に着想し得ることであり、また、その際に「設計仕様の情報」として「加工」等を定義する「加工式」を入力する欄を設けることも、当業者が適宜採用し得た設計的事項にすぎない。
また、データベース上のデータを加工してその結果をデータベースに格納する処理も極めてありふれた処理である(必要があれば、参考文献記載事項2-3等参照)から、引用発明におけるBeanとしてデータベース上のデータを上記加工式に基づいて加工して、その結果をデータベースに格納する処理を行うことができるようにすることは、当業者であれば当然のごとく想到する技術的要求であり、本願出願時においてはその実現に格別な困難性も認められない。
してみると、引用発明における「DBアクセスオブジェクトを利用してデータベースにアクセス」するBeanとは別に、データベース上のデータを「端末」から入力された上記「加工式」等に基づいて加工して、その結果をデータベースに格納する処理を行うBeanのソースコードも生成するように構成すること、換言すれば、上記第2のBeanプログラムを「前記読み出した業務仕様情報内のユーザにより入力された加工式による演算処理の定義を用いて、ユーザにより入力された加工式で定義された演算処理に対応した演算を行い、前記データベースに前記演算処理の結果を格納する」ものとすること、すなわち上記相違点4にかかる構成を採用することも、当業者であれば適宜に採用し得た設計事項にすぎない。

(5)相違点5について
上記(2)で述べたように、引用発明における「設計仕様の情報」も「端末」の表示装置に表示される入力欄に対してキーボード等の入力装置を用いて入力できるように構成することは、当業者であれば容易に着想し得ることであり、また、その際に「設計仕様の情報」として「合計」等を定義する「加工式」を入力する欄を設けることも、当業者が適宜採用し得た設計的事項にすぎない。
してみると、引用発明の「新規発注確認画面」において表示する「合計金額」の項目を「前記演算処理の結果のデータ項目」とすること、すなわち上記相違点5にかかる構成を採用することも、当業者であれば適宜に採用し得た設計事項にすぎない。

(6)以上のとおりであるから、本件補正発明の構成は引用発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
そして、当該構成の採用によって奏される作用効果も、当業者であれば容易に予測し得る程度のものであって、格別顕著なものではない。
よって、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


3-6.小結
よって、本件補正発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。


4.むすび
以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反する。
したがって、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下しなければならないものである。

よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。



第3.本件審判請求の成否について

1.手続の経緯、本願発明の認定
本願の手続の経緯は上記第1.記載のとおりのものであり、更に、平成23年2月24日付けの手続補正は上記第2.のとおり却下された。
したがって、本願の特許請求の範囲は、上記第1.2.(1)に記載したとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」と記す。)はそこに【請求項1】として記載したとおりのものである。

2.先行技術・引用発明の認定
上記第2.3-2.(1)(2)で示したとおり、本願の出願前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原審の拒絶の査定の理由である上記平成22年8月25日付けの拒絶理由通知において引用された上記引用文献には上記引用文献記載事項が記載されており、本願の出願前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となされた上記参考文献にはそれぞれ上記参考文献記載事項が記載されている。
そして、上記引用文献には上記第2.3-3.で認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。

3.対比・判断
上記第2.3.で検討した本件補正発明は、本願発明に対し上記第2.2.で述べた限定的減縮をしたものであるから、本願発明は、上記本件補正発明から当該限定的減縮により限定される要件をなくしたものに相当する。
そして、本願発明の構成要件を全て含み、更に他の要件を付加したものに相当する上記本件補正発明は、上記第2.3-5.に記載したとおり、上記引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願発明も同様の理由により、上記引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.回答書について
なお、平成23年12月5日付けの回答書には「本願の出願人は、審理のご判断に応じ、本願発明についてさらなる補正を行う用意もありますので、そのような場合には、補正の機会をいただきたくよろしくお願い申し上げます。」とあるが、原審の経緯や請求人の主張等を考慮しても、更なる補正の機会を設けるべき格段の事情は見当たらない。

5.むすび
以上のとおり、本願請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項についての検討をするまでもなく、本願を拒絶すべきものとした原審の拒絶査定は妥当なものである。

よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-10-24 
結審通知日 2012-10-30 
審決日 2012-11-12 
出願番号 特願2003-188952(P2003-188952)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 漆原 孝治  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 原 秀人
田中 秀人
発明の名称 プログラム生成装置およびプログラム生成方法およびプログラムおよび記録媒体  
代理人 水垣 親房  

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