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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1270525
審判番号 不服2011-24852  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-17 
確定日 2013-02-21 
事件の表示 特願2010-184575「ゲーム機」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 1月 6日出願公開、特開2011- 453〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成22年8月20日(優先日,平成15年7月4日)の出願であって, 平成16年7月5日に出願した特願2004-197493号の一部を平成18年9月19日に新たな特許出願とした特願平2006-252093号の一部を新たな特許出願としたものであって,平成23年8月2日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年11月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は,平成23年3月31日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下,「本願発明」という。)。
「【請求項1】
メダル投入口からメダルを投入してゲームを行うゲーム機であって,
上部開口状で長手軸線をもつ凹溝状をしており,複数のメダルを起立させて整列可能であるとともに,端部に上記メダル投入口を有するメダル整列溝と,
上部開口状で長手軸線をもつ凹溝状をしており,複数のメダルを起立させて整列保持可能な少なくとも1つのメダル整列用補助溝と,を備えており,
上記少なくとも1つのメダル整列用補助溝の長手軸線は,平面視において,上記メダル整列溝の長手軸線に対して同一軸線上にあるか,もしくは平行関係にあることを特徴とする,ゲーム機。」
なお,本願については,平成23年7月11日付けの手続補正がされたが,平成23年8月2日付けの補正の却下の決定により却下された。


第3 引用刊行物
これに対して,原査定の平成23年4月25日付け拒絶理由通知では,次の刊行物が引用されている。
刊行物1:特開2000-107346号公報
刊行物2:特開平11-114141号公報

(1)刊行物1の記載内容
本願の優先日前に頒布された刊行物である刊行物1には,次の事項が記載されている。(下線は当審にて付与。)
(1a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,メダルが投入することを条件にゲームを行い,その結果に基でいて所定のメダルを払い戻す遊技機に関する。」
(1b)「【0013】次に,図1,2に基づきスロットマシン10に配設されるメダル受け皿11について説明する。図1,2に示すように,メダル受け皿11はメダル放出口14から放出されるメダル50を貯えるメダル貯留部11aと,メダル投入口12にメダルを投入するためのメダル投入部11bとが形成される。メダル投入部11bには,スロットマシン10の前面に接する部分にメダル投入口12が形成される。メダル投入部11bの底面はメダル50の円周面と略同一の曲率を持つ円弧で凹面となるように形成され,メダル50をこの底面に対して立てた状態(図1に示すような状態)で保持し易くなっている。」
(1c)「【0015】次に,上述のように構成されるスロットマシン10の動作について説明する。まず,クレジット機能を使用する場合について説明する。遊技者は,切り替えスイッチ26を押すことによりスロットマシン10に所定の枚数(本実施形態では50枚)のメダルをあらかじめ投入(クレジット) することができる。この場合において,遊技者がメダルをメダル投入口12に投入する際には,まずメダル貯留部11a内の図2に示すような状態のメダルを集めメダル投入部11bの方向に運ぶ。そして,メダル投入部11bにおいて,図1に示す状態にメダルを図1に示すような状態に整えメダル投入口12の方向にスライドさせることにより投入する。メダル投入口12より投入されたメダルは,その自重により下部メダル搬送部48a内を落下する。」
(1d)「【0019】なお,上述した実施形態では,・・・
また,上述した実施形態では,メダル投入口12をメダル受け皿11内に設けたが,これに限らず,メダル受け皿11とは別に設けても良い。例えば,図8に示すように,メダル受け皿11と近接するすぐ横にメダル投入口12を設けても良い。このようにメダル受け皿11とメダル投入口12を別々に設けても,メダル受け皿11とメダル投入口12は近接しているので手の移動量は少なく長時間遊んでも腕が疲れにくい。すなわち,メダル投入口12はメダル受け皿11と近接する位置に配設すれば良く,メダル受け皿11の上,下,横の何れの位置でも良い。ここで近接する位置とは,ほぼ接するぐらいに近くの位置という意味である。」
(1e)図1,2,8には以下の記載がある。
【図1】


【図2】


【図8】


ここで,記載事項(1d)と図8の「メダル投入口12」は,図8からみて底面が円弧で凹面となるように形成された所定長さの溝状の部分であると認められるから誤記であって,図1,2に示されるような「メダル投入部11b」であると認められる。
そして,「メダル投入口12」は図1,2および記載事項(1b)の「メダル投入部11bには,スロットマシン10の前面に接する部分にメダル投入口12が形成される。」,記載事項(1c)の「まずメダル貯留部11a内の図2に示すような状態のメダルを集めメダル投入部11bの方向に運ぶ。そして,メダル投入部11bにおいて,図1に示す状態にメダルを図1に示すような状態に整えメダル投入口12の方向にスライドさせることにより投入する。メダル投入口12より投入されたメダルは,その自重により下部メダル搬送部48a内を落下する。」との記載からみて,「メダル投入部11b」の端部に設けられているものと認められる。
また,図1,2の記載から,メダル投入部11bには,複数のメダルが底面に対して立てた状態で保持されることは明らかである。

そうすると,上記記載事項(1a)?(1e)の記載からみて,刊行物1には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「メダルを投入することを条件にゲームを行い,その結果に基づいて所定のメダルを払い戻す遊技機であって,
メダル投入部11bの底面はメダル50の円周面と略同一の曲率を持つ円弧で凹面となるように形成され,複数のメダル50をこの底面に対して立てた状態で保持し,
メダル投入部11bには,その端部にメダル投入口12が形成され,
メダル受け皿11と近接するすぐ横にメダル貯留部11aを設けた
遊技機。」(以下,「刊行物1記載の発明」という。)

(2)刊行物2
本願の優先日前に頒布された刊行物2には,次の事項が記載されている。(下線は当審にて付与。)
(2a)「【0025】次に,本発明によるコイン貯留装置を前述したスロットマシンに適用した第2の実施形態について説明する。
【0026】図2(a)は本実施形態によるスロットマシンの受け皿部分の構成を示す斜視図であり,本実施形態によるスロットマシンもこの受け皿部分以外の構成は図5に示すスロットマシン1と同様である。
【0027】本実施形態では,受け皿11の平坦な底面に,この受け皿11に受け入れる大きさを有する計数トレイ31が着脱自在に嵌め込まれて受け皿部分が構成されている。このトレイ31は蛍光色素を含む透明なアクリル樹脂から形成されており,払出口10から払い出されるコインを受ける上面側の露出面部分には,央部が窪んだコイン受け部31aが形成されている。そして,このコイン受け部31aの両側には,受け皿11の長手方向に沿って溝31bが形成されている。
【0028】本実施形態では,払出口10から払い出されたコインは一旦コイン受け部31aに落下し,貯留される。この際,コイン受け部31aは央部が窪んでいるため,払い出されたコインはこの央部に集められる。これらコインは遊技者によって各溝31bに導かれ,各溝31bに整列させられる。
【0029】本実施形態によるこのコイン受け部31aが無い上述した第1の実施形態では,払い出されたコインは各溝22aにバラバラに入ってしまい,整列し直す必要がある。しかし,本実施形態によれば,払い出されたコインは,コイン受け部31aに一旦貯められた後各溝31bに導かれるため,容易に各溝31bに順番に整列させることが出来る。このため,所持コインの枚数はさらに把握し易くなる。」
(2b)「【0034】また,本実施形態ではトレイ31の各溝31bを受け皿11の長手方向に沿って設けた場合について説明したが,同図(c)に示すように,受け皿11の奥行き方向に沿ってトレイ31の各溝31dを設けるようにしてもよい。この構成によっても本実施形態と同様な効果が奏される。」
(2c)図2には以下の記載がある。
【図2】



第4 当審の判断
1 本願発明と刊行物1記載の発明の対比
本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると,
刊行物1記載の発明の「遊技機」は本願発明の「ゲーム機」に,
以下同様に,
「メダル投入口12」は「メダル投入口」に,
「底面はメダル50の円周面と略同一の曲率を持つ円弧で凹面となるように形成され,複数のメダル50をこの底面に対して立てた状態で保持」する点は「上部開口状で長手軸線をもつ凹溝状をしており,複数のメダルを起立させて整列可能である」点に,
「メダル投入部11b」は「メダル整列溝」に,
それぞれ相当している。

以上のことから,両者は,以下の点で一致している。
「メダル投入口からメダルを投入してゲームを行うゲーム機であって,
上部開口状で長手軸線をもつ凹溝状をしており,複数のメダルを起立させて整列可能であるとともに,端部に上記メダル投入口を有するメダル整列溝を備える,
ゲーム機。」

そして,以下の点で相違している。
<相違点>
本願発明が「上部開口状で長手軸線をもつ凹溝状をしており,複数のメダルを起立させて整列保持可能な少なくとも1つのメダル整列用補助溝と,を備えており,上記少なくとも1つのメダル整列用補助溝の長手軸線は,平面視において,上記メダル整列溝の長手軸線に対して同一軸線上にあるか,もしくは平行関係にある」のに対し,刊行物1記載の発明は「メダル整列用補助溝」に相当する構成を有していない点。


2 相違点についての検討
上記各相違点について検討する。
刊行物2の記載事項(2a)には「本発明によるコイン貯留装置を前述したスロットマシンに適用した第2の実施形態について説明する」,「受け皿11の平坦な底面に,この受け皿11に受け入れる大きさを有する計数トレイ31が着脱自在に嵌め込まれて受け皿部分が構成されている」と,記載事項(2b)には「トレイ31の各溝31bを受け皿11の長手方向に沿って設けた場合について説明したが,同図(c)に示すように,受け皿11の奥行き方向に沿ってトレイ31の各溝31dを設けるようにしてもよい」と記載されており,スロットマシンの受け皿にコインを整列させる溝を設け,その溝の方向は受け皿の長手方向と奥行き方向のどちらかである点が記載されている。
そして,コインやメダルを起立させて整列保持することは普通に行われることであるから,刊行物1記載の発明のメダル受け皿11に,刊行物2に記載されたコインを並べる溝を設けることは当業者が容易に想到したことであり,その際に溝の方向をどちらにするかは当業者が適宜決めうるところ,メダルを移動させやすいようにメダル投入部11bにメダルを並べる方向と同じ方向を選択することは,当業者であれば自然に行うことと認められる。

そして,上記各相違点に係る構成を採用することによる作用・効果も,刊行物1記載の発明及び刊行物2の記載事項からみて格別なものということはできない。

3 まとめ
したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明及び刊行物2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第5 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-12 
結審通知日 2012-12-18 
審決日 2013-01-08 
出願番号 特願2010-184575(P2010-184575)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 古川 直樹  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 筑波 茂樹
高橋 三成
発明の名称 ゲーム機  
代理人 鈴木 泰光  
代理人 吉田 稔  
代理人 田中 達也  
代理人 土居 史明  
代理人 仙波 司  
代理人 臼井 尚  

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