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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1273103
審判番号 不服2010-23853  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-22 
確定日 2013-04-17 
事件の表示 特願2006-138579「ディミング回路を有するLED駆動回路」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月30日出願公開、特開2006-324671〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1 手続の経緯
本願は、平成18年5月18日(パリ条約による優先権主張 2005年5月18日 韓国)に特許出願したものであって、平成21年12月2日付けで手続補正がなされ、平成22年6月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月22日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、これと同時に手続補正がなされ、同不服審判請求の理由が平成23年2月9日付けで補充された後、当審において、平成24年4月17日付けで拒絶理由が通知され、同年7月12日に手続補正がなされたものである。

2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成24年7月12日になされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「電圧検出抵抗から検出された電圧によって幅が調整されるスイッチングパルスをスイッチに提供することによりスイッチのオン/オフ時間を制御するPWM駆動部を有するLED駆動回路において、
上記電圧検出抵抗から検出された電圧値と任意のディミング電圧値を比較する比較部と、
上記比較部から比較された電圧値が増加すると上記PWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン(on)時間を増加させ、上記比較部から比較された電圧値が減少するとPWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン時間を減少させる制御信号を生成するPWM制御部を含む赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路を含み、
使用者によって上記赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部と、
内蔵しているメモリ部に貯蔵されているプログラムにより上記操作部の操作に伴う輝度調整信号を生成するマイクロコントローラと、
上記マイクロコントローラから生成された輝度調整信号を上記ディミング電圧で出力するデジタル-アナログ変換部を具備して上記出力されたディミング電圧を比較部に伝達し、
上記ディミング電圧値に伴いPWM駆動部から出力されるスイッチングパルス幅を制御することによりLEDの輝度を調整し、
上記赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路に対し1つのマイクロコントローラが適用されることを特徴とするディミング回路を有するLED駆動回路。」

3 先願明細書の記載、先願発明及び周知技術
(1)先願明細書の記載
本願の優先日前の国際特許出願であって、本願の優先日後に国際公開がされた特願2007-504024号(以下「先願」という。国際出願番号:PCT/US2005/008542、国際出願日:2005年3月14日、国際公開番号:WO2005/089309、国際公開日:2005年9月29日、国内公表番号:特表2007-529872号)の、国際出願日における明細書(以下「先願明細書」という。)には、次の記載がある。
なお、以下においては、国際公開における記載箇所を示し、訳文をかっこ書きで付した。また、下線は当審にて付した。

ア “The term "controller" is used herein to describe various apparatus relating to the operation of one or more other devices. A controller can be implemented in numerous ways, such as with dedicated hardware including various analog and/or digital circuitry, by employing one or more microprocessors or other programmable devices configured to execute predetermined algorithms (e.g., programmed using software or microcode) to perform the various functions discussed herein, or as a combination of dedicated hardware to perform some functions and programmed microprocessors and associated circuitry to perform other functions. The term "processor" generally refers to a controller that includes one or more microprocessors or other programmable devices. ”(第25頁第30行?第26頁第6行)

(用語「コントローラ」は、本明細書においては、1つまたは2つ以上の他のデバイスの動作に関係する、様々な装置を説明するのに使用する。コントローラは、多数の方法で実現することが可能であり、それは例えば、様々なアナログ/ディジタル回路を含む専用ハードウエアを用いるか、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサあるいは(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコードを使用してプログラムされている)所定のアルゴリズムその他のプログラム可能デバイスを使用するか、または本明細書において考察した様々な機能を実行するか、またはいくつかの機能を実行するための専用のハードウエアと、その他の機能を実行するためのプログラムされたマイクロプロセッサおよび関連する回路の組み合わせとして、などである。用語「プロセッサ」は、全般的に、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサまたはその他のプログラム可能デバイスを意味する。)

イ “In various implementations, a controller or processor may be associated with one or more storage media (generically referred to herein as "memory," e.g., volatile and non-volatile computer memory such as RAM, PROM, EPROM, and EEPROM, floppy disks, compact disks, optical disks, magnetic tape, etc.). In some implementations, the storage media may be encoded with one or more programs that, when executed on one or more processors/controllers, perform at least some of the functions discussed herein. Various storage media may be fixed within a processor/controller or may be transportable, such that the one or more programs stored thereon can be loaded into a processor/controller so as to implement various aspects of the present disclosure discussed herein. The terms "program" or "computer program" are used herein in a generic sense to refer to any type of computer code (e.g., software or microcode) that can be employed to program one or more processors/controllers.”(第26頁第7?18行)

(様々な実装形態において、コントローラまたはプロセッサは、1つまたは2つ以上の記憶媒体に関連する(本明細書においては総称的に「メモリ」と呼び、例えば、RAM、PROM、EPROM、およびEEPROMなどの揮発性および不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、その他である)。いくつかの実装形態において、記憶媒体は、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラ上で実行されると、本明細書で考察した機能の少なくとも一部を実行する、1つまたは2つ以上のプログラムでコード化してもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ/コントローラ内に固定するか、または輸送可能として、それによって、それに記憶された1つまたは2つ以上のプログラムをプロセッサ/コントローラにロードして、本明細書で考察した本開示の様々な観点を実施するようにしてもよい。用語「プログラム」または「コンピュータプログラム」は、本明細書においては、総称的に、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラをプログラムするのに使用することのできる、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコード)を指すのに使用する。)

ウ “More specifically, one type of load of interest for a streamlined power supply / control configuration according to various embodiments of the present disclosure is a lighting apparatus including one or more light-emitting diode (LED) light sources whose perceived brightness may be varied based on modulated pulsed power delivery. To facilitate a discussion of improved power control methods and apparatus according to various embodiments of the present disclosure using an LED-based lighting apparatus as an exemplary load, it is instructive to first discuss one conventional arrangement in which a switching power supply including a DC-DC converter provides power via a regulated DC output voltage to an LED-based lighting apparatus.”(第31頁第12?20行)

(より詳細には、本開示の様々な態様による、簡略化された電源/制御構成に対して関心のある1つのタイプの負荷は、その認知輝度(perceived brightness)を変調パルス電力配給に基づいて変えることのできる、1つまたは2つ以上の発光ダイオード(LED)光源を含む、ライティング装置である。例示的負荷としてLEDベースライティング装置を使用する、本開示の様々な態様による改良型電力制御方法および装置の考察を容易にするために、調整DC出力電圧を介してDC‐DC変換器を含むスイッチング電源がLEDベースライティング装置に電力を供給する、1つの従来型配設について最初に考察するのが有益である。)

エ “The embodiment of Fig.15 includes some features discussed above in connection with Fig.7 regarding a conventional "current-mode" switching regulator. For example, in Fig.15, an input current sensing device 60, illustrated as a resistor R_(sense), is employed to sample the inductor current I_(L) when the switch 214 is on or closed (this essentially amounts to sensing the input current I_(in)). Additionally, the switch controller 204 includes a comparator 62, a pulse width modulator 36, and an oscillator 26 that provides to the pulse width modulator a pulse stream 42 having a frequency f. As in Fig.7, one exemplary implementation of the pulse width modulator 36 is a D-type flip-flop with set and reset control, wherein the oscillator 26 provides the pulse stream 42 to the "Set" input of the flip-flop (low activated, S^( ̄)), the comparator 62 provides a signal 64 to the "Reset" input of the flip-flop (low activated, R^( ̄)), and the flip-flop's "Q" output provides a pulse width modulated control signal 216 to the switch 214. ”(第42頁第16?27行)

(図15の態様は、従来型「電流モード」スイッチング調整器に関して、図7に関係して上記で考察したいくつかの特徴を含む。例えば、図15において、抵抗器R_(sense)として示されている入力電流検知デバイス60を使用して、スイッチ214がオンまたは閉止のときにインダクタ電流I_(L)をサンプリングする(これは、本質的に、入力電流I_(in)を検知することになる)。さらに、スイッチコントローラ204は、コンパレータ62、パルス幅変調器36、および周波数fを有するパルスストリーム42をパルス幅変調器に供給する、発振器26を含む。図7における場合のように、パルス幅変調器36の1つの例示的実装形態は、セットおよびリセット制御を含むD型フリップフロップであり、この場合に、発振器26はフリップフロップの「セット」入力にパルスストリーム42を供給し(ロー起動、S ̄( ̄はSのアッパーライン。以下同じ。))、コンパレータ62は、フリップフロップの「リセット」入力に信号64を供給し(ハイ起動、R ̄( ̄はRのアッパーライン。以下同じ。))、フリップフロップの「Q」出力は、スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する。)

オ “For example, Fig.18 is a diagram illustrating a power control apparatus 200 according to yet another embodiment of the present disclosure, in which both the duty cycle and effective switching frequency of the switch 214 may be controlled to control power to the load 218. In the embodiment shown in Fig.18, the load is illustrated as a light source including one or more LEDs 100. As discussed above in connection with Figs.10 and 11, for loads including multiple LEDs, the LEDs may be interconnected in any of a variety of serial, parallel, or serial/parallel arrangements. Additionally, according to different aspects of this embodiment, the light source may include multiple same-color LEDs and/or LEDs of different colors.”(第52頁第8?16行)

(例えば、図18は、本開示のさらに別の態様による電力制御装置200を示す図であり、この装置では、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することができる。図18に示す態様においては、負荷は、1つまたは2つ以上のLED100を含む光源として示してある。図10、11と関係して複数LEDを含む負荷について上記で考察したように、LEDは、種々の直列、並列、または直列/並列配設の任意の方法で相互接続してもよい。さらに、この態様の異なる観点によれば、光源には複数の同色LEDおよび/または異色LEDを含めることができる。)

カ “In one aspect, the power control apparatus 200 of Fig.18 is based on the configuration shown in Fig.15, in that the monitored parameter 206 provided to the switch controller 204 (which parameter relates to the power supplied to the power control apparatus) is a sensed voltage V_(sense) representing the input current I_(in) (via the inductor current I_(L) as sampled by the resistor R_(sense) when the switch 214 is on or closed). In the embodiment of Fig.18, the energy transfer arrangement 202 is illustrated as a buck converter configuration including the diode 24, capacitor 34, and inductor 220 (e.g., see Fig.1 for an example of a buck converter configuration). The buck converter configuration is different from the buck-boost converter configuration shown in the energy transfer arrangement 202 of Fig.13, and is shown in Fig.18 to again highlight that various converter configurations may be employed in the energy transfer arrangement 202 according to different embodiments of a power control apparatus 200. ”(第52頁第17?28行)

(一観点においては、図18の電力制御装置200は、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が、(スイッチ214がオンまたは閉止の場合に、抵抗器R_(sense)によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)である点において、図15に示す構成に基づいている。図18の態様において、エネルギー伝達要素202は、ダイオード24、キャパシタ34、およびインダクタ220を含む、バック変換器構成として示してある(例えば、バック変換器構成の例については図1を参照)。バック変換器構成は、図13のエネルギー電圧配設202におけるバック・ブースト変換器構成とは異なり、図18においては、様々な変換器構成を、電力制御装置200の異なる態様によるエネルギー伝達配設202に使用できることを、再び強調するために示してある。)

キ “In the embodiment of Fig.18, as mentioned above, the switch controller 204 employs a variety of features to facilitate control of both the duty cycle and the effective switching frequency of the switch 214. To this end, in one aspect of this embodiment the switch controller 204 includes a processor 250 that receives the input information 208 representing a desired load power. In response to the input information 208, the processor 250 is configured to provide as outputs the voltage set point V_(sp) (which ultimately determines the duty cycle of the switch 214) as well as the modified pulse stream 42' having a frequency f_(eff) (which determines the effective switching frequency of the switch 214). As shown in Fig.18, according to another aspect, the processor 250 is configured to implement the functions of the pulse generation controller 230 discussed above in connection with Fig.17 so as to provide the modified pulse stream 42'. The other illustrated components of the switch controller 204, namely the comparator 62 and the pulse width modulator 36, function as discussed above in connection with Fig.15, based on the outputs V_(sp) and the modified pulse stream 42' provided by the processor 250. ”(第53頁第10?24行)

(図18の態様においては、上述のように、スイッチコントローラ204は、様々な機能を使用して、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方の制御を容易にする。この目的で、この態様の一観点においては、スイッチコントローラ204には、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る、プロセッサ250を含めてある。入力情報208に応答して、プロセッサ250は、出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)、ならびに(スイッチ214の有効スイッチング周波数を決定する)周波数f_(eff)を有する修正パルスストリーム42’を供給するように構成されている。図18に示すように、別の態様によれば、プロセッサ250は、図17と関係して上記で考察したパルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって修正パルスストリーム42’を供給するように構成されている。スイッチコントローラ204のその他の図示した構成要素、すなわちコンパレータ62およびパルス幅変調器36は、図15と関係して上記で考察したように、プロセッサ250によって供給される出力V_(sp)および修正パルスストリーム42’に基づいて機能する。)

ク Fig.15及びFig.18は、次のものである。

ケ 上記アないしキを踏まえて、Fig.15及びFig.18をみると、電力制御装置200は、スイッチコントローラ204、スイッチ214及び抵抗器R_(sense)60を含み、スイッチコントローラ204は、コンパレータ62、パルス幅変調器36及びプロセッサ250からなり、プロセッサ250はパルス生成コントローラ230を含み、コンパレータ62の-入力側には、(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)であって、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が入力され、コンパレータ62の+入力側には、プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力され、コンパレータ62の出力64はパルス幅変調器36のR ̄入力側に入力されることが理解できる。

(2)先願発明
上記(1)エにおける、パルス幅変調器36の「セット」入力に供給される信号である「パルスストリーム42」は、上記(1)キにおけるパルス幅変調器36の「セット」入力に供給される信号である「修正パルスストリーム42’」と同じ機能を有する信号であるから、上記(1)アないしケによれば、先願明細書には、次の発明が記載されているものと認められる(以下「先願発明」という。)。
「スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することで(変調パルス電力配給に基づいて)前記負荷218の認知輝度を変えることができる電力制御装置200であって、
前記負荷218は、1つまたは2つ以上のLED100を含む光源であって、前記LED100は、種々の直列、並列、または直列/並列配設の任意の方法で相互接続してもよく、前記光源には複数の同色LEDおよび/または異色LEDを含めることができ、
前記電力制御装置200は、スイッチコントローラ204、スイッチ214及び抵抗器R_(sense)60を含み、スイッチコントローラ204は、コンパレータ62、パルス幅変調器36及びプロセッサ250からなり、プロセッサ250はパルス生成コントローラ230を含み、
前記スイッチコントローラ204の前記プロセッサ250は、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取り、
前記プロセッサ250は、パルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって、前記入力情報208に応答して、出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)、ならびに(スイッチ214の有効スイッチング周波数を決定する)周波数f_(eff)を有する修正パルスストリーム42’を供給するように構成され、
前記スイッチコントローラ204またはプロセッサ250は、メモリに関連し、前記メモリは、プロセッサ250/スイッチコントローラ204上で実行されると、機能の少なくとも一部を実行する、1つまたは2つ以上のプログラムでコード化してもよいものであり、
前記スイッチコントローラ204のその他の構成要素、すなわちコンパレータ62およびパルス幅変調器36は、プロセッサ250によって供給される出力V_(sp)および修正パルスストリーム42’に基づいて機能し、
前記コンパレータ62の-入力側には、(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)であって、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が入力され、コンパレータ62の+入力側には、プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力され、コンパレータ62の出力64はパルス幅変調器36のR ̄入力側に入力され、
前記パルス幅変調器36は、セットおよびリセット制御を含むD型フリップフロップであり、前記フリップフロップの「セット」入力に(プロセッサ250が)修正パルスストリーム42’を供給し(ロー起動、S ̄)、フリップフロップの「リセット」入力に(コンパレータ62が)信号64を供給し(ハイ起動、R ̄)、前記フリップフロップの「Q」出力は、スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する電力制御装置200。」

(3)周知技術
ア 本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2004-4193号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0001】【発明の属する技術分野】
本発明は、複数色の光を発光可能な発光素子(例えば、R,G,Bの3色LED)における各発光色の輝度を変化させることにより複数色の表示を行うカラー表示装置、方法及びプログラムの改良に関する。・・・
【0003】カラー表示装置の具体例として、例えば表示部を備えた操作パネルのバックライト照明において、R、G、Bの3色のLEDを、表示用マイコンによるPWM(パルス幅変調)駆動で所望の明るさに制御することにより、所望の色調やその変化を実現するものが提案されている。ここで、PWM駆動では、図7の概念図に示すように、一定輝度で光るか光らないかしか制御できない発光体について、十分短い単位時間サイクル(例えば数ミリ?数十ミリ秒程度)あたりの発光時間を制御することで、目の残像現象等により、所望の中間的な明るさを実現するものである。
【0004】この種のカラー表示装置の機能として、予め用意された各色のR,G,Bの各輝度値による照明に加え、予め用意されたうち所望の色の輝度値をもとに、R,G,Bを適宜加減する色調整(輝度調整)を加えてユーザーのオリジナルカラーを作成し、これを記憶させて照明で光らせるものがある。このときの色調整を行う動作モードを、仮に「ユーザーカラー選択モード」と呼ぶ。・・・
【0007】RGB各色についてユーザにそれぞれ128段階調節を行わせると、キー操作の回数やRGBの組合せが爆発的に増加し処理が複雑化する問題があるが、このようなステップを用いることによりRGB各色の輝度を9段階から選べば済むので、上記のような複雑化の問題も回避される。」
(イ)「【0027】輝度値変更部223は、操作キー25から入力されるキー操作に応じて、選択される基本色に対応する輝度値のうち所望のものを変更すると共に、変更に係る輝度値が前記刻みメモリ222に記憶されているいずれの刻み値とも一致しない場合は、その輝度値の変更のとき刻みメモリ222に記憶されているいずれかの刻み値に一致させる、輝度値変更手段である。このような輝度値の変更を「輝度調整」と呼ぶ。」

イ 本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平11-266295号公報(以下「刊行物2」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機のバックライトの表示色を選択する装置と方法に関する。・・・
【0003】また、従来の別のバックライトの色調を可変するものとしては、特開平8-125729号公報に記載されているものがある。これは、赤、緑、青に発光する発光素子とスライド式のバックライト色調調整スイッチとを備え、この調整スイッチにより設定された色調に応じた電流を3つの発光素子に供給して好みのバックライト表示色を得るものである。」
(イ)「【0020】上記のような構成をとることにより、本発明は、パルス幅変調回路から出力されるパルスのパルス幅を個別に変化させ、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青発光ダイオードに流れる平均電流を変化させて、各発光ダイオードの発光輝度を個別に調整することにより、ユーザーの好みに合った携帯電話機の自由なバックライト表示色を提供することを目的とする。・・・
【0022】図1は、本発明の第1の実施例の要部構成を示す図である。図に示すように、本実施例は、制御手段2に内蔵されパルス幅を変更する複数のPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)回路3?5と、複数のパルス幅変調回路3?5から出力されたパルスが入力される複数のLED駆動用トランジスタ6?8と、複数のLED駆動用トランジスタ6?8の出力で駆動されて、発光する複数の発光ダイオード9?11とから構成される。
【0023】図1に示すように、制御手段2の第1のPWM回路3の出力は、第1のLED駆動用トランジスタ6のベースに接続されている。第1のLED駆動用トランジスタ6のエミッタは接地され、コレクタの出力が赤色に発光する第1の発光ダイオード9に接続されている。
【0024】また、同じように第2のPWM回路4の出力は、第2のLED駆動用トランジスタ7のベースに接続され、第2のLED駆動用トランジスタ7のエミッタは接地され、コレクタの出力が緑色に発光する第2の発光ダイオード10に接続されている。
【0025】さらに、第3のPWM回路5の出力は、第3のLED駆動用トランジスタ8のベースに接続され、第3のLED駆動用トランジスタ8のエミッタは接地され、コレクタの出力が青色に発光する第3の発光ダイオード11に接続されている。
【0026】なお、第1?第3の発光ダイオード9?11を発光させる回路構成は共通であるので、ここでは、第1の発光ダイオード9を発光させる回路についてだけ説明し、その他の回路説明は省略する。」

ウ 本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平8-125729号公報(以下「刊行物3」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、操作、設定キーのバックライトを好みの色調に変化させて発光させることができるようにした通信装置に関する。・・・
【0003】【発明が解決しようとする課題】ところが、このようなバックライトによって得られる発光色は、LEDによる単色光であったために、色調の変化が乏しく、望みの色調の発光色が得られないという問題があった。本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、押しボタンなどの操作、設定キーのバックライトとして、使用者の趣味感に応じて好みの色調の発光色が得られる構造が簡単で、コストの低減化出来るバックライト色調可変機能を備えた通信装置を提供することを目的としている。」
(イ)「【0014】このような構成によれば、発光素子が発光しているときに、バックライト色調調整スイッチ8のつまみ8bを左右いずれかの方向へ移動させることによって、色調を変化させることもできる。図3は、第2実施例の通信装置1Bの押しボタン20の構造を示すものであって、基板21上には、赤、緑、青の光の3原色を発光する発光素子9D,9E,9Fを1つに内蔵させ、電流調整抵抗26A,26B,26Cを外付け接続した発光ダイオード9Gが配置され、この発光ダイオード9Gを覆うように、光散乱用透光板材22が配置され、この光散乱用透光板材22上にタクトスイッチ23が配設され、その上方部分に装置本体の上板24の開口部24aから外部に臨み、上下移動可能であって、上部側に向けて付勢配置された透明な押しボタン25からなる操作キーが配設されている。
【0015】そして、この押しボタン25を押すことによって、タクトスイッチ23がオンされて、その下に設けた発光ダイオード9Gが発光されるように構成されている。この例では、発光ダイオード9Gは、図4に示すように、赤、緑、青の光の3原色を発光する発光ダイオード9D,9E,9Fとで構成されているが、外付けされた可変抵抗26A,26B,26Cの抵抗値を変化させると、各発光素子9D,9E,9Fに流れる電流の大きさを変化させることによって、発光ダイオード9Gからの発光色が変化するようになっている。」
(ウ)「【0017】なお、以上の例では、バックライトの色調は、3つの発光ダイオードに通じる電流を電流制御部、抵抗素子によって制御する構成を示したが、このような方法以外に、発光ダイオードに供給する電流をパルス幅制御により行ってもよい。図6,図7は、この場合の実施例を示している。ハード構成は、図6に見るように、CPU1のI/Oポート5には、電流制御回路6に代えてバックライトパルス幅制御部11、バックライト電流テーブル7に代えてパルス幅データテーブル12を使用している。
【0018】CPU1は、スライド式色調調整スイッチ8が操作され、色調が設定されると、設定された値に応じた制御データをパルス幅データテーブル12から読出して、バックライトパルス幅制御部10に送出する。これに対して、バックライトパルス幅制御部10では、赤、緑、青の3つの発光ダイオード12A,12B,12Cに対して、パルス幅データテーブル12に格納された電流値を充すデューティ制御を行って、発光ダイオード12A,12B,12Cを点灯させる。
【0019】図7(a)?(c)は、パルス幅制御の一例を示したタイムチャートである。この例では、赤の発光ダイオード12Aには一定のパルス幅(デューティ=Ta)を持つ信号パルスが送出され、緑の発光ダイオード12Bには信号は送出されず(デューティ=0)、青の発光ダイオード12Cには赤の発光ダイオード12Aより小さいパルス幅(デューティ=Tb<Ta)が送出されており、全体として赤みのかかった紫の発光色が得られる。」

4 対比・判断
(1)本願発明と先願発明とを対比する。
ア 先願発明の「電力制御装置200」、「コンパレータ62」、「パルス幅変調器36」及び「プロセッサ25」は、本願発明の「LED駆動回路」、「比較部」、「PWM駆動部」及び「マイクロコントローラ」にそれぞれ相当し、先願発明は、本願発明の「PWM駆動部を有するLED駆動回路」との構成を備える。

イ 先願発明の「パルス幅変調器36」は、「スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給」するものであって、「コンパレータ62」を介して「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)」が入力されるもの、すなわち、「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)」によって「スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給」する「パルス幅変調器36」であり、先願発明の「パルス幅変調制御信号216をスイッチ214に供給するパルス幅変調器36」は、「パルス幅変調制御信号216をスイッチ214に供給」してスイッチ214のオン/オフ時間(パルス幅)を制御するものといえるから、本願発明の「幅が調整されるスイッチングパルスをスイッチに提供することによりスイッチのオン/オフ時間を制御するPWM駆動部」に相当する。
また、先願発明の「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)」は、本願発明の「電圧検出抵抗から検出された電圧」に相当する。
そうすると、先願発明の「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)」によって「スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給」する「パルス幅変調器36」を含む「電力制御装置200」は、本願発明の「電圧検出抵抗から検出された電圧によって幅が調整されるスイッチングパルスをスイッチに提供することによりスイッチのオン/オフ時間を制御するPWM駆動部を有するLED駆動回路」に相当する。

ウ 先願発明の「スイッチコントローラ204」は、「コンパレータ62、パルス幅変調器36及びプロセッサ250からなり」、「前記スイッチコントローラ204の前記プロセッサ250は、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取り」、「前記プロセッサ250は、パルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって、前記入力情報208に応答して、出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)、ならびに(スイッチ214の有効スイッチング周波数を決定する)周波数f_(eff)を有する修正パルスストリーム42’を供給するように構成されている」ものであるから、先願発明の「プロセッサ250」が出力する「(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)」は、「所望の負荷電力を表わす入力情報208に応答して出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)」であるといえる。
そして、上記「電圧設定点V_(sp)」は、上記「所望の負荷電力を表わす入力情報208に応答」して、「負荷218への電力を制御することで前記負荷218の認知輝度を変える」(ディミングする)ものであるから、上記先願発明の「(所望の)電圧設定点V_(sp)」は、本願発明の「(任意の)ディミング電圧値」であるといえる。
そうすると、先願発明の「コンパレータ62」は、「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)」と「(プロセッサ250からの出力として最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)所望の電圧設定点V_(sp)」を比較するものであるから、先願発明は、本願発明の「上記電圧検出抵抗から検出された電圧値と任意のディミング電圧値を比較する比較部」との構成を備える。

エ 先願発明の「コンパレータ62」は、「-入力側」には、「(抵抗器R_(sense)60によってサンプリングされるインダクタ電流I_(L)を介しての)入力電流I_(in)を表わす検知電圧V_(sense)であって、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が入力」され、「+入力側」には、「プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力」され、「出力64」は「パルス幅変調器36のR ̄入力側に入力される」ものである。
また、先願発明の「パルス幅変調器36」は、「セットおよびリセット制御を含むD型フリップフロップであり、前記フリップフロップの「セット」入力に(プロセッサ250が)修正パルスストリーム42’を供給し(ロー起動、S ̄)、フリップフロップの「リセット」入力に(コンパレータ62が)信号64を供給し(ハイ起動、R ̄)、前記フリップフロップの「Q」出力は、スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する」ものである。
そうすると、「コンパレータ62」において、「-入力側」の「検知電圧V_(sense)/監視パラメータ206」が、「+入力側」の「電圧設定点V_(sp)」より大きい値の間は、「出力64」はLowとなり、「パルス幅変調器36」の「リセット(R ̄)」入力には信号64が供給されず、パルスのオン時間が延び、逆に、「-入力側」の「検知電圧V_(sense)/監視パラメータ206」が「+入力側」の「電圧設定点V_(sp)」より小さい間は、「出力64」はHighとなり、「パルス幅変調器36」の「リセット(R ̄)」入力には信号64が供給されて、パルスのオン時間が延びないから、先願発明は、本願発明の「上記比較部から比較された電圧値が増加すると上記PWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン(on)時間を増加させ、上記比較部から比較された電圧値が減少するとPWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン時間を減少させる制御信号を生成するPWM制御部」の構成を備える。
したがって、先願発明の「パルス幅変調器36」は、本願発明の「PWM制御部」に相当し、また、上記ウでの検討に照らして、先願発明の「コンパレータ62」は、本願発明の「(上記電圧検出抵抗から検出された電圧値と任意のディミング電圧値を比較する)比較部」に相当するから、先願発明の「コンパレータ62およびパルス幅変調器36」は、本願発明の「LED用ディミング回路」に相当し、先願発明は、本願発明の「上記比較部から比較された電圧値が増加すると上記PWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン(on)時間を増加させ、上記比較部から比較された電圧値が減少するとPWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン時間を減少させる制御信号を生成するPWM制御部を含むLED用ディミング回路」の構成を備える。

オ 先願発明は、「スイッチコントローラ204またはプロセッサ250は、メモリに関連し、メモリは、プロセッサ250/スイッチコントローラ204上で実行されると、機能の少なくとも一部を実行する、1つまたは2つ以上のプログラムでコード化してもよいものであり」、「プロセッサ250はパルス生成コントローラ230の機能を実装して」、「スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する」することで「(変調パルス電力配給に基づいて)負荷218の認知輝度を変えることができる」ものであるから、「(関連している『メモリ』の『プログラムでコード化し』た機能により、変調パルス電力配給に基づいて)『負荷218の認知輝度を変えることができる』『パルス幅変調制御信号216を供給する』スイッチコントローラ204またはプロセッサ250」の構成を備えるものといえる。
したがって、先願発明は、本願発明の「(内蔵しているメモリ部に貯蔵されているプログラムにより)輝度調整信号を生成するマイクロコントローラ」との構成を備える。

カ 先願発明の「コンパレータ62」は、「+入力側」には、「プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力」され、「出力64」が「パルス幅変調器36のR ̄入力側に入力される」ものであり、先願発明の「パルス幅変調器36」は、「スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給」するものであるから、「コンパレータ62およびパルス幅変調器36」は、『+入力側』には、『プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力』され、『出力64』は『パルス幅変調器36のR ̄入力側に入力される』コンパレータ62および『スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給』するパルス幅変調器36」であるといえる。
そして、先願発明の「スイッチ214のデューティサイクルを決定する」ことは、本願発明の「スイッチングパルス幅を制御する」ことに相当し、先願発明の「変調パルス電力配給に基づいて負荷218の認知輝度を変える」ことは、本願発明の「LEDの輝度を調整する」ことに相当し、先願発明の「『コンパレータ62およびパルス幅変調器36』を有する『電力制御装置200』」は、本願発明の「ディミング回路を有するLED駆動回路」に相当し、上記ウでの検討のとおり、先願発明の「電圧設定点V_(sp)」は、本願発明の「ディミング電圧値」に相当し、上記エでの検討のとおり、先願発明の「((変調パルス電力配給に基づいて負荷218の認知輝度を変えることができる)コンパレータ62およびパルス幅変調器36」は、本願発明の「LED用ディミング回路」に相当するから、上記先願発明の「変調パルス電力配給に基づいて負荷218の認知輝度を変えることができる、『+入力側』には、『プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)が入力』され、『出力64』は『パルス幅変調器36のR ̄入力側に入力される』コンパレータ62および『スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給』するパルス幅変調器36』を有する『電力制御装置200』」は、本願発明の「ディミング電圧値に伴いPWM駆動部から出力されるスイッチングパルス幅を制御することによりLEDの輝度を調整するディミング回路を有するLED駆動回路」に相当する。

キ 以上によれば、本願発明と先願発明とは、
「電圧検出抵抗から検出された電圧によって幅が調整されるスイッチングパルスをスイッチに提供することによりスイッチのオン/オフ時間を制御するPWM駆動部を有するLED駆動回路において、
上記電圧検出抵抗から検出された電圧値と任意のディミング電圧値を比較する比較部と、
上記比較部から比較された電圧値が増加すると上記PWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン(on)時間を増加させ、上記比較部から比較された電圧値が減少するとPWM駆動部から出力されるスイッチングパルスのオン時間を減少させる制御信号を生成するPWM制御部を含むLED用ディミング回路を含み、
内蔵しているメモリ部に貯蔵されているプログラムにより輝度調整信号を生成するマイクロコントローラと、
上記ディミング電圧値に伴いPWM駆動部から出力されるスイッチングパルス幅を制御することによりLEDの輝度を調整するディミング回路を有するLED駆動回路。」
である点で一致し、

(ア)本願発明の「LED用ディミング回路」は、「赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路を含み」、「使用者によって上記赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部」を含み、「マイクロコントローラ」が「操作部の操作に伴う輝度調整信号を生成」し、「赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路に対し1つのマイクロコントローラが適用される」のに対して、先願発明の「コンパレータ62およびパルス幅変調器36」は、「赤色、青色及び緑色」用の回路を含むか否か明らかではなく、「使用者によって上記赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部」を備えるか否か明らかではなく、「マイクロコントローラ」が「(内蔵しているメモリ部に貯蔵されているプログラムにより)上記操作部の操作に伴う輝度調整信号を生成」し、「赤色、青色及び緑色」用の回路に対し1つのマイクロコントローラが適用されるか否か明らかではない点(以下「相違点1」という。)、及び、

(イ)本願発明の「LED駆動回路」は、「マイクロコントローラから生成された輝度調整信号を上記ディミング電圧で出力するデジタル-アナログ変換部を具備して上記出力されたディミング電圧を比較部に伝達し」ているのに対して、先願発明の「電力制御装置200」は、「プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)を」をデジタル-アナログ変換部で変換して「コンパレータ62の+入力側に」伝達しているか否か明らかではない点(以下「相違点2」という。)、
で一応相違するものと認められる。

(3)上記相違点について検討する。
ア 相違点1について検討する。
(ア)先願発明の「LED」は、「種々の直列、並列、または直列/並列配設の任意の方法で相互接続してもよく、光源には複数の同色LEDおよび/または異色LEDを含めることができ」るものであるところ、「異色LED」として、周知のRGBの3色「赤色、青色及び緑色」のLEDを用いることは、当業者として普通に理解し得ることというべきであり、この際、先願発明の「コンパレータ62およびパルス幅変調器36」を、1つのマイクロコントローラが適用される「赤色、青色及び緑色」用の回路により、「赤色、青色及び緑色」のLED毎にPWM制御する構成となすことも、当業者が設計上適宜採用し得る具体化手段にすぎない。
(イ)さらに、先願明細書には、「スイッチコントローラ204には、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る、プロセッサ250を含めてある。」(3(1)キ)と記載されているところ、「所望の負荷電力を表わす入力情報208」をどのように定めるか明らかではないが、「LEDの輝度を調整するため」に「使用者によって赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部」を設けることは、本願の優先日時点で周知であることに照らして(必要なら、上記3(3)アないしウに示した刊行物1ないし3を参照)、「使用者によって赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部」を設けることは、当業者が設計上適宜採用し得る具体化手段にすぎない。
(ウ)上記の検討に照らして、相違点1に係る本願発明の構成は、先願発明において設計上定められるべき事項を単に特定したにとどまるものであって、技術的思想、すなわち発明としての差異を生じるものということはできない。

イ 相違点2について検討する。
先願明細書には、「図18に示すように・・・プロセッサ250は・・・パルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって修正パルスストリーム42’を供給するように構成されている。スイッチコントローラ204のその他の図示した構成要素、すなわちコンパレータ62およびパルス幅変調器36は・・・プロセッサ250によって供給される出力V_(sp)および修正パルスストリーム42’に基づいて機能する。」(3(1)キ)と記載されているところ、プロセッサ250はデジタル回路であり、コンパレータ62はアナログ回路であって、その間でデジタル-アナログ変換することは明らかであることに照らして、「プロセッサ250」と「コンパレータ62」の間にデジタル-アナログ変換部を介在させ、「プロセッサ250からの出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点V_(sp)」をデジタル-アナログ変換して「コンパレータ62の+入力側に」伝達することは、先願発明を具体化する上で当然なされることであって、先願発明も当然に備えている構成と解されるので、上記相違点2は実質的な差異とは認められない。

(4)請求人は、当審において平成24年4月17日付けで通知した拒絶理由に対する同年7月12日付けの意見書において、「しかしながら、本願は、赤色、緑色及び青色LEDの光量を調整して輝度、色温度などを調整するか、または温度補償などのためLEDの輝度を調整するディミング回路を有するLED駆動回路において(発明の詳細な説明の段落【0003】ないし【0004】)、赤色、緑色及び青色LEDの輝度を調節するとき、赤色、緑色及び青色LEDごとに異なる駆動回路を用いると、駆動回路ごとに電圧検出抵抗値の偏差が発生し、輝度の調整、色座標の制御及び均一度などに悪影響を及ぼすという問題点を解決しようとする課題とするものです(段落【0012】)。・・・
本願発明1は、電流調節のために各色相別のLED駆動回路に対して可変抵抗を使用せず、1つのマイクロコントローラ220に赤色、青色及び緑色のLED駆動回路を連結して一括的にアナログディミング制御信号を印加するため、赤色、青色及び緑色LED駆動回路に適用される可変抵抗値の差異によって駆動電流の偏差が発生するという問題を解決することができ、回路構成が単純化する効果を得ることができます。
また、本願発明1は、赤色、青色及び緑色LED駆動回路を1つのマイクロコントローラ220で制御することにより、赤色、青色及び緑色LED用ディミングの制御を各色相について整合して行うことができます。例えば、赤色、青色及び緑色LED用ディミングの制御を色座標を保ちつつ輝度を制御することができるなど、赤色、青色及び緑色LED用の均一度を確保しつつ全体の白色光の輝度を制御することができるという有利な効果を奏します。したがって、本願発明1においては、駆動回路ごとの偏差が発生し、輝度の調整、色座標の制御及び均一度などに悪影響を及ぼすという課題は解決されていることは明らかです。・・・
以上のように、本願発明1は、『上記赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路に対し1つのマイクロコントローラが適用される』という構成を有しています。この1つのマイクロコントローラが赤色、青色及び緑色LED用ディミング回路に対して共通に適用されことによって、赤色、青色及び緑色LED駆動回路に適用される可変抵抗値の差異によって駆動電流の偏差が発生するという問題を解決することができ、回路構成が単純化し、さらに、赤色、青色及び緑色LED用ディミングの制御を各色相について整合して行うことができ、例えば、赤色、青色及び緑色LED用ディミングの制御を色座標を保ちつつ輝度を制御することができ、赤色、青色及び緑色LED用の均一度を確保しつつ全体の白色光の輝度を制御することができるという有利な効果を奏します。
また、本願発明1は、『使用者によって上記赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部』を備えることにより、当該制御部によって使用者が赤色、青色及び緑色LEDの輝度を共通して制御することができ、ひいては使用者の負担を軽減することができるという有利な効果を奏します。」と主張する。
しかしながら、「1つのマイクロコントローラ220で制御する」ことに係る効果は、本願明細書には明記されておらず、さらに、「操作部」に関しても、本願明細書には「赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする」旨は明記されておらず、いずれも、本願明細書の記載に基づかない主張である。
また、各色毎にPWM制御するLEDの制御回路に、「LEDの輝度を調整するため」に「使用者によって赤色、青色及び緑色LEDそれぞれの輝度を調整するための操作をする操作部」を設けることは上記(3)アで検討したように、本願の優先日時点で周知のことである事に照らせば、奏される効果において先願発明と各別異なるものとは認められない。

(5)小括
以上の検討によれば、本願発明は、先願発明と実質的に同一の発明というべきである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、先願明細書に記載された発明と実質的に同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願に係る上記発明をした者と同一の者ではなく、また、本願の出願の時にその出願人が先願の出願人と同一の者でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-13 
結審通知日 2012-11-20 
審決日 2012-12-03 
出願番号 特願2006-138579(P2006-138579)
審決分類 P 1 8・ 161- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉野 三寛  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 岡▲崎▼ 輝雄
松川 直樹
発明の名称 ディミング回路を有するLED駆動回路  
代理人 三好 秀和  
代理人 伊藤 正和  
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所  

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