• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41N
管理番号 1273130
審判番号 不服2011-23986  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-07 
確定日 2013-04-17 
事件の表示 特願2002-517303「空気ブリードが改善されたフレキソ印刷エレメント」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 2月14日国際公開、WO02/11985、平成16年 2月26日国内公表、特表2004-505800〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、2001年1月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2000年8月8日、米国)を国際出願日とするものであって、平成15年2月7日付けで国内書面が提出され、平成19年12月20日付け、平成21年1月29日付け及び平成23年3月7日付けで手続補正がなされ、同年6月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月7日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
その後、平成24年4月12日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったが回答書は提出されなかった。

2 平成23年11月7日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成23年11月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項3は、
「第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープであって、前記基板が発泡体層を含み、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が略連続的な架橋した接着剤であり、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が4mm?200mmの深さおよび4mm?200mmの幅を有する永久溝の規則的パターンを含む接着剤テープ。」
から
「第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープであって、前記基板が発泡体層を含み、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が略連続的な架橋した接着剤であり、かつ4μm?200μmの深さおよび4μm?200μmの幅を有する永久溝の規則的パターンを有する接着剤テープ。」
と補正された。(下線は審決で付した。以下、同様。)
上記補正は、実質的に「略連続的な」接着剤層と「永久溝」を有する接着剤層が「第1の接着剤層」と「第2の接着剤層」の内、同一の層であることを限定し、明らかな誤記である「mm」を「μm」に訂正するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮及び同第4項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項3に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用刊行物
(a)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された特開平4-331152号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下の記載が図とともにある。
ア 【請求項1】 支持基材の両面に凹凸構造の粘着層を有する固定シートを介して、印刷版を印刷ドラムに接着することを特徴とする印刷版の固定方法。
【請求項2】 支持基材の両面に凹凸構造の粘着層を有する固定シートを介して、印刷版とキャリアフィルムを接着し、そのキャリアフィルムを印刷ドラムに取り付けることを特徴とする印刷版の固定方法。
【請求項3】 支持基材の両面に凹凸構造の粘着層を有して混入気体の排気路を有することを特徴とする、請求項1又は2の固定方法に用いる固定シート。
イ 【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混入気体が自然に排気されるようにしてなり、フレキソ印刷などに好適な印刷版の固定方法及びその固定シートに関する。
ウ 【0012】本発明の固定方法に用いられる固定シートは、支持基材の両面に凹凸構造の粘着層を有するものである。支持基材には適宜な薄葉体を用いてよい。一般には例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルの如きプラスチックからなるフィルム、織布ないし不織布、発泡シート、金属箔などが用いられる。なおキャリアフィルムとしても、前記に例示のものなどが一般に用いられる。
【0013】支持基材の両面における凹凸構造の粘着層は、混入気体の排気路が形成されるものとされる。その構造は、例えばストライプ構造、点在構造など、任意である。凹凸構造の粘着層の形成は例えば、粘着剤をパターン塗工する方式、凹凸構造に対応する成形型に粘着剤を充填して成形したのち、それを支持基材に移着させる方式などにより行うことができる。
【0014】粘着層の凹凸構造における高低差は適宜に決定してよいが、一般には混入気体の排気性の点より2?500μmとされる。また凹凸構造における混入気体の排気路となる凸部の間隙、すなわち凹部の幅も適宜に決定してよいが、一般には50μm?5mmとされる。
印刷版等との接着面となる凸部の大きさは、幅ないし直径に基づき1?100mmが一般的であるが、これに限定するものではない。
【0015】粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤、あるいは接着力喪失型粘着剤など、適宜なものを用いてよい。凹凸構造によるクッション性を強化する点よりは、ゴム弾性に優れるものが好ましく用いられる。
エ 【図4】から、凹凸構造の粘着層23、23は支持基材22に連続的に形成されていること、凹凸構造は、規則的であることが看取できる。

上記記載及び図面を含む刊行物1全体の記載から、刊行物1には、以下の発明が開示されていると認められる。
「支持基材の両面に規則的な凹凸構造の粘着層を連続的に形成し、混入気体の排気路を有する、フレキソ印刷版を印刷ドラムに接着する固定方法に用いる固定シートであって、
前記支持基材には、発泡シートが用いられ、
前記凹凸構造は、ストライプ構造、点在構造など、任意であり、
前記粘着層の凹凸構造における高低差は適宜に決定してよいが、2?500μmとされ、凹部の幅も適宜に決定してよいが、50μm?5mmとされ、
粘着剤としては、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤など、適宜なものを用いてよい
固定シート。」(以下「引用発明1」という。)

(b)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された特開平7-9669号公報(以下「刊行物2」という。)には、以下の記載が図とともにある。
ア 【請求項3】 基材の片面にフレキソ版を貼着する第1の粘着剤層が形成され、他面にキャリアシートを貼着する第2の粘着剤層が形成されてなる両面粘着テープにおいて、少なくとも一方の粘着剤層面は凹凸面となされて凹部は連続され、且つ、第1の粘着剤層の粘着力が第2の粘着剤層の粘着力よりも大となされてなることを特徴とするフレキソ版固定用両面粘着テープ。
イ 【0006】本発明は上記従来の問題点を解消し、製造が容易であり、フレキソ版及びキャリアシートとの貼り合わせ面に気泡が残らず、且つ剥離し易いフレキソ版固定用両面粘着テープ及びそれを用いたフレキソ版固定構造を提供することを目的とする。
ウ 【0035】(実施例2)図2は請求項4記載のフレキソ版固定構造の実施例を示す断面図である。請求項3記載のフレキソ版固定用両面粘着テープ5は、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートシート51の両面にアクリル樹脂系粘着剤層52、53(いずれも積水化学工業社製 商品名:WHD)が厚み50μm、及び20μmで積層され、第1の粘着剤層52の表面には、深さ3μmで互いに連続する凹部52aからなる凹凸が形成され、凸部52bの頂部の直径は約10μmである。該凸部52bは700個/cm^(2 )の密度で形成されてなる。
エ 【0038】このようにしてなるフレキソ版固定用両面粘着テープ5の粘着剤層52面にフレキソ版6の裏面を重ね、粘着剤層53面側の離型紙(図示略)の上から軽く拭くようにして押し付けると貼着面に気泡を残すことなく、容易に貼り合わせることができた。次に、このフレキソ版6を貼り合わせた両面粘着テープ5の他面側の粘着剤層53面の離型紙を取り除き、該粘着剤層52面をキャリアシート7に貼り付けた。その際、フレキソ版6の位置合わせのためフレキソ版6を2?3回剥がして貼り直したが、両面粘着テープ5はフレキソ版6に接着されたままキャリアシート7から剥離でき、位置合わせの作業を容易に行うことができた。その上、粘着剤層53とキャリアシート7との貼着面にも気泡を残すことなく貼り付けることができた。請求項4記載の本発明フレキソ版固定構造は、上記フレキソ版固定用両面粘着テープ5によりフレキソ版6が貼着されたキャリアシート7はクランプ(図示略)により版胴8に固着されたものである。

上記記載及び図面を含む刊行物2全体の記載から、刊行物2には、以下の発明が開示されていると認められる。
「基材の片面にフレキソ版を貼着する第1の粘着剤層が形成され、他面にキャリアシートを貼着する第2の粘着剤層が形成されてなる両面粘着テープにおいて、少なくとも一方の粘着剤層面は凹凸面となされて凹部は連続されたフレキソ版固定用両面粘着テープであって、
前記第1及び第2粘着剤層は、アクリル樹脂系粘着剤層(積水化学工業社製 商品名:WHD)であり、
フレキソ版の位置合わせのためフレキソ版を2?3回剥がして貼り直したが、両面粘着テープはフレキソ版に接着されたままキャリアシートから剥離でき、第2の粘着剤層とキャリアシートとの貼着面にも気泡を残すことなく貼り付けることができるフレキソ版固定用両面粘着テープ。」(以下「引用発明2」)

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明1とを比較すると、引用発明1の「『支持基材』下面に形成された『凹凸構造の粘着層』」、「支持基材」、「『支持基材』上面に形成された『凹凸構造の粘着層』」、「フレキソ印刷版」、「固定シート」、「発泡シート」及び「連続的に」は、それぞれ本願補正発明の「第1の接着剤層」、「基板」、「第2の接着剤層」、「フレキソ印刷版」、「接着剤テープ」、「発泡体層」及び「略連続的な」に相当する。
イ 引用発明1は「支持基材の両面に規則的な凹凸構造の粘着層を連続的に形成し、混入気体の排気路を有する、フレキソ印刷版を印刷ドラムに接着する固定方法に用いる固定シート」であるから、第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープということができる。
ウ 引用発明1は「支持基材には、発泡シートが用いられ」ているものであるから、基板が発泡体層を含むものといえる。
エ 引用発明1は「支持基材の両面に規則的な凹凸構造の粘着層を連続的に形成し」たものであるから、引用発明1の「『支持基材』下面に形成された『凹凸構造の粘着層』」(第1の接着剤層)及び「『支持基材』上面に形成された『凹凸構造の粘着層』」(第2の接着剤層)と本願補正発明の「第1の接着剤層」及び「第2の接着剤層」とは、「少なくとも一方が略連続的な接着剤」である点で共通する。
オ 引用発明1の「凹凸構造」は「規則的な」ものであり、「ストライプ構造、点在構造など、任意であり」、「粘着層の凹凸構造における高低差は適宜に決定してよいが、2?500μmとされ、凹部の幅も適宜に決定してよいが、50μm?5mmとされ」るものであり、凹凸構造としてストライプ構造を採用すると、溝の深さが2?500μmとされ、溝の幅が50μm?5mmとなるものであるから、本願補正発明の「4μm?200μmの深さおよび4μm?200μmの幅を有する永久溝の規則的パターン」とは、特定の深さおよび特定の幅を有する溝の規則的パターンの点で共通する。
カ 上記アないしエから、本願補正発明と引用発明1は、
「第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープであって、前記基板が発泡体層を含み、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が略連続的な接着剤であり、特定の深さおよび特定の幅を有する溝の規則的パターンを有する接着剤テープ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]接着剤層の接着剤に関し、本願補正発明は「架橋した」と特定されているのに対し、引用発明1は架橋したものであるか否か明らかでない点。
[相違点2]パターンに関し、本願補正発明は「4μm?200μmの深さおよび4μm?200μmの幅を有する永久溝の規則的パターン」と特定されているのに対し、引用発明1は、深さ2?500μm、幅50μm?5mmの溝の規則的パターンとはいえるものの、本願補正発明のような数値の永久溝のパターンであるとはいえない点。

(4)判断
ア 上記相違点1について検討する。
(ア)本願明細書の段落【0033】?【0064】に多数の文献が例示されているように、架橋した接着剤は、本願の優先権主張日前に周知の技術である。
(イ)引用発明2で用いられている「アクリル樹脂系粘着剤層(積水化学工業社製 商品名:WHD)」は、架橋性アクリル系粘着化合物といえ(特開平6-25734号公報段落【0028】参照。)、引用発明1と引用発明2は、いずれもフレキソ印刷版を固定するための排気溝を有する両面粘着テープで共通するものである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用発明の「凹凸構造の粘着層」の接着剤として、架橋した接着剤を採用し、本願補正発明の上記相違点1に係る構成となすことは、当業者が容易になし得る程度のことである。

イ 上記相違点2について検討する。
(ア)本願明細書段落【0072】に「溝34の深さは好ましくは、約4μm?約200μm、より好ましくは約8μm?約100μm、最も好ましくは約10μm?約30μmの範囲である。溝34の最大幅は好ましくは、約4μm?約200μmであり、より好ましくは約50μm?約120μmである。溝34の、中心から中心までの間隔は好ましくは、約2ミル(1インチ当たり500ライン)?約500ミル(1インチ当たり2ライン)、好ましくは約5ミル(1インチ当たり200ライン)?約250ミル(1インチ当たり4ライン)、最も好ましくは約10ミル(1インチ当たり100ライン)?約125ミル(1インチ当たり8ライン)の範囲である。溝34の幅、深さおよび間隔は、全表面30にわたって均一である必要はなく、接着剤層に量の空気を提供するために必要な出現と表面接触を変化してもよい。」と記載されているように、本願補正発明の数値限定に臨界的意義があるものとはいえない。
(イ)本願補正発明の「4μm?200μm」の深さは、引用発明1の「2?500μm」の範囲内であり、本願補正発明の「4μm?200μm」の幅は、引用発明1の「50μm?5mm(5000μm)」と「50μm?200μm」の範囲で重複するものである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)から、好適な範囲を実験等により決定し、本願補正発明のような数値範囲とすることは、設計事項に過ぎない。
(エ)引用発明2は「フレキソ版の位置合わせのためフレキソ版を2?3回剥がして貼り直」すものであり、引用発明1と引用発明2は、いずれもフレキソ印刷版を固定するための排気溝を有する両面粘着テープで共通するものであり、引用発明1も引用発明2と同様にフレキソ版の位置合わせのため2?3回剥がして貼り直すことが要求されることは明らかである。引用発明2は、貼り直しの際にも「気泡を残すことなく貼り付けることができる」ものであるから、引用発明1においても、引用発明2のように貼り直しの際にも溝がつぶれず気泡を残すことなく貼り付けることができるように、即ち、溝を永久溝とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。
(オ)よって、本願補正発明の上記相違点2に係る構成となすことは、当業者が容易になし得る程度のことである。

ウ 以上のとおりであるから、本願補正発明の相違点1及び2に係る構成は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものであり、それにより得られる効果も当業者が予測できる範囲のものである。

エ したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 本願発明について
平成23年11月7日付けの手続補正は上記のとおり却下された。
平成23年3月7日付け手続補正後の特許請求の範囲の請求項3の記載は、以下のとおりである。
「第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープであって、前記基板が発泡体層を含み、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が略連続的な架橋した接着剤であり、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が4mm?200mmの深さおよび4mm?200mmの幅を有する永久溝の規則的パターンを含む接着剤テープ。」
しかしながら、「mm」は「μm」の明らかな誤記であるから、本願請求項3に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認められる。
「第1の接着剤層と前記第1の接着剤層上の基板と前記基板の反対側の第2の接着剤層とを含むフレキソ印刷版のための接着剤テープであって、前記基板が発泡体層を含み、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が略連続的な架橋した接着剤であり、前記第1の接着剤層と前記第2の接着剤層の少なくとも一方が4μm?200μmの深さおよび4μm?200μmの幅を有する永久溝の規則的パターンを含む接着剤テープ。」

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物及びその記載事項は、前記「2(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、実質的に前記2で検討した本願補正発明から「略連続的な」接着剤層と「永久溝」を有する接着剤層が「第1の接着剤層」と「第2の接着剤層」の内、同一の層である点を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明を特定する事項を全て含み、さらなる限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2(4)」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-14 
結審通知日 2012-11-20 
審決日 2012-12-03 
出願番号 特願2002-517303(P2002-517303)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B41N)
P 1 8・ 121- Z (B41N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 裕美子  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 黒瀬 雅一
菅野 芳男
発明の名称 空気ブリードが改善されたフレキソ印刷エレメント  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 出野 知  
代理人 青木 篤  
代理人 永坂 友康  
代理人 蛯谷 厚志  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ