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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1269802
審判番号 不服2012-361  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-10 
確定日 2013-02-07 
事件の表示 特願2005- 8499「放送受信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 7月27日出願公開、特開2006-197420〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
1.手続きの概要
本願は,平成17年1月17日を出願日とする出願であって、平成22年12月3日(起案日)付け拒絶理由通知に対して平成23年2月14日に手続補正がなされ、平成23年10月3日(起案日)付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年1月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

第2 補正却下の決定
平成24年1月10日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)について次のとおり決定する。

《補正の却下の決定の結論》
平成24年1月10日付けの手続補正を却下する。

《補正の却下の決定の理由》
[1]本件補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のとおり補正された。
「【請求項1】
放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備え、
前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示し、
前記文字の認識を行う手段は、前記文字認識の対象となる領域を受信映像の少なくとも上辺を含む、中央以外の周辺領域とすることを特徴とする放送受信装置。」

[2]本件補正の適合性
[2-1]補正の範囲
上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正である。

[2-2]補正の目的
上記請求項1の補正は、補正前(すなわち、平成23年2月14日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲)の請求項1を引用する請求項7に記載した発明を特定する「文字の認識を行う手段」における「文字認識の対象となる領域」である「中央以外の周辺領域」について、「受信映像の少なくとも上辺を含む、」と限定するものであるから、特許法第17条の2第4項第2号で規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

[2-3]独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が独立特許要件(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定)を満たすか否かについて以下に検討する。

1.補正発明
本件補正後の請求項1に係る発明は、平成24年1月10日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、次のとおりのものであると認められる。

「【請求項1】
放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備え、
前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示し、
前記文字の認識を行う手段は、前記文字認識の対象となる領域を受信映像の少なくとも上辺を含む、中央以外の周辺領域とすることを特徴とする放送受信装置。」

2.引用刊行物の記載
(1)刊行物1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-179888号公報(以下「刊行物1」という。)には、「コンテンツ配信システム、コンテンツ配信システムの配信サーバ及び表示装置、コンテンツ配信プログラム」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送路を介して映像コンテンツを配信サーバから利用者の表示端末に配信するシステムに関し、特に、携帯通信端末等の表示部の狭い表示端末に対し配信を行なうコンテンツ配信システムとその配信サーバ及び表示端末、コンテンツ配信プログラムに関する。」

(イ)「【0063】図4は、本発明の第2の実施の形態によるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。・・・(略)・・・
【0091】図7では文字情報と映像情報を分離して送信することで、利用者が文字情報を明瞭に読むことができることを説明したが、図8を用いて利用者への文字情報の提示方法を示す。・・・(略)・・・
【0097】表示画面20-4cは、受信した文字情報が文字認識されてテキストデータで送信されてきた場合の表示例であり、映像コンテンツに隣り合わせて、その文字情報を表示させている。また、表示画面20-4bのように番組情報等を表示している場合は、その番組情報等と文字情報とを切り替えて表示させることにより、狭い画面でも効率よく利用することができる。」

(ウ)「【0123】次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態によるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、配信サーバ10を用いずに表示端末20bだけで文字情報を抽出して表示する行なう形態である。
【0124】図10は、本実施の形態の表示端末20bの動作を説明するためのフローチャートである。
【0125】本実施の形態の表示端末20bは、テレビ放送などの放送映像を受信する携帯端末であり、映像受信部21で電波等により外部の放送局40等から放送中のテレビ番組等の映像コンテンツを受信する(ステップ601)。受信した映像コンテンツを映像復号部22で復号し(ステップ602)、文字抽出部29によりその文字情報を生成して(ステップ603)、映像表示部23で映像コンテンツとその文字情報を表示する(ステップ604)。
【0126】表示端末20bは、携帯用を念頭においているので、表示することができる解像度が低く、映像表示部23では映像コンテンツを縮小して表示する。この時、縮小された映像コンテンツは、テロップ等の文字が不明瞭になったり潰れてしまうことがある。
【0127】一方、映像復号部22で復号する映像は通常の解像度の映像が復号されるので、通常の解像度の映像を用いて、文字抽出部29にて文字領域を抽出し、文字表示部26で文字情報を表示することで、利用者に映像内容をわかりやすく提示する。また、文字抽出部29は、文字領域を抽出するだけでなく、文字認識も行ない表示される文字のテキストデータを取得することも可能である。この場合、その取得したテキストデータを文字表示部26により表示する。
【0128】本実施の形態の表示端末20bの文字情報の表示手法は、上述の第1、第2の実施の形態の説明と同様にして実施することができる。
【0129】以上説明したように本実施の形態によれば、表示端末20bが文字抽出を行なうための十分な処理能力を備える場合には、配信サーバを必要とせずに、表示端末20b自身により、テレビ放送などの映像コンテンツから文字情報を抽出して、抽出した文字情報を高解像度に表示することができる。これにより、第1、第2の実施の形態の表示端末20、20aと同様にして、携帯端末などの小画面の表示端末20bにおいても利用者に映像コンテンツの内容をわかりやすく提示することができる。」

(2)刊行物1に記載された発明
(a)上記(ア)、(ウ)によれば、刊行物1には、テレビ放送などの放送映像を受信する携帯端末が記載されている。

(b)上記(ウ)、図9、図10によれば、刊行物1に記載の携帯端末は、電波等により外部の放送局40等から放送中の映像コンテンツを受信する映像受信部21と、受信した映像コンテンツを復号する映像復号部22と、復号した映像コンテンツから文字領域を抽出し文字認識を行い文字情報(テキストデータ)を取得する文字抽出部29と、映像コンテンツと文字情報(テキストデータ)を表示する映像表示部23と文字表示部25、を備えることが記載されている。

(c)上記(ウ)によれば、第3の実施の形態に関する表示方法は、第2の実施の形態と同様にして実施できるとされている。ここで、上記(イ)、図8(いずれも第2の実施の形態に関する記載)によれば、刊行物1に記載の携帯端末における表示方法は、映像コンテンツに隣り合わせてその文字情報を表示する、とすることが記載されている。

(d)まとめ
上記(a)ないし(c)によれば、刊行物1に記載された発明(以下「引用発明」という。)として、以下のとおりのものを認定することができる。

「電波等により外部の放送局40等から放送中の映像コンテンツを受信する映像受信部21と、受信した映像コンテンツを復号する映像復号部22と、復号した映像コンテンツから文字領域を抽出し文字認識を行い文字情報(テキストデータ)を取得する文字抽出部29と、映像コンテンツと文字情報(テキストデータ)を表示する映像表示部23と文字表示部25と、を備え
映像コンテンツに隣り合わせてその文字情報を表示することを特徴とする放送映像を受信する携帯端末。」

3.対比
そこで、補正発明と引用発明とを対比すると次のことが認められる。
(1)補正発明は「放送受信装置」に関するものであるところ、引用発明の「放送映像を受信する携帯端末」も、放送を受信するものであることから「放送受信装置」に関するものであるといえる。

(2)引用発明における「電波等により外部の放送局40等から放送中の映像コンテンツを受信する映像受信部21」は、映像受信部21が「電波等により放送局から放送中の映像コンテンツ」を受信するものであり、これは、映像受信部21が放送波を受信することである。また、引用発明における「受信した映像コンテンツを復号する映像復号部22」は、受信した映像コンテンツを復号することで(表示する)映像を生成することである。したがって、引用発明は、補正発明と同様に「放送波を受信して映像を生成する手段」を備えているといえる。

(3)引用発明における「復号した映像コンテンツから文字領域を抽出し文字認識を行い文字情報(テキストデータ)を取得する文字抽出部29」は、映像コンテンツから文字認識を行い文字情報を取得するものであり、ここで、映像コンテンツから取得する文字情報は、テロップ等の文字(段落【0126】)を対象としており、映像コンテンツにおけるテロップはスーパーインポーズされている文字であるといえることから、引用発明は、本願発明と同様に「受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段」を備えているといえる。

(4)引用発明における「映像コンテンツと文字情報(テキストデータ)を表示する映像表示部23と文字表示部25」は、映像コンテンツから文字認識により取得されたテキストデータを文字表示部に表示するものであり、テキストデータを表示する際には表示部で表示可能とするために文字情報をビットマップ等の画像情報に画像化することは明らかであることから、引用発明は、本願発明と同様に「認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段」を備えているといえる。

(5)補正発明は「表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示」するとしているのに対して、引用発明は「映像コンテンツに隣り合わせてその文字情報を表示する」と映像表示部23と文字表示部25における映像コンテンツと文字情報の表示態様を示しているが、映像表示部・文字表示部が「縦画面表示」「横画面表示」を行うことができ、「縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示」とはしていない点で相違する。

(6)補正発明では、「前記文字の認識を行う手段は、前記文字認識の対象となる領域を受信映像の少なくとも上辺を含む、中央以外の周辺領域とする」のに対し、引用発明では、文字認識の対象となる領域を、受信映像の少なくとも上辺を含む中央以外の周辺領域とはしていない点で相違する。

以上の対比結果によれば、補正発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりであることが認められる。
【一致点】
「放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備えることを特徴とする放送受信装置。」

【相違点】
[相違点1]
補正発明では、「前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示」するのに対し、引用発明では、画像化された文字を表示する手段を備えてはいるが、表示する手段が「縦画面表示」と「横画面表示」を行うことができ、縦画面表示を行う場合に受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示するとはしていない点。

[相違点2]
補正発明では、「前記文字の認識を行う手段は、前記文字認識の対象となる領域を受信映像の少なくとも上辺を含む、中央以外の周辺領域とする」のに対し、引用発明では、文字認識の対象となる領域を、受信映像の少なくとも上辺を含む中央以外の周辺領域とはしていない点。

4.判断
そこで、以下、上記相違点1、2について検討する。
(1)相違点1について
上記2.(2)(a)によれば、引用発明は放送映像を受信する携帯端末である。携帯電話等にみられる放送映像を受信する携帯端末において、表示手段を「ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示」と、「ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示」とを行うことが出来るような携帯端末は、特に例示するまでもなく当業者においては周知のものである。
また、原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-174495号公報(以下「刊行物2」という。)には、携帯端末における表示態様として、縦長表示画面(補正発明でいう「縦画面表示」)に横長コンテンツ情報と字幕情報を表示する際には、横長コンテンツ情報を表示した際の上下の余白に字幕情報を表示する技術事項が開示されている(段落【0073】、【0074】、図7等)。
してみれば、引用発明における携帯端末に、上記周知の事項である「縦画面表示」及び「横画面表示」を行うことができる構成を採用し、当該構成とする際に、縦画面表示を行う場合の表示態様として、上記刊行物2に開示の技術事項を適用してコンテンツ情報(受信映像)の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に文字を表示するように構成することは、当業者が容易に想到し得たものである。

(2)相違点2について
テレビ番組等の映像(画面)からテロップや字幕などの文字情報を検出・認識する際に、確実に文字を検出・認識するために、テロップや字幕が画面の中央以外の領域である画面内の上部/下部/左右部に表示されるという傾向に基づいて画面内のこれらの領域(上部/下部/左右部)に対して文字の検出・認識を行う技術は、例えば、特開2004-282222号公報(段落【0034】、【0035】、図6等)、特開2003-198975号公報(段落【0009】、【0010】、【0034】ないし【0037】、図3、図4等)、特開平10-112834号公報(段落【0021】、図5等)等に開示されるように周知の事項であり、引用発明における携帯端末においても、映像コンテンツから確実に文字を認識させるようにすることは、当業者において普通に想定されることであることから、上記周知の事項を引用発明における「文字抽出部」(補正発明でいう「文字を認識する手段」)に適用して「文字認識の対象となる領域を受信映像の少なくとも上辺を含む、中央以外の周辺領域とする」ことは当業者が容易に想到し得たものである。

5.効果
以上のように、上記相違点は、当業者が容易に想到し得たものと認められ、本願発明全体としてみても格別のものはなく、その作用効果も、上記相違点に係る構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。

6.まとめ(独立特許要件)
以上によれば、補正発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に開示の技術事項、周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しない。

[2-4]むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
平成24年1月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし11に係る発明は、平成23年2月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に係る発明のとおりであるところ、そのうち、請求項1を引用する請求項7に係る発明(以下「本願発明」という)は、その特許請求の範囲の請求項1及び7に記載されている事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備え、
前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示することを特徴とする放送受信装置。」

「【請求項7】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放送受信装置において、前記文字認識の対象となる領域を受信映像の中央以外の周辺領域としたことを特徴とする放送受信装置。」

なお、請求項7は、他の請求項を引用する形式で記載されているので、独立請求項の形式に書き直すと、請求項1を引用する請求項7に係る発明は、次のとおりである。

「放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備え、
前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示し、
前記文字認識の対象となる領域を受信映像の中央以外の周辺領域とすることを特徴とする放送受信装置。」

第4 査定の検討
1.刊行物1に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及びその記載事項は、上記「第2[2][2-3]2.(1)」に記載したとおりであり、刊行物1に記載された発明として、上記「第2[2][2-3]2.(2)」の「引用発明」を認定することができる。

2.対比
本願発明と引用発明との対比として、上記「第2[2][2-3]3.」の対比を援用する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、

【一致点】
「放送波を受信して映像を生成する手段と、前記受信映像中のスーパーインポーズされている文字の認識を行う手段と、認識した文字を画像化する手段と、画像化された文字をディスプレイに表示する手段と、を備えることを特徴とする放送受信装置。」

【相違点】
[相違点1]
本願発明では、「前記表示する手段は、前記ディスプレイの短手方向が画像の横方向となる縦画面表示と、前記ディスプレイの長手方向が画像の横方向となる横画面表示とを行うことができ、前記縦画面表示を行う場合は、受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示」するのに対し、引用発明では、画像化された文字をディスプレイに表示する手段を備えてはいるが、表示する手段が「縦画面表示」と「横画面表示」を行う事ができ、縦画面表示を行う場合に受信映像の表示部分の上側或いは下側の余白的な領域に、前記画像化された文字を表示するとはしていない点。

[相違点2]
本願発明では、「文字認識の対象となる領域を受信映像の中央以外の周辺領域とした」のに対し、引用発明では、文字認識の対象となる領域を、受信映像の中央以外の周辺領域とはしていない点。

3.判断
上記相違点1についての判断は、上記「第2[2][2-3]4.」の相違点1についての判断と同様である。

上記相違点2は、補正後発明における相違点2(上記「第2[2][2-3]3.」)における「文字認識の対象となる領域」に関して「少なくとも上辺を含む」なる限定が付加されないものである。しかしながら、本願発明は、その要件として当該限定を特に排除しているわけではなく、これら限定があるものを含むことは明細書の記載に照らし明らかである。
よって、上記相違点2についての判断は、上記「第2[2][2-3]4.」の相違点2についての判断と同様である。

また、本願発明の効果についてみても、上記構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。
したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に開示の技術事項、周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.効果
以上のように、上記相違点は、当業者が容易に想到し得たものと認められ、本願発明全体としてみても格別のものはなく、その作用効果も、上記相違点に係る構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。

5.まとめ(査定の検討)
したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に開示の技術事項、周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項7に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に開示の技術事項、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、残る請求項1ないし6、8ないし11に係る発明について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-28 
結審通知日 2012-12-04 
審決日 2012-12-17 
出願番号 特願2005-8499(P2005-8499)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金田 孝之福西 章人  
特許庁審判長 藤内 光武
特許庁審判官 涌井 智則
千葉 輝久
発明の名称 放送受信装置  
代理人 神保 泰三  
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