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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08F
管理番号 1269185
審判番号 不服2010-17185  
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-30 
確定日 2013-01-23 
事件の表示 特願2004-553460「ブロックコポリマー溶融加工性組成物、該組成物の調製方法および該組成物からの物品」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 6月 3日国際公開、WO2004/046215、平成18年 2月23日国内公表、特表2006-506505〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、国際出願日である平成15年10月10日(パリ条約による優先権主張 2002年11月15日 米国(US))の出願であって、平成18年10月6日付けで手続補正書が提出され、平成21年8月28日付けで拒絶理由が通知され、平成22年3月1日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年3月19日付けで拒絶査定がなされた。これに対して、平成22年7月30日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に、手続補正書が提出され、同年10月15日付けで前置報告がなされ、平成24年3月6日付けで当審より審尋がなされ、同年6月13日に回答書が提出されたものである。

第2.平成22年7月30日付けの手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成22年7月30日付けの手続補正を却下する。

〔理由〕
1 補正の内容
平成22年7月30日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求と同時になされた補正であり、平成22年3月1日付け手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲をさらに補正するものであって、補正前の特許請求の範囲の、

【請求項1】
a)少なくとも20℃のガラス転移温度を有するとともに、
直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位および
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位
を含む、少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック、および
20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック
を含むポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー、および
b)前記ブロックコポリマー100重量部に対して10?200重量部の粘着付与剤を含む、感圧接着剤組成物。」

との記載を、


【請求項1】
a)少なくとも20℃のガラス転移温度を有するとともに、
直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位および
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位
から調製された、少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック、および
20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック
を含むポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー、および
b)前記ブロックコポリマー100重量部に対して10?200重量部の粘着付与剤を含む、感圧接着剤組成物。 」

とする、特許請求の範囲に係る補正を含むものである。

2 本件補正の目的について
上記特許請求の範囲に係る補正は、補正前の請求項1に記載の発明を特定する事項である「コポリマー末端ブロック」について、第1のモノマー単位および第2のモノマー単位から調整されたものに限定する補正事項を含むものであり、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決すべき課題が同一であるから、請求項1についてする本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものである。

a)少なくとも20℃のガラス転移温度を有するとともに、
直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位および
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位
から調製された、少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック、および
20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック
を含むポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー、および
b)前記ブロックコポリマー100重量部に対して10?200重量部の粘着付与剤を含む、感圧接着剤組成物。」

(2)刊行物の記載事項
以下、特開平10-8011号公報を「刊行物2」という。

原審の拒絶査定の理由に引用された、本願の優先日の前に頒布された刊行物2には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付した。

2A「
【請求項1】 重量平均分子量が1万?400万であるブロック共重合体(I)からなるアクリル系接着剤組成物であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A-B)a-A、一般式(B-A)b-B、一般式(A-B)c、一般式(A-B)m-X、及び一般式Ao-T-Bpで表されるブロック共重合体の群から選ばれる1種以上のブロック共重合体であることを特徴とするアクリル系接着剤組成物。式中、Aは20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体、又は、20℃以上のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体を表す。Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1?12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を表す。又、Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有すビニル系共重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、アルキル基の炭素数が1?12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重合体もしくは共重合体を表す。Xは複数個の共重合体(A-B)を結合することのできる化合物残基、TはAとBとを結合することのできる化合物残基を表す。mは3?30の整数を表し、a、b、cは同一又は異なって1?10の整数を表す。o、pは同一又は異なって1以上の整数を表し、o+p=3?30の関係にある。」

2B「
【0025】上記Aで表されるブロックを形成するビニル系重合体及びビニル系共重合体を構成するモノマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、凝集力向上の点でスチレン、メチルメタクリレートが好ましい。これらを単独で使用することによりビニル系重合体とすることができ、2種以上を使用することによりビニル系共重合体とすることができる。」

2C「
【0060】本発明のアクリル系接着剤組成物(I)には、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カルボン酸金属塩等を添加することができる。
【0061】上記粘着付与樹脂としては特に限定されず、例えば、C5 系(水添)石油樹脂、C9 系(水添)石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、又2種以上を併用することができる。」

2D「
【0072】更に、本発明のアクリル系接着剤組成物(I)及びアクリル系接着剤組成物(II)は、アクリル系感圧性接着剤組成物としても好適に用いることができ、例えば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層として用いることができる。」

(3)刊行物2に記載された発明
摘示2A、2Dの記載からみて、刊行物2には以下の発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されている。

重量平均分子量が1万?400万であるブロック共重合体(I)からなるアクリル系感圧性接着剤組成物であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A-B)a-A、一般式(B-A)b-B、一般式(A-B)c、一般式(A-B)m-X、及び一般式Ao-T-Bpで表されるブロック共重合体の群から選ばれる1種以上のブロック共重合体であることを特徴とするアクリル系感圧性接着剤組成物。式中、Aは20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体、又は、20℃以上のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体を表す。Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1?12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を表す。又、Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有すビニル系共重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、アルキル基の炭素数が1?12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重合体もしくは共重合体を表す。Xは複数個の共重合体(A-B)を結合することのできる化合物残基、TはAとBとを結合することのできる化合物残基を表す。mは3?30の整数を表し、a、b、cは同一又は異なって1?10の整数を表す。o、pは同一又は異なって1以上の整数を表し、o+p=3?30の関係にある。

(4)対比・判断
本願補正発明と刊行物2発明とを比較する。

刊行物2発明における「アクリル系感圧性接着剤組成物」は、本願補正発明の「感圧接着剤組成物」に相当する。

刊行物2発明における「ブロック共重合体(I)」は、少なくとも「B」ブロックが「アルキル基の炭素数が1?12のアルキル(メタ)アクリレートからなる(共)重合体」を必須成分として含んでいるところ、本願補正発明における「(メタ)アクリレートブロックコポリマー」とは、「ブロックコポリマーは、AブロックとBブロックの少なくとも一方が1種以上の(メタ)アクリレートモノマーから誘導されることを意味する」との記載(段落【0018】参照。)があることから、刊行物2発明の「ブロック共重合体(I)」は、本願補正発明における「ポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー」といえる。

さらに、刊行物2発明の一般式(A-B)a-A型のブロックコポリマー中のAブロック,Bブロックに関して、Aブロックのガラス転移温度が20℃以上のビニル系共重合体であり、Bブロックのガラス転移温度が0℃以下の(共)重合体である場合を含むことから、刊行物2発明における「A」「B」は、それぞれ本願補正発明における「少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック」「20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック」といえる。

摘示2Bには、Aブロックを形成するモノマーとして、凝集力向上の点でスチレン、メチルメタクリレートが好ましいとの記載があることから、刊行物2発明におけるビニル系共重合体として、スチレン、メチルメタクリレートとの共重合体の態様を含んでいるといえ、刊行物2発明は、本願補正発明における「直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位およびベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位から調製された」点を備えているといえる。

摘示2Cには、粘着付与樹脂を配合可能の旨の記載がある。


以上をまとめると、本願補正発明と刊行物2発明の一致点及び相違点は次のとおりである。

〔一致点〕
a)少なくとも20℃のガラス転移温度を有するとともに、
直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位および
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位
から調製された、少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック、および
20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック
を含むポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー、および
b)前記ブロックコポリマー100重量部に対して粘着付与剤を含む、感圧接着剤組成物。

〔相違点〕
本願補正発明において、粘着付与剤を、ブロックコポリマー100重量部に対して10?200重量部含むことを規定しているのに対して、刊行物2発明はそのような限定を有していない点、

(5)相違点についての判断
刊行物2発明は、接着剤の技術分野に関するものであり、当該技術分野において粘着付与樹脂の配合量を樹脂成分に対し10?200重量部程度とその配合量を最適化することは、当業者の通常の創作能力の発揮であって、格段の困難性を有するものではない。また、本願補正発明が粘着付与剤の配合量を規定した場合に有する効果が、刊行物2発明が有する効果とは異質なもの、又は同質であるが際だって優れたものともいえない。

(6)請求人の主張について
請求人は、平成24年6月13日提出の回答書において、刊行物2発明はAとBのうち、少なくとも一方が水酸基を含んでいることから本願発明におけるコポリマーとは相違する旨の主張をしているが、本願補正発明においてモノマー成分を規定しているのは高ガラス転移温度コポリマー末端ブロックのみであり、低ガラス転移温度ポリマーブロックに関しては何ら規定しておらず、水酸基を含んでいるか否かは相違点とはならないことから、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。

(7)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は刊行物2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができない。従って、本件補正は、平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1 本願発明
平成22年7月30日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成22年3月1日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。


a)少なくとも20℃のガラス転移温度を有するとともに、
直鎖および分岐のアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる第1のモノマー単位および
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、スチレン、アルファ-メチルスチレン、およびt-ブチルスチレンからなる群より選ばれる第2のモノマー単位
を含む、少なくとも1種の高ガラス転移温度コポリマー末端ブロック、および
20℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種の低ガラス転移温度ポリマーブロック
を含むポリ(メタ)アクリレートブロックコポリマー、および
b)前記ブロックコポリマー100重量部に対して10?200重量部の粘着付与剤を含む、感圧接着剤組成物。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、要するに、本願発明は、刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
刊行物2:特開平10-8011号公報

3 当審の判断
(1)刊行物について
平成21年8月28日付け拒絶理由通知で引用された刊行物2には、前記第2.3(2)に記載した事項が記載されている。

(2)対比・判断
本願発明は、請求項1に記載の発明を特定する事項である「コポリマー末端ブロック」について、第1のモノマー単位および第2のモノマー単位「から調製された」なる事項を有さないものである。
そうすると、本願発明をさらに限定した本願補正発明が前記第2.3に記載したとおり、刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明もまた容易になし得たものである。


第4.むすび
以上のとおり、本願発明についての原査定の理由は妥当なものであるから、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-08-27 
結審通知日 2012-08-28 
審決日 2012-09-10 
出願番号 特願2004-553460(P2004-553460)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C08F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 和田 勇生  
特許庁審判長 蔵野 雅昭
特許庁審判官 加賀 直人
大島 祥吾
発明の名称 ブロックコポリマー溶融加工性組成物、該組成物の調製方法および該組成物からの物品  
代理人 出野 知  
代理人 永坂 友康  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 蛯谷 厚志  
代理人 青木 篤  

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