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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25D
管理番号 1272306
審判番号 不服2012-10240  
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-06-01 
確定日 2013-04-04 
事件の表示 特願2008- 29129号「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 8月20日出願公開、特開2009-186141号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成20年2月8日の出願であって、平成24年3月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年6月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その審判請求と同時に手続補正がなされたものである。
その後、平成24年7月27日付けで審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、平成24年9月6日に回答書が提出されたものである。

第2 平成24年6月1日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年6月1日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の発明
本件補正により請求項1は、次のように補正された。
「貯蔵室の前面開口部を閉塞する観音開き式の左右の扉を有する冷蔵庫であって、
貯蔵室の内部には、1又は2以上の棚と、前記棚の下方に備えられ前記左右の両扉を開放した際に引き出すことのできる引き出し容器を有し、
前記左右の各扉の貯蔵室側には複数の収納ポケットを有し、
前記左右の各扉への操作により作動する各スイッチと、前記扉の裏面に対向する本体側に設置され前記各スイッチの作動によりそれぞれ開扉動作を行う左右の扉開放装置と、
前記左右の各扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる左右の扉保持機構を有し、
前記抵抗力は、前記扉開放装置の前記扉を開放する力よりも弱く、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く
ことを特徴とする冷蔵庫。」(下線は補正箇所。)

2.補正の目的
本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「扉」について、「観音開き式の左右の」扉と限定するともに、「左右の各扉の貯蔵室側には複数の収納ポケットを有し」ていることを限定し、「貯蔵室」について「貯蔵室の内部には、1又は2以上の棚と、前記棚の下方に備えられ前記左右の両扉を開放した際に引き出すことのできる引き出し容器を有し」たものと限定し、「スイッチ」について「前記左右の各」扉への操作により作動する各スイッチであることを限定し、「扉開放装置」について「それぞれ」開扉動作を行う「左右の」扉開放装置であることを限定し、「扉保持機構」について、「前記左右の各扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる左右の扉保持機構を有し、
前記抵抗力は、前記扉開放装置の前記扉を開放する力よりも弱く、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く」ことを限定したものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか。)について以下に検討する。

3-1.引用例の記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2005-214488号公報(以下「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【請求項1】
本体貯蔵室の前面開口部に開閉自在に設けられた観音開き式の左扉および右扉と、通電によりこの左右扉をそれぞれ押圧して開扉する左開扉装置および右開扉装置と、使用者の操作により駆動信号を出力してそれぞれの左右開扉装置に通電させる左開扉スイッチおよび右開扉スイッチと、前記左右扉の開扉時にかかる負荷を検知する負荷検知手段とを備え、 双方またはいずれか一方の扉を開扉するときに、前記負荷検知手段により開扉する際の負荷が軽いと判断したときは前記左右開扉装置の開扉力を減少させて開扉することを特徴とする冷蔵庫。」(下線は当審で付与。以下、同様。)

イ 「【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫は食生活の多様化とともに収納量も大型化傾向にあり、特に家庭用冷蔵庫においては、収納内容積が400リットルを超えるクラスが主流となり、冷蔵庫本体の高さや幅寸法も大きくなる傾向にある。
【0003】
これにともなって、冷蔵室や冷凍室、野菜室の扉も大型化しており、特に貯蔵容積の大きい冷蔵室の扉内側における収納ポケットは、高さと幅寸法の拡大とともに奥行寸法も増大して多くの食品を収納する傾向にあり、扉自体が大きいこともあって、開扉のために大きな力を必要とし、非力な女性や高齢者の場合は負担が大きくなる問題があった。」

ウ 「【0014】
左右扉20a,20bの裏面側の周縁部には、マグネットガスケット21a,21bを取り付けており、左右扉20a,20bは、そのマグネットガスケット21a,21bが冷蔵庫本体1のフランジ部1aに吸着することにより閉鎖状態に保持される構成となっている。なお、図示しないが、他の扉3a、4a、5a及び6aの裏面側の周縁部にもマグネットガスケットを取り付けている。」

エ 「【0021】
冷蔵庫本体1の天井部には、冷蔵室2の左扉20aおよび右扉20bをそれぞれ独立に開放させる開扉装置30を取り付けており、この開扉装置30は、左開扉装置31と右開扉装置32とを併設させて構成している。」

オ 「【0040】
具体的には、押圧式スイッチ81を左扉20aおよび右扉20bの収納ポケット23a,23bの底面や背面に設け、ペットボトルなどの飲料や食品が収納ポケットに収納されると、その食品の容器などにより押圧式スイッチ81が押圧されて食品が載置されていると判断する。逆に、食品が取り出されれば、食品による押圧が開放されるため、食品が載置されていないと判断するようになっている。」

カ 「【0044】
ステップ2では、左ドアスイッチ26aが閉扉信号を出力しているときに、使用者により左開扉スイッチ27aが押圧されたか否かを検出して、ONされれば使用者が左扉20aの開扉を要求しているものと見做してステップ3に進む。」

キ 図3によると、冷蔵庫の貯蔵室(2)には、複数の棚が設けられると共に、棚の下方には、把手を有する収納部が設けられていることがみてとれる。 また、図4、6から、冷蔵庫の扉を押圧部材(37)により押圧して開扉する開扉装置(30)が、扉の裏面に対向する冷蔵庫本体側に設けられている。

上記記載事項ア?キ及び図示内容を総合し、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「本体貯蔵室の前面開口部に開閉自在に設けられた観音開き式の左扉および右扉を有する冷蔵庫であって、
本体貯蔵室の内部には、複数の棚と、前記棚の下方に備えられた把手を有する収納部を有し、前記左右の各扉内側には複数の収納ポケットを有し、
使用者の操作により駆動信号を出力してそれぞれの左右開扉装置に通電させる左開扉スイッチおよび右開扉スイッチと、扉の裏面に対向する本体側に設置され、前記通電によりこの左右扉をそれぞれ押圧して開扉する左開扉装置および右開扉装置とを有する冷蔵庫。」

(2)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された実願平1-20620号(実開平2-114893号)のマイクロフィルム (以下「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ク 「扉の一側上面或いは下面に形成された嵌入孔より挿入され、同扉を枢支するヒンジピンと、同ヒンジピンの先端に軸着されたブレーキドラムと、同ブレーキドラムの外周に密着状態に配置され、反ヒンジ側に開口を形成した略Ω字状のブレーキシューと、一端を同ブレーキシューの開口部に対向配置し、他端を反ヒンジ側の扉側面から突出し、水平方向に摺動自在に保持された同ブレーキシューを解放するロツドと、同ロツドを扉の反ヒンジ側に付勢するスプリングとからなる冷蔵庫の扉開閉装置。」(【実用新案登録請求の範囲】)

ケ 「冷蔵庫扉は最大に開放した位置と閉位置の両端において規制され、扉裏棚に収納される食品類の量によって開放時の扉の開放位置が変わり、食品類の取出しの際片手で扉を支え、片手で食品類を取り出す作業の煩雑さがあり、また両手で取り出す程度の量の食品類の取出しでも、数回に分けて扉の開閉を行う必要があった。」(明細書第2ページ第5?11行)

コ 「[考案が解決しようとする課題]
・・・冷蔵庫扉の開閉位置を任意の位置に保持することのできる扉開閉装置を提供することを目的としている。」(明細書第2ページ第12?16行)

サ 「押ボタンノブ22が突出し、ブレーキドラム5とブレーキシュ-9が圧接した状態でも、ブレーキシュ-9の圧接する面積を少なくするか、材料の弾性を下げることにより、ブレーキドラム5とブレーキシュ-9の間の圧接を弱く押さえることによって、押ボタンノブ22を押ことなく開放係止位置から手で回動し、係止位置を変えることも可能となる。」(明細書第8ページ第3?10行)

シ 上記記載事項ケ、コからみて、引用例2に記載の「冷蔵庫扉の開閉位置を任意の位置に保持することのできる扉開閉装置を提供する」という課題は、「扉裏棚に収納される食品類の量によって開放時の扉の開放位置が変わり、食品類の取出しの際片手で扉を支え、片手で食品類を取り出す作業の煩雑さ」を解決するためであるので、扉裏棚を備えた、すなわち、扉内側に収納部を備えた冷蔵庫における課題ということができる。
そして、上記記載事項ク、コ、サとを併せてみれば、引用例2には、
「扉内側に収納部を備えた冷蔵庫における、冷蔵庫の扉を任意の開閉位置に保持すること、及び、押しボタンをノブを押すことなく開放係止位置から手で回動して、係止位置を変えることを目的とした、扉の一側上面或いは下面に形成された嵌入孔より挿入され、同扉を枢支するヒンジピンと、同ヒンジピンの先端に軸着されたブレーキドラムと、同ブレーキドラムの外周に密着状態に配置され、反ヒンジ側に開口を形成した略Ω字状のブレーキシユーとから構成し、ブレーキシュ-の圧接する面積を少なくするか、材料の弾性を下げることにより、ブレーキドラムとブレーキシュ-の間の圧接を弱く押さえるようにして扉に抵抗力を与え、ブレーキドラムとブレーキシュ-が圧接した状態でも扉を手で回動し、係止位置を変えることを可能とする扉開閉装置」という技術的事項が記載されている。

(3)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-282897号公報(以下「引用例3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ス 「【0012】
冷蔵室2内には、図10に示すように複数の棚14を配置して複数段に亙る貯蔵品の収納空間を形成しており、その前面開口には、それぞれ外側端の上下部をヒンジ11で枢支した左扉12および右扉13を回動自在に設置し、観音開き方式で閉塞している。また、収納空間の最下段には、引出式の肉皿15を設けている。」

3-2.対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、各文言の意味、機能または作用等からみて、引例発明の「本体貯蔵室」は、本願補正発明の「貯蔵室」に相当し、以下同様に、
「各扉内側」は、「各扉の貯蔵室側」に、
「前面開口部に開閉自在に設けられた観音開き式の左扉および右扉を有する冷蔵庫」は、「前面開口部を閉塞する観音開き式の左右の扉を有する冷蔵庫」に、
「複数の棚」は、「2以上の棚」に、
「棚の下方に備えられた把手を有する収納部」は、「棚の下方に備えられ」た「容器」に、それぞれ相当する。
さらに、引用発明の「使用者の操作により駆動信号を出力してそれぞれの左右開扉装置に通電させる左開扉スイッチおよび右開扉スイッチ」は、図2、5、上記記載事項エ、カより、冷蔵庫貯蔵室の左右各扉に設けられた左開扉スイッチ、右扉開放スイッチを操作者が押圧することにより、駆動信号を出力するので、本願補正発明の「前記左右の各扉への操作により作動する各スイッチ」に相当する。
また、引用発明の「前記通電によりこの左右扉をそれぞれ押圧して開扉する左開扉装置および右開扉装置」は、上記記載事項エ、カより左開扉スイッチおよび右開扉スイッチの押圧により出力される駆動信号により生じる通電により、左開扉装置、右開扉装置がそれぞれが開扉動作を行うものであるので、本願補正発明の「前記各スイッチの作動によりそれぞれ開扉動作を行う左右の扉開放装置」に相当する。

そこで、本願補正発明の用語を用いて表現すると、両者は次の点で一致する。

(一致点)
「貯蔵室の前面開口部を閉塞する観音開き式の左右の扉を有する冷蔵庫であって、
貯蔵室の内部には、2以上の棚と、前記棚の下方に備えられ容器を有し、
前記左右の各扉の貯蔵室側には複数の収納ポケットを有し、
前記左右の各扉への操作により作動する各スイッチと、前記扉の裏面に対向する本体側に設置され前記各スイッチの作動によりそれぞれ開扉動作を行う左右の扉開放装置とを有する冷蔵庫。」

そして、両者は次の点で相違する。

(相違点1)
貯蔵室内部の棚の下方に備えられた容器について、本願補正発明では「左右の両扉を開放した際に引き出すことのできる引き出し」容器であるのに対して、引用発明ではその点について明記されていない点。

(相違点2)
冷蔵庫の扉について、本願補正発明では、「左右の各扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる左右の扉保持機構を有し、
前記抵抗力は、前記扉開放装置の前記扉を開放する力よりも弱く、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く」ことが特定されているが、引用発明ではその点について不明である点。

3-3.相違点の判断
(相違点1について)
上記記載事項スのとおり、貯蔵室の内部の棚の下方に備える容器を引出式とすることは本出願前に周知の技術である。
そして、引用発明における貯蔵室内部の棚の下方に備えられた把手を有する容器を、上記本出願前に周知の技術の引出式の容器とすることは、当業者が容易になし得たことである。
また、引用例1の図1をみると、把手を有する容器は貯蔵室内部の全幅にわたっており、引用発明において、引出式とした容器を引き出すには、冷蔵庫の左右の両扉を開放させた後でなければ当該容器が取り出せないことは明らかである。
そうすると、引用発明において、上記周知の技術を適用して、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(相違点2について)
本願補正発明と引用例2記載の技術的事項とを対比するに、引用例2記載の扉開閉装置は、ブレーキドラムとブレーキシューが圧接した状態であることから、扉の開閉両方向の動作に対して抵抗力を生じさせるものであり、本願補正発明と同様に「扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる扉保持機構」ということができる。また、手で扉を回動して係止位置を変えられることから、「前記抵抗力は、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く」ものということができる。
そうすると、引用例2記載の技術的事項は、次のように言い換えることができる。
「扉内側に収納部を備えた冷蔵庫における、冷蔵庫扉の開閉位置を任意の位置に保持するための、扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる扉保持機構であって、前記抵抗力は、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く扉保持機構」
したがって、冷蔵庫の扉内側に収納部を備えた引用発明において、「冷蔵庫扉の開閉位置を任意の位置に保持する」ために、引用例2記載の技術的事項を適用して、「扉に設けられ、前記扉の動作に対して抵抗力を生じさせる扉保持機構を有し、前記抵抗力は、動作中の前記扉の開閉両方向の動作に対しても生じ、人力により任意の開扉位置で前記扉を静止させた場合に静止状態を保持するように働く」ようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
さらに、扉保持機構を設ける際に、左右の扉に設けることや扉保持機構が生じる抵抗力を扉開放装置の扉を開放する力よりも弱くすることは、当業者が適宜なし得た事項である。
また、本願補正発明によって、引用発明、引用例2記載の技術的事項、周知事項から当業者が予測し得ない程の効果を奏するものでもない。

したがって、本願補正発明は、引用発明、引用例2記載の技術的事項、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

なお、請求人は、平成24年2月1日付意見書において、引用例1と引用例2とを組み合わせることについて、「しかし、引用文献2に記載された扉保持機構によると、押ボタンノブを押すことにより、冷蔵庫本体と扉の間の摩擦を生じさせず容易に扉を開けることができます(7ページ目15行目?8ページ目2行目参照)。よって冷蔵庫に引用文献2の扉保持機構を設けた場合、さらに扉開放装置を設けなくても、大きな力を入れる必要なく扉を開放できます。このことは、引用文献1に記載された発明において、引用文献2に記載された扉保持機構を設けることの阻害要因となります。」と主張しているが、上記記載事項ウにあるように、引用発明において、冷蔵庫の扉の裏面側周縁部には、マグネットガスケットが取り付けられ、そのマグネットガスケットが冷蔵庫のフランジ部に吸着することにより閉鎖状態が保持されているので、扉保持機構の有無にかかわらず、マグネットの吸着力に抗して扉開放装置により扉を開放する必要性はあるものと認められるので、引用発明に引用例2記載の扉保持機構を設けることに阻害要因はない。

3-4.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成24年2月1日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「貯蔵室の前面開口部を閉塞する扉と、この扉への操作により作動するスイッチと、前記扉の裏面に対向する本体側に設置され前記スイッチの作動により開扉動作をおこなう扉開放装置と、開放した扉を人力による任意の開扉位置で静止させる扉保持機構とからなり、前記扉保持機構は扉の開放に対して制動力を有し、前記扉開放装置は扉保持機構の制動力に抗して前記扉を開放する力を保有していることを特徴とする冷蔵庫。」

2.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項は、前記「第2」「3-1.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記「第2」「1.」の本願補正発明において、「扉」、「貯蔵室」、「スイッチ」、「扉開放装置」、「扉保持機構」についての限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含むものに相当する本願補正発明が、前記「第2」「3-3.」に記載したとおり、引用発明、引用例2記載の技術的事項、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明、引用例2記載の技術的事項、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2記載の技術的事項、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-30 
結審通知日 2013-02-05 
審決日 2013-02-19 
出願番号 特願2008-29129(P2008-29129)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F25D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西山 真二  
特許庁審判長 竹之内 秀明
特許庁審判官 山崎 勝司
長浜 義憲
発明の名称 冷蔵庫  
代理人 夫 世進  
代理人 富田 克幸  
代理人 夫 世進  
代理人 富田 克幸  
代理人 中村 哲士  
代理人 中村 哲士  
代理人 夫 世進  
代理人 蔦田 璋子  
代理人 蔦田 璋子  
代理人 蔦田 正人  
代理人 蔦田 正人  
代理人 富田 克幸  
代理人 中村 哲士  
代理人 蔦田 璋子  
代理人 蔦田 正人  
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