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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16C
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16C
管理番号 1269909
審判番号 不服2012-13126  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-07-10 
確定日 2013-02-06 
事件の表示 特願2008- 31693「スラストニードル軸受用の保持器及びスラストニードル軸受」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 8月27日出願公開、特開2009-191897〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成20年2月13日の出願であって、平成24年4月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年年7月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、手続補正がなされたものである。

2.平成24年7月10日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年7月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)本件補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】
ころを保持するスラストニードル軸受用の保持器において、
前記保持器はプラスチックから形成され、軌道輪を組み付けたときに前記軌道輪に係合する環状のリップ部を備えた中央部と、前記中央部から半径方向外方に延在し、前記ころを保持する円盤部とからなり、
前記円盤部の外径は、前記軌道輪の外径以下であり、
前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていて、前記円盤部の軸線方向に見たときに前記凹部は三角形状を有し、前記三角形の2辺は、前記ポケット部に沿って延在していることを特徴とするスラストニードル軸受用の保持器。
【請求項2】
前記円盤部は、前記ポケット部の半径方向外方において、周方向に連続して前記凹部の厚さより厚い厚肉部を形成しており、前記厚肉部の厚さは、前記ころの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のスラストニードル軸受用の保持器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保持器を有することを特徴とするスラストニードル軸受。」に補正された。
上記補正について、請求項1についてみると、実質的に、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっている」を「前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていて、前記円盤部の軸線方向に見たときに前記凹部は三角形状を有し、前記三角形の2辺は、前記ポケット部に沿って延在している」に減縮するものであって、これは、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(2)引用例
(2-1)引用例1
特開昭49-1932号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。なお、全角半角等の文字の大きさ、字体、促音、拗音、句読点などは記載内容を損なわない限りで適宜表記した。以下、同様。
(あ)「本発明はころ軸受、とくにスラストころ軸受に関する。このスラストころ軸受は旋回運動のために構成されている支承装置、例えば自動車のかじ取ひじ支承装置のために使用される。」(第1ページ左下欄第14?17行)
(い)「本発明の課題は簡単に組立てたり解体したりできるようにするためわずかな部材から成っていて、かつ公知のスラスト軸受に比べて利点を有しているようなスラスト軸受を製作することである。
この課題は本発明によれば次にようにして解決された。すなわち、保持器の外輪が両側で覆うようにして係合するリングとして構成されていてかつその両側にそれぞれ1つの一体の環状突出片の外縁部は軸受回転軸線に対して傾斜しており、かつこの突出片の後方に押しボタン式に押し嵌められて軌道を形成するスチール円板が配置されているようにした。このスチール円板は有利にはその外周面に突出片と係合する突出部と、この突出部と続いていて突出片を保持して嵌めこむ湾曲部とを有している。…(中略)…。
保持器の外輪に一体に…(中略)…。保持器はプラスチック、それも有利にはポリアミドから成っており、…(略)」(第1ページ右下欄第6行?第2ページ左上欄第14行)
(う)「特別な使用目的のために本発明のスラストころ軸受は突出片が保持器の内輪のところに配置されるよう構成することができる(第7図)。これにより前述した実施例と比べてほぼ対称的な構造が得られ、このばあい軸平行な断面図はほとんど同じである。」(第3ページ右上欄第14?19行)
以上の記載事項及び図面からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ころを保持するスラスト軸受用の保持器において、
前記保持器はプラスチックから形成され、軌道を形成するスチール円板を組み付けたときに前記スチール円板に係合する環状突出片を備えた中央部分と、前記中央部分から半径方向外方に延在し、前記ころを保持する円盤状部分とからなり、
前記円盤状部分は、周方向に並べて形成された前記ころを保持する切欠部を有しているスラスト軸受用の保持器。」
(2-2)引用例2
実願昭61-051267号(実開昭62-162420号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(か)「当考案の実施例を第1図に縦断面図で示す如く保持器の鈎部により軸受の機能を害する異物、塵芥の侵入防止が出来る。」(明細書第1ページ第17?19行)
(3)対比
本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、後者の「軌道を形成するスチール円板」は前者の「軌道輪」に相当し、以下同様に、「環状突出片」は「環状のリップ部」に、「中央部分」は「中央部」に、「円盤状部分」は「円盤部」に、「切欠部」は「ポケット部」に、それぞれ相当する。
したがって、本願補正発明の用語に倣って整理すると、両者は、
「ころを保持するスラスト軸受用の保持器において、
前記保持器はプラスチックから形成され、軌道輪を組み付けたときに前記軌道輪に係合する環状のリップ部を備えた中央部と、前記中央部から半径方向外方に延在し、前記ころを保持する円盤部とからなり、
前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部を有しているスラスト軸受用の保持器。」である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本願補正発明は「スラストニードル軸受用の保持器」であるのに対し、引用例1発明は「スラスト軸受用の保持器」である点。
[相違点2]
本願補正発明は、「前記円盤部の外径は、前記軌道輪の外径以下であり、」という事項を備えるのに対し、引用例1発明は、そのような事項を備えているかどうか、明確でない点。
[相違点3]
本願補正発明は、「前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていて、前記円盤部の軸線方向に見たときに前記凹部は三角形状を有し、前記三角形の2辺は、前記ポケット部に沿って延在している」のに対し、引用例1発明は、「前記円盤状部分は、周方向に並べて形成された前記ころを保持する切欠部を有している」にすぎない点。
(4)判断
(4-1)相違点1について
引用例1には、上記(あ)に摘記したとおり、「本発明はころ軸受、とくにスラストころ軸受に関する。このスラストころ軸受は旋回運動のために構成されている支承装置、例えば自動車のかじ取ひじ支承装置のために使用される。」と記載されており、引用例1発明の「スラスト軸受用の保持器」を「スラストニードル軸受用の保持器」とすることは、用途等に応じて適宜設計する事項にすぎない。
(4-2)相違点2について
軸受の各部品の寸法・形状は、組立て後の部品相互の支持具合・がたつき、コンパクト化等を考慮して適宜設計する事項であり、引用例1発明において、保持器の円盤部の外径を軌道を形成するスチール円板の外径以下とすることに格別の困難性はない。
なお、引用例1の図7をみると、保持器の円盤状部分の外径と軌道を形成するスチール円板の外径が略同等に描かれている。
(4-3)相違点3について
保持器のポケット部の間にポケット部と接することなく形成された凹部を有するものは、周知である。例えば、(a)特開2007-239885号公報(特に図6。)には、スラスト受け機構に関するものであるが、ころを保持するためのポケット43の間に独立して分散したくぼみ状の油溜まり44を設けたものが示されており、(b)特開昭63-53311号公報(特に第12図。)には、スラスト浮動ブッシに関するものであるが、ボール6を装入する窓5と窓5の間に油溜溝4を設けたものが示されており、(c)実願昭58-176772号(実開昭60-84824号)のマイクロフィルム(特に明細書第3ページ末行?第4ページ2行、第7ページ第15?17行、第2、4図。)には、ポケットを区分する柱に潤滑剤だまりとして機能する凹部を設けたものが示されており、(d)特開2002-349580号公報(特に段落【0012】、図2、5。)には、保持器の柱部にグリースを保持するための凹部を設けたものが示されている。上記(a)のくぼみ状の油溜まり44、(b)の油溜溝4も、油を溜めるものであり、技術常識を勘案すれば、ころ等の潤滑性に寄与するといえる。引用例1発明においても、ころ等の潤滑性向上などの点からみて、このような油溜まりないし凹部を設けることが好適であることは明らかであり、引用例1発明に上記の周知事項を適用して、ころを保持する切欠部の間に凹部を設けることは格別困難なことではない。
その場合の凹部の形状は、所要の潤滑性能や保持器の強度等を考慮して適宜設計する事項にすぎない。本願の明細書にも、「【0020】…凹部12kの形状や深さは、円盤部12cの強度を損なわない範囲で任意に設定できる。」と記載されている。そして、潤滑性能の向上を図るという点からすれば、凹部の形状(軸線方向にみた形状)を大きくした方が望ましいことはいうまでもなく、その場合、凹部の形状そのものは、ころの大きさや個数に応じて、例えば、実願昭50-1345号(実開昭51-85143号)のマイクロフィルム(特に第7図)に示されているように略台形状とするか、引用例1の第1図のように切欠部(ポケット)の間隔が比較的狭い場合には、三角形に近い略台形状あるいは略三角形状とするのが技術合理的であり、このようなことは当業者に自明である。以上からすれば、上記の凹部の形状を略三角形状とすることは、適宜の設計的事項にすぎない。

なお、以上では、引用例2については特に言及していない。これは、平成23年12月5日日付け意見書において、「(2)補正の説明 以下に述べる本発明にかかる請求項1の補正は、出願当初の請求項2及び明細書の段落【0020】及び図8?10の記載に基づきます。」と説明されているとおり、請求項1の記載事項が、実質的に、本願明細書の1番目の「実施形態」に基づくものから2番目の「別な実施の形態」に基づくものに変更されたことによる。
本願明細書の【0019】には「本実施の形態においては、円盤部12cの外縁に厚肉部を形成していないが、これを形成しても良い。」と記載されており、1番目の実施例では、厚肉部12hの半径方向内側はそれより薄い薄肉部12jとなっており、軸線方向に向いた面が大きな浅皿状である薄肉部12jは、図6に示すように、ポケット部12gの周囲を囲っているのに対し、「別な実施の形態」は、上記のような厚肉部12hが形成されていないし、本願補正発明も、「凹部」を有するものの、上記のような厚肉部12hを特定事項としていない。ただ、【0019】にも記載されているように、本願補正発明は、その下位概念発明ないし実施形態として、厚肉部12hを形成したものを包含する。本願補正発明としてこのような下位概念発明ないし実施形態を念頭におくと、上記の「厚肉部12hを形成した」という事項についての判断は、次の「理由´」のとおりである。
[理由´]
引用例2(特に第1、2図)には、「円盤部は、外径側より内径側で薄くなっている薄肉部を有するとともに、薄肉部は隣接するポケット部の間に形成されている」という事項が示されており、また、明細書第1ページ第17?19行には、「当考案の実施例を第1図に縦断面図で示す如く保持器の鈎部により軸受の機能を害する異物、塵芥の侵入防止が出来る。」と記載されている。引用例1発明において、異物、塵埃等の侵入を防止・低減するために、引用例1発明に引用例2の上記事項を適用して、円盤状部分の外縁に厚肉部を形成すること、すなわち、隣接する切欠部の間に薄肉部を形成することは容易に想到し得たものと認められる。このように円盤状部分に薄肉部を形成した場合にも、ころ等の潤滑性向上などの点からみて、ポケットに隣接する該薄肉部に油溜まりないし凹部を設けることが好適であることは明らかであり、上記の周知事項を適用して、ころを保持する切欠部の間に凹部を設けることは格別困難なことではない。

そして、本願補正発明の効果は、引用例1、2に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が予測し得たものにすぎない。
以上のとおり、本願補正発明は、引用例1、2に記載された発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

さらに付け加えるならば、(ア)本願明細書の【0006】には、「本発明によれば、前記ポケット部の間に形成された前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっているので、前記円盤部の外径側で、前記軌道輪との隙間を小さくすることにより、塵埃等の異物の侵入を抑制でき、それにより軸受寿命を延長することができる。…」と記載されているが、「本発明によれば、…、前記円盤部の外径側で、前記軌道輪との隙間を小さくすることにより、塵埃等の異物の侵入を抑制でき」るとするにすぎず、「本発明」が、「前記円盤部の外径側で、前記軌道輪との隙間」がその程度に「小さい」という事項を具備するとは必ずしも述べられていない。本願補正発明も、例えば「前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていて」というにとどまり、上記の「隙間」の大きさそのものについては特に特定事項としていない。
(イ)本願明細書の【0006】には「一方、前記凹部を形成することによって、前記軌道輪と前記円盤部との接触が抑制されるので、軸受の引きずり抵抗を抑制することができる。」と記載されているが、【0018】には「一方、薄肉部12jをポケット部12gの周囲に形成することによって、軌道輪13,14と円盤部12cとの接触が抑制されるので、軸受の引きずり抵抗を抑制することができる。」と記載されている。両者は必ずしも整合していないとともに、少なくとも、引きずり抵抗の抑制の程度、円盤部の外径側における軌道輪との隙間の小ささの程度に相応の差異があると認められる。また、当初の明細書等(特に【0019】?【0021】)では、凹部と引きずり抵抗の抑制との関係については特に説明がなされていない。
(ウ)本願明細書の【0007】等には、ころの潤滑性を高めることが記載されているが、請求項1には、「凹部」に潤滑油を貯留することは特に記載されておらず、接触面積低減や軽量化のための凹部を包含しないのかどうか、必ずしも明らかではない。
(エ)平成24年9月28日付け回答書において補正案が提示されているが、引用例1発明の保持器はプラスチックからなっているとともに、一体的に形成することは格別のことではなく、審決の結論を左右するものではない。

(5)むすび
本願補正発明について以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成24年7月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?3に係る発明は、平成23年12月5日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1は次のとおりである。
「【請求項1】
ころを保持するスラストニードル軸受用の保持器において、
前記保持器はプラスチックから形成され、軌道輪を組み付けたときに前記軌道輪に係合する環状のリップ部を備えた中央部と、前記中央部から半径方向外方に延在し、前記ころを保持する円盤部とからなり、
前記円盤部の外径は、前記軌道輪の外径以下であり、
前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていることを特徴とするスラストニードル軸受用の保持器。
【請求項2】
前記円盤部は、前記ポケット部の半径方向外方において、周方向に連続して前記凹部の厚さより厚い厚肉部を形成しており、前記厚肉部の厚さは、前記ころの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のスラストニードル軸受用の保持器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保持器を有することを特徴とするスラストニードル軸受。」

3-1.本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)について
(1)本願発明1
本願発明1は上記のとおりである。
(2)引用例
引用例1、及び、その記載事項は上記2.に記載したとおりである。
(3)対比・判断
本願発明1は実質的に、上記2.で検討した本願補正発明の「前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっていて、前記円盤部の軸線方向に見たときに前記凹部は三角形状を有し、前記三角形の2辺は、前記ポケット部に沿って延在している」を「前記円盤部は、周方向に並べて形成された前記ころを保持するポケット部と、前記ポケット部の間に前記ポケット部と接することなく形成された凹部とを有し、前記凹部の厚さが前記円盤部の厚さより薄くなっている」に拡張したものに相当する。
そうすると、本願発明1の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記2.に記載したとおり、引用例1、2に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は、実質的に同様の理由により、引用例1、2に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)むすび
したがって、本願発明1は引用例1、2に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.結語
以上のとおり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである以上、本願の請求項2、3に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-06 
結審通知日 2012-12-07 
審決日 2012-12-20 
出願番号 特願2008-31693(P2008-31693)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F16C)
P 1 8・ 121- Z (F16C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 克久  
特許庁審判長 山岸 利治
特許庁審判官 窪田 治彦
川本 真裕
発明の名称 スラストニードル軸受用の保持器及びスラストニードル軸受  
代理人 田村 敬二郎  
代理人 小林 研一  

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