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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1269903
審判番号 不服2011-24057  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-07 
確定日 2013-02-06 
事件の表示 平成11年特許願第350443号「画像投影システム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 6月22日出願公開、特開2001-166377〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判に係る出願(以下「本願」という)は、平成11年12月9日の出願であって、平成23年2月3日付けで手続補正がなされ、同年2月22日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年6月1日付けで手続補正がなされるとともに同日付けで意見書が提出されたが、同年6月27日付けで平成23年6月1日付け手続補正についての補正の却下の決定がなされるとともに同日付けで拒絶査定がなされた。
本件は、前記拒絶査定を不服として平成23年11月7日に請求された拒絶査定不服審判事件であり、当該請求と同時に手続補正がなされたものである。
その後、前置報告書の内容について審判請求人の意見を求めるために、平成24年2月22日付けで審尋がなされたが、回答はなかった。



第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成23年11月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という)を却下する。

[理由]
1.補正発明
本件補正は、本件補正前の明細書の特許請求の範囲の請求項1の記載を以下のとおり補正することを含むものである(下線は補正箇所を示す)。

「 スクリーンの背面に第1の画像を投影する投影手段であって、該投影手段は画像投影システムの筺体内に設置される、投影手段と、
前記スクリーンの前面に当たって、前記画像投影システムの前記筺体内に入る光を遮蔽する、遮光手段であって、外光による影響を除去するために閉じることができ、外光が前記スクリーンの表面を通過できるように開くことができる、遮光手段と、
該遮光手段を閉じて、前記第1の画像を前記スクリーンの前記背面に投影する間に、前記スクリーンの前記背面の第2の画像を撮影する撮影手段であって、該撮影手段は前記画像投影システムの前記筺体内に設置される、撮影手段と、
第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて補正値を演算する、補正値演算手段と、
前記遮光手段を開いて、入力した映像信号を前記投影手段により前記スクリーンの前記背面に投影する前に、演算した前記補正値を用いて前記入力した映像信号に対して補正を行う、補正手段と、を有する、画像投影システム。」

上記特許請求の範囲の請求項1に係る補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するための事項である「遮光手段」について、「外光による影響を除去するために閉じることができ、外光が前記スクリーンの表面を通過できるように開くことができる」と限定することを含むものであり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という)第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明(以下「補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するかについて以下に検討する。


2.引用発明
本願の出願前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である、特開平07-143506号公報(以下「引用例1」という)には、以下の技術事項が記載されている(後述の引用発明の認定において関連する記載に下線を付した)。

『【0021】図1において、1はコンバ-ゼンス調整において、プロジェクタ17の画像調整点に対応した調整用のテスト信号、2は反射面3を撮像する撮像部、3は透過型スクリーン16の前面に設けられた反射面、4は透過型スクリーン16からの画像光を観察するための観察者、5は撮像部2からの撮像信号のデータから位置情報の算出を行う位置検出部、6は位置検出部5の出力からコンバ-ゼンス誤差の検出を行う誤差算出部、7は誤差算出部6の出力からコンバ-ゼンス補正用の補正信号を発生する補正信号発生部、8は補正信号発生部7の発生する補正信号によりCRTの偏向部9(DY)及び補助偏向部10(コンバ-ゼンスヨーク=CY)の制御を行う制御部、12は映像信号とテスト信号の切り換えを行うスイッチ、13はプロジェクタ17のCRT14を駆動する駆動回路、15はCRT14に映出された画像を透過型スクリーン16に投射する投射レンズ、20はコンバ-ゼンス調整用のテスト信号を発生するテスト信号発生部である。』

『【0023】図2(a)において、CRT14からの画像光は投射レンズ15で拡大投射され透過型スクリーン16に拡大投射される。透過型スクリーン16と投射レンズ15の間に設けられたミラー19は一体構成のセットの奥行きを短くするための光学反射手段である。透過型スクリーン16の前面に設けられた反射面3からの画像光を検出するため、図2(b)に示すようにミラー面19の非結像面に設置された撮像素子2Aにより画像光が撮像される構成となっている。
【0024】図2(b)に示すように、CRT14と投射レンズ15からの画像光は透過型スクリーン16面に対して直角投射されている。撮像素子の設置方法としては、図2(a)に示すように、ミラー19面の中央部に撮像のための窓を空け、この検出用窓に撮像素子2Aを設置して、反射面3の反射画像光を撮像している。
【0025】このように構成された第1の実施例の投射型ディスプレイ装置の動作を図3と図4を用いて説明する。
【0026】透過型スクリーン16の前面に設置された反射面3上にコンバ-ゼンス調整用テスト信号1を映出する。ここでコンバ-ゼンス誤差検出はR、G、Bの各CRTについて行うが、調整動作は同様であるため、ここではGについてのみ説明を行う。本実施例のテスト信号を図3に示す。図3(a),(b)からわかるように、テスト信号はスクリーン16を底面、信号のレベル方向を高さ方向としてみた場合、四角錘状となっている。このようにスクリーンに映出されたテスト信号がレベル方向に対して線形となるためには、表示装置におけるガンマ補正が必要となる。ガンマ補正を考慮したテスト信号発生部11について以下説明する。』

『【0028】まず最初に反射面の制御方法について説明する。図4の背面投射型プロジェクタ-18の構成図を用いる。図4(a)に通常画面表示の場合の、透過型スクリーン16にテスト信号が映出された表示画面を示す。また図4(b)に自動調整を行う場合に透過型スクリーン16前面に反射面3が設置されるため、表示画像は映出されないが、図3に示すように反射面3にはテスト信号1が映出される。この反射面3からのテスト信号を検出して各種の補正を行う。
【0029】このように、補正動作を行う場合に反射面が設置され、補正終了時は反射面が除去される構造となっているとともに、スクリーン保護カバー面として使用される。図4(c)にアスペクト比の異なる信号源を受信する場合は、表示領域外枠のシャッター機能として使用される。図4(d)にプロジェクタの上面図を示すように、反射面ロール部20に反射面が納められており、反射面ロール部20からの反射面3は透過型スクリーン16の前面に設置される構造となっている。』

『【0033】次に幾何学歪やコンバーゼンスの位置検出方法について説明する。説明には、図5の位置検出部5の詳細な構成を示すブロック図、図6、図7、図8、図9を用いる。図5において、21は反射面3上に映出されたテスト信号1を撮像するCCDカメラ、22はCCDカメラ21からの撮像信号をA/D変換するA/D変換器、23はA/D変換器22からの画像データを記憶するフレームメモリ、24は撮像されたテスト信号の差分を求める差分フィルタ、25は差分フィルタ24の出力からテスト信号の線形部分を求める線形領域算出部、26は線形領域算出部25の出力からテスト信号の重心位置の算出を行う重心位置算出部、27は重心位置算出部26からの重心位置信号から各色毎の誤差検出を行う誤差検出回路である。』

『【0045】また、幾何学歪誤差を算出する場合は図10(b)に示すように、特定のサンプル点S20を基準信号として扱い、R信号は左方向にt3、G信号は左方向にt4、B信号は左方向にt5の誤差値が算出される。重心位置及び誤差値の算出はサンプル点のアドレスに対応した情報で管理されている。よって幾何学歪誤差の算出のための基準信号としては、例えば水平方向768点(x1?x768)、垂直方向493点(y1?y493)を等間隔に分割したアドレスを基準信号として扱うことになる。
【0046】以上のようにテスト信号の位置の検出後、誤差算出回路27において、各色毎の誤差を算出する。さらに求めた誤差情報から、幾何学歪・コンバ-ゼンスの補正信号を補正信号発生部7により発生し、この補正信号により誤差が0となるようにプロジェクタ17の制御部8の制御を行う。』

























上記段落【0021】の記載及び図1の図示内容から、CRT14は、スイッチ12で切り換えられることにより、テスト信号1と映像信号のいずれかを投射するものであることが分かる。
上記図2の図示内容等から、CRT14及び撮像素子2A(撮像部2)が、背面投射型ビデオプロジェクター18の筐体内に設置されていると認められる。
上記図2の図示内容から、反射面3は、透過型スクリーン16の前面側に配置されているといえる。
上記図5の図示内容から、CCDカメラ21は、撮像部2の構成要素であることが分かる。

これら事項及び上記記載内容を含む引用例1全体の記載並びに当業者の技術常識から、引用例1に記載されていると認められる発明を補正発明に倣って整理すると、以下のとおりと認められる。

「 テスト信号1と映像信号のいずれかを投射するCRT14であって、背面投射型ビデオプロジェクター18の筐体内に設置される、CRT14と、
透過型スクリーン16の前面側に配置され、補正動作を行う場合に設置され、補正終了時は除去されるものであり、反射面ロール部20に納められ、反射面ロール部20から透過型スクリーン16の前面に設置される構造となっている、反射面3と、
背面投射型ビデオプロジェクター18の筐体内に設置され、反射面3上に映出されたテスト信号1を撮像する撮像部2と、を有し、
テスト信号の位置の検出後、誤差算出回路27において誤差を算出し、求めた誤差情報から、幾何学歪の補正信号を補正信号発生部7により発生し、この補正信号により誤差が0となるようにプロジェクタ17の制御部8の制御を行う、
背面投射型ビデオプロジェクター18。」
(以下「引用発明」という)


3.対比
補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)本願の明細書の発明の詳細な説明における実施形態1についての記載内容(段落【0017】乃至【0029】の記載及び図1)から、補正発明の「第1の画像」とは、調整作業のためにプロジェクタ102(請求項における「投影手段」)から投影される基準画像を意味するものと認められる。なお、補正発明では、「遮光手段」(実施形態1における「遮蔽シート107」)が存在することから、実施形態1のみが補正発明に対応することは明らかである。
一方、引用発明の「テスト信号1」は、補正信号を得るために投射されるものであるから、基準画像、すなわち、補正発明の「第1の画像」に相当する。
よって、引用発明の「テスト信号1」「を投射するCRT14であって、背面投射型ビデオプロジェクター18の筐体内に設置される、CRT14」と補正発明の「スクリーンの背面に第1の画像を投影する投影手段であって、該投影手段は画像投影システムの筺体内に設置される、投影手段」とは、“第1の画像を投影する投影手段であって、該投影手段は画像投影システムの筺体内に設置される、投影手段”である点で一致する。

(イ)本願の明細書の発明の詳細な説明における実施形態1についての記載内容から、補正発明の「(遮光手段が)前記スクリーンの前面に当たって」とは、遮光手段がスクリーンの前面側に配置されていることを意味するものと認められる。
よって、引用発明の「透過型スクリーン16の前面側に配置され、補正動作を行う場合に設置され、補正終了時は除去されるものであり、反射面ロール部20に納められ、反射面ロール部20から透過型スクリーン16の前面に設置される構造となっている、反射面3」と、補正発明の「前記スクリーンの前面に当たって、前記画像投影システムの前記筺体内に入る光を遮蔽する、遮光手段であって、外光による影響を除去するために閉じることができ、外光が前記スクリーンの表面を通過できるように開くことができる、遮光手段」とは、“前記スクリーンの前面に当たって、閉じることができ、開くことができる、手段”である点で一致する。

(ウ)引用発明では、反射面3は、「補正動作を行う場合に設置され、補正終了時は除去されるものであり、反射面ロール部20に納められ、反射面ロール部20から透過型スクリーン16の前面に設置される構造となっている」のであるから、撮像部2がテスト信号1を撮像する際には、反射面3は閉じられて、反射面3にテスト画像1が投影されていると認められる。
また、本願の明細書の発明の詳細な説明における実施形態1についての記載内容から、補正発明の「第2の画像」とは、スクリーンに投影された第1の画像を撮像手段によって撮像して得られる画像を意味するものと認められる。
よって、引用発明の「背面投射型ビデオプロジェクター18の筐体内に設置され、反射面3上に映出されたテスト信号1を撮像する撮像部2」と、補正発明の「該遮光手段を閉じて、前記第1の画像を前記スクリーンの前記背面に投影する間に、前記スクリーンの前記背面の第2の画像を撮影する撮影手段であって、該撮影手段は前記画像投影システムの前記筺体内に設置される、撮影手段」とは、“該手段を閉じて、前記第1の画像を投影する間に、第2の画像を撮影する撮影手段であって、該撮影手段は前記画像投影システムの前記筐体内に設置される、撮影手段”である点で一致する。

(エ)本願の明細書の発明の詳細な説明における実施形態1についての記載内容から、補正発明の「第1の画像データ」及び「第2の画像データ」とは、それぞれ、基準画像のデータ、及び、投影された基準画像を撮影手段により撮影した画像のデータを意味するものと認められる。
よって、引用発明において「(撮像部2により撮像された)テスト信号の位置の検出後、誤差算出回路27において誤差を算出し、求めた誤差情報から、幾何学歪みの補正信号を補正信号発生部7により発生し」ていることと、補正発明の「第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて補正値を演算」していることとは、“第2の画像データに基づいて補正値を演算”している点で一致する。また、引用発明が当該演算を行う補正値演算手段に相当する構成を備えていることも明らかである。

(オ)補正発明では、反射面3は「補正終了時は除去されるものであり、反射面ロール部20に納められ」るのであるから、CRT14により映像信号が投射される際には反射面3は開いた状態であると認められる。
よって、引用発明において、「求めた誤差情報から、幾何学歪みの補正信号を補正信号発生部7により発生し、この補正信号により誤差が0となるようにプロジェクタ17の制御部8の制御を行う」ことと、補正発明の「前記遮光手段を開いて、入力した映像信号を前記投影手段により前記スクリーンの前記背面に投影する前に、演算した前記補正値を用いて前記入力した映像信号に対して補正を行う」ことは、“前記手段を開いて、入力した映像信号を前記投影手段により前記スクリーンの前記背面に投影する前に、演算した前記補正値を用いて前記入力した映像信号に対して補正を行う”ことである点で一致する。また、引用発明が当該補正を行うための「補正手段」に相当する構成を備えていることも明らかである。

したがって、補正発明と引用発明とは、
「 第1の画像を投影する投影手段であって、該投影手段は画像投影システムの筺体内に設置される、投影手段と、
前記スクリーンの前面に当たって、閉じることができ、開くことができる、手段と、
該手段を閉じて、前記第1の画像を投影する間に、第2の画像を撮影する撮影手段であって、該撮影手段は前記画像投影システムの前記筺体内に設置される、撮影手段と、
第2の画像データに基づいて補正値を演算する、補正値演算手段と、
前記手段を開いて、入力した映像信号を前記投影手段により前記スクリーンの前記背面に投影する前に、演算した前記補正値を用いて前記入力した映像信号に対して補正を行う、補正手段と、を有する、画像投影システム。」
である点で一致し、以下の点で一応相違する。

(相違点1)
第1の画像が投影される面が、補正発明では「スクリーンの背面」であるのに対し、引用発明では「反射面3」である点。

(相違点2)
スクリーンの前面に当たって、閉じることができ、開くことができる、手段が、補正発明では「前記画像投影システムの前記筐体内に入る光を遮蔽する、遮光手段であって、外光による影響を除去するために閉じることができ、外光が前記スクリーンの表面を通過できるように開くことができる、遮光手段」であるのに対し、引用発明の反射面3は、それが閉じることにより外光による影響を除去する遮光手段であるのか不明な点。

(相違点3)
補正発明では「第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて補正値を演算する、補正値演算手段」を有しているのに対し、引用発明では「(撮像部2により撮像された)テスト信号の位置(補正発明の「第2の画像データ」に相当)のみに基づいて補正値を演算している点。


4.判断
4-1.相違点1について
引用発明では、反射面3上に映出されたテスト信号1を撮像し、当該撮像された像に基づいて、最終的に透過型スクリーン16の背面に投影される像の歪を補正するものであるから、反射面3と透過型スクリーン16の背面とは、実質的に等しい面であるといえる。よって、相違点1は実質的な相違点ではない。もしくは、同様の理由により、引用発明において、テスト画像1(第1の画像)を透過型スクリーン16(スクリーン)の背面に投影する構成とすることは、当業者が適宜成す設計上の微差に過ぎない。

4-2.相違点2について
引用発明の反射面3にはテスト信号1が映出され、該映出されたテスト信号1を(透過型スクリーン16の背面側から)撮像して得られた画像データに基づいて補正信号を得るのであるから、当該撮像に際し、透過型スクリーン16の前面側からの外光の影響は除去された方がよいのは当業者にとって技術常識であり、当該影響を除去するために、反射面3を遮光部材とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
よって、相違点2は当業者が容易に想到できたものである。

4-3.相違点3について
引用発明において、映出されたテスト信号1を撮像することにより得られた像データ(補正発明の「第2の画像データ」に相当)に加え、テスト信号1そのもののデータ(補正発明の「第1の画像データ」に相当)に基づいて補正値の演算を行う補正値演算手段を有することは、当業者が容易に想到できたものである(例えば、特開平08-201913号公報参照)。

4-4.効果について
補正発明全体の効果は、引用発明及び引用例2に記載された発明から、当業者が予測し得る範囲のものに過ぎず、格別なものとはいえない。


5.補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、補正発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は「第2」のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、平成23年2月3日付け手続補正により補正された以下のとおりのものである。

「【請求項1】
スクリーンの背面に第1の画像を投影する投影手段であって、該投影手段を画像投影システムの筺体内に設置する、投影手段と、
前記スクリーンの前面に衝突して、前記画像投影システムの前記筺体内に入る光を遮蔽する、遮光手段と、
前記第1の画像を前記スクリーンの前記背面に投影する間に、前記スクリーンの前記背面の第2の画像を撮影する撮影手段であって、該撮影手段を前記画像投影システムの前記筺体内に設置する、撮影手段と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて補正値を演算する、補正値演算手段と、
受信した画像を前記投影手段により前記スクリーンの前記背面に投影する前に、演算した前記補正値を用いて前記受信した画像に対して補正を行う、補正手段と、を有する、画像投影システム。」


2.引用発明
引用例1及びその記載事項は、「第2」の「2.」に記載したとおりである。


3.対比・判断
本願発明は、補正発明において、発明を特定するための事項である「遮光手段」について、「外光による影響を除去するために閉じることができ、外光が前記スクリーンの表面を通過できるように開くことができる」という限定事項を削除したものに相当する。なお、補正発明においては、明りようでない記載の釈明も行われているが、発明を実質的に変更するものではない。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、更に他の要件を付加したものに相当する補正発明が、「第2」「3.」で述べた理由により、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


4.本願発明についてのむすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受ける事ができない。

したがって、その余の請求項に係る発明に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-09-05 
結審通知日 2012-09-11 
審決日 2012-09-25 
出願番号 特願平11-350443
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G03B)
P 1 8・ 121- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐竹 政彦  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 神 悦彦
吉川 陽吾
発明の名称 画像投影システム  
代理人 杉村 憲司  
代理人 石川 雅章  
代理人 大倉 昭人  
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