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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C09J |
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管理番号 | 1270500 |
審判番号 | 不服2011-6040 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-03-18 |
確定日 | 2013-02-21 |
事件の表示 | 特願2006-226036「難燃性フィルム粘着テープ又はシート」拒絶査定不服審判事件〔平成20年3月6日出願公開、特開2008-50423〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成18年8月23日に出願されたものであって、平成22年10月6日付けで拒絶理由が通知され、同年12月2日に意見書が提出され、同年12月15日付けで拒絶をすべき旨の査定がされ、それに対して、平成23年3月18日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年7月25日付けで前置審査の結果が報告され、当審において平成24年6月29日付けで審尋され、同年8月28日に回答書が提出されたものである。 2.本願発明 本願の請求項1及び2に係る発明は、平成23年3月18日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1及び2にそれぞれ記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は次のとおりである。 「難燃性を有するフィルム基材面に、難燃性を付与していない、或いは、付与していても上記フィルム基材より低い難燃性を有する粘着剤を塗布した難燃性フィルム粘着テープ又はシートにおいて、上記粘着剤の塗布面積が、上記フィルム基材面の30?70%であることを特徴とする難燃性フィルム粘着テープ又はシート。」 3.原査定について 原査定は、「この出願については、平成22年10月6日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべき」というものであるところ、当該拒絶理由通知書に記載した理由とは、概略、「この出願に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」というものである。 そして、拒絶査定には、以下の点が備考として付記されている。(なお、本願発明1は、拒絶査定時の請求項3に係る発明に該当する。) 「請求項1 難燃性フィルム粘着テープ又はシートは文献1,2を参照。一方で文献1,2には粘着剤の塗布面積が「フィルム基材面の面積未満」ということの記載は無く、本願請求項に係る発明とは相違する。 上記相違点について検討すると、文献3には基板の表面に防炎加工された防炎クロスが一面に貼着された防炎パネルに関し、防炎クロスの接着剤について防炎クロスの縦糸と横糸による凸点の先端のみに接着剤が添着(請求の範囲)する構造とすることが開示されている。 文献3にて接着剤を上記の配置とするのは、「接着剤03には、アクリル樹脂等の合成樹脂が使用されており、引火温度が300℃?400℃と低いため、火災の際に火炎が防炎クロス01に触れ、防炎クロス01を介して局部的に接着剤03が高温状態になると、接着剤03はガス化し、引火の原因になるばかりか、ガスの引火により防炎クロスの炭化面積をも増大させる。」(【0004】)との課題を解決するためで、それにより「ガス化または発火する接着剤7が少ないほどガス災害や延焼を少なくできる」(【0025】)という効果を得られるものである。 要するに接着剤(粘着剤)の塗布面積を少なくする、基材面の面積未満とすることで延焼しにくくすることは公知技術である。接着剤(粘着剤)の燃焼性は、テープ等の難燃性基材がクロスであれフィルムであれ変わることはなく、接着剤(粘着剤)の量に依存する性質、性能である。したがって、文献1,2に記載される難燃性フィルム粘着テープ又はシートにて、粘着剤の塗布面積を、基材面の面積未満とすることは文献3に記載された技術から、当業者であれば容易に想到することである。 …… 請求項2-4 粘着剤の塗布面積は所望のテープ等の難燃性能、粘着力を勘案して当業者が適宜定めることである。フィルム基材の面積未満に粘着剤塗布した構造としては、スジ塗りしたテープなど周知(例えば一例として文献4 請求の範囲第6項参照。)であるから、当業者が適宜採用しうる事項である。 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開平9-208906号公報 2.特開平5-47249号公報 3.特開平8-199704号公報 4.実願昭62-172716号(実開平1-78144号)のマイクロフィルム」 4.当審の判断 (1)引用文献及びその記載事項 刊行物1:特開平5-47249号公報(原査定における引用文献2) 刊行物2:特開平8-199704号公報(同引用文献3) 刊行物3:実願昭62-172716号(実開平1-78144号)のマイクロフィルム(同引用文献4) ≪刊行物1≫ 1-ア.「下記(A)および(B)を含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材表面に粘着物質層を設けた難燃性粘着テープ。 ポリオレフィン系樹脂組成物: (A)ポリオレフィン系樹脂(A1)あるいはa1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマー、a2:エポキシ基含有モノマー、a3:ヒドロキシル基含有モノマー、a4:アミノ基含有モノマー、a5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、a6:多官能モノマー、a7:不飽和有機チタネート化合物、a8:不飽和有機シラン化合物から選ばれた少なくとも1種の反応性化合物を含むポリオレフィン系樹脂(A2)またはその樹脂組成物100重量部と、 (B)無機難燃剤 30?200重量部」(特許請求の範囲の請求項1) 1-イ.「本発明で用いる粘着物質は粘着用ポリマー、粘着付与物質、溶剤などからなるものであり、絶縁の効果を損ねない限りゴム性のものや、エマルジョン型のもの等現存する粘着物質すべてが使用でき、特に限定されない。 本発明で用いる粘着用ポリマーとしては天然ゴム、再生ゴム、シリコンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソブチレン、NBR、ポリビニルエーテル、ポリアクリルエステル、スチレンイソプレン又はスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体、アクリル酸エステルアクリル酸アミド共重合体などを挙げることができる。本発明で用いる粘着付与物質としてはポリテルペン、ロジン並びにその誘導体、油溶性フェノール樹脂、クロマンインデン樹脂、石油系炭化水素樹脂などを挙げることができる。 本発明で用いることができる粘着物質には用途や樹脂に合わせて軟化剤、充填材、老化防止剤、乳化安定剤、増粘剤、消泡剤を添加することができる。また、これらの粘着物質に粘着性を損ねない限り金属の酸化防止剤等を添加して商品価値を上げることができる。」(段落0040?0042) ≪刊行物2≫ 2-ア.「基板の表面に防炎加工された防炎クロスが一面に貼着され、床面に対してほぼ直立状に立設される防炎パネルであり、前記防炎クロスは縦糸と、横糸とが互いに交錯部を形成するように織られており、この交錯部に形成される縦糸と横糸による凸点の先端のみに接着剤が添着され、基板に対して貼着されることを特徴とする防炎パネル。」(特許請求の範囲の請求項1) 2-イ.「【従来の技術】…… 間仕切りパネルを例に挙げれば、図7に示されるように、防炎クロス01が基剤02としての石膏ボード等に接着剤03によりその表裏一面に貼着されており、不燃性の基剤02と防炎クロス01とで防炎をなしている。 【発明が解決しようとする課題】ところが、接着剤03には、アクリル樹脂等の合成樹脂が使用されており、引火温度が300℃?400℃と低いため、火災の際に火炎が防炎クロス01に触れ、防炎クロス01を介して局部的に接着剤03が高温状態になると、接着剤03はガス化し、引火の原因になるばかりか、ガスの引火により防炎クロスの炭化面積をも増大させる。」(段落0002?0004) 2-ウ.「【作用】縦糸と横糸との交錯部に形成される多数の凸点の先端のみに添着された接着剤により、防炎クロスと基剤とが接着されているため、……。また接着剤が少量のため、経済的であるとともに、一部ガス化してもガス発生量を最小限に減らすことができる。」(段落0010) 2-エ.「次に基材3の外側には、接着剤により防炎加工されたシート状装飾材、すなわち防炎クロス5が貼着されている。なお、ここで使用される接着剤7は難燃剤混入接着剤成分としてハロゲン系、有機リン系、さらには有機硫黄系等のものが使用することもできるが、一般に使用されるアクリル樹脂を適用することも可能である。」(段落0017) 2-オ.「本発明によれば、防炎クロス5の片面(図では上方)に形成される多数の凸点11の先端のみに、接着剤が添着され、この防炎クロスは図5に示されるように基剤3の表面に貼着されるため、防炎クロス5と基材3との間には接着剤7による多数の接着点が点在し、……。 このように構成された間仕切りパネルによれば、火災等が発生した場合、火炎が防炎クロス5に触れて局部的に温度上昇を引き起こすが、…… また、接着剤7は点在して少量しか使用されていないため、たとえ接着剤がガス化してもガスの発生量が少なく、安全性が高いばかりでなく、接着剤の価格を考慮するとコストの低減も図れる。 …… 基材として石膏ボードや鋼材も使用でき、このように基材自体を不燃性にすれば、ガス化または発火する接着剤7が少ないほどガス災害や延焼を少なくできるので、本発明の適用により、より完全な防炎パネルを得ることができる。」(段落0021?0025) ≪刊行物3≫ 3-ア.「1.繊維布帛からなるテープ状基布と、 前記基布の少なくとも1面を被覆し、かつ高周波、超音波又は加熱による接着性を有する光透過性重合体樹脂被膜と、 からなる基体と、および 前記樹脂被膜面の少なくとも1面に形成された粘着剤層と を含んでなり 全体として15%以上の光透過率を有する、 電飾用シート用接合テープ。 …… 3.前記粘着手段の粘着剤層が、多数の点又はスポツト状に形成されている、実用新案登録請求の範囲第1項記載の接合テープ。 4.前記粘着手段の粘着剤層が、前記接合テープの長手方向に沿つて、少なくとも1本の線状に形成されている、実用新案登録請求の範囲第1項記載の接合テープ。 5.前記線状の粘着剤層が、断続して形成されている、実用新案登録請求の範囲第4項記載の接合テープ。 6.前記、線状の粘着剤層が、連続して形成されている、実用新案登録請求の範囲第4項記載の接合テープ。」(実用新案登録請求の範囲の第1項?第6項) 3-イ.「本考案に用いられる粘着剤としては、ポリアクリル樹脂系粘着剤、ポリウレタン樹脂系粘着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤などの光透過性粘着剤から選択することができる。 粘着剤層の形状寸法に格別の限定はないが、例えば、樹脂被膜層上に多数の点状、又はスポット状に形成されていてもよい。この場合、点又はスポットは、少なくとも1本の線上に規則的に配置されていてもよく、又は、ほゞ均一な分布率になるようにアットランダムに配置されていてもよい。又、粘着剤層は、少なくとも1本の線状に、又は縞状にテープの長手方向に沿って形成されていてもよく、この線状粘着剤層は、断続しているものでもよく、又は連続したものであってもよい。 粘着剤層の合計面積の、接合テープの接着面の面積に対する比は3?70%の範囲内にあることが好ましい。この面積比が過大になると樹脂被膜層の接着強度を低下させることがあり、また過小になると接合作業の際の粘着力が不足し、作業性の改善に寄与しないことがある。」(11頁11行?12頁11行) (2)刊行物1に記載された発明 刊行物1には、摘示1-アの記載からみて、次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているものと認められる。 「下記(A)および(B)を含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材表面に粘着物質層を設けた難燃性粘着テープ。 ポリオレフィン系樹脂組成物: (A)ポリオレフィン系樹脂(A1)あるいはa1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマー、a2:エポキシ基含有モノマー、a3:ヒドロキシル基含有モノマー、a4:アミノ基含有モノマー、a5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、a6:多官能モノマー、a7:不飽和有機チタネート化合物、a8:不飽和有機シラン化合物から選ばれた少なくとも1種の反応性化合物を含むポリオレフィン系樹脂(A2)またはその樹脂組成物100重量部と、 (B)無機難燃剤 30?200重量部」 (3)対比 本願発明1と刊行物1発明とを対比する。 刊行物1発明の「ポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材」は、「難燃性粘着テープ」の基材であるからフィルム状物であることは自明であり、そして「(B)無機難燃剤」を含むものであることから、本願発明1の「難燃性を有するフィルム基材」に相当する。 また、刊行物1発明の「基材表面に粘着物質層を設けた」は、「難燃性を有するフィルム基材面に、……粘着剤を塗布した」に相当する。 さらに、刊行物1発明の「難燃性粘着テープ」は本願発明1の「難燃性フィルム粘着テープ又はシート」に相当する。 そうすると、本願発明1と刊行物1発明とは、「難燃性を有するフィルム基材面に、粘着剤を塗布した難燃性フィルム粘着テープ又はシート」である点で一致し、次の点で相違するものと認められる。 相違点1: 本願発明1では「難燃性を付与していない、或いは、付与していても上記フィルム基材より低い難燃性を有する粘着剤」と特定されているが、刊行物1発明では粘着剤の難燃性について規定されていない点。 相違点2: 本願発明1では「上記粘着剤の塗布面積が、上記フィルム基材面の30?70%である」と特定されているのに対し、刊行物1では粘着剤の塗布面積について規定されていない点。 (4)相違点に対する判断 (ア)相違点1 刊行物1には、難燃性粘着テープに使用する粘着物質について、「粘着用ポリマー、粘着付与物質、溶剤などからなる」(摘示1-イ)と記載されるとともに、用途や樹脂に合わせて種々の添加剤を添加することができる旨記載されているが(摘示1-イ)、基材について「無機難燃剤」を含むこととしているのとは対照的に難燃剤の含有について触れていない。 したがって、刊行物1発明の粘着物質には、特に「難燃剤」を添加しない、すなわち難燃性を付与していないものと解することが妥当である。 なお、刊行物2には、接着剤ではあるが「一般に使用されるアクリル樹脂を適用することも可能である。」(摘示2-エ)と記載されており、この一般に使用されるアクリル樹脂」はその文脈からみて、また従来技術に関する記載として「接着剤03には、アクリル樹脂等の合成樹脂が使用されており、引火温度が300℃?400℃と低い」(摘示2-イ)と記載されていることからみて、難燃性が付与されていないものと解され、さらに刊行物3の粘着剤も特に難燃剤の添加について触れていないことから(摘示3-イ)、難燃性の付与されていないものといえる。これらのことからみて、難燃性の付与されていない粘着剤は何ら特別なものではない。 そうすると、相違点1は実質的には相違点ではない。 (イ)相違点2 刊行物2には、「防炎パネル」に係る発明が記載されているが(摘示2-ア)、防炎クロスを貼着するための接着剤に関し、「接着剤03には、アクリル樹脂等の合成樹脂が使用されており、引火温度が300℃?400℃と低いため、火災の際に火炎が防炎クロス01に触れ、防炎クロス01を介して局部的に接着剤03が高温状態になると、接着剤03はガス化し、引火の原因になるばかりか、ガスの引火により防炎クロスの炭化面積をも増大させる。」(摘示2-イ)との「課題」が記載されているように、接着剤のガス化が引火(燃焼)の原因とした上で、「接着剤が少量のため、経済的であるとともに、一部ガス化してもガス発生量を最小限に減らすことができる」(摘示2-ウ)や「接着剤は点在して少量しか使用されていないため、たとえ接着剤がガス化してもガスの発生量が少なく、安全性が高い」(摘示2-オ)というように、接着剤の量を減らすとガス化してもガス発生量を減らすことができること、さらには「ガス化または発火する接着剤7が少ないほどガス災害や延焼を少なくできる」(摘示2-オ)ことが記載されている。 これらの記載は、接着剤は可燃性の成分であるから、難燃性の観点からはその使用量は少ない方がよいことを示すものである。 なお、本願発明1では接着剤ではなく粘着剤を使用するものであるが、粘着剤は別名「感圧性接着剤」と称されるとおり、接着剤の一種であり、その成分からみて、同様のことがいえることは自明である。 一方で、粘着剤の使用量を減らすと、粘着力が低下することは自明のことである。このことは、刊行物3に、粘着剤を点状若しくはスポット状(本願明細書における「ドット印刷」に相当する。)又は線状(同じく「スジ塗り」に相当する。)に形成して、基材全面に塗布しない態様が記載され(摘示3-ア及び3-イ)、そして、「粘着剤層の合計面積の、接合テープの接着面の面積に対する比は3?70%の範囲内にある」(摘示3-イ)とした上で、「粘着剤層の合計面積の、接合テープの接着面の面積に対する比」が「過小になると接合作業の際の粘着力が不足」することが記載されている(摘示3-イ)ことからも明らかである。すなわち、一定の粘着力を得るためには適切な量の粘着剤の量が必要であることは周知技術といえる。 そうすると、難燃性フィルム粘着テープ又はシートにおいて、使用する粘着剤の量、或いは、基材面に対する粘着剤の塗布面積割合を、難燃性と粘着力のバランスをみながら決定することは当業者が容易になし得ることであり、本願発明1のように「粘着剤の塗布面積がフィルム基材面の30?70%」とすることは、当業者が使用する粘着剤に応じてその必要な粘着力を勘案しながら適宜なし得ることである。 そして、その効果について検討しても、塗布面積比を30?70%とすることで粘着力と酸素指数が適切な範囲となるのは、実施例に記載のとおり「難燃性フィルム(アイセロ社製 商品名 ターダン 酸素指数30)に、アクリル系粘着剤(日本合成化学社製) コーポニールN-4135 酸素指数18)をスジ塗り塗工」した場合に限られるものであり、他の難燃性フィルム又は他の粘着剤(ただし、難燃性を付与していない、或いは、付与していても難燃性フィルムより低い難燃性を有するもの)を使用した場合(例えば、もっと酸素指数の高い粘着剤や粘着力の劣る粘着剤を使用した場合)にこの実施例と同様の効果を得られるかは明らかではない。さらに、実施例で使用した難燃性フィルムとアクリル系粘着剤を使用しても、比較例1と比較例2との対比からみて、塗布面積比が同じでも粘着剤厚さが異なれば粘着力が異なることが明らかであるから、粘着力は粘着剤の塗布面積のみで決まるものでもない。 そうすると、「塗布面積比を30?70%」とすることで格別の効果を奏するものということはできない。 (5)小括 上記したとおりであるから、本願発明1は、刊行物1?3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願発明1は、刊行物1?3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-12-13 |
結審通知日 | 2012-12-18 |
審決日 | 2013-01-04 |
出願番号 | 特願2006-226036(P2006-226036) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C09J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 澤村 茂実 |
特許庁審判長 |
松浦 新司 |
特許庁審判官 |
新居田 知生 目代 博茂 |
発明の名称 | 難燃性フィルム粘着テープ又はシート |
代理人 | 小林 茂 |