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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G08C
管理番号 1273537
審判番号 不服2011-25131  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-22 
確定日 2013-05-01 
事件の表示 平成11年特許願第266841号「無線検針システム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 4月 6日出願公開、特開2001- 93071〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年9月21日の出願であって、明細書について、平成21年7月7日付けで補正がなされ(以下、「補正1」という。)、平成23年9月5日付け(送達:同年同月8日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月22日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明は、補正1によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明は、次のとおりである。

【請求項1】
「親機と子機と該子機に接続される計量器とから構成され、親機と子機との間で無線通信を行い、計量器の計量値等を収集する無線検針システムにおいて、
前記親機と子機の少なくとも一方の無線通信手段を、複数の送受信周波数により通信可能とし、
自機の制御手段により任意の一つの送受信周波数を切り換え選択できるようにし、
前記制御手段で、外部入力手段からの信号により送受信周波数を切り換えるとともに、その送受信周波数を切り換えると、その変更の旨を無線通信手段による無線送信にて通信相手先の親機または子機へ報知することを特徴とする、無線検針システム。」(以下、「本願発明」という。)

3.引用例記載の事項・引用発明

(1)記載事項
これに対して、原審で主たる引用例として引用した特開平9-23280号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。

(1-1)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス、水道、電気等の自動検針等に用いられる無線通信システムに関するものである。」

(1-2)
「【0016】親機11aは1階および2階の子機13と制御チャネルf1を使用して無線通信を行い、親機11bは3階および4階の子機13と制御チャネルf2を使用して無線通信を行い、親機11cは5階および6階の子機13と制御チャネルf3を使用して無線通信を行う。つまり、各親機と担当する複数の子機との間で専用の制御チャネルを所有しており、各親機から送出される無線電波はその周波数が夫々異なるため、ある親機から送出される無線電波によってこの親機の担当の複数の子機以外の子機が起動することはない。
【0017】メータ15は、ガスのメータであり、センタ1から例えば自動検針を行うための電文を受け取ると、ガスの検針値をセンタ1に送る。尚、メータとしては電気メータ、水道メータを対象にしてもよい。」

(1-3)
「【0020】図3は、親機11の構成を示すブロック図である。親機11は、回線接続部31、回線切替部33、電波送受信部35、制御部37、記憶部38、電源部39を有する。回線接続部31は、コントローラ7との間のインターフェースを司る。回線切替部33は、コントローラ7と接続するために回線制御部31と接続するか、または担当する子機13と通信するために電波送受信部35と接続するかを切り替える。電波送受信部35は、担当する子機13との間の通信電波を送受信する。制御部37は、テーブル管理、電文判別、電文作成、回線制御等の処理を行う。記憶部38は各種情報を記憶する。電源部39は、各部に電力を供給する。
【0021】図4は、子機13の構成を示すブロック図である。子機13は、回線接続部41、回線切替部43、電波送受信部45、制御部47、記憶部48、電源部49を有する。回線接続部41は、設定器(図示せず)またはメータ15との間のインターフェースを司る。回線切替部43は、メータ15と接続するために回線制御部41と接続するか、または親機11と通信するために電波送受信部45と接続するかを切り替える。電波送受信部45は、親機11との間の通信電波を送受信する。制御部47は、テーブル管理、電文判別、電文作成、回線制御等の処理を行う。記憶部48は各種情報を記憶する。電源部49は、各部に電力を供給する。
【0022】次に図5に基づいて、親機、子機の初期設定の手順を説明する。図5は親機、子機の初期設定の手順を示すフローチャートであり、まず、親機、子機等の機器を設置する(ステップ501)。即ち、設置者は集合住宅9の各需要家のメータ15に子機13を設置するとともに、1階、3階、5階に親機11a、11b、11cを設置する。
【0023】また設置者はTーNCU5、コントローラ7を設置し、コントローラ7と親機11a、11b、11cとを有線で接続する。次に各親機11a、…と担当する子機との間の無線通信の制御チャネルを各々割り当てるため、親機11a、…に対してアドレスの設定を行う(ステップ502)。親機11a、…のロータリースイッチ(図示せず)等でアドレスを重複しないように設定する。あるいは親機11a、…に設定器(携帯型コンピュータ)を接続させ、設定器を通して親機11a、…にアドレスを設定する。このアドレスは記憶部38に記憶される。
【0024】その後、設置者は例えば子機13aー1に対して初期無線制御チャネル設定通信の命令をする(ステップ503)。この命令を受けた子機13aー1は、初期設定用チャネル(f0)を使用して親機11aに初期設定電波を送る(ステップ504)。子機13aー1から初期設定電波を送られた親機11aは、ステップ502で設定されたアドレスに応じた制御チャネル(f1)を指定する電波を子機13aー1に送る(ステップ505)。子機13aー1は、周波数がf1である制御チャネルを記憶部48に記憶する。
【0025】このようにして、親機11aと子機13aー1は専用の制御チャネルを取得する(ステップ506)。設置者は1階及び2階の子機13aー2、13aー3、…に対して同様の処理を行い、子機13aー1、13aー2、…と親機11aの間は周波数f1で通信が行われる。
【0026】設置者は同様にして3階、4階の子機13bー1、13bー2、…、13bー8と親機11bとの間に周波数f2の制御チャネルを設定し、5階、6階の子機13cー1、13cー2、…、13cー8と親機11cとの間に周波数f3の制御チャネルを設定する。
【0027】このように本実施例では、1階、2階の子機13aー1、…、13aー8と親機11aとは周波数f1で、3階、4階の子機13bー1、…、13bー8と親機11bとは周波数f2で、5階、6階の子機13cー1、…、13cー8と親機11bとは周波数f3で通信を行う。
【0028】従って、1台の子機についてみれば、担当する親機からの電波のみしか受信しないため、子機の待ち受け総時間が長くなる。又各親機11a、…と担当子機13aー1、…間の無線制御チャネル周波数が異なるため、各親機11a、…とメータ15aー1、…間の処理が独自にでき、効率よい無線通信を実現できる。尚、前述した実施例では、親機11aには周波数f1、親機11bには周波数f2、親機11cには周波数f3を割り当てるが、周波数グループを割り当てるようにしてもよい。
【0029】例えば親機11aには周波数f1、f2を、親機11bには周波数f3、f4を、親機11cには周波数f5、f6を割り当てる。この場合、例えば親機11aと子機13aー1、…との間は周波数f1又は周波数f2で通信を行う。
【0030】また、前述した実施例では、親機11a、11b、11cに異なる周波数を割り当てるようにしたが、親機11a、11b、11cに異なるタイムスロットを割り当て、担当する子機13aー1、…との間で通信を行うようにしてもよい。更に、異なるタイムスロット群を親機11a、11b、11cに割り当てるようにしてもよい。」

(2)引用発明
上記記載及び第3図?第6図の記載を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されているものと認める。

【引用発明】
「親機11a(親機に相当。)と子機13a-1?13a-8(子機に相当。)と該子機13a-1?13a-8(該子機に相当。)に接続されるメータ15a-1?15a-8(計量器に相当。)とから構成され、親機11a(親機に相当。)と子機13a-1?13a-8(子機に相当。)との間で無線通信を行い、メータ15a-1?15a-8(計量器に相当。)の検針値(計量値等に相当。)を収集する無線通信システム(無線検針システムに相当。)において、
前記親機11a(親機に相当。)と子機13a-1?13a-8(子機に相当。)の、電波送受信部35又は電波送受信部45(少なくとも一方の無線通信手段に相当。)を、制御チャネル周波数f1,f2,f3(複数の送受信周波数に相当。)により通信可能とし、
親機11a(自機に相当。)の制御部37(制御手段に相当。)により制御チャネル周波数f1又はf2又はf3(任意の一つの送受信周波数に相当。)を設定(切り換え選択に相当。)できるようにし、
前記制御部37(制御手段に相当。)で、ロータリスイッチあるいは設定器(外部入力手段に相当。)からの信号により制御チャネル周波数f1(送受信周波数に相当。)を設定する(切り換えるとに相当。)ともに、その制御チャネル周波数f1(送受信周波数に相当。)を設定する(切り換えるに相当。)と、
子機13a-1?13a-8から初期設定電波(f0)が送られたことに反応して、
その設定(変更に相当。)の旨を電波送受信部35(無線通信手段に相当。)による無線送信にて通信相手先の子機13a-1?13a-8(親機または子機に相当。)へ送る(報知するに相当。)ことを特徴とする、無線通信システム(無線検針システムに相当。)。」(以下、「引用発明」という。)

4.対比・判断

(1)対比
本願発明と引用発明とを、主たる構成要素毎に対比する。

引用発明における、「親機11a」、「子機13a-1?13a-8」、「メータ15a-1?15a-8」、「検針値」、「無線通信システム」は、それぞれ、
本願発明における、「親機」、「子機」、「計量器」、「計量値」、「無線検針システム」に相当する。

さらに、引用発明における、「電波送受信部35又は電波送受信部45」、「制御チャネル周波数f1,f2,f3」、「親機11a」、「制御部37」、「制御チャネル周波数f1又はf2又はf3」、「設定」、「ロータリスイッチあるいは設定器」、「制御チャネル周波数f1」、「設定する」、「設定」、「電波送受信部35」、「子機13a-1?13a-8」、「送る」は、
本願発明における、「少なくとも一方の無線通信手段」、「複数の送受信周波数」、「自機」、「制御手段」、「任意の一つの送受信周波数」、「切り換え選択」、「外部入力手段」、「送受信周波数」、「切り換える」、「変更」、「無線通信手段」、「親機または子機」、「報知する」に相当する。

してみると、両者の一致点、相違点は、以下のとおりである。

【一致点】)
「親機と子機と該子機に接続される計量器とから構成され、親機と子機との間で無線通信を行い、計量器の計量値等を収集する無線検針システムにおいて、
前記親機と子機の少なくとも一方の無線通信手段を、複数の送受信周波数により通信可能とし、
自機の制御手段により任意の一つの送受信周波数を切り換え選択できるようにし、
前記制御手段で、外部入力手段からの信号により送受信周波数を切り換えるとともに、その送受信周波数を切り換えると、
その変更の旨を無線通信手段による無線送信にて通信相手先の親機または子機へ報知することを特徴とする、無線検針システム。」

【相違点】
本願発明では、送受信周波数を切り換えると、
(自発的に、)
その変更の旨を無線通信手段による無線送信にて通信相手先の親機または子機へ報知するのに対し、
引用発明では、制御チャネル周波数f1(送受信周波数に相当。)を設定する(切り換えるに相当。)と、
子機13a-1?13a-8から初期設定電波(f0)が送られたことに反応して、
その設定(変更に相当。)の旨を電波送受信部35(無線通信手段に相当。)による無線送信にて通信相手先の子機13a-1?13a-8(親機または子機に相当。)へ送る(報知するに相当。)点。

(2)判断
上記相違点について検討する。

一般に、この種の無線通信装置において、

【周知の技術的事項】
「通信周波数を切り換えると、
自発的に、
その切り換えた旨を無線通信手段による無線送信にて通信相手先の子機へ報知する。」(以下、「周知の技術的事項」という。)
ことは、周知である。

この点については、例えば、原審で引用された特開平7-129881号公報の記載、

「【0024】・・・
・・・そして、運転者が切換スイッチ6dを操作すると、切換回路3cが計測送信部2からの信号を受信する受信部を4KHz受信部3aと6KHz受信部3bとの間で切り換えるとともに、切換送信部3jが切換信号を計測送信部2の切換受信部2fに送信し、計測送信部2の切換回路2eにおいて4KHzs送信部2cと6KHz送信部2dとを切り換え、送受信の周波数を切り換える(ステップS7)。」

を参照されたい。

よって、引用発明に、上記周知の技術的事項を適用して、

本願発明の如く、
「制御チャネル周波数f1(送受信周波数に相当。)を設定する(切り換えるに相当。)と、
(自発的に、)
その設定(変更に相当。)の旨を電波送受信部35(無線通信手段に相当。)による無線送信にて通信相手先の子機13a-1?13a-8(親機または子機に相当。)へ送る(報知するに相当。)」

ように構成することは、当業者ならば容易に想到し得たことである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知の技術的事項から当業者が予測可能なものであって格別のものではない。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-02-18 
結審通知日 2013-03-04 
審決日 2013-03-15 
出願番号 特願平11-266841
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G08C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 哲  
特許庁審判長 飯野 茂
特許庁審判官 山川 雅也
森 雅之
発明の名称 無線検針システム  
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