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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B
管理番号 1270185
審判番号 不服2011-27282  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-19 
確定日 2013-02-14 
事件の表示 特願2005-148195「光走査装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月30日出願公開、特開2006-323278〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は、平成17年5月20日の出願であって、平成22年11月12日付けで手続補正がなされたところ、平成23年9月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月19日に拒絶査定不服審判請求がなされ、その後、当審において平成24年9月12日付けで拒絶理由が通知され、同年11月19日付けで手続補正がなされたものである。

そして、本願の請求項に係る発明は、平成24年11月19日付け手続補正による補正後の明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明は次のものである。

「複数の光源と、該光源からのビームを主走査方向に偏向する偏向器と、該偏向器にて偏向されたビームを被走査面上に結像する第1の結像光学系と、該第1の結像光学系を透過したビームをそれぞれの被走査面に分離して導くための複数の光路折返しミラーと、分離された各ビームを被走査面上に結像する第2の結像光学系とを備えた光走査装置において、
前記複数の光源からのビームは前記偏向器に対して副走査方向に所定の傾斜角度をもって斜入射され、
前記偏向器は各光源に対して共通に設置されており、
前記第1の結像光学系を構成するレンズはその面形状が全て副走査方向に対称であり、かつ、前記偏向器の左右両側に同じものが配置され、
前記第2の結像光学系は全ての光路にて同じ形状のレンズを用いており、かつ、同じ方向に配置され、該レンズの少なくとも1面の面形状は主走査方向及び副走査方向ともに非対称であり、
前記光路折返しミラーの枚数に関して、前記偏向器に対して一方の上側光路の配置枚数をA、一方の下側光路の配置枚数をB、他方の下側光路の配置枚数をC、他方の上側光路の配置枚数をDとしたとき、第2の結像光学系の前段では以下の条件を満足し、
|A-B|=2×i+1
|C-D|=2×j+1
|A-D|=2×m+1
但し、i,j,mは0以上の整数
第2の結像光学系の後段では各光路で光路折返しミラーの枚数が同数であること、
を特徴とする光走査装置。」(以下「本願発明」という。)


2 引用刊行物の記載事項
(1)引用刊行物1
当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-109265号公報(以下「引用刊行物1」という。)には、図とともに下記の事項が記載されている。

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】光源と、該光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズと、該カップリングレンズによりカップリングされた光束を主走査対応方向に長い線像として結像させる第1結像系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有し、上記偏向反射面による反射光束を等角速度的に偏向させる光偏向器と、該光偏向器により偏向された光束を被走査部に光スポットとして集光するとともに、光スポットによる光走査を等速化する第2結像系とを有する光走査装置において、
光源とカップリングレンズと第1結像系を含む光源側光学系が複数組あり、
光偏向器の同一偏向反射面に光束を導光する2組の光源側光学系は、偏向反射面の回転軸に直交する平面に対して互いに逆の側に配備され、
上記2組の光源側光学系から共通の偏向反射面に導光されたのち、上記偏向反射面により反射された2光束を含む面内で、上記導光された2光束が交叉するように、各光源側光学系が配備されており、
これら共通の偏向反射面により偏向された各光束は、第2結像系により互いに異なる被走査部を光走査することを特徴とする光走査装置。

【請求項4】請求項1または2または3記載の光走査装置において、
光源側光学系は4組あり、これら光源側光学系は2組つづ対を成し、各対をなす光源側光学系は、それぞれが共通の偏向反射面に導光されるものであり、
各光源側光学系からの光束は、フルカラー画像を多重転写により生成する画像形成用のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックもしくはレッド、グリーン、ブルー、ブラックの4画像を書き込むための光束として用いられることを特徴とする光走査装置。

【請求項6】請求項1または2または3または4または5記載の光走査装置において、
共通の偏向反射面により偏向される各光束を互いに異なる被走査部に導光結像させる第2結像系は、被走査部へ偏向光束を導光する光路上に1以上の光路折り曲げ用のミラーを有し、
各被走査部における走査線の曲がりが同じ向きになるように、共通の偏向反射面から各被走査部に至る光路上に配備される光路折り曲げ用のミラーの数を、各光路で異ならせたことを特徴とする光走査装置。」

イ 「【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複数の偏向光束により複数の画像を同時に書き込む方式の光走査装置において、複数の光束に対して光偏向器を共通化して光走査装置の低コスト化を図り、且つ、光走査装置をコンパクトに構成することを課題とする。
【0004】この発明はまた、上記課題に加えて走査線の曲がりの影響を有効に軽減することを別の課題とする。」

ウ 「【0009】
【発明の実施の形態】図1に於いて、図面に直交する方向は、「光偏向器」としての回転多面鏡4の「回転軸に平行な方向」である。図1の符号1aは2つの光源を表現している。2つの光源は上記回転軸の方向から見たとき「互いに重なり合」う。同様に、符号2aは「回転軸の方向から見たときに互いに重なり合う2つのカップリングレンズ」を表し、符号3aは「回転軸の方向から見たときに互いに重なり合う2つのシリンドリカルレンズ」を表している。即ち、2つの光源1a、2つのカップリングレンズ2a、2つのシリンドリカルレンズ3aは「2組の光源側光学系」をなす。全く同様に、2つの光源1b、2つのカップリングレンズ2b、2つのシリンドリカルレンズ3bは、回転多面鏡4の回転軸方向から見たとき互いに重なり合う2組の光源側光学系をなしている。
【0010】2つの光源1a、2つのカップリングレンズ2a、2つのシリンドリカルレンズ3aによる「2組の光源側光学系」は、回転多面鏡4の偏向反射面41を共通にし、2つの光源1b、2つのカップリングレンズ2b、2つのシリンドリカルレンズ3bによる「2組の光源側光学系」は、回転多面鏡4の偏向反射面42を共通にしている。…
【0011】図3は、回転多面鏡4の偏向反射面41に光束を導光入射させる、2組の光源側光学系の配置状態を示している。図の上下方向が「回転多面鏡4の回転軸」の方向で、この方向において2組の光源側光学系は互いに重なり合う。符号105および115は、2つの光源部ユニットを示す。光源部ユニット105は、光源としての半導体レーザ101と、半導体レーザ101からの光束をカップリングするカップリングレンズ102とを有する。光源部ユニット115は光源としての半導体レーザ111と、半導体レーザ111からの光束をカップリングするカップリングレンズ112とにより構成される。…光源部ユニット105から射出した実質的な平行光束は第1結像系であるシリンドリカルレンズ103により副走査対応方向に集束され、偏向反射面41の近傍に、主走査対応方向(図3において図面に直交する方向)に長い線像として結像する。同様に、光源部ユニット115から射出した実質的な平行光束はシリンドリカルレンズ113により副走査対応方向に集束され、偏向反射面41の近傍に、主走査対応方向に長い線像として結像する。図3に示すように、光源101とカップリングレンズ102とシリンドリカルレンズ103とによる光源側光学系と、光源111とカップリングレンズ112とシリンドリカルレンズ113とによる光源側光学系とは、光偏向器である回転多面鏡4の回転軸に直交する平面4Aの両側にある。特にこの実施の形態では、同一の偏向反射面に光束を導かれる2組の光源側光学系は、平面4Aを対称面として対称的に配備される。
【0012】図1と図3との対応関係では、図1における、2つの光源1aが半導体レーザ101,111を表し、2つのカップリングレンズ2aはカップリングレンズ102,112を、また2つのシリンドリカルレンズ3aはシリンドリカルレンズ103,113を表しているのである。図1における、2つの光源1b、2つのカップリングレンズ2b、2つのシリンドリカルレンズ3bによる(偏向反射面42を共有する)2組の光源側光学系も、上に説明した(偏向反射面41を共有する)2組の光源側光学系と同様である。
【0013】図1において、偏向反射面41により反射された2光束は、回転多面鏡4の等速回転により等角速度的に偏向し、第2結像系を構成する2枚のレンズ5a,6aを介して被走査部7a上に光スポットとして集光し、被走査部7aを等速的に光走査する。被走査部7aは「実際には偏向反射面41により偏向された2光束が別個に光走査する2つの被走査部を1つにまとめて示したもの」である。同様に、偏向反射面42により反射された2光束は、第2結像系を構成する2枚のレンズ5b,6bを介して被走査部7b(各光束が別個に光走査する2つの被走査部を1つにまとめて示す)上に光スポットとして集光し、被走査部7bを等速的に光走査する。
【0014】図2は、図1に示した光走査装置を適用した「カラー画像形成装置」を主走査対応方向から見た状態を示す。…図2において、回転多面鏡4は4つの独立した光源からの4光束L1,L2,L3,L4を同時に偏向させる。光束L1,L2は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(図1の偏向反射面41)により、光束L3,L4は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(図1の偏向反射面42)により偏向される。偏向された光束L1は主レンズ5aを透過し、ミラー91aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Kを透過して作像ユニット10Kに入射する。光束L2は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5aを透過し、ミラー81aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Cを透過し、ミラー82aにより再度光路を折り曲げられて作像ユニット10Cに入射する。光束L3は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー91bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Yを透過し、作像ユニット10Yに入射する。光束L4は、偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー81bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Mを透過し、ミラー82bにより再度光路を折り曲げられて作像ユニット10Mに入射する。」

エ 「【0024】ところで、この発明の光走査装置のように、同一の偏向反射面で偏向される2光束が互いに交叉するようにする場合、第2結像系の光軸に対し、各偏向光束の入射方向が副走査対応方向に傾くため、被走査部における光スポットの移動軌跡である走査線に不可避的に曲がりが発生する。この「走査線の曲がり」は、書き込まれる画像に歪みをもたらすから、できる限り曲がりを小さく抑える必要がある。…図2に示すカラー画像形成装置では、各偏向光束で書き込まれる線像が、黒、シアン、マゼンタ、イエローの各色トナーで顕像化され、各色トナー画像の重畳によりカラー画像が形成される。このとき、互いに重ねられる各色トナー画像において、これを形成する際の走査線曲がりの向きが、例えば光束L1とL2とで、また光束L3とL4とで互いに逆に向いていると、互いに重なるべき画素、例えば黒トナー画像の画素とシアントナー画像の画素とが「互いに逆向きに曲がった走査線の曲がり」により空間的に分離して「色ズレ」の現象を生じる。これを避けるには、各光束による被走査部での「走査線曲がりが同じ向きになる」ようにすればよい。
【0025】図2の場合には、各被走査部における走査線曲がりは、光束L1、L2について同じ向きになり、光束L3,L4につき同じ向きになるが、光束L1、L2と光束L3、L4とでは互いに逆になる。これは、光束L1、L2の組と、光束L3,L4の組が「互いに鏡面対称的」になっているからである。このような不具合を避けるためには、光束L3,L4に対する光路のレイアウトを図8のように変えれば良い。即ち、光束L3は、ミラー81b,82bを介して感光体100Mに入射させ、光束L4はミラー91bを介して感光体100Yに入射させるのである。
【0026】同一の偏向反射面で偏向される2光束L1,L2を例にとって説明すると、これら光束L1,L2のうち、光束L2のように偏向反射面により、図の斜め上方へ反射される光束を「蹴り上げ光束」とよび、光束L1のように偏向反射面により図の斜め下方へ反射される光束を「蹴り下げ光束」と呼ぶ。この例に倣えば、図8の光束L3は蹴り下げ光束、光束L4は蹴り上げ光束である。
【0027】蹴り上げ光束と蹴り下げ光束とでは、第2結像系の主レンズに対する入射方向が、副走査対応方向において主レンズの光軸に関して逆になる。従って、本来走査線曲がりは(もしこれら光束を共通の被走査部に結像させたとすれば)、光束L1と光束L2とで逆の向きになり、光束L3と光束L4とで互いに逆になるはずである。上記実施の形態では、蹴り上げ光束L2と蹴り下げ光束L4に対しては光路折り曲げ用に2枚のミラーを用い、蹴り下げ光束L1と蹴り上げ光束L3に対しては1枚のミラーを用い、「光路折り曲げ用のミラーの数を異ならせる」ことにより、各光束による走査線の向きが同じ向きに揃うようにしている。
【0028】即ち、光路折り曲げ用のミラー91a,81a,82a,91b,81b,82bの位置における「走査線の曲がりの状況」及び各被走査部における「走査線曲がりの状況」を、符号291a,281a,282a,291b,281b,282b,200K,200C,200M,200Yに示す。走査線曲がり状況200K,200C,200M,200Yから明らかなように、各被走査部での走査線の曲がりは同じ向きになっている。即ち、上記実施の形態は、共通の偏向反射面により偏向される各光束を互いに異なる被走査部に導光結像させる第2結像系が、被走査部へ偏向光束を導光する光路上に1以上の光路折り曲げ反射鏡を有し、各被走査部上における走査線の曲がりが同じ向きになるように、共通の偏向反射面から各被走査部に至る光路上に配備される光路折り曲げ反射鏡の数を、各光路で異ならせたものである(請求項6)。
【0029】上記の光路折り曲げ用のミラーの数は図8に示す場合に限らず、装置のレイアウトにより種々の場合が可能であり、一般的には、ミラーの数は以下の条件を満足するようにすれば良い。光偏向器が同時に偏向させる光束をN光束とする。これら偏向光束をサフィックス:iで区別し、第i番目の偏向光束に対する「パラメータ」をPiとする。そして第i番目の偏向光束の光路上に配備される光路屈曲用のミラーの数をMiとする。パラメータ:Piの値を、蹴り上げ光束に対し「+1」、蹴り下げ光束に対し「-1」とするとき、条件式:
ΣPi・Mi=0(i=1?N)
が満足されるようにミラー数:Miを設定すれば、走査線曲がりの向きが各被走査部において同じ向きになる。
【0030】図8の例では、P1=-1,P2=+1,P3=-1,P4=+1であり、M1=1,M2=2,M3=2,M4=1であるから、
(-1)(1)+(+1)(2)+(-1)(2)+(+1)(1)=0
で、上記条件は満足される(図2の光学配置では満足されない)。勿論、光路上に配備する光路折り曲げ用のミラーの数は、レイアウトの許す範囲で少ない方がよく、図8の例は「最小枚数」を実現した例である。」

オ 「【図面の簡単な説明】

【図8】請求項6記載の発明の実施の1形態を説明するための図である。」

カ 上記ウに照らして図3をみると、「光源101」からの光束は、「(回転多面鏡4の)偏向反射面41」に、「平面4A」の上側から所定の角度で斜入射し、「光源111」からの光束は、「(回転多面鏡4の)偏向反射面41」に、前記「平面4A」の下側から所定の角度で斜入射することがみてとれる。

キ 上記ウ(【0014】)及び図2に照らして、図8をみると、回転多面鏡4は4つの独立した光源からの4光束L1,L2,L3,L4を同時に偏向させ、光束L1,L2は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(偏向反射面41)により、光束L3,L4は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(偏向反射面42)により偏向され、偏向された光束L1は主レンズ5aを透過し、ミラー91aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Kを透過して感光体100Kに入射し、光束L2は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5aを透過し、ミラー81aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Cを透過し、ミラー82aにより再度光路を折り曲げられて感光体100Cに入射し、光束L3は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー81bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Mを透過し、ミラー82bにより再度光路を折り曲げられて感光体100Mに入射し、光束L4は、偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー91bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Yを透過し、感光体100Yに入射することがみてとれる。

上記の記載を総合すると、引用刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「光源と、該光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズと、該カップリングレンズによりカップリングされた光束を主走査対応方向に長い線像として結像させる第1結像系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有し、上記偏向反射面による反射光束を等角速度的に偏向させる光偏向器と、該光偏向器により偏向された光束を被走査部に光スポットとして集光するとともに、光スポットによる光走査を等速化する第2結像系とを有する光走査装置であって、
2つの光源1aは、光偏向器としての回転多面鏡4の回転軸の方向から見たとき互いに重なり合い、同様に、2つのカップリングレンズ2aは回転軸の方向から見たときに互いに重なり合い、2つのシリンドリカルレンズ3aは回転軸の方向から見たときに互いに重なり合い、2つの光源1a、2つのカップリングレンズ2a、2つのシリンドリカルレンズ3aは『2組の光源側光学系』をなし、全く同様に、2つの光源1b、2つのカップリングレンズ2b、2つのシリンドリカルレンズ3bは、回転多面鏡4の回転軸方向から見たとき互いに重なり合う『2組の光源側光学系』をなしており、2つの光源1a、2つのカップリングレンズ2a、2つのシリンドリカルレンズ3aによる『2組の光源側光学系』は、回転多面鏡4の偏向反射面41を共通にし、2つの光源1b、2つのカップリングレンズ2b、2つのシリンドリカルレンズ3bによる『2組の光源側光学系』は、回転多面鏡4の偏向反射面42を共通にしており、光源部ユニット105は、光源としての半導体レーザ101と、半導体レーザ101からの光束をカップリングするカップリングレンズ102とを有し、光源部ユニット115は、光源としての半導体レーザ111と、半導体レーザ111からの光束をカップリングするカップリングレンズ112とにより構成され、光源101とカップリングレンズ102とシリンドリカルレンズ103とによる光源側光学系と、光源111とカップリングレンズ112とシリンドリカルレンズ113とによる光源側光学系とは、光偏向器である回転多面鏡4の回転軸に直交する平面4Aの両側にあり、光源101からの光束は、回転多面鏡4の偏向反射面41に、前記平面4Aの上側から所定の角度で斜入射し、光源111からの光束は、回転多面鏡4の偏向反射面41に、前記平面4Aの下側から所定の角度で斜入射し、
発明の実施の1形態において、回転多面鏡4は4つの独立した光源からの4光束L1,L2,L3,L4を同時に偏向させ、光束L1,L2は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(偏向反射面41)により、光束L3,L4は回転多面鏡4の同じ偏向反射面(偏向反射面42)により偏向され、偏向された光束L1は主レンズ5aを透過し、ミラー91aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Kを透過して感光体100Kに入射し、光束L2は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5aを透過し、ミラー81aにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Cを透過し、ミラー82aにより再度光路を折り曲げられて感光体100Cに入射し、光束L3は回転多面鏡4により偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー81bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Mを透過し、ミラー82bにより再度光路を折り曲げられて感光体100Mに入射し、光束L4は、偏向されると主レンズ5bを透過し、ミラー91bにより光路を折り曲げられ、補助レンズ6Yを透過し、感光体100Yに入射するようになっており、
各光束による被走査部での走査線曲がりが同じ向きになるように、共通の偏向反射面により偏向される各光束を互いに異なる被走査部に導光結像させる第2結像系が、被走査部へ偏向光束を導光する光路上に1以上の光路折り曲げ反射鏡を有し、各被走査部上における走査線の曲がりが同じ向きになるように、共通の偏向反射面から各被走査部に至る光路上に配備される光路折り曲げ反射鏡の数を、各光路で異ならせた、光走査装置。」

(2)引用刊行物2
当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2003-5113号公報(以下「引用刊行物2」という。)には、図とともに下記の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーレーザープリンターやカラーレーザーコピーに利用される走査光学系に、関する。」

イ 「【0006】本発明…の課題は、回転多面鏡に入射される複数本のレーザー光束が回転多面鏡の中心軸に直交する平面に対して傾けられている構成を採りながら、低コストなレンズ群を利用して走査線湾曲を補正可能な走査光学系を、提供することである。」

ウ 「【0016】
【発明の実施の形態】本実施形態の走査光学系は、複数のレーザー光束を同時に偏向することによりレーザー光束と同数の走査対象に対して一度に走査を行えるものであり、特に、印刷用紙を1回搬送する間にイエローY,マゼンダM,シアンC,ブラックBの色成分のトナー像を順次転写してカラー画像を高速に印刷するタイプのカラーレーザープリンターに組み込まれて使用されるものである。以下、本実施形態の走査光学系について、図面を参照しながら説明する。なお、上述したようなカラーレーザープリンターにこの走査光学系が組み込まれた際に、そのプリンターができるだけ小型化されるようにするために、本実施形態の走査光学系では、ポリゴンミラーによって偏向された4本のレーザー光束の光路が、折返しミラーによって折り曲げられている(図3参照)。

【0029】…本実施形態の走査光学系は、走査された4本のレーザー光束L1?L4の光路が、折返しミラーによって折り曲げられている。具体的には、図3に示されるように、4組の後側レンズ群12が、前側レンズ群11の光軸から図3の下方へ平行にオフセットした仮想直線上において、所定の間隔(具体的には、各々を透過後のレーザー光束L1?L4のビーム軸が等間隔となるような間隔)に配置されている。
【0030】また、前側レンズ群11と各後側レンズ群12y,12m,12c,12bとの間の光路には、前側レンズ群11を透過した4本のレーザー光束L1?L4をそれらに個々に対応する後側レンズ群12へ向けて反射させるための2枚一組の折返しミラー(第1及び第2折返しミラー6,7)が、介在している。具体的には、前側レンズ群11を透過した4本のレーザー光束L1?L4のビーム軸上には、夫々、そのビーム軸を一旦、対応する後側レンズ群12から離れる側へ折り曲げる第1折返しミラー6が、配置されている。そして、これら第1折返しミラー6によって折り曲げられたビーム軸上には、このビーム軸を後側レンズ群12に入射させるように更に折り曲げる第2折返しミラー7が、配置されている。従って、第2折返しミラー7によって折り曲げられたビーム軸は、第1折返しミラー6によって折り曲げられる前のビーム軸に交差する。」

エ 「【0034】図4は、第1の実施例による走査光学系の主走査方向における説明図であり、図5及び図6は、第1の実施例による走査光学系の副走査方向における説明図である。なお、図4は、シリンドリカルレンズ3から走査対象面(感光ドラム20y,20m,20c,20bの感光面)Sまでにおけるレーザー光束L1?L4に対する光路を示し、図5は、レーザー光束L2,L3に対する光路を示し、図6は、レーザー光束L1,L4に対する光路を示している。これらの図では、第1及び第2折返しミラー6,7を省略し、前側レンズ群11と後側レンズ群12y,12m,12c,12bとの間の光路を直線状に展開して示している。…
【0035】この第1の実施例の結像光学系10の前側レンズ群11は、両面が共に回転対称非球面として形成された第1レンズ11aと,入射側の面が平面に形成されるとともに射出側の面が球面として形成された第2レンズ11bとから、構成されている。また、その後側レンズ群12y,12m,12c,12bは、それぞれ、入射側の面が回転非対称非球面として形成されるとともに射出側の面が球面として形成された1枚のレンズから、構成されている。…
【0036】後側レンズ12m,12cの入射側の回転非対称非球面は、その面に接する仮想的な基準平面からのサグ量が基準平面内で主走査方向及び副走査方向の二次元座標を変数とする多項式により定義される光学面であり、後側レンズ群の基準軸とはこの二次元座標の原点を通る軸である。後側レンズ12y,12bの入射側の回転非対称非球面は、後側レンズ12m,12cの回転対称非球面と同一の多項式により定義される光学面の、レンズ外形中心と基準軸との距離を変えたものである。
【0037】図4乃至図6に示される第1の実施例の走査光学系の近軸における具体的な数値構成を、表1に示す。この表1において、記号αは、主走査平面P1に投影した場合におけるポリゴンミラー5に入射するレーザー光束L1?L4の前側レンズ群11の光軸に対する角度であり、記号β1は、副走査平面P2に投影した場合におけるポリゴンミラー5に入射するレーザー光束L2,L3のビーム軸の前側レンズ群11の光軸に対する角度(絶対値)であり、記号β2は、副走査平面P2に投影した場合におけるポリゴンミラー5に入射するレーザー光束L1,L4のビーム軸の前側レンズ群11の光軸に対する角度(絶対値)であり、記号rは、レンズ面の近軸曲率半径(単位は[mm])であり、記号dは、直後のレンズ面との間における前側レンズ群11の光軸上での距離(単位は[mm])であり、記号nは、設計波長780nmでの各レンズの屈折率であり、偏心量は、前側レンズ群の光軸に対する後側レンズ基準軸の副走査方向へのシフト量(単位は[mm])であり、ずらし量は、レンズの外形中心と基準軸との副走査方向の距離(単位は[mm])である。また、(内/外)のうち、「内」はレーザー光束L2,L3に関する光学系を示し、「外」はレーザー光束L1,L4に関する光学系を示す。…
【0038】
【表1】
α=80° β1=1.15° β2=3.46°
ずらし量(内/外)=0.6/2.0
面番号 r d(内/外) n 偏心量(内/外)
1 -72.40 5.0 1.4862
2 -66.00 2.0 -
3 ∞ 10.0 1.5107
4 -121.40 108.0/110.4 -
5 -756.70 5.0 1.4862 2.11/6.22
6 -1045.70 - - -
この表1において、 第1面及び第2面が前側レンズ群11の第1レンズ11aを示し、第3面及び第4面が前側レンズ群11の第2レンズ11bを示し、第5面及び第6面が後側レンズ12を示している。

【0041】

また、第5面は、その面に接する仮想的な基準平面からのサグ量が基準平面内で主走査方向及び副走査方向の二次元座標を変数とする多項式により定義される光学曲面であり、この2次元座標は、基準平面に直交する単一の基準軸とこの基準平面との交点を原点として定義される。具体的には、第5面は、基準平面上での主走査方向の高さをY、副走査方向の高さをZの点(Y,Z)におけるサグ量X(Y,Z)が以下の式(2)で表される回転非対称非球面である。
【0042】
X(Y,Z)=(Y^(2)+Z^(2))/[r[1+√〔1-(κ+1)(Y^(2)+Z^(2))/r^(2)〕]+ΣΣB(m,n)Y^(m)Z^(n) … (2)
上式(2)中、rは基準軸上の曲率半径、κは円錐係数、B(m,n)は非球面係数である。…」

オ 図4、図5に照らして、上記エを読むと、「第5面」とは、「後側レンズ12」の「ポリゴンミラー5」側の面であることが理解できる。

上記の記載を総合すると、引用刊行物2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「回転多面鏡に入射される複数本のレーザー光束が回転多面鏡の中心軸に直交する平面に対して傾けられている構成を採りながら、低コストなレンズ群を利用して走査線湾曲を補正可能な走査光学系であって、
結像光学系10の前側レンズ群11は、両面が共に回転対称非球面として形成された第1レンズ11aと,入射側の面が平面に形成されるとともに射出側の面が球面として形成された第2レンズ11bとから、構成されており、また、その後側レンズ群12y,12m,12c,12bは、それぞれ、入射側の面が回転非対称非球面として形成されるとともに射出側の面が球面として形成された1枚のレンズから、構成されており、
前側レンズ群11と各後側レンズ群12y,12m,12c,12bとの間の光路には、前側レンズ群11を透過した4本のレーザー光束L1?L4をそれらに個々に対応する後側レンズ群12へ向けて反射させるための2枚一組の折返しミラー(第1及び第2折返しミラー6,7)が介在しており、
後側レンズ12m,12cの入射側の回転非対称非球面は、その面に接する仮想的な基準平面からのサグ量が基準平面内で主走査方向及び副走査方向の二次元座標を変数とする多項式により定義される光学面であり、後側レンズ12y,12bの入射側の回転非対称非球面は、後側レンズ12m,12cの回転対称非球面と同一の多項式により定義される光学面の、レンズ外形中心と基準軸との距離を変えたものであり、
後側レンズ12のポリゴンミラー5側の面である第5面が、基準平面上での主走査方向の高さをY、副走査方向の高さをZの点(Y,Z)におけるサグ量X(Y,Z)が以下の式(2)で表される回転非対称非球面である、走査光学系。
X(Y,Z)=(Y^(2)+Z^(2))/[r[1+√〔1-(κ+1)(Y^(2)+Z^(2))/r^(2)〕]+ΣΣB(m,n)Y^(m)Z^(n) … (2)
上式(2)中、rは基準軸上の曲率半径、κは円錐係数、B(m,n)は非球面係数である。」


3 対比
本願発明と引用発明1を対比する。

(1)引用発明1の「(4つの独立した)光源」、「(4つの独立した光源からの4光束L1,L2,L3,L4を同時に偏向させる)回転多面鏡4」、「『(回転多面鏡4の偏向反射面41により偏向された光束L1,L2を透過し、それぞれを感光体100K,100Cに入射させる)主レンズ5a』及び『(回転多面鏡4の偏向反射面42により偏向された光束L3,L4を透過し、それぞれを感光体100M,100Yに入射させる)主レンズ5b』」、「『ミラー91a』、『ミラー81a』、『ミラー82b』、『ミラー81b』、『ミラー82b』及び『ミラー91b』」、「『補助レンズ6K』、『補助レンズ6C』、『補助レンズ6M』及び『補助レンズ6Y』」及び「光走査装置」は、それぞれ、本願発明の「(複数の)光源」、「(該光源からのビームを主走査方向に偏向する)偏向器」、「(該偏向器にて偏向されたビームを被走査面上に結像する)第1の結像光学系」、「(該第1の結像光学系を透過したビームをそれぞれの被走査面に分離して導くための複数の)光路折返しミラー」、「(分離された各ビームを被走査面上に結像する)第2の結像光学系」及び「光走査装置」に相当する。

(2)引用発明1は、「光源101からの光束」が「回転多面鏡4の偏向反射面41に、前記平面4Aの上側から所定の角度で斜入射し」、「光源111からの光束」が「回転多面鏡4の偏向反射面41に、前記平面4Aの下側から所定の角度で斜入射」するものであるから、本願発明の「前記複数の光源からのビームは前記偏向器に対して副走査方向に所定の傾斜角度をもって斜入射され」との事項を備える。

(3)引用発明1は、「回転多面鏡4」が「4つの独立した光源からの4光束L1,L2,L3,L4を同時に偏向させ」るから、本願発明の「前記偏向器は各光源に対して共通に設置されており」との事項を備える。

よって、本願発明と引用発明1とは、
「複数の光源と、該光源からのビームを主走査方向に偏向する偏向器と、該偏向器にて偏向されたビームを被走査面上に結像する第1の結像光学系と、該第1の結像光学系を透過したビームをそれぞれの被走査面に分離して導くための複数の光路折返しミラーと、分離された各ビームを被走査面上に結像する第2の結像光学系とを備えた光走査装置において、
前記複数の光源からのビームは前記偏向器に対して副走査方向に所定の傾斜角度をもって斜入射され、
前記偏向器は各光源に対して共通に設置されている、
光走査装置。」
の点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。

a 第1の結像光学系を構成するレンズが、本願発明では、その面形状が全て副走査方向に対称であり、かつ、偏向器の左右両側に同じものが配置されるのに対し、引用発明1では、その面形状が全て副走査方向に対称であるのか否か明らかではなく、また、偏向器の左右両側に同じものが配置されるのか否か明らかでない点(以下「相違点1」という。)
b 本願発明は、第2の結像光学系が、全ての光路にて同じ形状のレンズを用いており、かつ、同じ方向に配置され、該レンズの少なくとも1面の面形状は主走査方向及び副走査方向ともに非対称であり、また、光路折返しミラーの枚数に関して、偏向器に対して一方の上側光路の配置枚数をA、一方の下側光路の配置枚数をB、他方の下側光路の配置枚数をC、他方の上側光路の配置枚数をDとしたとき、第2の結像光学系の前段では以下の条件を満足し、
|A-B|=2×i+1
|C-D|=2×j+1
|A-D|=2×m+1
但し、i,j,mは0以上の整数
第2の結像光学系の後段では各光路で光路折返しミラーの枚数が同数であるのに対し、引用発明は、第2の結像光学系が、そのようになっているのか否か明らかでなく、また、光路折返しミラーの枚数に関して、そのようにはなっていない点(以下「相違点2」という。)


4 判断
上記相違点につき検討する。
[相違点1]について
引用発明1の「主レンズ5a」及び「主レンズ5b」は、その面形状が如何なるものであるのか明らかではないところ、それらの製造コストを下げるために、その面形状を全て副走査方向に対称なものとなし、かつ、同じもので構成することは、当業者が適宜になし得ることである。
[相違点2]について
引用発明1の「光走査装置」は、「各光束による被走査部での走査線曲がりが同じ向きになるように、共通の偏向反射面から各被走査部に至る光路上に配備される光路折り曲げ反射鏡の数を、各光路で異ならせた」ものである。したがって、引用発明1において、各光束による被走査部での走査線曲がりを同じ向きにするためには、「共通の偏向反射面」から「各被走査部」に至る光路上に配備される「光路折り曲げ反射鏡」の数を、各光路において異ならせればよいのであって、各補助レンズを該「光路折り曲げ反射鏡」に対してどの位置に配置するかは、当業者が任意選択可能な事項であるといえる。そうすると、引用発明1において、「補助レンズ6K」、「補助レンズ6C」、「補助レンズ6M」及び「補助レンズ6Y」の各補助レンズを、「ミラー91a」、「ミラー81a」、「ミラー82b」、「ミラー81b」、「ミラー82b」及び「ミラー91b」の各ミラーに対して、具体的にどの位置に配置するかは、それ自体、当業者が任意選択できる設計的事項といえるから、例えば「ミラー91a」を「補助レンズ6K」と「感光体100K」の間に配置し、かつ、「ミラー91b」を「補助レンズ6Y」と「感光体100Y」の間に配置し、あるいは、「ミラー82a」を「ミラー81a」と「補助レンズ6C」の間に配置し、かつ、「ミラー82b」を「ミラー81b」と「補助レンズ6M」の間に配置し、その結果、上記相違点2に係る本願発明1の条件式を満たすものとなすことは、当業者が適宜になし得ることである。また、引用発明1の「補助レンズ6K」、「補助レンズ6C」、「補助レンズ6M」及び「補助レンズ6Y」は、その形状が如何なるものであるのか明らかではないが、上記2(2)によれば、引用刊行物2には、「回転多面鏡に入射される複数本のレーザー光束が回転多面鏡の中心軸に直交する平面に対して傾けられている構成」の「走査光学系」において、「走査線湾曲を補正」するために、「(第1折り返しミラー6及び第2折り返しミラー7の後側に配置された)後側レンズ12」の入射側に、基準平面上での主走査方向の高さY、副走査方向の高さZの点(Y,Z)におけるサグ量X(Y,Z)が式(2)で表される回転非対称非球面を用いる発明(引用発明2)が記載されているから、「補助レンズ6K」及び「補助レンズ6Y」、あるいは、「補助レンズ6C」及び「補助レンズ6M」を上記のように配置した光走査装置において、走査線湾曲を補正するために、「補助レンズ6K」、「補助レンズ6C」、「補助レンズ6M」及び「補助レンズ6Y」として、主走査方向及び副走査方向ともに非対称である回転非対称非球面を用いる同じ形状のものを採用して、上記相違点2に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易になし得ることである。

また、本願発明の奏する効果が、引用発明1、2から当業者が予測困難な程の格別顕著なものということはできない。

したがって、本願発明は、引用刊行物1、2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物1、2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-04 
結審通知日 2012-12-11 
審決日 2012-12-26 
出願番号 特願2005-148195(P2005-148195)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 徹  
特許庁審判長 吉野 公夫
特許庁審判官 星野 浩一
小松 徹三
発明の名称 光走査装置  
代理人 谷 和紘  
代理人 森下 武一  
代理人 特許業務法人プロフィック特許事務所  

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