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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1270860
審判番号 不服2012-9882  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-28 
確定日 2013-03-07 
事件の表示 特願2005- 63129「画像表示プロジェクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 9月14日出願公開、特開2006-243672〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成17年3月7日を出願日とする特願2005-63129号であって、平成23年11月11日付けで拒絶理由が通知され、平成24年1月16日付けで意見書が提出されるとともに同日付で手続補正がなされ、同年2月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において同年10月4日付けで前置報告書の内容について請求人に事前に意見を求める審尋をなし、同年12月5日付けで回答書が提出された。

第2 平成24年5月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成24年5月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項2に係る発明は、平成24年1月16日付けの手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項2に記載の、

「光源と、
パソコンやビデオカメラ等の映像信号出力機器から出力された映像信号を組み立てて得られた画像データを一時的に記憶する画像データ記憶手段と、
前記光源から入射される光と前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データとに基いて、画像を生成するDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と、
前記DMDにより生成された画像を投影する投影レンズとを備えた画像表示プロジェクタにおいて、
プリンタに直接接続され、
自機に前記プリンタが接続されたか否かを検出するプリンタ検出手段と、
前記投影レンズにより投影された画像と同じ画像を前記プリンタにより印刷するように指示するための印刷指示手段と、
前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、ユーザにより印刷するように指示された画像に対応する画像データを読み込んで送出する画像データ送出手段と、
前記画像データ送出手段により送出された画像データを、前記プリンタに出力可能な形式に変換して、該プリンタに出力する画像変換出力手段とを備え、
前記画像データ送出手段は、前記投影レンズにより投影される画像が動画像であるときに、前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されると、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、前記印刷指示手段を用いた指示を受け付ける所定時間前に画像データ記憶手段に記憶された画像データ、又は前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データを、自動的に読み込んで送出するようにしたことを特徴とする画像表示プロジェクタ。」から

「光源と、
パソコンやビデオカメラ等の映像信号出力機器から出力された映像信号を組み立てて得られた画像データを一時的に記憶する画像データ記憶手段と、
前記光源から入射される光と前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データとに基いて、画像を生成するDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と、
前記DMDにより生成された画像を投影する投影レンズとを備えた画像表示プロジェクタにおいて、
プリンタに直接接続され、
自機に前記プリンタが接続されたか否かを検出するプリンタ検出手段と、
前記投影レンズにより投影された画像と同じ画像を前記プリンタにより印刷するように指示するための印刷指示手段と、
前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、ユーザにより印刷するように指示された画像に対応する画像データを読み込んで送出する画像データ送出手段と、
前記画像データ送出手段により送出された画像データを、前記プリンタに出力可能な形式に変換して、該プリンタに出力する画像変換出力手段とを備え、
前記画像データ送出手段は、前記投影レンズにより投影される画像が動画像であるときに、前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されると、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データを、自動的に読み込んで送出するようにしたことを特徴とする画像表示プロジェクタ。」と補正された。

そして、この補正は、「ユーザにより画像を印刷するように指示されると」「自動的に読み込んで送出するようにした」「画像データ」について、本件補正前においては「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付ける所定時間前に画像データ記憶手段に記憶された画像データ」又は「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データ」であったのを、「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データ」のみに限定する補正事項からなり、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とする補正であるといえる。
すなわち、本件補正における請求項1に係る発明の補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものである。

2 独立特許要件違反についての検討
そこで、次に、本件補正後の特許請求の範囲の請求項2に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反しないか)について検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成24年5月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項2に記載されている事項により特定されるものである。(上記の「1 本件補正について」の記載参照。)

(2)引用例
ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-174919号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、下記「イ 引用例1に記載された発明の認定」に直接関与する記載に下線を付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投射型表示装置に関し、特にライン状に形成した光変調素子を1以上設け、該光変調素子からの画像情報に基づく光束を該ライン方向と直交方向に光走査してスクリーン面上に走査投射し、2次元画像を観察するときの投射型表示装置に関する。」

「【0044】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は投射画像をスクリーン上に投射するための本発明の投射型表示装置をリア型の投射型表示装置に適用したときの外観図である。図1(A)は、該装置の断面図、図1(B)は、該装置を表示面側から見た概略図である。
【0045】図1において、1は、該装置のキャビネット部材である。キャビネット部材1は、木工、モールド等で製造している。キャビネット1をモールド材で製造すると運搬等が可能な重量(約50kg)に出来る。2は、スクリーンであり、表示側(観察側)には、レンチキュラースクリーン2aが形成され、内側には、フレネルレンズ2bが形成されている。
【0046】後述する投射ユニット6からスクリーン2へは、光が斜め入射するため、均一な観察画像を得るためフレネルレンズ2bは偏心系からなり、光束の入射角が厳しい(大きい)ため、周辺光量の確保のために、本実施形態では2枚構成のフレネルレンズを用いている。
【0047】3、4は、各々ミラーであり、投射ユニット6から出射した光束は、ミラー4で反射した後、ミラー3で反射してスクリーン2へ投射している。
【0048】ミラー3、4はほぼ垂直に配置している。ミラー3は、スクリーン2のサイズの大型化に伴い、大きくなり、傾けて配置すると自重でミラーが撓み、投射像に歪みが発生し易くなる。
【0049】本実施形態ではミラー3の配置をより垂直に近くなるようにして、自重での撓みがほとんど発生しなくなるようにして、良好な表示品位を得ている。
【0050】又、投射光が、スクリーン内部の表面で反射すると、光量ロスになるばかりでなくその反射光が再度ミラー側へ戻り、そのミラーで反射しスクリーンへ再投射させるとフレーアとなり、コントラストの低下を招く。
【0051】これを防止するため、本実施形態ではスクリーン2には、反射防止コートを施している。
【0052】5は、スピーカーであり、本実施形態では、スクリーン2の下の左右2箇所に配置している。このスピーカーにより、大画面の迫力有る映像に、音響レベルでも効果を倍増させている。
【0053】投射ユニット6の構成については後から別途詳細に説明する。9は、各種IF(制御パネル)で、電源スイッチ、アナログ及びディジタル信号のPC、ビデオ入力端子、無線入力端子、リモコン、IrDA等のIRセンサー、アナログ及びディジタル信号のTV信号入力端子、ポンター、マウス等の制御IF用RS232c、USB端子、表示画像と音声出力端子、デジタルカメラの画像データが格納されているスマートメディア、SDカード、メモリースティック入力端子等が裏側以外に表示側に設けられ、ユーザーが簡単にこの表示装置で見たり、表示画像をプリントしたりするこのが可能になっている。」

「【0057】次に、本実施形態における投射ユニット6の構成について、図2を用いて説明する。
【0058】図2(A)は、1ラインDMD 〔上記、DMDとは、TI社のDMD(digital micromirror device)〕を用いた光学系、図2(B)は、1ラインGLV〔GLVとは、Silicon Light Machines社のGLV(Grating Light Valves)〕を用いた光学系の概略図である。
【0059】まず、図2(A)の構成について説明する。図2(A)において、51は、光源であり、白色光を出す固体レーザーより成り、半導体励起型で小型でかつ、空冷型で対応できるものを用いている。
【0060】52は、光源51からの光束をシート状に成形するレンズ系(照明光学素子)であり、例えばシート状に広げる方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズを2枚用い、第1シリンドリカルレンズ52bの集光位置に、第2のシリンドリカルレンズ52bをその焦点距離の長さ分、離し配置している。
【0061】また、上記レーザー51からの出射光束の幅が、光変調素子58の幅より大きい場合、シリンドリカルレンズでなく、アナモフィックレンズを用い、幅を調整する事も可能である。53は、時分割色切り替え手段としての回転ホイールで、54,55,56,57はそれぞれR,G,B,Wのダイクロイックフィルターである。回転ホイール53の回転により、白色光を所望の色に選択して透過させている。
【0062】上記構成の場合、白色に対応するW(白色)のフィルターも色選択の1つに導入している。
【0063】これにより、輝度の向上を図っている。色純度を向上させるためには、上記Wフィルターの比率を削減するか,または、設けない事も有効である。
【0064】このような色切り替えする手段としてはcolorlink社の可動部の無いデバイス等の用いることも有効である。
【0065】本実施形態では光源1から時分割色切り替え手段53に至る各要素は照明手段の一要素を構成している。58は、光変調素子であり、複数の素子を1次元配置したDMDデバイスより成り、ミラーを傾けた信号光のみ、ガルバノミラー(光走査手段)59に入射するように配置している。
【0066】ガルバノミラー59のミラー面59aは、光学系(投射レンズ)60の瞳位置又はその近傍位置になっている。60は、投射レンズで走査光学系に適したFθレンズを用いている。本実施形態では、台形歪の補正を上記Fθレンズに持たせてある。
【0067】本実施形態では白色レーザー51から出射した光束71は、第1シリンドリカルレンズ52aにより、光束を広げる方向(Y方向)にのみ絞り、光束72に集光する。そこから広がった光束73は、第2のシリンドリカルレンズ52bにより光束74の如くシート状に成形される。シート状の光束74は回転ホイール53を通過し所望の色光に選択された光束75は、ライン状のDMDデバイス58に照射される。DMDデバイス58によるON信号光はDMDのミラーで角度をつけられ、ガルバノミラー59へ進む。
【0068】一方、OFF光の場合は、傾むいていないDMDのミラーで反射し上記ガルバノミラー59とは異なる方向へ進むため、投射レンズ60によってスクリーンへは投射されない。画像の階調は、上記DMDのミラーをパルス変調することにより実現している。ガルバノミラー面59aは投射レンズ60の瞳位置になるように配置させているのでガルバノミラー59の回転により、DMDデバイス58に基づく光束は矢印79の方向(X方向)に走査され、投射レンズ60を通過した後、スクリーン面上に画像を形成している。」


「【0076】次に、本発明に係る各部材を駆動制御電気処理系(処理手段)について、図3を用いて説明する。201は、PCからの入力端子、202は、NTSCやビデオからの入力端子、204は、スイッチ、205は、AD変換機、206は、音声信号を処理、増幅する音声回路、207は、スピーカー、208は、メモリ、209は各種信号処理回路、210は、タイミング発生回路(TG)、211は、マイコン、212は、電源、213は、ACインレット、214は、光源の光量制御回路、215は、光源で、上記説明の如く、レーザーポンプ型固体レーザー、や高出力半導体レーザー等が候補となる。
【0077】また、レーザー以外にも白色光源を用いて光量を変調する素子を上記光源との間に設けて実質的に光量をリアルタイムに変更する部材を用いても有効である。216は、光変調素子を駆動する素子駆動回路で、時分割で階調表示する場合にそのための所望のパルス幅を発生する等の機能を有する。
【0078】217は、図1に示す制御パネル9で、リモコン219からの制御で電源ON,OFFや入力切替、スピーカのボリューム、コントラスト、ブライト、色合い(色温度)等の画質の制御等を外部より行えるようになっている。
【0079】次に、上記構成での全体動作について説明する。PC端子201、もしくはNTSC・ビデオ信号入力端子202からの信号は、スイッチ204より選択される。端子202からの入力信号は、処理回路203で、3次元YC分離処理等により低ノイズ化を図られる。
【0080】入力信号切り替え後、音声信号は、音声回路206で3Dサラウンド等の信号処理され、スピーカー207へ送られる。スイッチ204で選択された信号は、AD変換機205でデジタル化され、メモリ208に格納させる。
【0081】上記、入力信号は、アナログを前提としていたが、図1の説明のように、LVDS,TMDS等のディジタルインターフェースを介してディジタル信号を入力しても良い。格納されたデータは、信号処理回路DSP209により各種信号処理を施し、素子駆動周辺回路216を介して光変調素子218へ送られる。走査に伴うサンプリング等のタイミングは、タイミング発生回路TG210で決める。ライン状への照明光量は、マイコン211で演算され、光源制御回路214へ送られる。
【0082】上記マイコン211により、機器全体の制御が行われる。
【0083】次に、本発明の特徴とする動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、1フィールドの映像信号をメモリ208に格納後、走査方向と直交する光変調素子218へのラインデータをラインメモリへ読み出して置く。そのデータ内でのヒスグラム演算を信号処理回路DSP209により行いその中での最大輝度と最小輝度とを算出する。上記最大値と最小値の決定に際しては、1ビットでもあれば、それを持って最大最小にする方法やある所望の頻度、たとえば、1ラインのデータ内で少なくともX%以上のものを最大最小とする等の決め方を選択することも可能である。
【0084】後者のように、あるレベルでクリップ、リミッタをかす場合、それから外れたデータを上記クリップとリミッタとの範囲に取りこむ処理も有効である。この処理により、表示装置を見るユーザーがより適切な階調で観測できる利点がある。
【0085】以上の演算から算出されたヒストグラムの最大値に再現するように、光源215の光量を決める。
【0086】次に、上記ヒストグラムの最大最小の範囲で、所望の階調を実現するように、光変調素子218の駆動信号を駆動信号と輝度との関係を決めたルックアップテーブルから演算して求める。
【0087】その駆動信号を素子駆動周辺回路216で送る。上記方法で光源輝度とその光源輝度に合った光変調素子の駆動が同期する必要がある。このため、演算は、走査の数ライン手間に実行し、走査のサンプリングと同期して光源変調と光変調素子との駆動を行う事ができる。
【0088】次に図5,図6を用いてこの方式を具体的な映像シーンに照らし合わせて説明し、その効果を明らかにする。
【0089】図5は、異なる時刻の映像で、明け方、山かげの海から朝日が登るシーンを示している。図5(A)は時刻t_(1) ,図5(B)は時刻t_(2)のものを示している。時刻t_(2)では時刻t_(1) において、時間が経過し、太陽が昇り、空が明るくなってきている。
【0090】図中に書かれた数値は、輝度レベルで、山かげは、暗く輝度は10、空は40、海は30、朝日は100、その周辺は80と明るい。点線で区切られたラインは、各タイミングで光変調素子により描画された映像を示す。
【0091】各ラインをL11?L18,L21?L28とする。この各ラインのうち一部のラインの輝度を横軸に、縦軸にその頻度を取りプロット(ヒストグラム)したのが、図6(A)である。
【0092】山かげと空から構成されるラインL11の輝度分布は、輝度40以下に集中し暗いのに対して、朝日を含むラインL17,L18は明るい側にも分布が伸びていることがわかる。
【0093】従って、本発明の方式を適用した場合、ラインL11の最大輝度は40、最低は10となる。このラインの映像を表示する場合の光源の光量は、輝度40とし、輝度0から40までの階調を光変調素子により表現することになる。但し、輝度0から10までは実質的に存在していないので階調表現のビット振り分けに重みを付け、輝度10から40までの領域に多くビット割り付けを行う事も有効である。
【0094】一方、ラインL17の場合、最大輝度は朝日の場所の輝度100、最低は雲の輝度20となる。従って、光源の光量を輝度100に設定し、輝度0から100までの階調を光変調素子により表現することになる。
【0095】このように本実施形態ではライン状の入力映像信号に応じてライン毎の照射光量を変化(変調)させている。
【0096】階調のビット割り付けの重み付けも上記方式と同様な方式を取れる。上記場合、光変調素子の階調表現上の割り付けビットを同等とすると、ライン毎で表現階調レベルが変わる。最大レベルが低いか、もしくは最大最小の範囲が狭い時、実効的に階調数が増え、特に従来問題になっていた暗い映像での黒レベル(装置に入力されるすべての映像信号のうち、その絶対的な最低レベル)つぶれや明るい映像での白レベルつぶれが無くなり良好な画像表示が実現した。
【0097】但し、かなりダイナミックレンジの狭い映像の場合、このように、ライン毎に不必要にビットを多く割り付けてしまう場合は、上記ダイナミックレンジの幅に応じて適正なビット割り付けを行い各ライン毎の表現する階調数をほぼ同等になるようにする事も有効である。」

「【0131】また、電装ユニット内にwindowsCE基板を搭載することにより、プロジェクターへネットワークを介してファイル返送等が簡単にできる。
【0132】これにより、出張へ行く折、PCや必要なデータを持参せずに、手ぶらで出先に行き、その自分の送ったファイルでプレゼンテーションすることができる。また、プレゼンテーションの図面をそのネットワークに接続させたプリンターへのプロジェクターから直接印刷も可能になる。また、走査により、2次元画面表示を行うので、4:3,16:9,5:4等の異なるアスペクト比の画像表示、及び異なる解像度(画素数)の表示も、走査を行うガルバノミラーの送り量とその中サンプリング数を変更することにより容易に実現できる。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



「【図5】



イ 引用例1に記載された発明の認定
上記記載(図面の記載も含む)から、引用例1には、
「白色レーザー51から出射した光束71は、シート状に成形され、シート状の光束74は回転ホイール53を通過し所望の色光に選択され、光変調素子であるライン状のDMDデバイス58に照射され、
PC端子201、もしくはNTSC・ビデオ信号入力端子202からの信号は、スイッチ204より選択され、処理回路203で、3次元YC分離処理等により低ノイズ化を図られ、スイッチ204で選択された信号は、AD変換機205でデジタル化され、メモリ208に格納され、格納されたデータは、素子駆動周辺回路216を介して光変調素子218(DMDデバイス58)へ送られ、
DMDデバイス58に基づく光束は走査され、投射レンズ60を通過した後、スクリーン面上に投影画像を形成する投射型表示装置において、
電装ユニット内にwindowsCE基板を搭載することにより、プロジェクターへネットワークを介してファイル返送等が簡単にでき、投影画像をそのネットワークに接続させたプリンターへのプロジェクターから直接印刷することが可能な投射型表示装置。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

ウ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2003-280778号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも有線と無線の二つのインターフェースを備えた電子機器及びデータ転送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、BluetoothやIEEE802.11などの近距離無線方式が身近なものとなり、無線インターフェースと従来型の有線インターフェースの双方を備えた電子機器が提供されている。例えば、無線インターフェースとしてBluetooth、有線インターフェースとしてUSB等を備えたデジタルカメラやPDAなどである。これらの電子機器の外部接続機器としては、例えば、Bluetoothプリンタ、USBプリンタ等、同じ種別でインターフェースの異なる機器や、BluetoothとUSBの双方のインターフェースを備えた機器等が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような無線インターフェースと有線インターフェースの双方を備えた電子機器が、無線インターフェースを備えた外部接続機器、あるいは有線インターフェースを備えた外部接続機器に接続する場合、操作者はどちらのインターフェース経由で接続するかを常に意識する必要があった。例えば、同時に同種類の外部機器が接続可能な場合(例えば、USBプリンタとBLUETOOTHプリンタの双方が使用可能な場合)、どちらの外部機器と接続するかを選択する必要があったし、無線、有線ともに同種類の外部接続機器(例えば、無線プリンタと有線プリンタ)が存在する場合、外部機器とどちらのインターフェースで接続されているかを意識しておく必要があった。
【0004】本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無線インターフェースと有線インターフェースの双方を備え、外部接続機器との接続インターフェースを操作者に意識させることなく、自動的に選択、接続することを可能とし、低消費電力で実現するようにした電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも一つの有線インターフェースと、少なくとも一つの無線インターフェースと、前記有線インターフェースに動作可能な所望の外部機器が接続されていることを検知する接続検知手段と、前記有線インターフェースと無線インターフェースのどちらか一方を選択する選択手段と、前記検知手段からの出力に応じて前記選択手段を起動することを特徴とする。」

「【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施例]図2(a),(b)は、本発明の電子機器としてデジタルカメラの一実施例を示す斜視図で、図2(a)は前面外観図、図2(b)は背面外観図である。この実施例では電子機器としてデジタルカメラ(以下、デジカメという)を、外部接続機器としてプリンタを、無線インターフェースとしてBLUETOOTHを、有線インターフェースとしてUSBを使用した場合を例にして、デジタルカメラからプリンタへ印刷を行なう例で説明する。
【0028】図中符号30は、無線の送受信を行なうアンテナ、31はシャッター、32は電源スイッチ、33はファインダー窓、34は測距部、35は沈胴式レンズ、36はストロボ、37はUSBコネクタ、38は撮影モード、再生モード、および転送モードの各種動作モードを切り替えるモードスイッチ、39は各モードで画像やステータスを表示する液晶表示器である。
【0029】また、符号40はファインダー接眼部、41および42はデジカメ1のステータスやアラームを表すLEDランプ、43?47は操作ボタン群であり、特に43は印刷モード時には印刷開始を指示する印刷開始ボタンとして機能し、44、45は再生モード、および転送モード時に画像選択を行う画像選択ボタンとして機能する。
【0030】図1は、デジタルカメラ本体の概略ブロック図で、本発明に関わる部分のみ記載してある。図中符号37は、図2でも説明したUSBコネクタ、12はUSB制御部で、USBコネクタ37とUSB制御部12とはUSB信号16で接続されている。また、USB機器にはホスト機器とデバイス機器とが存在するが、デジカメ1はデバイス機器で、USBコネクタ37を介して電源19がUSBホスト機器から供給される。
【0031】符号11はバッファで、電源19がその入力端子に接続されるとともに抵抗26を介してGNDに接地され、出力端子は後述するデジカメ制御部13の入力ポート23に接続されている。この抵抗26により、USBホスト機器が存在しない時、あるいはアクティブでないときにはバッファ11の入力はLOWレベルに固定され、入力ポート23には0が入力される。反対にUSBホスト機器が存在し、電源19が供給されている時には、バッファ11の入力がHIGHレベルに固定され、入力ポート23には1が入力される。
【0032】符号13は、デジカメの主制御を行なうデジカメ制御部で、出力ポート21、22及び入力ポート23を有し、USB制御部12とシステムバス17で接続されている。14はBLUETOOTHの制御を司るBT制御部であり、接続されたアンテナ30を介して無線データの送受信を行なう。また、BT制御部14とデジカメ制御部13とはシリアルバス18で接続されている。
【0033】符号15は不図示のバッテリー、DCDCコンバータ等から構成され、デジカメ1の各部に電力を供給するデジカメ電源部であるが、図1ではその出力として本発明に関わる電源20のみを記載している。電源20はスイッチである24と25の一端に供給され、スイッチ24のもう一端はUSB制御部12の電源入力へ、スイッチ25のもう一端はBT制御部14の電源入力へ接続されている。また、デジカメ制御部13の出力ポート21がスイッチ24の制御端子へ、出力ポート22がスイッチ25の制御端子へ接続され、スイッチ24、25のON、OFFを制御する。
【0034】以上のような構成によるデジカメの操作方法について以下に説明する。電源スイッチ32によりデジカメ1の電源をONにした後、あるいはその前に、モードスイッチ38を撮影モードに設定し、撮影画像を液晶表示器39あるいはファインダー接眼部40で確認しながらシャッター31を操作することで、画像の撮影を行なうことが出来る。撮影済画像はその場で液晶表示器39に表示することも可能である。
【0035】また、電源スイッチ32によりデジカメ1の電源をONにした後、あるいはその前に、モードスイッチ38を再生モードにすることで、撮影済画像を液晶表示器39に表示して閲覧することが出来る。閲覧画像は操作ボタン44、45により切り替え可能である。
【0036】さらに、電源スイッチ32によりデジカメ1の電源をONにした後、あるいはその前に、モードスイッチ38を転送モードに設定することで、本発明に係る画像の印刷が可能なモードとなる。デジカメ1の画像選択ボタン44、45を操作し、液晶表示器39に表示する撮影済画像を切り替え、さらに印刷開始ボタン43を操作することで、印刷データをプリンタに送信することが出来る。
【0037】図3は、デジカメからプリンタへの印刷データ送信を説明するための図で、図中符号1は前述のデジカメ、2はBLUETOOTH接続用のプリンタ(以下、BTプリンタという)、6はBTプリンタ2のアンテナ、5は無線接続のイメージ、3はUSBプリンタ、4はデジカメ1のUSBコネクタ37とUSBプリンタ3のUSBコネクタ(不図示)とを接続するUSBケーブルである。
【0038】図4は、本発明の第1実施例の具体的な動作を説明するためのフローチャ-トを示す図である。このフローチャートは、操作者がデジカメを印刷モードに設定し、転送画像を選択した後、転送開始ボタン43を押下した所から始まる印刷処理部のフローである。
【0039】まず、デジカメ1は印刷指示を受けると、ステップS1からこのフローチャートを開始する。ステップS2では図1の入力ポート23の値を読み出し、ステップS3でその読み出した値をチェックする。このポートから、USBコネクタ37へ接続されるUSBホスト機器の状態を知る。すなわち、この入力ポート23の値が1であれば、アクティブなUSBホスト機器が接続されたと判断してステップS4へ進み、0であればUSBホスト機器が接続されていない、あるいは接続されていてもアクティブでないと判断してステップS11に分岐する(ステップS3)。
【0040】ステップS4では出力ポート21を操作してスイッチ24をONにし、USB制御部12に電源20を供給する。次に、ステップS5でUSB制御部12を初期化した後、ステップS6で接続されているUSBホスト機器とネゴシエーションを行ない、USBホスト機器がプリンタかどうかの判別を行なう。ここでプリンタ(図3のUSBプリンタ3)であれば、ステップS7に進んでUSBにて印刷データの転送を行ない、USBプリンタ3での印刷を実行する。ステップS7での印刷が終了したら、ステップS8でポート21を操作してスイッチ24をOFFにし、USB制御部12への電源20の供給を遮断した後、終了する(ステップS9)。
【0041】ここまでがアクティブなUSBプリンタが接続されている場合の印刷処理である。ステップS3でポート23が0のとき、すなわち、USBホスト機器が接続
されていないか、あるいは接続されていてもアクティブでないと判断した時にはステップS11に分岐する。また、ステップS6で接続されているUSBホスト機器がプリンタでないと判断した時にも、ステップS10でスイッチ24をOFFにした後、ステップS11に分岐する。ステップS11では出力ポート22を操作してスイッチ25をONにし、BT制御部14に電源20を供給する。」

「【図3】



エ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-260585号公報(以下「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像管理装置および画像管理方法並びにプログラムに関し、詳しくは、動画における画像を管理する画像管理装置および画像管理方法並びに画像管理装置用のプログラムに関する。」

「【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である画像管理装置30を含む静止画印刷システム20の構成の概略を示す構成図である。実施例の画像管理装置30は、映画館における動画としての映画の上映を管理する動画上映管理装置40や映画館のロビーに設置された印刷装置50,インターネット22に接続されたユーザのコンピュータ62などと接続され、映画館で上映されている映画を鑑賞している顧客(ユーザ)による操作端末38の操作に基づいて顧客の所望のシーンの静止画を印刷装置50やユーザのコンピュータ62に接続されたプリンタ64で印刷するために静止画受付処理や静止画出力処理を実行する管理装置として構成されており、処理に必要なデータを記憶する画像管理データベース32と、インターネット22に接続されたウェブサーバ34とを備える。なお、画像管理装置30は、ハード的にはCPUやROMなどを備える一般的なコンピュータとして構成されており、静止画受付処理や静止画出力処理を行なうためのソフトウエアがインストールされている。」

「【0026】
次に、こうして構成された実施例の静止画印刷システム20の動作、特に画像管理装置30の動作について説明する。図4は、画像管理装置30により実行される静止画受付処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、操作端末38から送信された信号を受信したときに実行される。静止画受付処理では、画像管理装置30は、まず、操作端末38から送信された操作端末IDとシーン時刻を入力し(ステップS100)、入力した操作端末IDをキーとしてシーン時刻を新規のシーンデータとして画像管理データベース32に登録する処理を実行する(ステップS110)。そして、入力したシーン時刻から1秒前までの間における0.1秒毎の時刻を動画上映管理装置40に送信して対応する10枚の静止画を一連の静止画として取得する(ステップS120)。一連の静止画を取得する理由については後述する。そして、取得した静止画から印刷装置50や画像管理データベース32で表示するための表示用画像を作成し(ステップS130)、一連の静止画と表示用画像とを画像管理データベース32に登録して(ステップS140)、静止画受付処理を終了する。こうした静止画受付処理は、顧客(ユーザ)が操作端末38の操作ボタン38bを操作する毎に行なわれるから、映画を鑑賞している最中に顧客が操作端末38の操作ボタン38bを複数回に亘って操作すれば、そのタイミングにおける動画のシーンの静止画が一連の静止画として画像管理データベース32に登録されることになる。
【0027】
図5は、映画館のロビーに設置された印刷装置50から静止画の印刷要請が行なわれたときに画像管理装置30により実行される静止画出力処理の一例を示すフローチャートである。印刷装置50からの印刷要請は、印刷装置50に取り付けられている図示しない操作ボタンが操作されることにより行なわれる。静止画出力処理では、画像管理装置30は、まず、ID入力画面を印刷装置50のディスプレイ58に表示出力して操作端末IDを入力させる処理を実行する(ステップS200)。図6にID入力画面の一例を示す。実施例では、顧客が、印刷装置50の図示しないIDリーダに操作端末38を接続することにより印刷装置50に入力されてディスプレイ58に表示される操作端末IDを確認し、ディスプレイ58の[次へ]をタッチすることにより、入力され表示された操作端末IDが印刷装置50により画像管理装置30に送信されることにより、操作端末IDの入力を行なうことができる。
【0028】
操作端末IDが入力されると、入力した操作端末IDをキーとして画像管理データベース32からシーンデータを抽出し(ステップS210)、抽出した各シーンにおける一連の静止画の表示用画像のうち先頭画像(時刻が一番早い画像)を一覧表示するシーン選択画像を印刷装置50のディスプレイ58に表示出力して、シーンの選択を受け付ける処理を実行する(ステップS220)。シーン選択画面の一例を図7に示す。図7に例示するシーン選択画面では、一画面に4個のシーンの先頭画像を表示し、[<]や[>]がタッチされると、4個ずつ前の又は次のシーンの先頭画像を表示する。したがって、顧客(ユーザ)は、所望のシーンをタッチすることによりシーンを選択することができる。なお、実施例では、このシーン選択画面には[終了]ボタンが設けられており、顧客によりこの[終了]がタッチされると(ステップS230)、印刷装置50のディスプレイ58の表示を初期画面にして静止画出力処理を終了する。
【0029】
シーン選択画面からいずれかのシーンが選択されると(ステップS230)、静止画選択画面を印刷装置50のディスプレイ58に表示出力してシーンに含まれる一連の静止画のうち印刷する静止画の選択を受け付ける処理を実行する(ステップS240)。図8に静止画選択画面の一例を示す。この図8に示す静止画選択画面では、選択されたシーンの先頭画像を表示し、[<]や[>]がタッチされると、前の又は次の画像(表示用画像)を表示する。したがって、顧客は選択したシーンのうち所望の静止画を選択することができる。実施例では、顧客が動画(映画)の上映中に操作端末38の操作ボタン38bを操作したときに、操作時としてのシーン時刻から1秒前までの間における0.1秒毎の時刻に対応する静止画を一連の静止画として記憶し、静止画選択画面にその表示用画像を表示して静止画を選択させる。これは、動画を上映している最中に、顧客が所望のシーンを判断して操作端末38の操作ボタン38bを操作する際に、操作に若干の遅れが生じることに基づく。即ち、顧客がイメージしたシーンの静止画は操作ボタン38bを操作したタイミングより若干前の静止画となるから、操作のタイミングから1秒前までの間の0.1秒毎の静止画を一連の静止画とすることにより顧客が本来イメージしたシーンの静止画が含まれるようにしたのである。」

「【図1】



(3)本願補正発明と引用発明との対比
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「白色レーザー51」が、本願補正発明の「光源」に相当する。

引用発明の「PC端子201、もしくはNTSC・ビデオ信号入力端子202からの信号」が、本願補正発明の「パソコンやビデオカメラ等の映像信号出力機器から出力された映像信号」に相当する。よって、引用発明の「メモリ208」は、「PC端子201、もしくはNTSC・ビデオ信号入力端子202からの信号(データ)」が「スイッチ204で選択され」、「処理回路203で、3次元YC分離処理等により低ノイズ化を図られ」、「AD変換機205でデジタル化され」た後に「格納」されるところであることから、本願補正発明の「パソコンやビデオカメラ等の映像信号出力機器から出力された映像信号を組み立てて得られた画像データを一時的に記憶する画像データ記憶手段」に相当する。

引用発明の「光変調素子であるライン状のDMDデバイス58」は、「白色レーザー51から出射した光束71」が「照射」され、また、「メモリ208に格納され」た「データ」が「素子駆動周辺回路216を介して」「送られ」る部材であり、そして、それに基づく光束により「スクリーン面上に投影画像を形成する」ものであるから、本願補正発明の「前記光源から入射される光と前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データとに基いて、画像を生成するDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)」に相当する。

引用発明の「投射レンズ60」は、「DMDデバイス58に基づく光束」が「通過」し、(その後)「スクリーン面上に投影画像を形成する」ものであるから、本願補正発明の「前記DMDにより生成された画像を投影する投影レンズ」に相当する。

引用発明の「投射型表示装置」が、本願補正発明の「画像表示プロジェクタ」に相当する。

引用発明において「投影画像をそのネットワークに接続させたプリンターへのプロジェクターから直接印刷することが可能」であることから、引用発明が、本願補正発明の「投影レンズにより投影された画像と同じ画像を前記プリンタにより印刷するように指示するための印刷指示手段」に相当する手段、及び、「送出された画像データを、前記プリンタに出力可能な形式に変換して、該プリンタに出力する画像変換出力手段」に相当する手段を備えることは当然であるといえる。

また、引用発明の「投影画像をそのネットワークに接続させたプリンターへのプロジェクターから直接印刷することが可能」とするためには、引用発明が、ユーザが印刷しようとする画像に対応する画像データをネットワークに接続させたプリンタに送るための構成を備えることが必要であり、引用発明が上記構成を備えていることは当然であるといえるから、引用発明の上記の構成と、本願補正発明の「印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されたときに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、ユーザにより印刷するように指示された画像に対応する画像データを読み込んで送出する画像データ送出手段」とは、「印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されたときに、ユーザにより印刷するように指示された画像に対応する画像データを送出する画像データ送出手段」である点で一致する。

イ 一致点
よって、本願補正発明と引用発明は、
「光源と、
パソコンやビデオカメラ等の映像信号出力機器から出力された映像信号を組み立てて得られた画像データを一時的に記憶する画像データ記憶手段と、
前記光源から入射される光と前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データとに基いて、画像を生成するDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と、
前記DMDにより生成された画像を投影する投影レンズとを備えた画像表示プロジェクタにおいて、
前記投影レンズにより投影された画像と同じ画像を前記プリンタにより印刷するように指示するための印刷指示手段と、
前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されたときに、ユーザにより印刷するように指示された画像に対応する画像データを送出する画像データ送出手段と、
前記画像データ送出手段により送出された画像データを、前記プリンタに出力可能な形式に変換して、該プリンタに出力する画像変換出力手段とを備えた画像表示プロジェクタ。」の発明である点で一致し、次の各点で相違する。

ウ 相違点
(ア)相違点1
画像表示プロジェクタとプリンタとの接続に関し、本願補正発明は「(画像表示プロジェクタが)プリンタに直接接続され」、「自機(画像表示プロジェクタ)に前記プリンタが接続されたか否かを検出するプリンタ検出手段」を備えているのに対し、引用発明においては、投射型表示装置(本願補正発明の「画像表示プロジェクタ」に相当)がネットワークを介してプリンターに接続されており、また、プリンタが接続されたか否かを検出するプリンタ検出手段については特定されていない点。

(イ)相違点2
本願補正発明の画像データ送出手段は、送出する画像データを「画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から」、「読み込んで」送出するものであるのに対して、引用発明においては、その点の特定がない点。

(ウ)相違点3
本願補正発明の画像データ送出手段は、「投影レンズにより投影される画像が動画像であるときに、前記印刷指示手段を用いてユーザにより画像を印刷するように指示されると、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から、前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データを、自動的に読み込んで送出するようにした」ものであるのに対して、引用発明においては、その点の特定がない点。

(4)当審の判断
ア 上記各相違点について検討する。
(ア)相違点1について
一般に、電子機器に関し、電子機器に外部接続機器(例えば、プリンター)を直接接続すること、及び、電子機器にプリンターが接続されたか否かを検出する手段を設けることは、例えば、引用例2に記載されている(【0037】【0039】【0040】の下線を付した記載参照)ように周知の技術である。
引用発明においても、上記の周知技術を適用し、投射型表示装置とネットワークを介してのプリンターの接続に換えて、投射型表示装置とプリンターを直接接続するようにし、さらに、プリンターが接続されたかを認知できるように、投射型表示装置(電子機器)にプリンターが接続されたか否かを検出する手段を設けるようにして、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易に想到し得たことである。

(イ)相違点2について
引用発明が「素子駆動周辺回路216を介して光変調素子218(DMDデバイス58)へ」送るための「データ」を格納する「メモリ208」を備えているものである。すなわち、引用発明は、画像データが記憶手段に格納されているものといえる。
そうすると、印刷のための画像データを得る手段については種々の手段が可能であるところ、当業者であれば、引用発明においては上記の記憶手段に格納された画像データを用いることは容易に想到し得るところである。
すなわち、引用発明が備える記憶手段(「メモリ208」)を勘案すれば、引用発明において、(投射型表示装置の外部に)送出する画像データを「画像データ記憶手段に記憶された画像データの中から」、「読み込んで」送出するようにすることは当業者が容易になし得たことにすぎない。

(ウ)相違点3について
動画像から静止画像を取得するにあたり、画像取得の指示を受け付けた時に、操作による遅れ等を考慮して、当該指示を受け付けた瞬間から若干前(所定の時間前、すなわち、所定のコマ数分だけ前)の静止画像データを自動的に送出するようにすることは、例えば、引用例3にも記載されている(【0026】【0029】の下線を付した記載参照)ように周知技術である。
そして、引用発明は「PC端子201、もしくはNTSC・ビデオ信号入力端子202」から「信号」を取り込むものであることから、動画像に関するデータを取り込むことができるものであり、また、引用例1の【0088】?【0097】及び【図5】の記載から、動画像を表示することも示唆されているものであるといえるから、引用発明において、投写型表示装置が動画像(「投影画像」)のデータから静止画像データ(プリンタ画像データ)を取得することができるようにするために、上記の周知技術を採用し、操作による遅れ等を考慮して「指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データを、自動的に読み込んで送出するように」し、上記相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易に想到し得たことである。

イ 本願補正発明の奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(5)結言
本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定に違反し特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるということができない。
よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成24年5月28日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年1月16日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2 平成24年5月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。)

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項及び引用発明については、上記「第2 平成24年5月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(2)引用例」に記載したとおりである。

3 対比・判断
上記「第2 平成24年5月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」に記載したように、本願発明に対して、「ユーザにより画像を印刷するように指示されると」「自動的に読み込んで送出するようにした」「画像データ」が、「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付ける所定時間前に画像データ記憶手段に記憶された画像データ」又は「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データ」であったのを、「前記印刷指示手段を用いた指示を受け付けた瞬間に画像データ記憶手段に記憶されている画像データよりも所定コマ数分だけ前の画像データ」のみに限定したものが本願補正発明である。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、本願発明をさらに限定したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 平成24年5月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(3)本願補正発明と引用発明との対比」及び「(4)当審の判断」において記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明、
に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-26 
結審通知日 2013-01-08 
審決日 2013-01-24 
出願番号 特願2005-63129(P2005-63129)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G03B)
P 1 8・ 121- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中塚 直樹榎本 吉孝井口 猶二  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 伊藤 昌哉
北川 清伸
発明の名称 画像表示プロジェクタ  
代理人 板谷 康夫  
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