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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M
管理番号 1272307
審判番号 不服2012-10455  
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-06-06 
確定日 2013-04-04 
事件の表示 特願2006-319237「インターホンシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 6月12日出願公開、特開2008-135880〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成18年11月27日の出願であって、平成23年7月7日付けで拒絶理由が通知され、平成24年2月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月6日に拒絶査定不服の審判が請求されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成23年9月12日付け手続補正書により補正された請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「住戸外に設置される通話子器と、住戸内に設置されるとともに信号線を介して音声信号を授受することにより通話子器との間でインターホン通話が可能なインターホン親機と、携帯電話事業者の携帯電話網を介して通話する携帯電話機能並びに前記携帯電話網を介さずに無線通信する無線通信機能を有する携帯電話端末に対してインターホン親機と携帯電話端末の無線通信機能とをインタフェースする無線インタフェース手段とを備え、無線インタフェース手段を介して携帯電話端末と通話子器若しくはインターホン親機との間で音声信号を授受してなり、
インターホン親機は、音声の入出力を行う音声入出力手段と、加入者電話回線網へダイヤル発信するダイヤル発信手段と、通話子器並びに音声入出力手段と加入者電話回線網との間をインタフェースする電話回線インタフェース手段と、無線インタフェース手段を介し携帯電話端末に対して通話子器からの呼出に対応する呼出通知若しくはインターホン親機からの呼出に対応する呼出通知を送信するとともに所定時間内に当該携帯電話端末から応答通知が返信されないときはダイヤル発信手段により当該携帯電話端末の電話番号にダイヤル発信させ、携帯電話端末が応答したときは電話回線インタフェース手段により加入者電話回線網を介して、通話子器からの呼出の場合は通話子器と携帯電話端末との間で音声信号を授受させ、インターホン親機からの呼出の場合は音声入出力手段と携帯電話端末との間で音声信号を授受させる外線通話手段とを具備したことを特徴とするインターホンシステム。」

3.引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された特開2004-336267号公報(以下、「引用例」という。)には、「呼出し応対装置、インターホン装置および電話装置」について、図面とともに以下の記載がある。

イ.「【0044】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の呼び出し応対装置は、来訪者が操作するインターホン子機21と、インターホン子機21に接続され、来訪者の訪問を被訪問者に通知するインターホン親機23と、インターホン親機23との間で無線通信または公衆電話回線による通信を行う複数の携帯無線端末27と、公衆電話回線網25を介してインターホン親機23に接続される無線基地局29とを備えたインターホンシステムである。
【0045】
インターホン親機23および携帯無線端末27は、無線LAN機能を有する。これにより、インターホン親機23は、住居内などで各携帯無線端末27と無線通信を行い、または、公衆電話回線網25を介して無線基地局29に接続し、外出先の各携帯無線端末27と通信を行うものである。」(8頁)

ロ.「【0054】
また、図2において、インターホン親機23は、インターホン子機21と電気的に接続され、インターホン子機21と通信を行うインターホン送受信部41と、複数の人物の特徴情報および、対応する複数の被訪問者の情報を関連付けて予め格納する人物情報データベース43(図中、「データベース」と示される。)と、インターホン子機21から送信された来訪者の特徴情報を示す顔の画像をインターホン送受信部41を介して入力し、この来訪者の特徴情報に基づいて、人物情報データベース43に格納された複数の人物の特徴情報の中から来訪者に該当する人物を認識するとともに、認識された人物の情報に基づいて、人物情報データベース43により関連付けられている少なくとも一人の被訪問者を特定する認識部45と、認識部45によって特定された被訪問者に呼び出しを通知する処理を行うとともに、インターホン親機23の各ブロック間の信号の処理や制御を行う制御部47とを備えている。
【0055】
さらに、インターホン親機23は、各種操作ボタンを有する操作部51と、インターホン子機21からインターホン送受信部41および制御部47を介して入力された映像信号を処理する画像処理部53と、画像処理部53から出力された映像を表示する表示部54と、来訪者との会話音声や呼び出し音などの音声信号を処理する音声処理部57と、音声処理部57で処理された呼び出し音や会話音声などを出力するスピーカ56と、会話音声などを集音するマイク55と、無線LAN機能を有し、受信者が携行する携帯無線端末27との通信を行う無線送受信部58と、公衆電話回線網25を通じて携帯無線端末27との通信を行う公衆電話回線送受信部59(図中、「公衆電話線送受信部」と示される。)とをさらに備えている。
【0056】
インターホン親機23のインターホン送受信部41は、インターホン子機21のインターホン送受信部39とインターホン親機23の制御部47に電気的に接続され、インターホン子機21から来訪者の顔の画像を含む特徴情報、来訪者との会話音声信号、各種制御信号などが送受信される。
【0057】
尚、本実施の形態において、インターホン子機21のインターホン送受信部39およびインターホン親機23のインターホン送受信部41は、有線通信であるが、これに限らず無線通信であっても良い。」(9頁?10頁)

ハ.「【0064】
インターホン親機23の音声処理部57は、インターホン親機23のスピーカ56、インターホン親機23のマイク55およびインターホン親機23の制御部47に電気的に接続され、インターホン親機23の制御部47の指示に従って、インターホン親機23のスピーカ56に出力する呼び出し音や通話などの音声データを処理するとともに、インターホン親機23のマイク55から集音された会話音声などの音声データを処理するものである。
【0065】
インターホン親機23の公衆電話回線送受信部59は、インターホン親機23の制御部47に電気的に接続され、インターホン親機23の制御部47の指示に従って、公衆電話回線網25を介して無線基地局29に接続し、外出先の携帯無線端末27と通信を行うものである。
【0066】
インターホン親機23の無線送受信部58は、インターホン親機23の制御部47に電気的に接続され、インターホン親機23の制御部47の指示に従って、居室内の携帯無線端末27と通信を行うものである。本実施の形態において、インターホン親機23の無線送受信部58は、無線LANであるが、これに限定されるものではなく、Bluetoothなど無線伝送方式を用いたものであっても良い。また、無線LANによる音声および映像の通信方法については、公知の技術を使用するものとする。」(11頁)

ニ.「【0071】
図4は、本発明の第1の実施の形態の呼び出し応対装置の携帯無線端末の概略構成ブロック図を示す。図4に示すように、携帯無線端末27は、無線LAN機能を有し、インターホン親機23の無線送受信部58および無線基地局29との間で無線信号の送受信を行う無線送受信部71と、各種操作ボタンを有する操作部72と、インターホン親機23から無線送受信部71を介して入力された映像信号を処理する画像処理部73と、画像処理部73から出力された映像を表示する表示部74と、会話音声や呼び出し音などの音声信号を処理する音声処理部77と、会話音声などを集音するマイク75と、呼び出し音や会話音声などを出力するスピーカ76と、携帯無線端末27の各ブロック間の信号の処理や制御を行う制御部79とをさらに備えている。
【0072】
携帯無線端末27の無線送受信部71は、携帯無線端末27の制御部79に電気的に接続され、携帯無線端末27の制御部79の指示に従って、居室内のインターホン親機23と、または外出先で無線基地局29に公衆電話回線網25を介して接続されたインターホン親機23と通信を行うものである。本実施の形態において、携帯無線端末27の無線送受信部71は、無線LANであるが、これに限定されるものではなく、Bluetoothなど無線伝送方式を用いたものであっても良い。また、無線LANによる音声および映像の通信方法については、公知の技術を使用するものとする。」(11頁?12頁)

ホ.「【0079】
はじめに、来訪者が訪れ、インターホン子機21の呼び出しボタン31を押下すると、インターホン子機21の呼び出しボタン31からインターホン子機21の制御部38に呼び出し信号が出力され、インターホン子機21の制御部38で呼び出し信号が検出される(ステップS11)。呼び出し信号の検出に呼応して、インターホン子機21の撮像部33で撮影された来訪者の画像がインターホン子機21の画像処理部34を介して映像信号としてインターホン子機21の制御部38に入力されるとともに、インターホン子機21のマイク35で集音された来訪者の会話音声がインターホン子機21の音声処理部37を介して音声信号としてインターホン子機21の制御部38に入力される。インターホン子機21の制御部38に入力された映像信号と音声信号が、インターホン子機21のインターホン送受信部39を介してインターホン親機23に送信される(ステップS12)。
【0080】
インターホン親機23では、インターホン送受信部41を介して、インターホン子機21から映像信号および音声信号が受信され、インターホン親機23の制御部47に入力される(ステップS13)。インターホン親機23の制御部47に入力された映像信号は、インターホン親機23の画像処理部53を介して表示部54に送信され、来訪者の映像が表示され、インターホン親機23の制御部47に入力された音声信号は、インターホン親機23の音声処理部57を介してスピーカ56から出力される(ステップS14)。同時に、インターホン親機23の制御部47から入力された映像信号が、インターホン親機23の認識部45に送信される。」(12頁?13頁)

ヘ.「【0085】
図6に示すように、インターホン親機23の制御部47において、被訪問者が携行する携帯無線端末27の位置を検出する処理が行われ(ステップS21)、被訪問者が携行する携帯無線端末27が、無線LANの通信可能エリア内かエリア外かが判定される(ステップS22)。
【0086】
具体的には、例えば、インターホン親機23の制御部47により、インターホン親機23の無線送受信部58を介して、先に特定された被訪問者の携行する携帯無線端末27の電話番号に対して、ICMP(Internet Control Message Protocol)パケットを送信し、応答を待つ。被訪問者の携帯無線端末27からの応答が正常であれば、被訪問者の携帯無線端末27は、インターホン親機23との無線LANの通信可能エリア内であると判断される。一方、被訪問者の携帯無線端末27から応答がエラーであった場合、被訪問者の携帯無線端末27との無線LANの通信可能エリア外であると判断される。応答のエラーは、例えば、所定の応答待ち時間を予め設定しておき、応答待ち時間以上応答が無かった場合、応答エラーとする。
【0087】
このようにして、被訪問者が携行する携帯無線端末27が、無線LANの通信可能エリア内であると判断された場合(ステップS22:YES)、インターホン親機23の制御部47により、伝送路が無線LAN通信に決定され、インターホン親機23の無線送受信部58を介して、携帯無線端末27の呼び出しが行われる(ステップS23)。一方、被訪問者が携行する携帯無線端末27が、無線LANの通信可能エリア外であると判断された場合(ステップS22:NO)、インターホン親機23の制御部47により、伝送路が公衆電話回線に決定され、インターホン親機23の公衆電話回線送受信部59を介して携帯無線端末27の呼び出しが行われる(ステップS24)。」(13頁?14頁)

上記イ.の【0045】の記載によれば、インターホン親機23は、住居内などで各携帯無線端末27と無線通信を行い、または、公衆電話回線網25を介して無線基地局29に接続し、外出先の各携帯無線端末27と通信を行うものといえる。
上記ロ.の【0056】、【0057】の記載によれば、インターホン親機23は、有線通信により音声信号を送受信することによりインターホン子機21との間で通話が可能なものといえる。
上記ハ.の【0065】の記載によれば、インターホン親機23の公衆電話回線送受信部59は、インターホン親機23の制御部47に、電気的に接続され、公衆電話回線網25を介して無線基地局29に接続し、外出先の携帯無線端末27と通信を行うものといえる。
上記ニ.の記載によれば、携帯電話端末27は、携帯電話機能及び無線LAN機能を有するものといえる。
上記ヘ.の【0087】の記載によれば、インターホン親機23は、公衆電話回線送受信部59を介して携帯無線端末27の呼び出しを行う制御部を具備するものといえる。
上記ホ.の記載によれば、来訪者がインターホン子機21の呼出しボタン31を押下すると、呼び出し信号が出力され、インターホン子機の制御部38で呼出し信号が検出されている。よってヘ.の記載と総合すると、インターホン親機23は、無線送受信部58を介し携帯無線端末27に対してインターホン子機21からの呼び出しを通知し、所定の応答待ち時間以上応答がないときには携帯無線端末27の呼び出しを行う手段により携帯無線端末27の呼び出しを行い、公衆電話回線送受信部59により公衆電話回線網25を介して、インターホン子機21からの呼出の場合はインターホン子機と携帯無線端末27との間で音声信号を送受信させるもの、すなわち通話手段を具備するものといえる。

したがって、上記イ.?ホ.の記載及び図面の記載、並びに技術常識を考慮すると、引用例には、
「インターホン子機21と、有線通信により音声信号を送受信することによりインターホン子機との間で通話が可能なインターホン親機23と、
携帯電話機能及び無線LAN機能を有する携帯無線端末27に対して、
インターホン親機23と携帯無線端末27の無線LAN機能と通信を行う無線送受信部58とを備え、無線送受信部58を介して携帯無線端末27とインターホン子機21との間で音声信号を送受信してなり、
インターホン親機23は、マイク55及びスピーカ56と、公衆電話回線送受信部59を介して携帯無線端末27の呼び出しを行う手段と、インターホン子機21並びにマイク55及びスピーカ56と公衆電話回路網25と通信する公衆電話機送受信部59と、無線送受信部58を介し携帯無線端末27に対してインターホン子機21からの呼び出しを通知し、所定の応答待ち時間以上応答がないときには携帯無線端末27の呼び出しを行う手段により携帯無線端末27の呼び出しを行い、公衆電話回線送受信部59により公衆電話回線網25を介して、インターホン子機21からの呼出の場合はインターホン子機と携帯無線端末27との間で音声信号を送受信させる通話手段を具備したインターホンシステム。」
の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認める。

4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用例の図1に、インターホン子機を住居外に、インターホン親機を住居内に設置することが示されているように、引用発明の「インターホン子機21」、「インターホン親機23」は、本願発明の「住戸外に設置される通話子器」、「住戸外に設置されるインターホン親機」に相当する。
引用発明の「有線通信により音声信号を送受信することによりインターホン子機との間で通話が可能な」ことと、本願発明の「信号線を介して音声信号を授受することにより通話子器との間でインターホン通話が可能な」ことに相当する。
引用発明の「携帯無線端末27」の有する「携帯電話機能」及び「無線LAN機能」は、それぞれ「携帯電話事業者の携帯電話網を介して通話する携帯電話機能」及び「携帯電話網を介さずに無線通信機能」であることは技術常識であるので、引用発明の「携帯無線端末27」は、本願発明の「携帯電話端末」に相当する。
引用発明の「インターホン親機23と携帯無線端末27の無線LAN機能と通信を行う」ことと、本願発明の「インターホン親機と携帯電話端末の無線通信機能とをインタフェースする」こととの間に実質的な差異はないから、引用発明の「無線送受信部58」は、本願発明の「無線インタフェース手段」に相当する。
引用発明の「マイク55及びスピーカ56」は、本願発明の「音声の入出力を行う音声入出力手段」に相当する。
引用発明の「公衆電話回路網」は、本願発明の「加入者電話回線網」に相当する。
引用発明の「公衆電話回線送受信部59を介して携帯無線端末27の呼び出しを行う手段」と、本願発明の「加入者電話回線網へダイヤル発信をするダイヤル発信手段」との間に実質的な差異はない。
引用発明の「インターホン子機21並びにマイク55及びスピーカ56と公衆電話回路網25と通信する」ことと、本願発明の「通話子器並びに音声入出力手段と加入者電話回線網の間をインタフェースする」こととの間に実質的な差異はないから、引用発明の「公衆電話機送受信部59」は、本願発明の「電話回線インタフェース手段」に相当する。
引用発明の「呼出を通知」することは、「呼出通知を送信」することといえる。
引用発明の「所定の応答待ち時間以上応答がないときには携帯無線端末27の呼び出しを行う手段により携帯無線端末27の呼び出しを行」うことと、本願発明の「所定時間内に当該携帯電話端末から応答通知が返信されないときはダイヤル発信手段により当該携帯電話端末の電話番号にダイヤル発信させ」ることとは、実質的な差異はない。
引用発明の「公衆電話回線送受信部59により公衆電話回線網25を介して、インターホン子機21からの呼出の場合はインターホン子機と携帯無線端末27との間で音声信号を送受信させる通話手段」は、公衆電話回線網を介した通話(いわゆる外線通話)は、電話端末が応答した場合に行われることは技術常識であることから、本願発明の「携帯電話端末が応答したときは電話回線インタフェース手段により加入者電話回線網を介して、通話子器からの呼出の場合は通話子器と携帯電話端末との間で音声信号を授受させ」る「外線通話手段」に相当する。

したがって、本願発明と引用発明とは、
「住戸外に設置される通話子器と、住戸内に設置されるとともに信号線を介して音声信号を授受することにより通話子器との間でインターホン通話が可能なインターホン親機と、携帯電話事業者の携帯電話網を介して通話する携帯電話機能並びに前記携帯電話網を介さずに無線通信する無線通信機能を有する携帯電話端末に対してインターホン親機と携帯電話端末の無線通信機能とをインタフェースする無線インタフェース手段とを備え、無線インタフェース手段を介して携帯電話端末と通話子器との間で音声信号を授受してなり、
インターホン親機は、音声の入出力を行う音声入出力手段と、加入者電話回線網へダイヤル発信するダイヤル発信手段と、通話子器並びに音声入出力手段と加入者電話回線網との間をインタフェースする電話回線インタフェース手段と、無線インタフェース手段を介し携帯電話端末に対して通話子器からの呼出に対応する呼出通知を送信するとともに所定時間内に当該携帯電話端末から応答通知が返信されないときはダイヤル発信手段により当該携帯電話端末の電話番号にダイヤル発信させ、携帯電話端末が応答したときは電話回線インタフェース手段により加入者電話回線網を介して、通話子器からの呼出の場合は通話子器と携帯電話端末との間で音声信号を授受させる外線通話手段を具備したインターホンシステム。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点1)
携帯電話端末と通話子器との間で音声信号を授受する無線インタフェース手段について、本願発明は、携帯電話端末とインターホン親機との間でも音声信号を授受するのに対して、引用発明は、そのようなものではない点。

(相違点2)
無線インタフェース手段を介した携帯電話端末に対する呼出通知について、本願発明は、通話子器からの呼出に対応する呼出通知の他に、インターホン親機からの呼出に対応する呼出通知を送信するのに対して、引用発明は、通話子器からの呼出に対応する呼出通知を送信するものである点。

(相違点3)
外線通話手段について、本願発明は、「インターホン親機からの呼出の場合は音声入出力手段と携帯電話端末との間で音声信号を授受させる」ものであるのに対して、引用発明は、そのようなものではない点。

5.当審の判断
上記相違点について検討する。
電話回線に接続された親機と携帯電話端末とが通信するシステムにおいて、親機から無線により携帯電話端末を呼び出し、呼び出すことができたときには無線により通話を行い、呼び出すことができないときには電話回線を介して携帯電話端末を呼び出して通話するようにすることは、例えば、特開平6-2455号公報の【0004】?【0049】、特開2000-196743号公報の【0018】?【0030】、特開平9-326845号公報の【請求項1】、【0028】?【0031】に開示されているように周知事項である。
引用発明のインターホン親機は電話回線に接続されており、携帯電話端末と通信可能なものであるから、当該周知事項を適用することに阻害要因はない。
したがって、インターホン親機から携帯電話端末に対して無線による呼び出し、通話を行うために引用発明の無線インタフェース手段が携帯電話端末とインターホン親機との間で音声信号を授受するようにすること(相違点1)、さらに、無線インタフェース手段を介した携帯電話端末に対する呼出通知について、インターホン親機からの呼出に対応する呼出通知を送信するようにすること(相違点2)に困難性はない。
また、インターホン親機から電話回線を介して携帯電話端末を呼び出して通話をするためには、外線通話手段は「インターホン親機からの呼出の場合は音声入出力手段と携帯電話端末との間で音声信号を授受させる」こと(相違点3)になるのは当然である。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知事項から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-30 
結審通知日 2013-02-05 
審決日 2013-02-18 
出願番号 特願2006-319237(P2006-319237)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 町井 義亮  
特許庁審判長 竹井 文雄
特許庁審判官 菅原 道晴
山中 実
発明の名称 インターホンシステム  
代理人 坂口 武  
代理人 仲石 晴樹  
代理人 西川 惠清  
代理人 北出 英敏  
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