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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  F16C
管理番号 1272755
審判番号 無効2010-800025  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-02-09 
確定日 2013-04-15 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4206550号「回転速度検出装置付転がり軸受ユニット」の特許無効審判事件についてされた平成22年10月18日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の決定(平成22年(行ケ)第10368号、平成23年2月24日決定)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第4206550号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
(1)本件特許第4206550号に係る発明についての出願は、平成11年3月3日の出願であって、平成20年10月31日に特許権の設定登録がなされたものである。

(2)これに対して、平成22年2月9日付けで請求人NTN株式会社より、本件特許の請求項1に係る発明についての特許を無効とするとの審決を求める無効審判の請求がなされた。また、請求人は、平成22年3月5日付けで審判請求書を補正する手続補正書を提出した。

(3)被請求人日本精工株式会社は、平成22年5月13日付けで訂正請求書を提出して訂正を求めるとともに、同日付けで答弁書を提出した。

(4)請求人は、平成22年6月23日付けで弁駁書を提出した。

(5)その後、当審から請求人及び被請求人に対して、平成22年7月27日付けで通知書(審理事項通知書)を送付したところ、請求人及び被請求人から平成22年9月10日付けで口頭審理陳述要領書が提出された。

(6)そして、平成22年9月24日の期日に口頭審理が公開で開廷され、請求人は平成22年2月9日付け審判請求書、平成22年3月5日付け手続補正書、平成22年6月23日付け弁駁書及び平成22年9月10日付け口頭審理陳述要領書に基づいて陳述し、また、被請求人は、平成22年5月13日付け答弁書、同日付け訂正請求書及び平成22年9月10日付け口頭審理陳述要領書に基づいて陳述をした。

(7)その後、平成22年10月18日付けで、本件特許の請求項1に係る発明についての特許を無効とする旨の審決がなされた。

(8)これに対し、平成22年11月25日に審決に対する取消しを求める訴えが知的財産高等裁判所に提起され(平成22年(行ケ)第10368号)、その訴えの提起があった日から90日の期間内である平成23年1月26日に訂正審判(訂正2011-390010)が請求されたところ、知的財産高等裁判所は、平成23年2月24日付けで、決定をもって、平成22年10月18日付けの審決を取り消した。

(9)被請求人は、平成23年9月27日付けで訂正請求書を提出して訂正(以下、「本件訂正」という。)を求めた。

(10)請求人は、平成23年12月28日付けで弁駁書を提出した。

2.訂正の可否に対する判断
2-1.訂正の内容
本件訂正の内容は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)を平成23年9月27日付け訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。すなわち、本件訂正は、次のような内容の訂正事項を含むものである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲中、請求項1の第7行(特許掲載公報第1ページ第9行)の「備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニット」とあるのを、「備え、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲中、請求項1の第8行(特許掲載公報第1ページ第9?10行)の「上記外輪の開口端部は」の前に、「上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されており、」を加入する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲中、請求項1の第10行(特許掲載公報第1ページ第11?12行)の「上記懸架装置に形成した取付孔」とあるのを、「上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲中、請求項1の第10行(特許掲載公報第1ページ第12行)の「取付孔に外径側から内径側に向け挿通した状態で」とあるのを、「取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で」と訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲中、請求項1の第11?12行(特許掲載公報第1ページ第13行)の「上記エンコーダは」の前に、「このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置しており、」を加入する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲中、請求項1の第12?13行(特許掲載公報第1ページ第14?15行)の「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接若しくは当接して」とあるのを、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」と訂正する。

(7)訂正事項7
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第8行(特許掲載公報第4ページ第5行)の文末の後に、「又、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面が、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向している。」を加入する。

(8)訂正事項8
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第9?10行(特許掲載公報第4ページ第6?7行)の「上記外輪の開口端部は」の前に、「上記外輪の外周面に、この外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部を設けている。又、この外輪の内端部で、この取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分を、上記懸架装置の開口部の内径側に挿入している。」を加入する。

(9)訂正事項9
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第11?12行(特許掲載公報第4ページ第8?9行)の「上記懸架装置に形成した取付孔」とあるのを、「上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔」と訂正する。

(10)訂正事項10
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第12行(特許掲載公報第4ページ第9行)の「取付孔に外径側から内径側に向け挿通した状態で」とあるのを、「取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で」と訂正する。

(11)訂正事項11
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第13?14行(特許掲載公報第4ページ第10?11行)の「そして、上記エンコーダ」の前に、「又、このセンサのうちで、上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちで、この懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置している。」を加入する。

(12)訂正事項12
発明の詳細な説明の欄の段落【0010】の本文中の第14?15行(特許掲載公報第4ページ第11?12行)の「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接若しくは当接して」とあるのを、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」と訂正する。

(13)訂正事項13
発明の詳細な説明の欄の段落【0016】の第1?2行(特許掲載公報第5ページ第12行)の「図2は、やはり請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している」とあるのを、「図2は、本発明の参考例を示している」と訂正する。

(14)訂正事項14
発明の詳細な説明の欄の段落【0019】の第1行(特許掲載公報第5ページ第34行)の「本発明の実施の形態の第3例」とあるのを、「本発明の実施の形態の第2例」と訂正する。

(15)訂正事項15
発明の詳細な説明の欄の段落【0021】の第1行(特許掲載公報第5ページ第49行)の「本発明の実施の形態の第4例」とあるのを、「本発明の実施の形態の第3例」と訂正する。

(16)訂正事項16
発明の詳細な説明の欄の段落【0021】の第2行(特許掲載公報第5ページ第50行)の「前述した第2例」とあるのを、「前述した参考例」と訂正する。

(17)訂正事項17
図面の簡単な説明の欄の【図2】に関する説明文中(特許掲載公報第6ページ第48行)の「同第2例」とあるのを、「本発明の参考例」と訂正する。同じく【図3】に関する説明文中(特許掲載公報第6ページ第49行)の「同第3例」とあるのを、「本発明の実施の形態の第2例」と訂正し、同じく【図4】に関する説明文中(特許掲載公報第6ページ第50行)の「同第4例」とあるのを、「同第3例」と訂正する。

2-2.判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「エンコーダ」及び「センサ」について、「エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する」と限定して構成を特定するものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項1に関して、本件特許明細書の発明の詳細な説明の欄の段落【0013】には、カバー30は、シャーレ状であり、円形の塞ぎ板部31と円筒状の嵌合部32とから構成されることが記載されている。また、段落【0014】には、「エンコーダ6を構成するエンコーダ本体19の側面は、上記カバー30の片面(図1の左側面)に近接対向している。これに対して、センサ7の検出部29の検出面(図1の左側面)は、上記カバー30の他面(図1の右側面)に近接若しくは当接している。従って、上記検出部29の検出面と上記エンコーダ6のエンコーダ本体19とは、上記カバー30を介して近接対向している。」と記載されている。これらの記載を参照しつつ、願書に添付した図1を見れば、この図1には、エンコーダ6の被検出面であるエンコーダ本体19の側面(図1の右側面)と、センサ7の検出部29の面、すなわちセンサ7の検出面(図1の左側面)とが、シャーレ状に形成されたカバー30のうちのシャーレ底面に相当する面である塞ぎ板部31を介して対向している(図1の左右方向に向き合っている)態様が明確に開示されている。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「外輪」について、「上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されており、」と限定して構成を特定するものであるから、訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項2に関して、本件特許明細書の段落【0007】の第1?4行部分には、「上記外輪2の外周面には、外向フランジ状の取付部25を設けている。回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1を自動車に組み付けた状態で、上記取付部25は、懸架装置を構成するナックル26に、図示しないボルトにより結合固定する。」と記載されている。また、段落【0008】の第2?3行部分には、「上記外輪2を取付部25によりナックル26に結合固定する」と記載されている。また、図1には、外輪2の外周面に取付部25が設けられており、この外輪2の内端部(図1の右端部)に、上記取付部25の内端面(図1の右端面)よりも軸方向内方(図1の右方)に突出した部分が設けられていることが明確に記載され、この突出した部分が、懸架装置を構成するナックル26の開口部の内径側に挿入されていることも明確に記載されている。
段落【0007】、段落【0008】の記載、及び図1から、「上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられて」いる点、及び「この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されて」いる点が記載されているから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「懸架装置」の取付孔の形成態様について、「上記懸架装置に外径側から内径側に形成した」と限定して構成を特定するものであるから、訂正事項3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項3に関して、図1には、取付孔17が、懸架装置であるナックル26に外径側から内径側に、すなわち径方向(図1の上下方向)に形成された態様が明確に開示されているから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「センサ」の取付態様について、「取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で」と限定して構成を特定するものであるから、訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項4に関して、図1には、センサ7が取付孔17に外径側から内径側に向け挿通され、センサ7の検出部29がナックル26の内径面(図1の下面)から突出した状態が開示されているから、訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項4に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「センサ」について、「このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置しており、」と限定して構成を特定するものであるから、訂正事項5に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項5に関して、図1には、センサ7を懸架装置を構成するナックル26に形成した取付孔17に挿通し、このセンサ7の一部を、この取付孔17を通じて上記ナックル26の内径側に挿入した構造が記載されている。そして、このナックル26の内径側に挿入され、このナックル26の内径面から突出した上記センサ7の一部を、外輪2のうちでこのナックル26の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方(図1の右方)に位置させることが明確に記載されているから、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項5に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(6)訂正事項6について
訂正事項6は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「センサ」と「カバー」との接触態様に関して、訂正前の「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接若しくは当接して」から「当接」なる態様を削除するものであるから、訂正事項6に係る訂正は、択一的記載の要素の削除に該当し、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして、訂正事項6に関して、本件特許明細書の発明の詳細な説明の欄の段落【0014】の第2?4行部分に、「センサ7の検出部29の検出面(図1の左側面)は、上記カバー30の他面(図1の右側面)に近接」と明確に記載されているから、訂正事項6に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。

また、訂正事項6に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(7)訂正事項7?12について
訂正事項7?12は、訂正事項1?6に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の請求項1の記載と本件特許明細書の記載とに齟齬が生じないようにするものであるから、訂正事項7?12に係る訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項7?12に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項7?12に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

(8)訂正事項13?17について
訂正事項13?17は、訂正事項1?6に係る訂正に伴って、発明の実施の形態から外れることになった「実施の形態の第2例」を「参考例」に訂正し、これに伴って「実施の形態の第3例」を「実施の形態の第2例」に、「実施の形態の第4例」を「実施の形態の第3例」に、順次訂正するものであり、特許請求の範囲の請求項1の記載と発明の詳細な説明及び図面の簡単な説明の記載とに齟齬が生じないようにするものであるから、訂正事項13?17に係る訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項13?17に係る訂正は、本件特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

よって、訂正事項13?17に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するものである。

2-3.むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書、特許法第134条の2第5項において準用する同法126条第3項及び第4項の規定に適合するものであるから、適法な訂正と認める。

3.請求人の主張
請求人は、「特許第4206550号の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」(請求の趣旨)との審決を求め、証拠方法として以下の甲第1号証?甲第18号証を提出し、無効とすべき理由を次のように主張している。

[理由]
本件特許発明(請求項1に係る発明)は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第6号証、甲第13号証、及び甲第14号証に記載の発明から当業者であれば容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない発明であって、特許法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきである。

[証拠方法]
(審判請求書に添付)
・甲第1号証 :特開平9-203415号公報
・甲第2号証 :特開平10-160744号公報
・甲第3号証 :ドイツ連邦共和国特許出願公開19735978号
(DE 19735978 A1)
・甲第4号証 :ドイツ連邦共和国特許出願公開4431746号
(DE 4431746 A1)
・甲第5号証 :実願平5-48365号(実開平7-17671号)のCD-ROM
・甲第6号証 :特開平10-73612号公報
・甲第7号証 :平成20年3月31日付け拒絶理由通知書
・甲第8号証 :平成20年6月2日付け手続補正書
・甲第9号証 :平成20年6月2日付け意見書
・甲第10号証 :昭和61年10月6日発行の「広辞苑 第三版」(発行所 株式会社岩波書店)、奥付け、1108頁
・甲第11号証 :1998年11月20日発行の「大辞泉」(発行所 株式会社小学館)、奥付け、1228頁
・甲第12号証 :2001年5月31日発行の「マグローヒル 科学技術用語大辞典 改訂第3版」(発行所 株式会社日刊工業新聞社)、奥付け、1675頁

(平成22年6月23日付け弁駁書に添付)
・甲第13号証 :実願昭63-166009号(実開平2-85661号)のマイクロフィルム
・甲第14号証 :DIAMANTE新型車解説書 コードNo.1038P30, 印刷発行 1995年1月, 編集発行 三菱自動車工業株式会社、表紙、目次、2-61頁、3-36頁、奥付け

(口頭審理陳述要領書に添付)
・甲第15号証 :光洋精工株式会社「Koyo ENGINEERING JOURNAL No.147」の51頁?56頁「乗用車ホイール用ハブユニット軸受の動向」、平成7年4月発行
・甲第16号証 :ドイツ連邦共和国特許出願公開19625489号
(DE 19625489 A1)
・甲第17号証 :実開昭57-46123号公報
・甲第18号証 :トヨタカムリの新型車解説書、1990年7月11日発行、表紙、目次、4-46頁、4-86頁、奥付け

4.被請求人の主張
これに対し、被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする(答弁の趣旨)との審決を求め、本件訂正の請求をするとともに、答弁書、口頭審理陳述要領書、口頭審理、及び平成23年9月27日付け訂正請求書において、本件特許は無効とされるべきものではない旨を主張している。

被請求人の主張の概要は、以下のとおりである。

(1)本件特許発明の構成要件及び作用効果について
本件特許発明は、AないしE、イないしハに構成要件を分けると、以下の通りである。

A:使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジを有する回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転勤自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状又は円板状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、上記懸架装置に支持されたセンサとを備え、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、
イ:上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、
ロ:この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されており、
B:上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、
C:このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり、
D:上記センサは、上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で、このセンサの基部に設けた取付フランジをねじにより上記懸架装置に結合固定しており、
ハ:このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置しており、
E:上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している
事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。

構成要件AないしE(イ、ロ及びハ以外)を備えることにより、従来構造のシールリングに代えて、エンコーダ6とセンサ7の間に介在するカバー30を使用することが、本件特許発明の第1の特徴である。

また、構成要件イ、口及びハは回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの、外輪2とセンサ7を、懸架装置(ナックル26)に、固定する態様について規定したものであり、この取付態様が、本件特許発明の第2の特徴である。

そして、第1の特徴、第2の特徴が組み合わさったことで、次のような作用効果を奏する。
(i)転がり軸受ユニットと、センサとを、それぞれ独立して、任意の順序で、車体の懸架装置に、取り外したり取り付けたりすることができる。
(ii)センサとエンコーダの間に水や鉄片、鉄粉や磁気を帯びた破片などが入り込むことが無く、センサやエンコーダの破損が防止され、エンコーダの規則的・周期的な磁気特性変化が乱されることがないという作用効果を実現しつつ、なおかつ、エンコーダとセンサの間の微小な間隔を厳密に調整することができるので、センサの精度(検出精度)を高いレベルまで引き上げることができる。
(平成23年9月27日付け訂正請求書第13?27ページ)

(2)甲各発明の認定及び本件特許発明との比較
甲第1号証と本件特許発明は、玉を挟んで外側に外輪、内側に内輪が設けられるという転がり軸受ユニットの基本構造と、センサと円環状のエンコーダ(トーンホイール)から構成される回転速度検出装置の基本構造は共通している。
しかし、本件特許発明の第1の特徴及び第2の特徴のいずれも備えていない。すなわち、エンコーダとセンサの間に挿入された外輪開口端部を塞ぐカバーも、構成要件イ、ロ及びハに係る外輪とセンサを懸架装置に固定する態様も、いずれも甲第1号証には開示されていない。
甲第1号証では、内輪と外輪の間の転動体を設置した空間内に、雨水や塵芥等の異物が入り込むこと、及び空間に充填したグリースが外部に漏洩することを防止しているのは、本件特許発明のようなカバーではなく、芯金18に組み合わされたシールリング21である。

甲第2号証の固定カバー4は、単にパルス環3bを覆うだけであり、これのみでは外輪開口端部を塞ぐことはできない。図1にも明示されている通り、固定カバー4の先端(内周縁)には密閉リップ5が付けられており、この密閉リップ5が、内輪に固定された保持板3aの表面を摺動する構造になっており、この密閉リップ5により外輪開口端部が塞がれている。つまり、甲第2号証は、本件特許発明において、カバーが使用される以前の従来技術として紹介されていた、シールリングを用いて内外輪間の空間を密閉する構造となっているのであり、本件特許発明の第1の特徴である、外輪開口端を塞ぐカバーを使用することは、開示されていない。
更に、本件特許発明の第2の特徴である、構成要件イ、口及びハに係る外輪とセンサを懸架装置に固定する態様についても、全く開示されていない。

甲第3号証のFig. 1には、シールリングの代わりに、エンコーダとセンサの間に外輪の開口端部を塞ぐカバーを用いる構造が、開示されているといえる。
但し、Fig. 1に開示された転がり軸受ユニットは、外輪の開口端部を塞ぐカバーキャップ6の底面6′に、センサー4がスプリング部材5によって押しつけられており、センサー4の先端の検出部は、カバーキャップ6の底面6′に当接している。従って、構成要件Eの「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」いるという構成は、甲第3号証のFig. 1には開示されていない。
また、本件特許発明の第2の特徴である、構成要件イ、口及びハに係る外輪とセンサの懸架装置へ固定する態様も、開示されているとはいえない。

甲第6号証には、実施例として、外輪開口端をカバーで覆った転がり軸受ユニットが図1?6に開示されている。しかし、これらの実施例のうち、図4及び5の2つの実施例以外は、センサの検出部とエンコーダが共にカバーの内部に存在しており、センサ検出部とエンコーダの間にカバーが介在しない点で本件特許発明と異なる。図4及び図5の実施例では、センサ検出部とエンコーダの間にカバーが介在しているが、それらのいずれも、センサをカバーに形成した保持凹孔の内部に収容する構造になっている点で、本件特許発明と全く構造が異なる。また、このような甲第6号証には、構成要件Eの「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」いるという構成は、開示されていない。また、構成要件イ、口及びハに係る転がり軸受ユニットとセンサの懸架装置への取り付け態様についても、開示されていない。

甲第13号証の第1図及び甲第14号証の2-61頁の図には、転がり軸受ユニットが開示されている。これらの転がり軸受ユニットはいずれも、外輪開口端を塞ぐカバーが使用されていない。甲第13号証では、カバーではなくオイルシール44、44′と、ラビリンス部9が、甲第14号証では、オイルシールが使用されており、これは、訂正明細書で従来技術として説明されている、シールリングを使用する構造である。すなわち、両号証には本件特許発明の第1の特徴であるカバーを使用することは開示されていない。
また、甲第13号証及び甲第14号証に開示された構造は、いずれもエンコーダの被検出面とセンサの検出部の面とが、回転軸と平行方向に設けられて向き合っており、構成要件Aのうちの「カバーのシャーレ底面に相当する面を介して」向き合うという構成と、明確に異なる。
一方、本件特許発明の第2の特徴である、構成要件イ、ロ及びハに係る外輪とセンサを懸架装置に固定する態様については、甲第13号証の第1図に開示されていると一応認められる。甲第14号証では、構成要件イ及び口に係る構成は開示されているが、センサの取り付け位置が明確ではないため、構成要件ハに係る構成は開示されていない。
このように、甲第13号証には本件特許発明の第2の特徴たる構成が一応開示されているといえる。しかし、後述するように、甲第13及び第14号証のいずれの転がり軸受ユニットも、本件特許発明の第1の特徴たるカバーと組み合わせることについては、阻害事由がある。(平成23年9月27日付け訂正請求書第27?36ページ)

(3)相違点について
本件特許発明の作用効果はどちらも、第1の特徴と第2の特徴という、2つの構成上の特徴が組み合わさって実現されるものであるから、本件特許発明の進歩性の正しい検討のためには、公知文献の開示を組み合わせた場合に、第1の特徴と第2の特徴の双方を備えた本件特許発明に想到することが容易であるか否かという点を検討しなくてはならない。相違点1は別として、相違点2及び相違点3を合わせて実現することの想到容易性の検討が必要不可欠である。

相違点2とは、本件特許発明は、「上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり」、「エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向」しているとともに、「上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している」のに対し、甲第1号証に記載の発明は、シールリング21を有し、カバーを有しない、という点である。
相違点2のうち、カバーが非磁性材製であるという点については、甲第2号証や甲第6号証に記載されており、周知技術といえる。
また、相違点2のうち、「上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆うカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向しているとともに、上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、この(センサの)検出部と上記工ンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している」という点については、甲第3号証に開示されているといえる。
但し、相違点2のうち、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」いるという態様は、甲第3号証には開示されていない。すなわち、甲第3号証においては、センサー4がカバーキャップ6の底面6′にスプリング部材5で押しつけられることで、センサー4とパルサーリング9(本件特許発明のエンコーダに相当)の間隔が調整される構造となっている。つまり、センサーの検出部は、カバーの底面にスプリング部材で押圧されている。甲第3号証においては、センサーがスプリング部材でカバーキャップの底面に押しつけられることは、センサーとパルサーリング(エンコーダ)の間の間隔を調整するための、必須の構成である。
この点につき、本件特許発明は、センサの検出部がカバーの底面に当接しているという態様が除外されており、甲第3号証との相違がより明確になっている。
センサーをスプリング部材でカバーキャップの底面に押しつけることを必須の構成とする甲第3号証には、センサの検出部を、カバーの他面(底面)に近接させるといった構成は当然記載されていないし、このような構成を採用する動機付けとなる記述も一切存在しない。
また、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」いるという態様は、甲第3号証に開示がないだけでなく、甲各号証の何れにも開示されていないし、周知技術又は技術常識といえるものでもない。

相違点3とは、本件特許発明の第2の特徴として説明してきた、構成要件イ、口及びハに係る、転がり軸受ユニットとセンサの、懸架装置への取付態様が、甲第1号証に記載の発明には開示されていない、ということである。
本件特許発明では、外輪の外周面の外向フランジ状の取付部により、懸架装置に転がり軸受ユニットが取り付けられるのに対して、甲第1号証に記載の発明では、懸架装置(保持ケース29)側の内向フランジに、転がり軸受ユニットの外輪が固定されており、取付の構造が全く異なっている。甲第1号証に記載の発明の構造では、本件特許発明の特徴的な作用効果である、「(i)転がり軸受ユニットと、センサとを、それぞれ独立して、任意の順序で、車体の懸架装置に、取り外したり取り付けたりすることができる。」という作用効果を奏することができない。甲第1号証の図1(以下に転載する)を見れば明らかであるが、保持ケース29(懸架装置に相当する)から転がり軸受ユニットを取り外すには、図1の右側に抜き出すしかないが、センサを付けたままでは、センサがつかえてしまって転がり軸受ユニットを抜き出すことができない。転がり軸受ユニットを外すためには、まずセンサを保持ケース29から外さなければならない。また、取り付ける時も、先にセンサを取り付けてしまうと、後から転がり軸受ユニットを取り付ける事ができない。つまり、それぞれを独立して任意の順序で、取り付けたり取り外したりすることができないのである。
これに対して、甲第13号証には、実施例として第1図の転がり軸受ユニットが開示されている。上記第1図の転がり軸受ユニットは、アウタレース42(外輪)の外周に外向フランジ状の部分(取付部)が形成され、その部分がボルトによりハウジング5(懸架装置)に固定されている。また、アウタレース42(外輪)には、取付部の内端より更に軸方向内方に飛び出した部分があり、その部分が、ハウジング5(懸架装置)の開口部に挿入されている。そして、トーンホイール1(エンコーダ)に対向するセンサ本体2は、ハウジング5(懸架装置)に空けられた取付穴51に、ボルト等にて固定されている。
すなわち、上記第1図には、相違点3に係る本件特許発明の第2の特徴である、構成要件イ、口及びハの構成が、全て開示されている。
一方、甲第14号証の2-61頁にも、転がり軸受ユニットが開示されており、この転がり軸受ユニットも、構成要件イ及び口の構成は備えているが、構成要件ハについては、センサの取付位置が不明瞭であるため、開示されているとはいえない。(平成23年9月27日付け訂正請求書第38?43ページ)

(4)本件特許発明の進歩性についてのまとめ
以上に説明した通り、本件特許発明は、相違点2及び相違点3に係る構成の組み合わせにより特徴的な作用効果を奏することを考えると、相違点2及び相違点3の両方の構成を備えることの容易性を総合的に考慮すべきであり、そのためには、甲第1号証に、甲第13号証及び甲第14号証に開示されている構成要件イ、口及びハの構成を組み合わせ、更に甲第3号証のカバーを組み合わせることの容易想到性を検討しなければならないが、甲第13号証、甲第14号証の構成には甲第3号証のカバーとの組み合わせを阻害する事由があり、この組み合わせにより本件特許発明に想到することは、当業者にとって容易なことではない。
また、本件特許発明には、甲各号証のいずれにも開示のない、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して」いるという構成を備えるものであるから、仮に、甲第1号証に、甲第3号証のカバー、及び、甲第13号証又は甲第14号証の構成を組み合わせることが可能であるとしても、本件特許発明の構成に想到することはできない。
以上の通りであるから、本件特許発明は、甲各号証に記載された発明及び従来周知の技術に対して進歩性を有するものである。(平成23年9月27日付け訂正請求書第48ページ)

5.本件発明
上記「2.訂正の可否に対する判断」で示したとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、平成23年9月27日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジを有する回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状又は円板状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、上記懸架装置に支持されたセンサとを備え、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されており、上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり、上記センサは、上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で、このセンサの基部に設けた取付フランジをねじにより上記懸架装置に結合固定しており、このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置しており、上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。」

6.証拠方法
6-1.甲第1号証
甲第1号証(特開平9-203415号公報)には、「トーンホイール付転がり軸受ユニット」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
(あ)「【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトーンホイール付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置を構成する為に利用する。」
(い)「【0015】
【発明の実施の形態】図1?3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。前述した従来構造の場合とは逆に、回転周面である外周面に回転軌道面である内輪軌道2、2を形成した、それぞれが回転輪である内輪1、1は、使用時に回転する車軸に外嵌固定される。これら各内輪1、1の周囲には、使用時に回転しない固定輪である外輪14を、上記各内輪1、1と同心に配置している。そして、固定周面であるこの外輪14の内周面に形成した、固定軌道面である外輪軌道4、4と上記各内輪軌道2、2との間に、転動体である複数個の玉5、5を設けて、上記外輪14の内側に各内輪1、1を、回転自在に支持している。
【0016】上記外輪14の内端部内周面と内方の内輪1の内端部外周面との間には組み合わせシール15を設けて、上記外輪14の内周面と上記内輪1の外周面との間に存在する空間の内端開口部を塞いでいる。又、上記外輪14の外端部内周面と外方の内輪1の外端部外周面との間には別の組み合わせシール16を設けて、上記外輪14の内周面と上記内輪1の外周面との間に存在する空間の外端開口部を塞いでいる。
【0017】上記2組の組み合わせシール15、16のうち、内方に設けられた組み合わせシール15は、上記内方の内輪1の内端部外周面に外嵌固定されてトーンホイール17を支持する為の芯金18と、上記外輪14の内端部内周面に内嵌固定されたシールリング21とから成る。そして、このシールリング21の全周に亙って設けたシール材26のシールリップ27、27を上記芯金18に摺接させる事により、上記内方の内輪1の内端部外周面と上記外輪14の内端部内周面との間をシールしている。又、上記芯金18は、軟鋼板等の磁性金属板、或はステンレス鋼板等の磁性或は非磁性の金属板により、断面L字形で全体を円環状に造られている。即ち、この芯金18は、円筒部19と、この円筒部19の内端縁から直径方向外方に向け直角に折れ曲がった円輪部20とから構成され、このうちの円筒部19を上記内輪1の内端部外周面に外嵌固定している。ゴム磁石製のトーンホイール17は、この円輪部20の内側面に添着支持される。
【0018】このトーンホイール17を構成するゴム磁石は、ゴム中にフェライト等の強磁性粉末を混入して全体を円輪状に形成して成る。このトーンホイール17は、軸方向(図1?3の左右方向)に亙って着磁されており、着磁方向は円周方向に亙って交互に入れ替わっている。従ってこのトーンホイール17の軸方向両側面には、S極とN極とが、円周方向に亙って交互に、且つ等間隔で配置されている。尚、このトーンホイール17の成形時には、着磁方向に磁場を加える事により、上記強磁性粉末を着磁方向に配列する。従って、トーンホイール17を着磁した状態でこのトーンホイール17の磁力は十分に強くなり、後述するセンサ13を通過する磁束の密度を十分に高くできる。センサ13を通過する磁束の密度を高くする事は、このセンサ13の出力を高くして、車輪の回転速度検出の精度確保に役立つ。
【0019】又、このトーンホイール17の外側面外周縁部には、断面形状が鉤形である係止部22を形成している。この係止部22は、上記トーンホイール17の外側面外周縁部から全周に亙って外方に向け突出する円筒部23と、この円筒部23の先端部内周面から直径方向内方に突出する鉤部24とから成る。この鉤部24は、上記円筒部23の全周に亙って形成しても良いが、円周方向3箇所以上に、間欠的に設けても良い。又、この鉤部24の内周側面は、上記係止部22の先端(図2の左端)に向かうに従って直径方向外側に向く方向に傾斜した傾斜面25としている。更に、上記円筒部23の基部(鉤部24を除く部分)の自由状態での内径は、前記円輪部20の外径よりも少しだけ小さくしている。
【0020】上述の様な形状を有するトーンホイール17は、上記係止部22を前記芯金18を構成する円輪部20の外周縁部に弾性的に係合させる事により、この芯金18の内側面に支持する。即ち、上記係止部22を上記円輪部20の内側面外周縁部に対向させた状態から、上記トーンホイール17を上記芯金18に向け押し付ける。この押し付け作業に伴って、図3(A)に示す様に、上記鉤部24の傾斜面25と上記円輪部20の外周縁との係合に基づき、上記係止部22の直径が弾性的に広がる。上記押し付け作業を継続すれば、同図(B)に示す状態を経て、同図(C)に示す様に、上記係止部22が上記円輪部20の外周縁部に係止される。上述した様に、上記円筒部23の基部の自由状態での内径は円輪部20の外径よりも少しだけ小さい。又、上記鉤部24と上記トーンホイール17の本体部分との間に存在する溝部28の自由状態での幅寸法は、上記円輪部20の厚さ寸法と同じか、この厚さ寸法よりも僅かに小さくしている。従って、図3(C)に示す様に係止部22を円輪部20の外周縁部に係止した状態では、上記トーンホイール17は上記芯金18に、ラジアル方向及びスラスト方向に亙って変位する事なく(がたつきなく)支持される。更に、上記芯金18を磁性金属製とすれば、上記トーンホイール17が自らの磁力によりこの芯金18に密着するので、これら両部材17、18ががたつく事はない。
【0021】上述の様に構成される本発明のトーンホイール付転がり軸受ユニットは、懸架装置を構成する保持ケース29の内側に、車輪を回転する為の車軸を回転自在に支持すると共に、上記保持ケース29に支持されたセンサ13との組み合わせにより、回転輪である内輪1、1或は上記車輪の回転速度を検出する。特に、本発明のトーンホイール付転がり軸受ユニットの場合、ゴム磁石製のトーンホイール17は、このトーンホイール17と一体に形成した係止部22の弾性により、内方の内輪1の内端部に外嵌固定した芯金18に支持される為、予め磁石メーカーで着磁したトーンホイール17を、シール材メーカーで造られた芯金18と結合できる。従って、設備費や搬送費の増大に伴うコスト上昇を抑える事ができる。
【0022】尚、図示の例では、上記トーンホイール17と共に回転速度検出装置を構成するセンサ13を、転がり軸受ユニット外である保持ケース29に設置している。但し、このセンサ13は、固定輪である外輪14に支持する事もできる。」
(う)図1において、外輪14の外周部を覆っている保持ケース29の内径側の開口部は、懸架装置を構成する保持ケース29の「開口部」といえる。また、図1において、外輪14の左端部において外輪14の外周面よりも内径側に突出している保持ケース29の一部分は、保持ケース29の「内向フランジ状の取付部」といえる。
(え)図1において、センサ13の取付孔は保持ケース29の「外径側から内径側に形成した」ものであるから、「センサ13は、保持ケース29に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し」ていることが看取される。また、センサ13の検出部を保持ケース29の内径面から突出させており、センサ13は、該センサ13の基部に設けた取付フランジと保持ケース29とをねじにより結合固定していることが看取されるから、「センサ13の検出部を保持ケース29の内径面から突出させた状態で、このセンサ13の基部に設けた取付フランジをねじにより保持ケース29に結合固定して」いるといえる。また、センサ13の検出部の、保持ケース29の内径側に挿入された部分は、外輪14の端部よりも軸方向内方に位置していることが看取される。

上記記載事項及び図示内容を総合し、本件発明の記載ぶりに倣って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「懸架装置を構成する保持ケース29に支持されて使用時に回転しない外輪14と、この外輪14の内径側にこの外輪14と同心に支持され、使用時に回転する車軸に外嵌固定される内輪1と、この内輪1の外周面に形成した内輪軌道2と上記外輪14の内周面に形成した外輪軌道4との間に設けられている転動体である複数個の玉5と、上記内輪1の端部にこの内輪1と同心に支持され、円周方向に亙って着磁方向が交互に入れ替わっている円輪状のトーンホイール17と、上記外輪14の内端部内周面に内嵌固定されたシールリング21と、その検出部をこのトーンホイール17に対向させた状態で、上記保持ケース29に支持させたセンサ13とを備えたトーンホイール付転がり軸受ユニットにおいて、上記保持ケース29の開口部に外輪14を結合固定するための内向フランジ状の取付部が設けられており、上記センサ13は、上記保持ケース29に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサ13の検出部を保持ケース29の内径面から突出させた状態で、このセンサ13の基部に設けた取付フランジをねじにより上記保持ケース29に結合固定しており、このセンサ13のうちで上記取付孔を通じてこの保持ケース29の内径面から突出させた部分は、上記外輪14の端部よりも軸方向内方に位置しているトーンホイール付転がり軸受ユニット。」

6-2.甲第2号証
甲第2号証(特開平10-160744号公報)の特に段落【0007】、【0012】及び図1?3を参酌すれば、甲第2号証には、「保護される回転数検出装置を持つころがり軸受装置」に関して、回転数センサ6とパルス発生器3との間に介在しているカバー部分4が非強磁性材料からなる技術事項を含む発明が記載されている。
また、甲第2号証の特に段落【0004】、【0005】、【0007】によれば、外方に開いて設けられている、磁気多極パルス発生器においては、周囲から磁性小片を吸引し、これらの磁性小片はパルス発生器表面にたまり、磁石を橋絡して回転数測定装置における信号を誤らせる技術課題があり、該技術課題をカバーを設けることにより解決することが記載されている。

6-3.甲第3号証
甲第3号証(ドイツ連邦共和国特許出願公開19735978号(DE 19735978 A1))の特にFig.1及び審判請求書に添付されている甲第3号証訳文の特に、「回転数検出装置付きベアリングは、既に一連の種類が公知である。既に比較的簡単な配設では、センサーがハウジングまたは車輪懸架装置に固定されており、そして車軸軸受装置に固定されたパルス発生器に対向している。」(第1頁下から12行?下から10行)、「多くの場合にベアリングの、シール手段を必要とするので、ナベ形状のカバーキャップ6の底部をセンサー用の当接面として利用することは目的に適っている。」(第2頁第7?8行)、「これ(訳注:カバーキャップ)は、ベアリング外輪7の内径に配設されており、外輪7の正面7’により決まる面8にその底面6’が来るように固定されている。」(第3頁第9?11行)及び「それにより、カバーキャップ6にとってはダブルの機能が得られる;それは一方で、簡単な方法によりベアリング内部空間を密封し他方でセンサー4のための正確な当接面として機能する。」(第3頁第16?18行)との記載、並びに内輪及びハブの軸方向端部がカバーキャップ6により塞がれていること、センサー4の検出部と上記パルサーリング9の被検出部とが、このナベ形状のカバーキャップ6の底面に相当する面を介して対向していることから、甲第3号証には、「自動車用回転数センサー付き車軸軸受装置」に関して、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、甲第3号証のFig.1からみて、甲3発明の「自動車用回転数センサー付き車軸軸受装置」は、従動輪に適用されるものである。

「自動車用回転数センサー付き車軸軸受装置において、外輪7の開口端部は、内輪及びハブの軸方向端部を覆うカバーキャップ6により塞がれており、このカバーキャップ6は板材によりナベ形状に形成されたものであり、センサー4の検出部と上記パルサーリング9の被検出部とが、このナベ形状のカバーキャップ6の底面に相当する面を介して対向しており、パルサーリング9は上記カバーキャップ6の片面に近接対向し、センサー4の検出部はこのカバーキャップ6の他面に当接して、このセンサー4の検出部と上記パルサーリング9の被検出部とが、このナベ形状のカバーキャップ6の底面に相当する面を介して対向している、自動車用回転数センサー付き車軸軸受装置。」

6-4.甲第5号証
甲第5号証(実願平5-48365号(実開平7-17671号)のCD-ROM)の特に段落【0016】、及び図1、図3、図4を参酌すれば、外輪部材9の外周面に取付部7を設けて懸架装置(非図示)にその取付部7を取り付ける取付態様が記載されており、また、その取付態様の構成から、外輪部材9と懸架装置とは、外輪部材9の一部を懸架装置の開口部に挿入して結合することがうかがえる。

6-5.甲第6号証
甲第6号証(特開平10-73612号公報)の特に段落【0016】、【0029】及び図4を参酌すれば、甲第6号証には、トーンホイール13bとセンサ20aとの間に介在しているカバー18bの底板部42が非磁性材からなる技術事項を含む発明が記載されている。
また、甲第6号証の特に段落【0003】及び図6を参酌すれば、回転部材(「ハブ1」及び「内輪5」)が、外輪8の内径側にこの外輪8と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジ部2を有する構成が記載されている。
また、甲第6号証の特に段落【0004】及び図1、図6を参酌すれば、外輪8の外周面に取付部9を設けて懸架装置(非図示)にその取付部9を取り付ける取付態様が記載されており、また、その取付態様の構成から、外輪8と懸架装置とは、外輪8の一部を懸架装置の開口部に挿入して結合することがうかがえる。

6-6.甲第13号証
甲第13号証(実願昭63-166009号(実開平2-85661号)のマイクロフィルム)の第1図を参酌すれば、甲第13号証には、ベアリング4のアウタレース42の外周面にこのアウタレース42をハウジング5に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、このアウタレース42の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記ハウジング5の開口部の内径側に挿入されている技術事項を含む発明が記載されている。
また、甲第13号証の第7頁第11行?第8頁第5行の記載及び第1図を参酌すれば、甲第13号証には、センサ本体2は、ハウジング5に形成した取付孔51に外径側から内径側に向け挿通した状態で、このセンサ本体2をボルトにより上記ハウジング5に結合固定しており、このセンサ本体2のうちで上記取付穴51を通じてこのハウジング5の内径側に挿入されハウジング5の内径面から突出させた部分は、上記アウターレース42のうちでこのハウジング5の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方(軸方向右側)に位置している技術事項を含む発明が記載されている。

6-7.甲第14号証
甲第14号証(DIAMANTE新型車解説書 コードNo.1038P30, 印刷発行 1995年1月, 編集発行 三菱自動車工業株式会社)の特に2-61頁の「リヤアクスル<2WD>」に関する図面を参酌すれば、甲第14号証には、ユニットベアリングの外周面にこのユニットベアリングをナックルに結合固定する為の外向フランジ状の取付部を設けて、ナックルの開口を上記ユニットベアリングに外嵌する技術事項を含む発明が記載されている。

6-8.甲第15号証
甲第15号証(光洋精工株式会社「Koyo ENGINEERING JOURNAL No.147」の51頁?56頁「乗用車ホイール用ハブユニット軸受の動向」、平成7年4月発行)の52頁には、図1として「ホイール用軸受および周辺構造の変遷(Automotive Wheel and Wheel-Bearing Design Trend)」が記載され、同図の「第2世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」の「内輪回転」並びに「第3世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」を参酌すると、軸受の外輪の外周面に外径側に突出する取付部を設けて懸架装置にその取付部をボルト締めにより取り付ける取付態様が記載されており、その取付態様の構成から、外輪と懸架装置とは、外輪の一部を懸架装置の開口部に挿入して結合することが示されている。

7.無効理由に対する当審の判断
(1)対比
本件発明と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「保持ケース29」は本件発明の「懸架装置」に相当し、以下同様に、「外輪14」は「外輪」に、「複数個の玉5」は「転動体」に、「円輪状のトーンホイール17」は「円環状又は円板状のエンコーダ」に、「センサ13」は「センサ」に、「トーンホイール付転がり軸受ユニット」は「回転速度検出装置付転がり軸受ユニット」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明の「内輪1」と本件発明の「回転部材」とは、その端部に車輪を支持する為のフランジを有するか否かは相違点として検討することとすると、外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、使用時に回転する「回転部材」である限りにおいては共通している。
してみると、本件発明の用語を用いて表現すると、両者は、以下の点で一致する。
「使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持される回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状又は円板状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、上記懸架装置に支持されたセンサとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記センサは、上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で、このセンサの基部に設けた取付フランジをねじにより上記懸架装置に結合固定している、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。」

また、両者は、以下の点で相違する。
[相違点1]
回転部材が、本件発明は、「その端部に車輪を支持する為のフランジを有する」回転部材であるのに対し、甲1発明は、「使用時に回転する車軸に外嵌固定される内輪1」である点。
[相違点2]
本件発明は、「エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向」しており、「上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり」、「上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している」のに対し、甲1発明は、「外輪14の内端部内周面に内嵌固定されたシールリング21」を有するものであり、カバーを有するものではない点。
[相違点3]
本件発明は、「上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されて」いるとともに、「このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置して」いるのに対し、甲1発明は、「保持ケース29の開口部に外輪14を結合固定するための内向フランジ状の取付部が設けられて」いるとともに、「センサ13のうちで上記取付孔を通じてこの保持ケース29の内径面から突出させた部分は、上記外輪14の端部よりも軸方向内方に位置している」点。

(2)判断
(2-1)[相違点1]について
回転部材を車輪に対してどのように接続するかは設計的事項であり、回転部材を、その端部に車輪を支持する為のフランジ部を有するように構成することは従来周知の技術(例えば、上記「6-4.甲第6号証」(甲第6号証の「ハブ1」及び「内輪5」が「回転部材」に相当する。)、及び、上記「6-3.甲第3号証」(Fig.1)を参照。)であるから、甲1発明に該従来周知の技術を考慮して、内輪1の端部に車輪を支持する為のフランジ部を有するように構成すること又は内輪1にその端部に車輪を支持する為のフランジ部を有するような部品(ハブ)を接続して回転部材を構成することは、当業者が容易になし得たものである。

(2-2)[相違点2]について
甲3発明について検討すると、甲3発明の「外輪7」は本件発明の「外輪」に相当し、以下同様に、「内輪及びハブ」は「回転部材」に、「カバーキャップ6」は「カバー」に、「ナベ形状」は「シャーレ状」に、「パルサーリング9」は「エンコーダ」に、「センサー4」は「センサ」に、「自動車用回転数センサー付き車軸軸受装置」は「回転速度検出装置付転がり軸受ユニット」に、それぞれ相当するので、甲3発明は、実質的に、本件発明の「エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて」、「上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆うカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり」、「上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し」、センサの「検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している」との発明特定事項に相当する構成を含む発明ということができる。なお、甲3発明には、カバーの材質は特定されていないが、回転速度検出に悪影響を与えないとの自明の技術課題を考慮すれば、当然にカバーは非磁性材製であると考えられるものであるが、カバーを非磁性材製とすることは甲第2号証及び甲第6号証にみられる従来周知の技術である。
そして、上記「6-2.甲第2号証」に記載したように、外方に開いて設けられている、磁気多極パルス発生器(甲1発明の「トーンホイール17」)は、周囲から磁性小片を吸引し、これらの磁性小片はパルス発生器表面にたまり、磁石を橋絡して回転数測定装置における信号を誤らせる技術課題があり、該技術課題に対してカバーを設けることにより解決するという技術思想は従来から知られていたものであるから、甲1発明において、露出しているトーンホイール17にカバーを設ける動機付けは十分にあったということができる。そして、甲1発明のシールリング21と甲3発明のカバーキャップ6とは、センサ付転がり軸受ユニットにおいて、シール機能を果たす点で機能が共通するとともに、甲1発明において、「トーンホイール17(とそれを支持する芯金18)」(以下、単に「トーンホイール17」という。)と「シールリング21」とは、上記「6-1.甲第1号証」の(い)の段落【0017】に摘記したとおり、組み合わせられてセットとされているものである。そうすると、甲1発明及び甲3発明に接した当業者であれば、甲1発明においてセットとされている、「シールリング21とトーンホイール17」に代えて、甲3発明の「カバーキャップ6とパルサーリング9」を採用することは格別の創意を要することなく容易に想到できたことであり、その際にカバーの材質として従来周知の非磁性材製のものを適宜選択ことは当業者にとって設計的事項にすぎないというべきである。
また、「上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接」する点について、センサの検出部とエンコーダの被検出部の間に必要とされる間隔を設けた結果、センサの検出部とカバーの他面を当接させたものとするか、近接させたものとするかは、当業者がセンサの感度や検出部近傍のスペース等を考慮して適宜選択すべき設計的事項に過ぎず、「近接」させることによる格別の作用効果は認められない。
以上のとおり、甲1発明に甲3発明及び従来周知の技術を適用して、相違点2に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

(2-3)[相違点3]について
転がり軸受装置と懸架装置の取付態様としては、懸架装置の開口部の内周面に内向きフランジを設けて外輪の端部をその内向きフランジに当接させるようにして取り付けるもの(例えば甲第1号証の図1、甲第17号証の第1図の符号6、甲第18号証の4-86頁の上段の図面のうち左側の「リヤアクスルハブ断面」を参照。)の他に、転がり軸受装置の外輪の外周面に外向きフランジを設けて懸架装置の端部をその外向フランジに当接させるようにして取り付けるもの(例えば甲第3号証の図1、甲第5号証の図1の取付部7、甲第6号証の図1の取付部9、甲第13号証の第1図のアウタレース42、甲第14号証の2-61頁の図のユニットベアリング、甲第15号証の52頁の図1の「第2世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」の「内輪回転」並びに「第3世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」参照。)が周知であり、後者の取付態様のものにおいて、外輪の外周面に外向フランジ状の取付部を設けて外輪の一部を懸架装置の開口部に挿入して結合するものは従来周知の結合構造(甲第5号証の図1、図3、及び図4の「外輪部材9」と「懸架装置」(非図示)との結合構造、甲第6号証の図1、及び図6の「外輪8」と「懸架装置」(非図示)との結合構造、甲第13号証の第1図の「ベアリング4のアウタレース42」と「ハウジング5」との結合構造、甲第14号証の2-61頁の図の「ユニットベアリングの外輪」と「ナックル」との結合構造、甲第15号証の52頁の図1の「第2世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」の「内輪回転」並びに「第3世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」の結合構造参照。)である。
転がり軸受装置と懸架装置の取付態様として、どのような取付態様を採用するかは、当業者が、回転部材のフランジの有無等の構造や、駆動輪であるか従動輪であるかの違い、懸架装置の全体構造、製品開発の変遷等を踏まえて決定する設計的事項であるところ、甲1発明において、上記周知の取付態様を斟酌して、保持ケース29の開口部に内向フランジ状の取付部を設ける代わりに、外輪14の外周面に外向フランジ状の取付部を設けることは、当業者が容易に着想し得たものであり、その取付態様に付随して上記の従来周知の結合構造を適用し、保持ケース29の開口部を外輪14に挿入するように構成することは当業者が容易になし得たことである。そして、そのようにして構成したものは、センサ13のうちで取付孔を通じてこの保持ケース29の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、外輪14のうちでこの保持ケース29の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方(図1において、軸方向右側)に位置するものであるから、結局、甲1発明に上記従来周知の取付態様及び結合構造を適用して、相違点3に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

(2-4)効果について
本件発明の効果は、甲1発明、甲3発明、及び従来周知の技術から生じる効果の総和以上のものではなく、甲1発明に、甲3発明及び従来周知の技術を適用したものから予測される程度のものにすぎない。
被請求人が上記4.(1)で主張する、「(ii)エンコーダとセンサの間の微小な間隔を厳密に調整することができるので、センサの精度(検出精度)を高いレベルまで引き上げることができる。」という効果は明細書には記載されていないものであるが、甲1発明のセンサ13の保持ケース29への取付形態から、保持ケース29の取付孔の形成位置を調整することにより、本件発明と同様の効果を奏するものであることは明らかである。
また、「(i)転がり軸受ユニットと、センサとを、それぞれ独立して、任意の順序で、車体の懸架装置に、取り外したり取り付けたりすることができる。」という効果についても明細書には記載されていないものであるが、その効果が、懸架装置に対する外輪の取付作業を、この外輪の開口端部をカバーにより塞いだ状態で行えることを含んでいるものとしても、そのような効果は、甲1発明に、甲3発明及び従来周知の技術を適用したものから予測される程度のものにすぎない。

(2-5)被請求人の主張について
被請求人は、「本件特許発明は、相違点2及び相違点3に係る構成の組み合わせにより特徴的な作用効果(審決注:上記4.(1)の(i)(ii)参照。)を奏することを考えると、相違点2及び相違点3の両方の構成を備えることの容易性を総合的に考慮すべきであ」ると主張している。(上記4.(4)参照。)
しかしながら、(i)の作用効果について、例えば甲第13号証の第1図に記載されるものも、その構造からベアリング4とセンサ本体2をそれぞれ独立して任意の順序で取り付け、取り外しが可能であることは明らかであり、(ii)の作用効果についても、前段の作用効果は甲第3号証のカバーキャップ6により奏される作用効果であり、後段の作用効果は甲第1号証のセンサ13の取付形態により奏される作用効果に過ぎない。そうすると、上記(i)(ii)の作用効果は、相違点2及び3に係る構成の組み合わせによりもたらされるものではなく、単に寄せ集めの作用効果に過ぎないから、被請求人の主張は理由がない。
また、被請求人は、「甲第13号証、甲第14号証の構成には甲第3号証のカバーとの組み合わせを阻害する事由があり、この組み合わせにより本件特許発明に相当することは、当業者にとって容易なことではない。」と主張している。(上記4.(4)参照。)
しかしながら、甲1発明に甲第3号証に記載のカバーキャップ6を適用するとともに、甲1発明に、甲第3号証、甲第5号証、甲第6号証、甲第13号証、甲第14号証、甲第15号証に記載の周知の外輪の懸架装置への取付形態及び結合構造並びにそれに伴う各構成部材の配置関係を適用することに阻害事由はなく、当業者が容易になし得ることであり、そのようにした結果、本件発明の構成となることは、当業者が容易に予測し得ることである。
すなわち、本審決では、甲1発明に甲第3号証に記載の構成を適用するとともに、甲1発明に甲第13号証及び甲第14号証に示される、周知の取付態様及び結合構造を適用することが当業者にとって容易であると述べているのであり、甲第3号証に記載の構成に甲第13号証及び甲第14号証に記載の構成を組み合わせることを述べているのではない。
さらに、被請求人が主張する組み合わせを検討するに、甲第13号証及び甲第14号証に示される周知の取付態様及び結合構造は、駆動輪であっても従動輪であっても等しく適用されるものであるから(甲第15号証の52頁の図1の「第2世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」の「内輪回転」並びに「第3世代ハブユニット」の「駆動輪(全て内輪回転)」及び「従動輪」、同ページの右欄1?18行の記載参照。)、甲第13号証の図1に記載されたものが従動輪にも適用できることは明らかであり、甲第13号証の構成を甲第3号証の図1のカバーキャップ6に組み合わせることは、何ら阻害されるものでもない。

(3)まとめ
したがって、本件発明は、甲第1,3号証に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

8.むすび
以上のとおりであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当するから、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジを有する回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状又は円板状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、上記懸架装置に支持されたセンサとを備え、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面は、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向する、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記外輪の外周面にこの外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部が設けられており、この外輪の内端部でこの取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分が上記懸架装置の開口部の内径側に挿入されており、上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものであり、上記センサは、上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で、このセンサの基部に設けた取付フランジをねじにより上記懸架装置に結合固定しており、このセンサのうちで上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちでこの懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置しており、上記エンコーダは上記カバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
【請求項2】
使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジを有する回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状又は円板状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、上記懸架装置に支持されたセンサとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記外輪の開口端部はカバーにより塞がれており、上記センサの検出部はこのカバーに形成した通孔を通じてこのカバー内に挿入されており、この通孔の内周縁と上記センサの外周面との間は、この通孔の内周縁部に焼き付けたシールにより密封されている事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の懸架装置に車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の懸架装置に車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為に従来から、図5に示す様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1が使用されている。この回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1は、外輪2と、回転部材を構成するハブ3及び内輪4と、それぞれが転動体である複数個の玉5、5と、エンコーダ6と、アクティブ型のセンサ7とを備える。このうちのハブ3の外周面の外端部(自動車への組み付け状態で幅方向外寄りとなる端部で、各図の左端部)には、車輪を支持固定する為のフランジ8を設けている。又、このハブ3の中間部外周面には第一の内輪軌道9を、同じく内端部(自動車への組み付け状態で幅方向中央寄りとなる端部で、各図の右端部)には外径寸法が小さくなった段部10を、それぞれ形成している。
【0003】
上記段部10には、外周面に第二の内輪軌道11を形成した、上記内輪4を外嵌している。そして、上記ハブ3の内端部でこの内輪4の内端面よりも内方に突出した部分を直径方向外方に折り曲げる事によりかしめ部12を形成し、このかしめ部12により上記内輪4を、上記段部10の端部に存在する段差面13に向け押し付けている。尚、上記第一の内輪軌道9は、上記ハブ3の外周面に直接形成するのに代えて、その外周面にこの第一の内輪軌道9を形成した、別体の内輪を外嵌する事で設ける場合もある。又、上記ハブ3に対し内輪4を固定するには、このハブ3の内端部に形成した雄ねじ部にナットを螺合させる事により行なう場合もある。
【0004】
又、上記外輪2の内周面には、上記第一の内輪軌道9と対向する第一の外輪軌道14及び、上記第二の内輪軌道11に対向する第二の外輪軌道15を形成している。そして、これら第一、第二の内輪軌道9、11と第一、第二の外輪軌道14、15との間に上記各玉5、5を、それぞれ複数個ずつ設けている。これら各玉5、5は、それぞれ保持器16、16により転動自在に保持している。尚、図示の例では、転動体として玉5、5を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。
【0005】
又、上記内輪4の内端部外周面には、前記エンコーダ6を外嵌固定している。このエンコーダ6は、支持環18と、この支持環18の側面に全周に亙って添着支持された、円輪状のエンコーダ本体19とから成る。このエンコーダ本体19は、ゴム磁石、プラスチック磁石、フェライト磁石等の永久磁石で、軸方向(図5の左右方向)に亙って着磁されている。着磁方向は、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で変化している。従って、上記エンコーダ本体19の軸方向片側面には、円周方向に亙ってN極とS極とが、交互に且つ等間隔で配置されている。一方、上記支持環18は、金属板(好ましくは軟鋼板等の磁性金属板)を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成したもので、円筒部20とこの円筒部20の端部から直径方向外方に直角に折れ曲がった円輪部21とから成る。この様な支持環18は、上記円筒部20の一端部を上記内輪4の内端部に、締り嵌めで外嵌する事により、この内輪4に支持固定している。又、上記エンコーダ本体19は、上記円輪部21の片側面に、接着、焼き付け(ゴム磁石の場合)、自身の磁気吸着力等により、添着支持されている。
【0006】
又、前記外輪2の内端部にはシールリング22を内嵌固定し、このシールリング22のシールリップを、上記支持環18に摺接させている。一方、上記外輪2の外端部には別のシールリング23の外周縁を支持し、このシールリング23の内周縁に設けた各シールリップを、前記ハブ3の中間部外周面に摺接させている。これら両シールリング22、23は、前記各玉5、5を設置した空間24内に、雨水や塵芥等の異物が入り込む事を防止すると共に、この空間24内に充填したグリースが外部に漏洩する事を防止する。
【0007】
更に、上記外輪2の外周面には、外向フランジ状の取付部25を設けている。回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1を自動車に組み付けた状態で、上記取付部25は、懸架装置を構成するナックル26に、図示しないボルトにより結合固定する。又、このナックル26には、前記センサ7が支持固定されている。即ち、このセンサ7をこのナックル26に形成した取付孔17に、外径側から内径側に向け挿通した状態で、上記センサ7の基部に設けた取付フランジ27を、ねじ28により上記ナックル26に結合固定している。この状態で上記センサ7の検出部29は、前記エンコーダ本体19の側面に、微小隙間を介して対向する。
【0008】
上述の様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1により、車輪を懸架装置に対し回転自在に支持するには、上述した様に、上記外輪2を取付部25によりナックル26に結合固定すると共に、前記フランジ8に車輪を固定する。この様にして懸架装置に支持した車輪が回転すると、上記センサ7の検出部29の近傍を、上記エンコーダ本体19の側面に設けたS極とN極とが交互に通過する。この結果、上記センサ7の出力が、上記車輪の回転速度に比例する周波数で変化する。従って、このセンサの出力を図示しない制御器に送れば、上記車輪の回転速度を検出して、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す様な従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1の場合には、車輪と共に回転するエンコーダ6が外部に露出している為、次の▲1▼▲2▼の様な問題を生じる。
▲1▼エンコーダ6或はセンサ7が、凍結に基づいて破損する可能性がある。
即ち、互いに近接して設けられたエンコーダ6とセンサ7との間に付着した水が凍結した状態で自動車を発進させると、これらエンコーダ6とセンサ7との一方又は双方が破損する可能性がある。
▲2▼エンコーダ本体19に異物が付着して誤作動の原因となる。
即ち、自動車が走行する路面には鉄片、鉄粉等の強磁性体の小片、粉末が存在し、自動車の走行に伴って巻き上げられる場合がある。この様な強磁性体の、小片、粉末が上記エンコーダ本体19に付着すると、このエンコーダ本体19の円周方向に亙る規則的、周期的な磁気変化が乱れ、正確な回転速度検出を行なえなくなる可能性がある。
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この様な不都合を何れも解消すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、その端部に車輪を支持する為のフランジを有する回転部材と、この回転部材の外周面に設けられた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転部材の一部にこの回転部材と同心に支持され、円周方向に亙って磁気特性又は導電特性を交互に変化させた円環状のエンコーダと、その検出部をこのエンコーダの被検出部に対向させた状態で、懸架装置に支持されたセンサとを備える。又、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、エンコーダの被検出面及びセンサ検出部の面が、カバーのシャーレ底面に相当する面を介して対向している。
特に、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記外輪の外周面に、この外輪を上記懸架装置に結合固定する為の外向フランジ状の取付部を設けている。又、この外輪の内端部で、この取付部の内端面よりも軸方向内方に突出した部分を、上記懸架装置の開口部の内径側に挿入している。上記外輪の開口端部は、上記回転部材の軸方向端部を覆う非磁性材製のカバーにより塞がれており、このカバーは板材によりシャーレ状に形成されたものである。又、上記センサは、上記懸架装置に外径側から内径側に形成した取付孔に外径側から内径側に向け挿通し、センサの検出部を懸架装置の内径面から突出させた状態で、このセンサの基部に設けた取付フランジをねじにより上記懸架装置に結合固定したものである。又、このセンサのうちで、上記取付孔を通じてこの懸架装置の内径側に挿入され懸架装置の内径面から突出させた部分は、上記外輪のうちで、この懸架装置の開口部の内径側に挿入された部分よりも軸方向内方に位置している。そして、上記エンコーダの被検出部はこのカバーの片面に近接対向し、上記センサの検出部はこのカバーの他面に近接して、この検出部と上記エンコーダの被検出部とが、このカバーを介して対向している。
更に、請求項2に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記外輪の開口端部はカバーにより塞がれており、上記センサの検出部はこのカバーに形成した通孔を通じてこのカバー内に挿入されており、この通孔の内周縁と上記センサの外周面との間は、この通孔の内周縁部に焼き付けたシール又はシール材により密封されている。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、センサとエンコーダとの間に水や、鉄片、鉄粉(強磁性体)や磁気を帯びた破片等が入り込む事はない。この為、凍結に基づくセンサやエンコーダの破損を防止すると共に、このエンコーダの規則的、周期的な磁気特性変化を乱したり劣化させたりする事を防止できる。又、本発明の場合には、外輪の内端開口部をカバーにより覆い、この内端開口部を密閉しているので、前述の図5に示した従来構造の様に、相手面と摺動するシールリップを有するシールリングが不要になる。この為、上記内端開口部の密封性の向上、コストダウンの他、転がり軸受ユニットの回転トルクの低減を図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、アクティブ型又はパッシブ型のセンサ7による回転速度検出を自在としたまま、エンコーダ6部分に水、鉄片、鉄粉(強磁性体)や磁気を帯びた破片等の異物が入り込むのを防止する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0013】
外輪2の内端(図1の右端)開口部は、カバー30により塞いでいる。このカバー30は、非磁性のステンレス鋼板、アルミニウム合金板、高機能樹脂等の非磁性の板材によりシャーレ状に形成したもので、円形の塞ぎ板部31と、この塞ぎ板部31の外周縁部に形成した円筒状の嵌合部32とから成る。この様なカバー30は、この嵌合部32を上記外輪2の内端部に、締り嵌めで内嵌する事により固定し、この外輪2の内端開口部を塞いでいる。尚、エンコーダの被検出部の導電特性の変化を検出する、渦電流検出方式のアクティブセンサを使用する場合には、検出時にセンサから磁界が発生する為、上記カバー30は、非磁性であるだけでなく、非導電性である事も必要である。従って、この様なセンサを使用する場合には、上記カバー30を合成樹脂等の、非磁性且つ非導電性の材料により造る必要がある。
【0014】
この状態でエンコーダ6を構成するエンコーダ本体19の側面は、上記カバー30の片面(図1の左側面)に近接対向している。これに対して、センサ7の検出部29の検出面(図1の左側面)は、上記カバー30の他面(図1の右側面)に近接若しくは当接している。従って、上記検出部29の検出面と上記エンコーダ6のエンコーダ本体19とは、上記カバー30を介して近接対向している。
【0015】
上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記カバー30の存在に基づき、上記センサ7とエンコーダ6との間に、水や鉄片、鉄粉、磁気を帯びた破片等が入り込む事はない。この為、凍結に基づくセンサ7やエンコーダ6の破損を防止すると共に、このエンコーダ6を構成するエンコーダ本体19の側面の規則的、周期的な磁気特性変化を乱したり劣化させたりする事を防止できる。上記カバー30は非磁性材製である為、このカバー30の存在が、上記センサ7による回転速度検出の妨げになる事はない。
【0016】
次に、図2は、本発明の参考例を示している。本例の場合には、エンコーダ6aを構成する支持環18aを断面クランク状に形成し、永久磁石製のエンコーダ本体19aを円筒状に形成している。このエンコーダ本体19aは、直径方向(図2の上下方向)に亙って着磁している。着磁方向は、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で変化している。従って、上記エンコーダ本体19aの外周面には、円周方向に亙ってN極とS極とが、交互に且つ等間隔で配置されている。この様なエンコーダ本体19aは、外輪2の端部開口よりも軸方向に突出した位置に配置されている。
【0017】
又、上記外輪2の内端開口部を塞ぐ非磁性材製のカバー30aを構成する嵌合部32aは、その先半部(図2の左半部)のみを上記外輪2の他端開口部に締り嵌めで内嵌している。上記嵌合部32aの基半部(図2の右半部)は、上記外輪2の端部開口よりも軸方向に突出している。上記エンコーダ本体19aは、この様な嵌合部32aの基半部の内径側に、この嵌合部32aの内周面との間に微小隙間を介在させた状態で位置する。
【0018】
一方、ナックル26に支持固定したセンサ7aの検出部29aは、先端面(図2の下端面)を検出面としている。そして、この検出面を、上記嵌合部32aの基半部外周面に、近接若しくは当接させている。この様な本例の場合も、上記センサ7aとエンコーダ6aとの間に、水や、鉄片、鉄粉、磁気を帯びた破片等が入り込む事を防止して、凍結に基づくセンサ7aやエンコーダ6aの破損を防止すると共に、このエンコーダ6aを構成するエンコーダ本体19aの周面の規則的、周期的な磁気特性変化を乱したり劣化させたりする事を防止できる。
【0019】
次に、図3は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、カバー30b(非磁性材でも磁性材でも良い)を構成する塞ぎ板部31の一部で、エンコーダ6を構成するエンコーダ本体19の側面に対向する部分に、通孔33を形成している。そして、この通孔33内に、ナックル26に支持固定したセンサ7bの検出部29bを挿入し、この検出部29bの先端面である検出面を、上記エンコーダ本体19の側面に近接対向させている。
【0020】
上記通孔33の内周縁部には、ゴム製のシール34が上記カバー30bに焼き付ける事により形成されており、上記センサ7bの外周面と上記通孔33の内周縁との間の隙間は、上記シール34により密封している。この様な本例の場合も、上記センサ7bとエンコーダ6との間に、水や、鉄片、鉄粉、磁気を帯びた破片等が入り込む事を防止して、凍結に基づくセンサ7bやエンコーダ6の破損を防止すると共に、このエンコーダ6を構成するエンコーダ本体19の側面の規則的、周期的な磁気特性変化を乱したり劣化させたりする事を防止できる。
【0021】
次に、図4は、やはり請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、前述した参考例の場合と同様に、エンコーダ6aを構成する支持環18aを断面クランク状に形成し、永久磁石製のエンコーダ本体19aを円筒状に形成している。このエンコーダ本体19aは、直径方向(図4の上下方向)に亙って着磁している。着磁方向は、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で変化している。従って、上記エンコーダ本体19aの外周面には、円周方向に亙ってN極とS極とが、交互に且つ等間隔で配置されている。この様なエンコーダ本体19aは、外輪2の端部開口よりも軸方向に突出した位置に配置している。
【0022】
又、上記外輪2の内端開口部を塞ぐカバー30a(非磁性材製でも磁性材製でも良い)を構成する嵌合部32aは、その先半部(図4の左半部)のみを上記外輪2の内端開口部に締り嵌めで内嵌している。上記嵌合部32aの基半部(図4の右半部)は、上記外輪2の端部開口よりも軸方向に突出している。上記エンコーダ本体19aは、この様な嵌合部32aの基半部の内径側に位置する。又、上記嵌合部32aの基半部で上記エンコーダ本体19aの外周面と対向する部分には、通孔33aを形成している。
【0023】
一方、ナックル26に支持固定したセンサ7aの検出部29aは、先端面(図4の下端面)を検出面としている。そして、この検出部29aの先端部(図4の下端部)を上記通孔33aに挿通した状態で、上記検出面を上記エンコーダ本体19aの外周面に近接対向させている。そして、上記通孔33aの内周縁と上記検出部29aの先端部外周面との間に存在する隙間を、シール34により塞いでいる。この様な本例の場合も、上記センサ7aとエンコーダ6aとの間に、水や、鉄片、鉄粉、磁気を帯びた破片等が入り込む事を防止して、凍結に基づくセンサ7aやエンコーダ6aの破損を防止すると共に、このエンコーダ6aを構成するエンコーダ本体19aの周面の規則的、周期的な磁気特性変化を乱したり劣化させたりする事を防止できる。
【0024】
尚、図示の各例は何れも、エンコーダ6、6aとして、永久磁石製のエンコーダ本体19、19aを有するものを使用しているが、本発明を実施する場合に、エンコーダは必ずしも永久磁石でなくても良い。例えば、磁性金属板にスリット、切り欠き等の除肉部と、柱部、突片等の充実部とを、円周方向に亙って交互に配置したものでも良い。この場合には、センサ7、7a、7bの側に永久磁石を内蔵させる。
【0025】
又、図示の各例は、何れも磁気特性変化を検出する為にアクティブ型のセンサを使用した場合に就いて説明したが、使用するセンサがパッシブ型の場合でも同様である。更には、エンコーダの被検出部の導電特性の変化を検出する、渦電流検出方式のアクティブ型のセンサに就いても、同様である。即ち、渦電流検出方式のアクティブ型のセンサを利用して回転速度検出を行なう場合も、エンコーダの被検出部に鉄片、鉄粉、磁気を帯びた破片等が付着すると、この被検出部の導電特性が変化し、上記センサによる検出性能に影響を与える。更に、検出時には上記センサにより磁界を発生させるが、この磁界にも影響を与えて、回転速度検出に悪影響を及ぼす。従って、渦電流検出方式のアクティブ型のセンサを利用して回転速度検出を行なう構造に就いても、前述した実施の形態と同様にして、回転速度検出の信頼性向上を図れる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用する為、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの耐久性及び信頼性を確保して、厳しい使用条件の下でも、ABSやTCS等を、長期間に亙り安定して動作させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。
【図2】
本発明の参考例を示す半部断面図。
【図3】
本発明の実施の形態の第2例を示す半部断面図。
【図4】
同第3例を示す半部断面図。
【図5】
従来構造の1例を示す半部断面図。
【符号の説明】
1 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 内輪
5 玉
6、6a エンコーダ
7、7a、7b センサ
8 フランジ
9 第一の内輪軌道
10 段部
11 第二の内輪軌道
12 かしめ部
13 段差面
14 第一の外輪軌道
15 第二の外輪軌道
16 保持器
17 取付孔
18、18a 支持環
19、19a エンコーダ本体
20 円筒部
21 円輪部
22 シールリング
23 シールリング
24 空間
25 取付部
26 ナックル
27 取付フランジ
28 ねじ
29、29a、29b 検出部
30、30a、30b、30c カバー
31 塞ぎ板部
32、32a 嵌合部
33、33a 通孔
34 シール
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2012-04-06 
結審通知日 2012-04-13 
審決日 2012-05-23 
出願番号 特願平11-55346
審決分類 P 1 123・ 121- ZA (F16C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鳥居 稔山崎 勝司  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 所村 陽一
冨岡 和人
登録日 2008-10-31 
登録番号 特許第4206550号(P4206550)
発明の名称 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット  
代理人 増井 和夫  
代理人 鳥居 和久  
代理人 齋藤 誠二郎  
代理人 特許業務法人貴和特許事務所  
代理人 橋口 尚幸  
代理人 橋口 尚幸  
代理人 齋藤 誠二郎  
代理人 特許業務法人貴和特許事務所  
代理人 増井 和夫  
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