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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1268672
審判番号 不服2012-1270  
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-23 
確定日 2013-01-10 
事件の表示 特願2009-287700「記録装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月 6日出願公開、特開2010-102824〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成16年3月1日に出願した特願2004-56372号の一部を平成21年12月18日に新たな特許出願としたものであって、平成23年8月8日付けの拒絶理由通知に対する応答期間内の同年10月7日付けで手続補正がなされたが、同年10月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年1月23日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに同日付けで手続補正がなされた。
その後、平成24年8月2日付けで前置報告書を利用した審尋がなされ、同年10月5日付けで回答書が提出されたものである。

第2 平成24年1月23日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成24年1月23日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正
平成24年1月23日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)による特許請求の範囲の補正については、本件補正前に、
「【請求項1】
データを記録する第一の記録部と、データを移動して記録する第二の記録部と、を備えた記録装置であって、
著作権保護された第一のデータを前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一のデータをユーザアクセスが制限された第二のデータとして前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを前記第二の記録部に移動する手段と、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第二のデータとを比較する手段と、を備え、
前記比較する手段により比較した結果が不一致である場合は、前記第二のデータを前記第一のデータとして利用可能とすることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、前記第一のデータを前記第二の記録部に伝送時に又は伝送後に、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを消去することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、一致したと判定した場合に前記第二のデータを使用不能とすることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、一致したと判定した場合に前記第二のデータを消去することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、比較結果を表示部に表示することを特徴とする記録装置。
【請求項6】
データを記録する第一の記録部と、データを移動して記録する第二の記録部と、を備えた記録装置であって、
著作権保護された第一のデータを前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一のデータと同一コンテンツから得られユーザアクセスが制限された第二のデータを前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを前記第二の記録部に移動する手段と、を備え、
前記第二の記録部に移動されたデータと前記第二のデータとが不一致である場合は、前記第二のデータを利用可能とし、一致する場合には、前記第二のデータを利用不能とすることを特徴とする記録装置。」
とあったところを、

本件補正後、
「【請求項1】
データを記録する第一の記録部と、データを移動して記録する第二の記録部と、を備えた記録装置であって、
著作権保護された第一のデータを前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一のデータをユーザアクセスが制限された第二のデータとして前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを前記第二の記録部に移動する手段と、前記第二の記録部に異動されたデータと前記第二のデータとを比較する手段と、を備え、
前記比較する手段により比較した結果が不一致である場合は、前記第二のデータのユーザアクセス制限を解除して前記第一のデータとして利用可能とすることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、前記第一のデータを前記第二の記録部に伝送時に又は伝送後に、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを消去することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、一致したと判定した場合に前記第二のデータを使用不能とすることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、一致したと判定した場合に前記第二のデータを消去することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1記載の記録装置において、前記第二の記録部に移動されたデータと前記第一のデータとを比較し、比較結果を表示部に表示することを特徴とする記録装置。」
とするものである。

本件補正の具体的内容は、本件補正前の請求項1について、「前記第二のデータを前記第一のデータとして利用可能」を「前記第二のデータのユーザアクセス制限を解除して前記第一のデータとして利用可能」と上記下線部を付加して発明特定事項を限定すると共に本件補正前の請求項6を削除したものであり、これらは、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号及び第2号に規定する請求項の削除及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かについて以下検討する。

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第01/48755号(国際公開日 2001年7月5日、以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「また、本発明は、上記課題を考慮し、著作権を保護しつつ、コピーが禁止されているデータを他の記録媒体に移動させるまたは複写するデータ処理装置と、そのデータ処理装置からのデータを記録媒体に記録し、または記録するとともに再生する記録再生装置と、著作権を保護してデータをバックアップしておく暗号化データ復号記録装置システムおよびそのシステムを構成する復号記録装置、記録装置と、著作権を保護してデータを送信するデータ送信装置とを提供することを目的とするものである。」(6頁5?11行)

(2)「次に、本発明の第8の実施の形態のAVHDD1001およびアーカイブ機器1002の構成を述べる。
図21に、本発明の第8の実施の形態のAVHDD1001およびアーカイブ機器1002のブロック図を示す。なお、図21には説明の便宜上、STB(セットトップボックス)1003をも表示している。
さて、本発明の第8の実施の形態のAVHDD1001は、図21に示すように、STB1003からのデータをAVHDD1001固有の暗号化鍵で暗号化する暗号化手段1004と、暗号化手段1004によって暗号化されたデータを蓄積手段1006内の記録媒体に記録する第1記録手段1005と、データを蓄積する蓄積手段1006と、蓄積手段1006に蓄積されているデータをアーカイブ機器1002に移動させる移動手段1007と、アーカイブ機器1002からのデータであって、AVHDD1001固有の暗号化鍵で暗号化されているデータを解読し再生する再生手段8とで構成されている。なお、蓄積手段1006は、データが記録される第1の記録媒体を有しており、データはその第1の記録媒体に記録される。
なお、「発明の実施の形態」では、AVHDDを、ハードディスクドライブ(HDD)を用いて、音声(Audio)や映像(Video)やその他のデータを記録再生する装置を表す単語として用いる。
次に、本発明の第8の実施の形態のアーカイブ機器1002は、図21に示すように、AVHDD1001からのデータを第2の記録媒体1010に記録する第2記録手段1009と、第2の記録媒体1010と、第2の記録媒体1010に記録されているデータを読み出してAVHDD1001に送信する送信手段1011とで構成されている。なお、アーカイブ機器1002としては、例えばDVD装置や、D-VHS装置が該当する。本実施の形態では、アーカイブ機器1002の一例としてDVD装置を用いて説明することにする。したがって、第2の記録媒体1010の一例としてはDVDが該当することになる。
なお、STB1003は、例えば放送局からのデータを受信し、そのデータをAVHDD1001に出力するとともに、AVHDD1001からのデータを再生する手段であって、再生されたデータは、映像データであればSTB1003に接続されているディスプレイに表示され、また音声データであればSTB1003に接続されているスピーカから出力される。なお、ディスプレイやスピーカは図示されていない。
また、第8の実施の形態では、本発明の、データ処理装置の一例としてAVHDD1001を、記録再生装置の一例としてアーカイブ機器1002を、それぞれ用いる。」(87頁2?88頁14行)

(3)「次に、本発明の第8の実施の形態のAVHDD1001およびアーカイブ機器1002の動作を述べる。
以下の説明の便宜上、AVHDD1001の蓄積手段1006内の第1の記録媒体の記録可能容量が限界に達しようとしており、いずれかのデータを上書きまたは削除しなければSTB1003からの新たなデータを蓄積することができない状態であるとし、ユーザが、蓄積手段1006内のデータをアーカイブ機器1002内の第2の記録媒体1010に移動させるための指示を、AVHDD1001およびアーカイブ機器1002にしたものとする。なお、データの移動とは、例えば第1の記録媒体に記録されているデータを、別の第2の記録媒体に移し、移した後には第1の記録媒体内には移ったデータを残さないことを意味する。
また、以下の説明の便宜上、AVHDD1001からアーカイブ機器1002に移動させられるデータは、暗号化手段1004によってAVHDD1001固有の暗号化鍵で暗号化され、第1記録手段1005によって蓄積手段1006内の第1の記録媒体に記録されていたものとする。また、上記の移動対象のデータは、著作権保護のために、他の記録装置への移動は許されているがコピーが禁止されているコピー禁止データであるとする。
さてこのとき、移動手段1007は、AVHDD1001固有の暗号化鍵で暗号化されているコピー禁止データを、蓄積手段1006内の第1の記録媒体から読み出してアーカイブ機器1002に送信する。このようにして移動手段1007がコピー禁止データを送信するさい(移動させるさい)、その移動手段1007は、コピー禁止データを1回だけコピー可能なデータとして出力する。
そして、アーカイブ機器1002では、第2記録手段1009が、AVHDD1001からのコピー禁止データを第2の記録媒体1010に記録する。なお、移動手段1007によってアーカイブ機器1002に移動させられるデータは、AVHDD1001内において復号されずに暗号化されたままアーカイブ機器1002に移動させられる。したがって、第2記録手段1009によって第2の記録媒体1010に記録されたデータは、AVHDD1001固有の暗号化鍵で暗号化されているコピー禁止データであるということになる。」(89頁3行?90頁10行)

(4)「また、上述した実施の形態では、AVHDDからアーカイブ機器にコピー禁止データを移動させるとした。つまり、コピー禁止データをアーカイブ機器に移動させた後にはAVHDDからコピー禁止データを削除するとした。しかしながら、アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなることも考えられるので、コピー禁止データをAVHDDにバックアップとして残しておくことが好ましい場合がある。
その場合、上述した実施の形態の各AVHDDの移動手段1007を、コピー禁止データをアーカイブ機器にコピーする複写手段に置き換えると、アーカイブ機器にコピー禁止データを送信するとともに、AVHDD内にコピー禁止データをバックアップ蓄積しておくことができ、アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなった場合でも、AVHDDにバックアップ蓄積されたコピー禁止データを利用することができるというメリットが生まれる。
ここで、複写手段を備えたAVHDDの構成の一例として、図21に示す移動手段1007を備えたAVHDD1001を、移動手段1007の替わりに複写手段1080を備えたAVHDD1081に置き換えた場合を例にとって、図28に示す。」(97頁3?19行)

引用例1に記載のものは、データ処理装置と記録装置とを合わせて記録装置として把握できることを踏まえて、上記摘示事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「著作権保護されたコピー禁止データを暗号化し、該暗号化されたコピー禁止データをAVHDD内に記録する手段と、前記AVHDD内に記録された前記コピー禁止データをアーカイブ機器に移動する手段と、AVHDD内に前記コピー禁止データをバックアップ蓄積する手段と、を備え、
アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなった場合、AVHDD内にバックアップ蓄積されたコピー禁止データを利用可能とする記録装置。」

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-306406号公報(公開日平成13年11月2日、以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(5)「【0004】本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、データ書き込みの失敗等によって生じるデータ消失を防ぎ、安全性の高い、交換媒体へのデータ書き込み制御方法及び交換媒体へのデータ書き込み制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。」

(6)「【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る交換媒体へのデータ書き込み制御システムと制御方法によれば、書き込んだデータをHDDに仮に書き込んだデータと比較し正しく書き込めているか検証できるため、大切なデータを書き込みの失敗により失うことが無い。…」

3.対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「コピー禁止データ」「AVHDD」「移動」及び「アーカイブ機器」は、本願補正発明の「データ」「第一の記録部」「移動」及び「第二の記録部」にそれぞれ相当する。
(2)引用発明の「コピー禁止データ」は、著作権保護されたものであるから、引用発明は、本願補正発明の「著作権保護された第一のデータを前記第一の記録部に記録する手段」に相当する構成を備えている。
(3)引用発明において、AVHDD内にバックアップ蓄積されているコピー禁止データは、暗号化され、著作権が保護されているデータ(摘示事項(1))であるから、ユーザアクセスが制限されているといえる。一方、本願明細書(段落【0036】【0037】)には、「第二のデータ」について、著作権保護されたデータを移動する際に暗号化したデータによりバックアップを作成する旨記載されている。すると、引用発明の「AVHDD内」の「バックアップ蓄積」された「前記コピー禁止データ」は、本願補正発明の「第二のデータ」に相当するから、引用発明は、本願補正発明の「前記第一のデータをユーザアクセスが制限された第二のデータとして前記第一の記録部に記録する手段」に相当する構成を備えている。
(4)引用発明の「前記AVHDD内に記録されたコピー禁止データをアーカイブ機器に移動する手段」は、本願補正発明の「前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを前記第二の記録部に移動する手段」に相当することは明らかである。
(5)引用発明は、「アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなった場合、AVHDD内にバックアップ蓄積されたコピー禁止データを利用可能とする」ものであるから、本願補正発明の「前記第二のデータ」を「前記第一のデータとして利用可能とすること」に相当する構成を備えている。
(6)引用発明と本願補正発明の「記録装置」は共通する。

そうすると、本願補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。

<一致点>
「データを記録する第一の記録部と、データを移動して記録する第二の記録部と、を備えた記録装置において、
著作権保護された第一のデータを前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一のデータをユーザアクセスが制限された第二のデータとして前記第一の記録部に記録する手段と、前記第一の記録部に記録された前記第一のデータを前記第二の記録部に移動する手段と、を備え、
前記第二のデータを前記第一のデータとして利用可能とする記録装置。」の点。

そして、次の点で相違する。
<相違点>
本願補正発明は、「前記第二の記録部に移動されたデータと前記第二のデータを比較する手段」を備え、「前記比較する手段により比較した結果が不一致である場合は」前記第二のデータ「のユーザアクセス制限」を「解除して」前記第一のデータとして利用可能とする、と特定されているのに対し、引用発明は、「アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなった場合、」AVHDD内にバックアップ蓄積されたコピー禁止データを利用可能とする点。

4.判断
そこで、上記相違点について検討する。
データ書き込み失敗等によって生じるデータ消失を防止する技術に関して、引用発明及び本願補正発明と同一の技術分野に属する引用例2には、書き込まれたデータと仮に書き込んだデータ(バックアップデータ)とを比較して正しく書き込めているかを検証する技術思想が開示されている。
すると、引用発明において、アーカイブ機器においてコピー禁止データが処理できなくなった場合について、引用例2に記載された上記技術思想を適用して、アーカイブ機器に移動されたコピー禁止データとAVHDD内にバックアップ蓄積されたコピー禁止データとを比較し、比較した結果が不一致である場合とすること、すなわち「前記第二の記録部に移動されたデータと前記第二のデータを比較する手段」を備え、「前記比較する手段により比較した結果が不一致である場合」とすることは当業者が容易に想到できたものである。
また、バックアップ蓄積されたコピー禁止データは暗号化されているのであるから、第一のデータとして利用するに際に復号化すること、すなわちユーザアクセス制限を解除することは当然のことである。
そして、上記相違点を総合的に判断しても、本願補正発明が奏する効果は引用例1及び2から、当業者が十分に予測できたものであって、格別なものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5.本件補正についてのむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成24年1月23日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成23年10月7日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1.」に本願補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2.引用例、及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、上記「第2[理由]2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]1.」で検討した本願補正発明における「前記第二のデータのユーザアクセス制限を解除して前記第一のデータとして利用可能」を「前記第二のデータを前記第一のデータとして利用可能」と上記下線部を削除したものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2[理由]3.4.」に記載したとおり、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-08 
結審通知日 2012-11-13 
審決日 2012-11-29 
出願番号 特願2009-287700(P2009-287700)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G11B)
P 1 8・ 121- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 五貫 昭一  
特許庁審判長 小松 正
特許庁審判官 山田 洋一
関谷 隆一
発明の名称 記録装置  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  

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