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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H02P |
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管理番号 | 1269272 |
審判番号 | 不服2009-13910 |
総通号数 | 159 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-03-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-05 |
確定日 | 2013-02-15 |
事件の表示 | 特願2000-564288「過電圧保護回路を備えた制御形の整流器ブリッジ回路」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 2月17日国際公開、WO00/08747,平成14年 7月23日国内公表,特表2002-523008,請求項の数(2)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は,1999年(平成11年) 7月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 1998年(平成10年) 8月 5日,ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって,平成21年 4月 1日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年 8月 5日付けで本件審判請求がなされるとともに,平成22年10月15日付けの拒絶理由通知に応答して,平成23年 4月19日付けで手続補正がなされた。 そして,平成23年 6月21日に特許庁は「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は同年 7月 6日に審判請求人に送達された。 一方,審判請求人は,平成23年11月 4日に知的財産高等裁判所に審決取消事件として出訴した。 そして,平成24年 8月 8日に「特許庁が不服2009-13910号事件について平成23年 6月21日にした審決を取り消す。」との判決が言渡され,特許庁に差し戻された。 さらに,同年 9月14日付けで審理が再開され,同年 9月24日付けで当審による拒絶理由が通知され,応答期間内である平成25年 1月 7日付けで意見書とともに手続補正がなされたところである。 この出願の請求項1乃至2に係る発明は,平成25年 1月 7日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められる。 そして,本願については,原査定及び当審の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 当審において,平成25年 1月 7日付け意見書の「整流器の出力の過電圧を抑制するために整流器の出力を短絡する場合,2つの方式が考えられます。1つの方式は,整流器とは別個に整流器の出力に短絡スイッチ(例えばサイリスタなど)を独立して設ける方式であり,別の方式は,整流器が整流の作用と短絡の作用を兼用する方式です。一般的に短絡電流は整流器の定格電流に比べ極めて大きな電流となるために,前者の方式では,整流器のスイッチは整流のための電流に対応した比較的電流定格の小さいスイッチですみますが,短絡スイッチは電流定格の大きなスイッチを別個に設ける必要があります。後者の場合は,短絡スイッチを別個に設ける必要がありませんが,整流器のスイッチは,整流のための電流定格より遥かに大きな,短絡電流に耐えられる電流定格を有するスイッチを設ける必要があり,どちらの方式にも一長一短があります。 本願発明は後者の方式に属しますが,整流器のスイッチ(V12,V22,V32,V42,V52,V62)の電流定格が比較的小さいスイッチで対応可能なことが従来より優れた方式です。なぜなら,本願発明では,大きな負荷が急激に離脱して整流器の出力が過電圧になる場合,保護回路の半導体スイッチ(V11,V21)のフィードバック作用により短絡電流を大幅に抑制しているからです。この作用については,明細書の段落「0013」および図4(審決注:「図3」は誤記。)に説明してあります。すなわち,図4(審決注:「図3」は誤記。)において,従来の短絡電流であるIK1(A)に対し,本願発明の短絡電流はIK2(A)で大幅に減少しています。したがって,過電圧抑制のための短絡に関し後者の方式を使用しても,整流器のスイッチの電流定格を整流のための電流定格に比べ遥かに大きな電流定格のスイッチを使用する必要がないからです。この優れた作用効果は本願発明特有のもので,整流器のスイッチ(トランジスタV12,V22,V32,V42,V52,V62)として,定格電流が小さい,言い換えれば小型で低コストのスイッチを使用することが可能です。 なお,引用例4(特開平9-130990)に対し一言言及すれば,引用例4の段落「0033」の記載によれば,短絡スイッチは発電機コイル1Bを短絡する,すなわち,整流器の入力側に設置されているものと推測されます。この場合短絡スイッチは交流スイッチにする必要があり,本願発明のような整流器の出力に設置した場合の単方向スイッチに比べ両方向とも短絡電流に耐えられるスイッチとする必要があり,引用例4はこの点でも欠点のある保護方式です。」なる主張を採用した。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2013-02-04 |
出願番号 | 特願2000-564288(P2000-564288) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H02P)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西村 泰英 |
特許庁審判長 |
仁木 浩 |
特許庁審判官 |
川口 真一 藤井 昇 |
発明の名称 | 過電圧保護回路を備えた制御形の整流器ブリッジ回路 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 二宮 浩康 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |